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ダンジョン 3

明けましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします!


 おはようございます。

 ダンジョン4日目。

 六十一階層のボス部屋で一夜を明かした俺達。


 昨日の気分悪い出会いは、お風呂と共に流しました。

 昨日の魚介類で取った出汁で、お粥を炊いてみました。

 メチャメチャ旨かったけど、皆には物足りなかったようで、結局厚切りのベーコンサンドも作りました。

 お粥はスープ扱いされました。


 このダンジョンは、六十一階層のボス部屋からは格段に広くなり、進むのが困難になる。

 それでも海の階層は、見張らしは抜群に良いので、ちょっと高い所に登れば、次の階層への入り口はすぐに見つかるので、進むのはそれ程困難では無い。


 そして、六十一階層のボス部屋を出ると、そこはジャングルでした!

 一気に気温が上がって、ちょっと混乱しました。


 あと、入った途端にビッグガガに狙われました!

 バレーボールサイズの蚊は、何度見ても気持ち悪いな~。

 日頃とてもお世話になってるけど、気持ち悪いものは気持ち悪い。

 所々にある水溜まりには、バナナサイズの蛭がうじゃうじゃ居るし、あまり気持ちの良い階では無いようです。

 ビッグガガには流石に慣れた様子だったユーグラムが、蛭を見て、フフフッて笑う前に凍らせてたし!


 見通しが悪いので進みは遅い。

 木の上からは極彩色の鳥が突っ込んできて、猿が硬い木の実を投げてきて、木の影から突然襲ってくる虎がいて、木の枝に擬態した蛇がヌルッと後ろから巻き付いてこようとする。


 ユーグラムはバリアと魔法で後ろの魔物を、物を投げて来る素早い魔物はディーグリーが、突っ込んでくる魔物は、助が盾で、獣はアールスハインが、だいたいの担当を決めて狩っていく。

 俺は虫系担当。

 ビッグガガの針はこれからも必要だからね!

 蛭は、乾燥を掛けてみると、みるみる縮む。水溜まりも乾くので、歩きやすくもなる。


 上空には、バリアで守られたラニアンが、プラムを乗せて道案内をしている。

 上空からなら、出口を見つけやすいからね。

 何故空を飛ばないかと言えば、この階層の素材は、どれも高値で買い取ってもらえるとの、ディーグリー情報から。

 昨日の奴等もこの階層の素材を、小山にする程貯めこんで、身動き取れなくなってたし。


 このダンジョンの、今のところの最高到達階層は六十六階層。

 六十五階層からは、更に密林化するらしい。

 なので、この階層の素材はまだまだ品薄で、高額買い取りされる。


 登録しただけでまだ体験したことはないけど、転移って言うのは、中々に魔力を食うらしいので、何度も同じ階に転移して、荷運びを繰り返すのは、相当な負担になるとか。

 昨日の奴等が動けなかったのはそのせいらしい。

 しかも、チームの半数以上が残ってないと、いつの間にか戦利品がダンジョンに吸収されてしまうため、無理をして往復しても、戦利品が消えている、何て事も。

 一度に運べるならそれに越した事はないって話。

 諦めるには惜しい、でも転移は繰り返せない。

 しかも、転移は登録した本人でないと無理。

 と言うことで、半ば脅すような交渉をしてきたそうな。


 戦利品を吸収させずに全部持ち帰るのは、中々に至難の技らしい。

 マジックバッグを持ってる俺達には関係無いけど。


 そもそもダンジョンと言うのは、魔力を効率良く吸収するための施設で、より魅力的なドロップ品や餌を用意すれば、それだけ多くの人間や魔物が集まる仕組みになっていて、ダンジョンで死亡した魔物や人間の死体までダンジョンに吸収され、魔力としてダンジョンに還元される。


 誰が考え運営してるのかは謎だが、ドロップ品は、ダンジョンに吸収された素材や死体から出た諸々が、ダンジョンの魔力で作り替えられ、品物として落ちるらしいと考えられている。


 なので、ダンジョンのドロップ品は、ダンジョン外から持ち込んだ物品よりも吸収されるスピードが早い傾向にある。

 ダンジョンに潜った冒険者は、自分の持てる量と、より高額に買い取りされる素材の目利き、取捨選択が重要になる。


 それからは一日一階層ずつ進み、最高到達階層の六十六階層。

 階段のような狭い洞窟を下りると、ザ・密林!

 巨大な木々が密集するだけでなく、シダや蔦が絡まり合い、三メートル先も見えない。


 ただし、よくよく見れば、それ程大型ではない獣の、獣道らしきものもある。

 取り敢えず、獣道に添って先に進んでみる。

 木の枝や草や蔦や、その他の諸々を避け、薙ぎ倒し、切り開きながら進む密林は、先の見えない不安と、突然出てくる虫や小動物の魔物がとても邪魔で、遅々として進まない。

 ユーグラムの長い髪が、そこら中に引っ掛かり、大変な事に!

 しょうがないので編み込んでやりました!

 妹達の髪を結んでやっていたので、編み込みも慣れたものだけど、手が小さすぎて編むのが大変だった!

 他の人には無理だったので、頑張りましたよ!

 無駄に凝ったお嬢様スタイルになったけど、まあ良いだろう。

 皆して笑ってたけど、やたら綺麗な顔のユーグラムには似合ってたし!


 出てくる魔物は虫や小動物の魔物ばかりだが、これが中々に厄介で、触ると患部がかぶれたり、痺れたり、酷いと火傷したり。

 植物だと油断してたら、植物型の魔物で、先に進もうと切ったらドロップ品が落ちてビックリしたり。

 密集してる植物や虫や小動物のせいで、魔物特有の黒い靄も、判別が難しいし。


 倒せない程強くは無いが、兎に角数が多く面倒臭い!

 俺達は、全員がバリアで防いでいるから、まだマシだろうけど、生身では絶対に来たくない場所だ。


 あまりに面倒臭くなったので、バリア全開で進む事に決定。

 密集し過ぎた木々のせいで、座ってご飯を食べる場所もない。

 腹減りでどんどん殺気だっていくように、木を薙ぎ倒す手や、魔物を蹴り飛ばす足がどんどん強くなっていく。

 そして進むスピードも速くなる。


 どれくらいの時間歩いたのか、何時ものお昼ご飯の時間からはだいぶたった時間帯に、密集していた木々が突然無くなった。

 まるで見えない壁でもあるかの様に、突然無くなった木々。

 草一本生えていない剥き出しの黒い土の地面。

 その中央には、黒に近い濃い茶色の体毛の異常に牙の発達した、虎のような魔物が居た。

 全身から出る黒い靄は、今まで見た中でも上位にくる程濃く、発達し過ぎた牙は、口からはみ出て地面を擦りそうな程長い。

 爪も鋭く、尻尾の先にはなにやら刺のような物もあり、バシーンバシーンと地面を打つ度、その場所を抉っている。


 そしてその獣がロックオンしてるのは、俺、が乗ってるソラ。

 ゴルルルルルゥと地響きのような威嚇の声をあげ、ずっとソラだけを見てウロウロしてる。

 皆もその意味に気付いて、攻撃はしないでいる。


「そりゃ、やるー?(ソラやる?)」


「ガルッ」


「きをちゅててー(気をつけてー)」


 ソラを送り出した。

 離れた位置で見守る。


 虎の魔物は爪と牙、尻尾での攻撃。

 ソラは同じく爪と牙、そして初披露の魔法で応戦。

 ソラが魔法を使ったことに、とても驚いている皆。

 ドヤ顔の俺!

 うちの子魔法使えるんだぜ!

 まだまだ初級の水魔法玉だけど、威力は中々。

 俺やユーグラムの魔法を見て学んでいるので、大きさも自在。

 ただ真っ直ぐに飛ばすだけでなく、変化球の様に途中で曲げる事も出来る!

 ソラ賢い!優秀!格好いい!


 体格は互角だけど、飛び道具がある分ソラが優勢。

 場所を入れ替え飛び掛かり、牙を交わして、水魔法玉が虎魔物に直撃。

 ダラダラと血を流しながら、辛うじて立っている虎魔物。

 お仕舞いはグラついた虎魔物に、振り下ろされた爪での攻撃。

 首筋を抉る様に入った爪によって、より一層の出血で、倒れる虎魔物。

 程無くして息絶える虎魔物。


 虎魔物の消えた場所に、タシッと前足を置き、健闘を称えるように、


「ガルッ」


 と一言吠えて戻ってくるソラ。


「そりゃ、すげーっ!かっけー!」


 顔をワシワシして褒めたら、頭を腹に擦るようにすり寄ってきた。

 普段クールなソラが、照れております!かーわーいーいー!!

 ワシワシスリスリしていたら、他のペット達も混ざって来て、ワチャワチャになった。


 その場でお昼ごはん。

 腹減りの集団なので、ガッツリどんぶり飯!

 チンゲン菜的な葉っぱの上に、どどんと角煮をのせた角煮丼。

 あとはけんちん汁に、キュウリの浅漬け。

 ガツガツ食べる皆。

 お嬢様スタイルの、綺麗な顔でどんぶり飯をがっつくユーグラムがとてもシュール。

 慣れたものなので、誰一人気にもしないけど。


 休憩をしてまた進む。

 虎魔物の居た場所の奥には、葉っぱや木々に隠された洞窟の入り口が。

 入ってみると、蝙蝠のような魔物の住みかで、ディーグリーが物凄い興奮して、


「フォークバットの巣!ヤバい!宝の山じゃないかーーーー~!!」


 なにやら叫びだし、マジックバッグから取り出したスコップで、蝙蝠の糞をゴッサゴッサと掘りまくり、マジックバッグに入れ始めた。

 一同ドン引き。


「ディ、ディーグリー、あなた、何を?その糞をどうするのですか?」


「何を言ってんのユーグラム!!この、フォークバットの糞は、最高級の美容液の原材料だよ!王公貴族の奥様方が、喉から手が出る程欲しがってる素材だよ!これだけあれば、十年は贅沢し放題だよ!フフッ、フハハハハハッ、アハハハハハッ!」


 ディーグリーが壊れました。

 それでも笑いながらスコップを動かす手は止まらない。

 ちょっと怖い。

 その間ずっと、天井にぶら下がっているフォークバット達は、我関せずとゆらゆら揺れるだけで、一切攻撃しては来なかった。


 ディーグリーが気の済むまで糞を掘りまくり、クタクタなのに満足そうな顔になった頃、普段なら夕飯を食べる時間。

 お昼ご飯が遅かったので、まだお腹は空いていないって事で、先に進むことに。

 洞窟は十メートルも無く終わり、外に出ると、一面の草原。

 草原の上には、沈みかけの太陽と真っ赤に染まった空。

 ジャングルから密林に入り、暫く見ていなかった広い広い空に、暫し呆然と見入る。


 ダンジョンって、時々、自然界ではあり得ない、美しい光景を作るよね!

 サワサワと揺れる草の音も心地好く、何だか戦う気力を奪われて、今夜はここで一夜を明かすことになりました。


 夕飯は、そんなに空腹ではないので軽く、と思ったら、外とは違う、真ん丸のお月様が一個だけ出てきて、あまりに見事な満月だったので、団子を作ってしまった。

 米を砕いて米粉にして、お湯を入れてこねて蒸かすだけの簡単団子。

 あんこは無いので、みたらし団子だけど。

 米粉のみなので、モチモチ感は少ないけど、中々美味しく出来たよ!


 テントに入るのが勿体無いくらいの夜だけど、ダンジョンだからね、魔物が何時出るとも限らない。

 惜しみつつも、ちゃんとテントで寝ました。



なるべく金、土、日曜日の更新を心がけます。

最低でも土、日は更新する予定です。

頑張ります!

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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
バリア内なのに、髪が引っかかるの?
[一言] 200回更新乙です
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