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ドワーフの街 2

誤字報告、感想をありがとうございます!


 おはようございます。

 天気は地下なので知りません。

 昨日飲みすぎた皆は二日酔いで呻いております。

 ドワーフなマージュナルは二日酔いはしない体質らしく、着替えだけしてくると言って帰っていった。

 朝御飯にお粥を出してあげたら、頭をおさえながらもずぞぞーっと完食してました。

 案内係のマージュナルが居ないので、どうする?と相談して途中まで迎えに行こうと言う話になり、階段を下りていると人だかりが。


 マージュナルが有名人になってた!

 多くの人に囲まれて質問責めに遭っていて、近寄って話を聞いてみると、ツルツルサラサラの髪と髭はドワーフに取っては前代未聞らしく、どうやった?何を使った?との質問責めでした。

 でもね、風呂上がりに散々飲んで一晩寝た後なので、風呂上がり直後よりもだいぶ縮れてきてるよ?

 風呂上がり直後はもっとツルツルサラサラのだったのにね~?

 俺達に気付いたマージュナルが、こそっと温泉の話をしても良いかの確認を取ってきた。


「い~よ~」


 と軽く許可をしたら凄く驚かれた。

 え?なぜ驚く必要が?


「ただし!体と髪とひげを、よ~~~くありゃってから入ること!」


 一応注意事項も言っとく。

 昨日のマージュナルくらい汚れてる人が大勢入ったら温泉が汚れるからね!

 マージュナルも納得したのか、集まった人達に説明してる。


 街の観光に戻る前に、昨日大量に飲んだエールの補充。

 エール屋さんは髭も髪も真っ白のお爺ちゃんだったけど、全然衰えた感じはしなくて、エールの樽を両脇に一樽ずつ持ってもヨロリともしないお爺ちゃんだった。

 格好いいね!

 また大量にエールを買っていく俺達に、エールが相当好きな人間族と思われて、ちょっとお値段の高いワンランク上のエールも出してくれた。

 うん、当然買うよね!ランクが上のエールは、黒ビールみたいな濃い味とコクがあって旨いです!

 アルコール度数も半端ないので、やっぱり濾したり薄めたり炭酸増したりしないと飲めないけどね!

 聖獣だからか、前世の体質なのか、俺はあまり酔わない質なんだけど、強すぎるアルコールは次の日喉がイガイガするからね。

 酔わない質なので、酩酊感とか知らないので、好んで飲んではいなかったけど、つまみや雰囲気によって飲むこともある。

 酔っぱらいを介抱するのは面倒なので、前世の飲み会では程々のところで解散するのが常で、二軒目三軒目は滅多に行かなかった思い出。


 大体街も見終わったので、やることがなくなった。

 やることが無くなると、皆は鍛練を始めたりする。

 俺は折角貰ったドラゴンの魔石で馬車を魔改造します!

 こう、魔石の魔力を使った自動車を作りたい!いちいち動物を借りてその動物に合わせた速度で進むのが面倒臭い!軽いから引っ張れば空も飛ばせるんだけど、俺が牽引しなきゃいけないのが面倒臭い!自力で空を飛べたら楽じゃない!あまりスピードが出すぎると、見た目は幌馬車なので外側が吹っ飛んでしまいそうなので、バリアも張りたい。

 色々とやりたいことをメモしてたら大変な事に!そして俺のメモを見てマージュナルが参加してきた!

 流石物作りの得意なドワーフ、次々に素材の名前と仕込む際の構造を考え出す!

 なので取り敢えず幌馬車を出してみる。

 中も案内する。

 マージュナルが腰を抜かす。

 暫く待つと俄然張りきり出した!

 虫のように幌馬車に張り付いて、構造を確かめ強度を確かめ、必要な素材をメモしてブツブツ言ってる。

 魔道具は俺の担当なので、どんな事が出来るのかを相談されたり、こっちの希望を言ったり。

 夢中で話してたら、昼ご飯を皆で作ってくれてました。

 食べながら皆に計画を話すと、苦笑されたり爆笑されたり、頭を撫でられたり。


 まず幌馬車は既に魔改造で軽く浮く設定にしているので、空だって飛べるはず!後は強度。

 どれくらいの速度を出すかで必要な強度は変わってくるので、別にドラゴン程速く飛べなくてもいいけど、前世の自動車くらいのスピードは欲しいもの。

 その説明をするのがとても面倒だった!時速の計算とかドワーフに通じない!

 それでも物作りのプロとしての経験からなのか、様々な素材を選び様々な構造を考えだし、より良い物を作ろうと試行錯誤する姿はとても格好いい。


 マージュナルとの話に夢中になってる間に、皆は訓練を終わらせ夕飯を作ってくれていた。

 温泉はドワーフ達が多すぎて入れなかったそうな。

 マージュナルも一緒にごはん食べて、素材の在庫確認に行ってくる!と部屋を出ていった。

 俺はお眠です。

 ペット達にご飯だけあげたらバタンキューしました。



 おはようございます。

 朝起きてご飯作って食べて、迎えに来たマージュナルと一緒に部屋を出ると、すれ違うドワーフ達が皆さんツルツルサラサラでした!

 えええ?!あの温泉にトリートメント効果でもあるの?!そして全員入ったの?と突っ込みたいけど、髭や髪を撫でてご満悦なドワーフ達を見てると、なにも言えなくなった。

 まあ良かったね!ってことで。


 訓練場所にしてる広場に着くと、温泉が豪華に広くなってた!

 そして朝からワイワイと温泉に入ってるドワーフ達が居た。

 マージュナルは冷えたエールの美味しさも広めたらしく、清潔でツルツルサラサラよりも、風呂上がりの冷えたエールの美味しさにはまったドワーフが続出してる。

 まあ冷やしただけで、粒々を濾してもいないし、炭酸も気が抜けた感じのままだから、俺が出すエールが一番旨いけどね!

 そんなドワーフ達を横目に訓練開始。

 俺はマージュナルと馬車改造案の話で盛り上がる。

 退屈そうなペット達は散歩に出掛けました。

 俺のペットって分かりやすいように、目立つように首に赤いスカーフを巻いてあげたらとても喜んでました。

 プラムが俺の首にもお揃いで巻いてきました。


 空飛ぶ幌馬車なので、流線型を提案してみたら、鳥の形だな!と納得された。

 まあ間違ってはいない。

 そんで収納式の羽根が付きそうです!

 十日程で剣の修理は終了し、防具も新しいのが出来た。

 皆もとても満足そうにお互いの剣や防具を見せあったり自慢したり。

 それはとても微笑ましい光景なんだけど、暇になったドワーフ達が、俺とマージュナルの計画に興味を持って乗っかってきた!

 ドンドン新しいアイディアが足されて、大変なことに!

 誰も作ったことの無い物を作るのは、職人魂に火をつけちゃったらしいよ!

 原案俺、魔道具製作俺なので、俺もまざって検討、会議、素材選びと試行錯誤してたら、あっという間に二ヶ月もたってた!


 その間皆は森に行って魔物を狩ったり、冒険者ギルドに行って依頼を受けたりしてたらしい。

 居なかったことにも気付かなかった!ちょっと夢中になりすぎたね!

 ペット達の面倒も見てくれてたようで、無意識に聖魔法玉は作って置いといたらしいけど、構ってやれなかったので、物凄い押しくらまんじゅうされてます。


 そしてドワーフの技術と俺の魔道具で完成したのが!


「ダダーーン!」


 空飛ぶ幌馬車!

 普段は幌馬車として地面を走る見た目もそのまま幌馬車だけど!魔力を流すと変形して、馬車の車輪が横にずれ、幌馬車の下から飛行機に似た翼がシャキーーンと出てきて!幌馬車の操縦席にも下から覆いが迫上がり!全体にバリアが張られる。

 ブブブブブと低く微かな振動音を響かせて宙に浮く幌馬車!

 幌馬車の下の面はグレーがかった空色に塗ったので、下から見ても空を飛んでる幌馬車は発見しにくくなってます!

 中は今までの快適さを維持してるし、スピードは自動車くらい出ますよ!


 ヌフフ~~とドワーフ達と自慢しながらドヤ顔して見せたけど、いまいち理解してない感じ。

 なので実際に乗って見せましょう!

 マージュナルと一緒に運転席に乗って、アクセルを踏む。

 フォンと飛び立った空飛ぶ幌馬車は、天井の高いドワーフの街の上空を一周して戻った。


 うん、皆が唖然としてるのは分かるけど、一緒に作ったドワーフ達まで唖然としてるのは何で?

 聞いてみたら、ちょっと浮くくらいの物だと思ってたそうです。

 浮くだけなら羽根いらないじゃんねー?マージュナルにも呆れた目で見られてるドワーフ達。

 まあ成功したから構わないけど!

 ちなみに動力は魔石に溜めた魔力です。青魔力あれば補充出来る省エネ設計です!


 空飛ぶ幌馬車も完成したので、ドワーフの街ともおさらばです!

 お礼を言って、エールは濾して炭酸増やすと美味しいよ!って教えときました!炭酸を増やすやり方も教えたよ。

 幌馬車の料金は、ドラゴンの残った素材半分で良いそうです。

 美味しいエールの飲み方も教えたしね!


めっきりに詳しい解説を下さった方がいます。

ありがとうございます!

こんなに日本語に詳しい方に読まれてると思うと緊張する!

まあ、緊張してもミスは中々なおらないんですけど!

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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
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[一言] ちったいさんプロジェクトリーダーになるの巻?
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