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あれ?ここにも居たの?

おおう、なんてこったい!

テイルスミ《ヤ》の誤字報告が怒涛の勢いで!

もう《ア》で良いんじゃないか?と投げやりな気分に。

いやいやすみません!ありがとうございます!

 シュコーシュコーと背負うタイプの霧吹きから、天井付近の壁に消臭液を散布すると、赤黒い壁から溶けるように汚れが落ちて、元の壁となんか怪しげな模様と細い触手が見えるようになる。

 もう空間の半分くらいは消臭と言う名の浄化も済んだんだけど、老人に近付く程に模様が複雑になって、模様の一部になってる触手も太くなっていく。

 そして、


「にゃんで~ここにいんの?」


 触手に拘束された状態で模様の一部と化しているのは、以前ダンジョンの水溜まりの中に閉じ込められてた精霊。


『すまん、助けてくれ。またも捕まってしまった』


 アホなんですかね?

 触手を剥がし、さらに消臭液をかけてやると、ホォと息を吐く精霊。


『すまん。他にも捕まっている精霊がいる。助けてもらえないだろうか?』


「いいけど~、にゃんでまたちゅかまったの?」


『こちらも用心はしていたんだが、良くない魔力溜まりを見付けて、浄化した直後を狙われたようで、あれも罠だったのかもしれない』


 一仕事終えてほっとしたところを捕まえられたそうです。

 以前のダンジョンの水溜まりも、同じ犯人だったそうなんだけど、あの時犯人はリッチって言ってたよね?

 聞いてみたら、骸骨と老人を見間違えたらしいよ?あまりに禍々しい魔力が人間のものとは思えなくて、触手も操ってたので、魔物だと勘違いしたそうな。


 俺に張り付きながら事情を話す精霊。

 確かに消臭を続けていると、他にも何名かの精霊を発見。

 それを解放していくと、皆して俺にピタッと張り付く。

 聖魔力は漏れてませんよ?

 自ら消臭液を浴びにくる精霊もいるし。ルクスに抱きつこうとしてつつかれてるし。


 要所要所に配置されてた精霊を助け出したら、模様が吸い込める魔力がグンと減った模様。

 老人の体が二回り縮んだ。

 今は将軍くらいあったのが、助くらいになってる。

 そして攻撃も普通に通るようになった。

 怪我した部分は黒い靄が覆い、直ぐに治るんだけど、治りが遅くなったし、治ったあとは肌が黒く変色してる。

 ほぼ全裸で腰布くらいの老人は、もう体の七割が黒く変色してて、ますます人間から遠ざかってる。

 腹から生えてるウトマリも痛みは共有してるのか、攻撃される度に叫んだり怒鳴ったりしてるし。


 俺は精霊に集られながら消臭を続けて、八割程の範囲を消臭し終えた。

 精霊を引っこ抜いた模様からは、明らかに魔力の吸い込みが減ったようで、老人が必死になって精霊を取り返そうと触手を伸ばしてくるけど、俺のバリアを破れる程の威力はない。

 その事に安心したのか、精霊の引っ付きが少しだけ緩まった。

 テイルスミヤ長官は、模様の解析をしているようで、壁に向かってブツブツしてる。

 なので老人への攻撃は物理攻撃ばかり。

 たまにユーグラムも魔法で攻撃してるけど、魔法耐性はかなり強力なのか、あまりダメージは与えられてない。

 さて、あの老人の後ろにある小部屋も消臭したいのだが、すんなり通してもらえるかな?

 認識阻害と透明化、気配希釈と防音をバリアにかけて、タイミングを見計らう。

 アールスハインと助が俺のやろうとしてることに気付いて、二人同時に攻撃を仕掛ける。その隙にこそっと触手の間を通り抜けられた。


 黒々とした壁と天井と鉄格子、干からびて何だったのかわからない死体、バリア越しでも噎せ返るような悪臭。

 鉄格子の端っこをカッター型剣でサクッと切って中に入る。

 魔法で死体を部屋の端に寄せ、壁と天井の消臭を先に行う。

 小部屋とは言ったが、十畳くらいの広さの牢屋は、先程まで居た空間よりも黒さが増している。

 何度も消臭液をかけないと落ちない汚れにうんざりする。

 そして溶け落ちた汚れの下には、幾つもの魔石と小さな精霊が、今までの比ではないくらい沢山配置されてる。

 魔力を吸い取られたのか、今現在俺に張り付いてる精霊よりもだいぶ小さくてぐったりしてる精霊。

 急いで剥がそうとしたが、触る度にビリッと静電気が走る。

 仕方ないので精霊を小さなバリアで覆ってから触手を剥がす。

 バチバチッと触れる度に音がするけど、バリアで守られた精霊には被害はなさそう。

 ただいちいち時間がかかる。

 これは一気に聖魔法で浄化した方が早いかな?でもこの魔石は魔物の魔力を纏ってるから、逆に暴発するかな?と思案しながらも作業を続ける。

 続ける事二時間弱。

 部屋の消臭を終え、精霊を全て剥がし終えたところで、どちらも決定打に欠けていた戦闘が動いた。

 明らかに力の弱まった老人の腹に、助の剣が貫通して、それを助けるようにアールスハインの剣も逆側から貫通して、老人の体はほぼ二分された。

 それでも生きてる老人。

 切られた腹からは触手が生え、今までよりも動きが良くなっている。

 もはや人間とは全く別物の魔物でしかない。

 そして切り離された下半身の支配を手に入れたウトマリは、一目散に逃げ出した。

 すかさずユーグラムのバリアで捕らえられてたけど。

 動きは良くなっても魔力の供給が途切れたので、力を使う度に体が萎れていく老人。

 触手を維持するだけで魔力を使うのか、みるみる痩せ衰えていく。

 攻撃を受ける度に何事かを叫んでるけど、人間の言葉には聞こえない。


 そんな中、俺は地道に魔石を剥がしてる。

 壁に張り付いた触手を動かす魔力はもう残ってないのか、触ってもバチバチしなくなったので、だいぶ簡単に取れるようになった。

 一応バリアで包んでマジックバッグに保管しておく。

 数十個の大小様々な魔石を剥がし、模様をよく眺めてみる。

 その形が、何となく見覚えがある気がして記憶を探る。

 う~~ん?思い出しそうで思い出せないもどかしい感じ。何だったっけ~?

 俺がうんうん考えてたら、張り付いてる精霊にツンツンされた。

 今はだいぶ縮んでしまったが、元風の大精霊が、


『頼む!ウトマリの始末は我々に任せてくれ!私欲の為に同胞を犠牲にした奴に報復をさせてくれ!』


 既に消えて亡くなってしまった精霊もいたようで、他の精霊達もうんうん頷きながら懇願されてしまったので、ユーグラムの捕らえているウトマリの所ヘ戻った。

 一応ユーグラムとウトマリも含めてバリアを広げたら、それだけでウトマリがもがき苦しみ出した。

 それを俺から離れた精霊達が囲む。

 ちっさな精霊達が一斉にウトマリに向けて、浄化の聖魔法を放つと、最初は何とか魔力を吸い込もうとしていたウトマリだが、体は既に魔物と変わらなかったのか、火傷したように体中が焼け爛れ、黒かった肌の色が灰のように白くなっていく。

 聞くに堪えない絶叫を上げてのたうち回るウトマリ。

 それでも手を緩めない精霊達。


「どうして!どうして!どうしてあたしばかりこんな目に遇うの!許さないから!全員許さないから!」


『力を闇雲に求めるばかりで、正しい使い方を忘れたお前の自業自得だ。お前は既に精霊の端くれですらない。滅びよ!』


「許さない!許さない!許さない!絶対に許さないから!……………………」


 精霊の言葉は魔物と化したウトマリには通じなかったようで、許さない!と繰り返すばかりのウトマリ。

 精霊達はさらに魔力を高めて浄化の聖魔法を撃ち込む。

 老人から奪った下半身の足先から、サラサラと灰になって崩れていく体。

 サラサラサラサラと崩れていく範囲は広がって、何とか逃げようともがくウトマリは、最後は呻き声と怨嗟の声だけ残して、崩れ去った。

 積もった灰も、浄化の聖魔法によって跡形もなく消えていく。

 中々にしぶとかったウトマリも、これで本当に終わり。

 力尽きたのか精霊達がボタボタと落ちてくる。

 力が弱っていたのに使いすぎたようだ。

 聖魔法の水を満たした水瓶を出してやったら、力なく沈んでいった。

 聖獣である俺の聖魔法が溶けた水なので、直ぐに復活してキャッキャしだしたけど。

 復活早いね?メンタル強すぎない?


本当にごめんなさい。

誤字報告ありがとうございます!

自分で名付けといて、何故こうもミスが多いのか。

そんなに出番の多くもないキャラなのに!

すみません、反省してます。

でもまたミスを見つけたらお願いします。

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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
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もう解決しているかもしれませんが、編集画面に文字列の一括置換がありますよ。 本文内の置換したい文字と置換後の入れ替え文字を打ち込めば、いちいち個々に修正しなくとも置き換えされます。 固有名詞を変えたい…
[一言] 修正お疲れ様です。 戦闘の方ももう、何時間も戦ってて大変そうですね… 執筆されてるのがスマホかPCなら単語の辞書登録されると良いのでは?
[一言] 気にしなくても大丈夫です!
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