表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/313

ダンジョン 4

新年早々誤字っててすみません!

ご指摘ありがとうございます!

めげずに頑張ります!

 おはようございます。

 ダンジョン内にも関わらず、快晴の空。

 サワサワと草の揺れる音で目覚めました。

 テントを出れば一面の草原。

 ダンジョン内に居ることを忘れそうです。

 朝御飯は鰹節と昆布のおにぎり。

 味噌汁と浅漬け、卵焼き、と言いたいけど四角い卵焼き器が無いのでオムレツ。


 腹ごしらえが済んだら出発。

 見渡す限りの草原は、虫も居なくて快適。

 出て来る魔物も無く、暫くは散歩気分で歩く。

 ダンジョンなのに、こんなに魔物が居なくて逆に不気味。

 ラニアンがそれはもう楽しそうに走り回っていて、それを見ているソラがムズムズしているので、ソラから下りて歩いています。

 他の皆は俺の歩みに合わせてゆっくり歩いてくれる。

 ラニアンとソラは、思う存分走り回っているが、ドンドン速度を上げていってて、段々目で追うのが大変な速さになっている。

 本気を出した二匹の速度には、驚くばかり。


 暫く歩いていたが、徐々に草の丈が伸びてきて、俺の身長では埋もれてしまう所で、ユーグラムに抱っこされました。

 そして姿が見えない程離れてしまったソラとラニアンを、キョロキョロしながら探していた時、ちょっと離れた場所に突如土柱がドーーーンと立ち上がった!

 えええ!と驚いて全員で注目していたら、その方向にはソラとラニアンの姿が!

 土から盛り上る様に出てきた巨大な何かと戦っていた。

 ピンク色のそれは、巨木のような太さ長さでありながら、ウネウネとのたうち、その巨大な胴体でソラとラニアンを押し潰そうと、バッタンバッタン地面を叩いている。

 電柱よりも太く長い、巨大ミミズ。


「キッモ!!」


 しかもその口は、巨大掘削ドリルの様に、ギザギザの歯が何層も連なっており、ネバネバとした粘液を垂らしている。

 まあ、我がペットには敵わないんだけど、兎に角見た目がキモかった!


 巨大ミミズを倒した二匹は、我先にとこっちに走って来て、褒めて褒めて!と目を輝かせている。

 でもその前に、ミミズの粘液を綺麗にしてからですよ!

 二匹に洗浄の魔法を掛けて、ワシワシと撫でてやる。

 ユラユラ揺れる尻尾がとても満足そう。


 俺が二匹と戯れている間に、ディーグリーは巨大ミミズのドロップ品の確認に行って、物凄い笑顔で帰ってきた。


「ケータちゃん!やっっばいよ!あのワームのドロップ、ミスリルだった!しかもかなりの量がある!!もう居ないのかな~?もう二匹くらい取れれば、全員分の装備一式ミスリルで作れるよー!」


「ミスリルってマジかよ!ヤベーなワーム!探そうぜ!」


「ああ!ミスリルの剣!」


「ミスリルの棍なら、魔法も通りますね!」


 なにやら皆さん興奮している様ですが、


「みしゅるる?」


「ミ、ス、リ、ル!魔法銀だよ!ちょーーー貴重な金属で、メチャメチャ強い武器にも防具にもなる金属!」


 貴重な金属と言えば、


「しんぎん?(神銀?)」


「いやいや、神銀とはまた別物!そもそも神銀は、神の奇跡って呼ばれてる、ミスリルよりも更に貴重な奇跡の金属だから!本当に極稀に、火山の噴火後とかからちょびーーーーっとだけ出るようなヤツ!そんで、ミスリルは、魔力溜まりとか、鉱石を食べる魔物とかの腹から、たまーーに出る、貴重な金属」


「ふぇ~」


「この貴重さを理解しないとは、ケータもまだまだだな!」


「ケータ、ぶきもてないだん!いみないだん!(ケータ、武器持てないじゃん!意味無いじゃん!)」


「まあ、そうだけどさ~。ミスリルは男の子の憧れなんだぞー!」


「ふぇ~」


「食い物にしか興味無しか?!魚介類への食い付き半端なかったのに、ミスリルにも興味持とうぜー?」


「え~?」


「まあまあ、それはおいといて!まずはワームを探しに行こう!ミスリル、ミスリル~!」


 俺と助の不毛な会話に、ディーグリーが待ちきれなくて走り出した。

 それを追ってアールスハインとユーグラムも続く。

 その様子は、確かに男の子の憧れなのだろうと見て取れる。

 助も慌てて走って追いかけてるし。

 ソラとラニアンも、皆を追いかけて行ったし。

 残された、俺とハクとプラムは、皆を眺めながらゆっくりと歩いて行ったよ。


 皆の戦闘の邪魔にならないように、少し離れた位置まで歩いていると、ドーーーンと下から突き上げられる様に、吹き飛ばされた。

 探してた皆では無く、俺の方に居ました。

 バリアに守られて無傷で飛ばされたけど、これ、バリア無かったら丸飲みされてたのかな?

 とても嫌な想像をして、キシャシャシャシャーーーと軋む音を立てる歯を見る。

 うん、とてもキモい!

 なのでささっと片付けます。

 離れた位置の皆はまだこっちに来られてないし、マジックバッグから出したカッターに、魔力を流して長い日本刀をイメージ、水の魔法で刃を足して、自由落下に任せてザーーーっと真っ二つにしてやったぜ!

 魔法の刃を消せば、汚れも流れる!

 自画自賛しながら倒れる巨大ミミズを見てたら、足元がまたムズムズと、地震の前兆の様に揺れるので、ちょっとだけ横にずれて、水の刃をスチャッと用意!

 地面からスドーーンと出る勢いで真っ二つに切れていく巨大ミミズ。


 二体の死体が順にドロップ品に変わる頃、他の皆も一体目の巨大ミミズを倒してた。


 そして残念なお知らせ。

 ワームと呼ばれる巨大ミミズのドロップ品は、普通の金でした!

 ミスリルが出るのは、極々稀なようで、その後十体程倒しても、ミスリルは出ませんでした!


 巨大ミミズのせいで、食欲が湧かない俺とは違い、皆は生姜焼きをモリモリ食ってる。

 大量の千切りキャベツと共に、おかわりもしてる。

 朝炊いたご飯が無くなってる。

 体を動かしたからって、食いすぎじゃない?

 食休みしたら、先に、ではなく、ミスリルが出るまでは、巨大ミミズのワーム狩りをするそうです。

 結構な量の金が有るんだから、これ売ってミスリル買えばいんじゃね?と思ったが、そう言う事では無いらしい。

 男の子の憧れなんですか、そうですか。


 何故か他の皆より高確率で狙われる俺、魔力が多いからかな?

 足元がムズムズしたらちょっとよけて構えるだけのお仕事です。

 スパスパ切れるカッター型刀モドキが素晴らしいね!

 皆もそれなりに順調に狩ってますよ。


 空が赤く染まる頃、ワームの巣窟だったらしい草原は、ワームのドロップ品である金で光輝いていた。

 全部でたぶん五十以上は倒したワーム、最初の一体と、途中俺が倒した一体だけがミスリルを落とし、他の皆は金だけだった。

 ディーグリーが凄く悔しがってた。


 皆は金を拾い集め、助と俺で夕飯を作る。

 夜はちょっと冷えるので、シチューを作りました。

 牛町で仕入れた濃厚な牛乳を使ったクリームシチュー。

 具材は大きめに切ったジャガイモと人参と玉ねぎ、鶏肉とコーンとブロッコリーも入れて、食べごたえは十分。

 後はパンとサラダと、猪肉のソテー。

 皆自棄糞気味にモリモリ食ってる。

 そんなに悔しかったのね?


 順にお風呂に入って、夜空を見て癒されて就寝。



 おはようございます。

 昨日の疲れも悔しさも引きずらずに、朝から丼飯をかっ食らう面々。

 取り敢えずミスリルは手に入ったことで折り合いをつけたらしい。

 今日は次の階層へ行きます。


 昨日、ワームを探すために走り回った時に見付けた下へと続く洞窟。

 十メートルくらいの短い洞窟を出ると、そこは雪国でした。

 急な環境の変化に付いていけません!

 急いでマジックバッグから防寒着を出し着替える。

 久々にモコモコのツナギ、と言うか着ぐるみを着ました。

 すかさずユーグラムに捕獲されました。


 アールスハインの腰まで積もった雪は、とても歩きづらく、俺はずっと抱っこされたまま。

 ハクはディーグリーのポッケに入り、プラムは助に肩車されている。

 ラニアンとソラは元気に走り回ってる。

 二匹は聖獣と妖獣なので、実はとても軽い。俺も軽い。

 ラニアンはともかく、ソラはネコ科なのに寒さは平気なのだろうか?


 出て来る魔物は、水魔法や氷魔法を使う、スライムや雪狼、雪ヒョウ等も出る。

 一番厄介なのはスライム。

 半透明のそれは、ハクにそっくりで、雪に埋もれると見分けるのが至難の業。

 それをサクサク狩っていくハク。

 同族じゃないの?違うの?そう。

 触手を伸ばしてサクッと核を一刺しで狩るハクに迷いは無い。

 スノースライムと呼ばれるスライムのドロップは、スライムその物の皮?脱け殻の様なそれ。

 何に使うかは知らないけど、この階層のドロップ品は、漏れ無く高額買い取りされるだろうから、残らず持って帰ります。


 雪狼や雪ヒョウのドロップは、皮と肉。

 密度の高い毛皮は、手触りが抜群に良く、途中からはなるべく傷をつけないで狩る方法を考え出した皆。


 凍えそうな気温も、バリアで多少軽減出来るので、動けなくなる心配は無い。

 ただ歩いて進むのには困難なので、途中からはボードでゆっくりと飛びながら進んだ。

 本当にスノーボードに乗っているかの様な光景。


 そしてたまーーに出て来る、ディーグリーが雪熊と呼ぶ魔物が、イエティにしか見えないのですが?

 前世のオカルト番組に出てた、未知の生物イエティ。

 それが実物として目の前に現れた感じ。

 白く長い体毛は、ユーグラムにも負けないサラツヤさで、指先と足先、鼻と口元だけ見える肌は黒い。

 角は見えないが、三メートル近い巨体が、魔法で作った氷柱を全力投球してくる。

 牙の生えた口を大きく開けての咆哮は、空気の衝撃波としてこちらを攻撃してくる。

 ボードで飛んでる時に、真横から攻撃されて吹っ飛ばされた!

 バリアがあるので無傷だけど、凄く驚いた!

 カチンときたので火魔法玉を飛ばして反撃したら、驚く程よく燃えた!

 雪の上をのたうち回って消火して、咆哮を放ってくるイエティ。

 中々に重い攻撃なのか、バリアの反発が上手く敵に返らない。

 その合間にも氷柱での攻撃。

 俺以外は、バリアでの防戦一方。

 なので、火魔法玉を圧縮して圧縮して、小さな弾丸にして撃ち出す!

 チュンと可愛らしい音と共に撃ち出された弾丸は、音もなく敵の胸に吸い込まれ、内側から体内を燃やし、数秒でバタンと倒した。


 イエティのドロップは、毛皮と肉と角でした。

 毛に隠れて見えなかっただけで、宝石並みに光輝く角を持ってました。

 ディーグリーが、言葉も無く捧げ持ってる角。

 中々のお宝のようです!


 昼食は雪の中に雪室(かまくら)を作って、海鮮鍋をしました!

 締めはおじや。

 海鮮出汁の利いたおじやは最高でした!

バリアでも良かったんだけど、面倒でも態々雪室を作った甲斐があった!雰囲気って大事!


 ボードで飛びながら魔物を倒す。

 さっきのイエティドロップは、毛皮が半分燃えてしまっていたので、その後に出たものは、風魔法で倒したよ!

 イエティは俺が、他の魔物は皆が担当して、たまに吹雪いて視界が悪くなるので、そんなにスピードは出ていない。

 離れた場所のドロップ品は、ソラとラニアンが競うように取ってきてくれるので、漏れ無く回収済み。


 飛び回ってやっと次の階層への洞窟を発見したのは、日が沈んだ頃。

 バリアがあっても、それなりに体が冷えてしまったので、先にお風呂に入って、夕飯はビーフカレー。

 何時もよりちょっと辛めに作って、スープもジャガイモのポタージュに。

 外からも内からも温まって、ゆっくりと寝ました!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ