ジュボーダン街
感想、誤字報告、お帰りの声をありがとうございます!
頑張ります!
おはようございます。
毎朝思うけど、巨大化したハクベッドは寝心地最高です!
宿の部屋のベッドは基本偶数台なので、だいたい四人部屋を取ることが多い。
アールスハインと寝ても良いんだけど、ベッドが狭いからね。
ハクは大きさが自由自在なので、空いたスペースで大きくなってもらって、ペット達とごちゃっと寝てます!
毛も抜けないし、匂いも特に無いし、洗浄魔法を掛ければ汚れも気にならない!
ユーグラムはたまにソラかプラムを抱っこして寝てるけど、意外と寝相が悪いので、朝にはハクベッドに戻ってたりする。
アールスハインはあんまり動かず寝てて、助はガーガー寝息がうるさい。
ユーグラムは寝相が悪くて、ディーグリーは寝言を言う。
なので、ペット達と寝てる俺です。
皆もモソモソ起き出して、井戸で顔を洗ったらまた部屋へ。
昨日のように注目を集めながらの朝食も落ち着かないので、部屋で食べます。
ロールパンにサラダとワカメスープ、ベーコンエッグに昨日買った果物。
目玉焼きが固焼きなのが悲しい。
俺は半熟派です!
新鮮な卵は何処ですか?!
身支度を整え、本日は別行動。
ユーグラムは教会へお祈りに。
ディーグリーはこの街のラバー商会支店へ仕入れに。
アールスハインと俺と助は、王様のお使いで領主であるジュボーダン伯爵にお手紙と荷物を届けに行きます。
宿の前で別れ、各々別の道へ。
ユーグラムがこっそりハクをポッケに入れてたり、ディーグリーがプラムを抱っこして行ったりしたけど、まぁそれはいつもの事。
大通りを真っ直ぐに一番奥まで。
巨大な石を組み合わせて建てた要塞のような建物へ。
門の前で衛兵さんに用件を伝え、身体検査を受けてから門の内側の小部屋で待機。
それほど待たされる事もなく、案内に現れたのは、羊な執事さん。
ダジャレですか?
人獣族なので、顔は人間だけど、額から顔の横に大きな渦を巻くような角が出てる。
とても邪魔そう。
そして前世の知識から、羊と言うより悪魔的な角に見えるのは、俺が四男秀太に毒されてるせいですか?
要塞の中は、通路もドアも大きくて、そこで働いてる人達も大きかった!
メイドさんまでイングリード並みにでかいし!
思わずガン見しちゃったら、向こうも俺の小ささに驚いてる様子。
アールスハインに抱っこされ、その足元をデブ猫スタイルのソラとラニアンがちょこまかと。
助は他所のおうちなので、ちょっとすましてる?
案内された応接室にはまだ誰も居なくて、座って待つように言われた。
メイドさんの出してくれたお茶も巨大。
陶器で出来た巨大な茶碗は、俺の頭が入りそう!
身体強化しないと持ち上がらないんじゃない?
全然飲まないのも、疑っているようで失礼なのだけど、これはどうする?
仕方ないのでティースプーンとして添えてある大さじで、ちょっとすくって飲んでみた。
メイドさんがオロオロしてる。
アールスハインと助は、何とか片手で持って飲んでるよ!腕が若干プルプルしてるけど!
取り敢えず、全員がお茶に口を付けて、一息ついたところで、コンコンコンとノックの後に、羊な執事さんがドアを開け、開いたドアから入ってきたのは、見たこともない程巨大な人物。
立って待ってた俺達の前に来て、ソファに座り、着席を促される。
その姿は、肌の色はくすんだ灰色、大きな目と口、特に大きな鼻。
顔の両脇には種族特性を表す、厚みはないけど大きな耳。
領主伯爵は、象さんでした!
大太鼓をすぐ近くで叩かれたような、ズシンと腹にくる声で、
「ようこそおいで下さった!アールスハイン王子殿下、冒険者としてお越しのようなので、改まった席は用意しておりませんが、よろしいでしょうか?」
「ええ、それで構いません。本日の訪問は、父からの手紙と魔道具を預かってきたので、それを届けに来ました」
アールスハインが手紙と魔道具をテーブルに置けば、羊な執事さんが封を開けて象さんな領主さんに渡す。
「おお、国王様からの手紙とは、では失礼して」
内容は、通信用の魔道具を領主館に置いて、非常事態には連絡してね、的な物。
通信用魔道具は、元々古代魔道具としてダンジョンから発見されてたんだけど、改良しましたよ!
「ほう、通信用魔道具ですか、これはまた貴重な物を!早速設置いたしましょう!」
「ええお願いします。魔石の魔力は一月もちますが、忘れず補充してください」
「了解致しました」
象さんな領主さんは羊な執事さんに魔道具を渡し、書斎に設置するよう言い付けて、
「アールスハイン王子殿下は、本日のこの後のご予定は?」
とか聞いてきた。
「いえ、特には。初めての街なので、少し観光でもしようかと思っています」
「ガイドはもうお決まりですかな?」
「ガイド、ですか?」
「ええ、壁のこちら側は、少々人間族の街とは異なり、町ごと、村ごとに風習や仕来たりなどもございます。無用なトラブルを回避するためにも、この街に不馴れな方にはガイドをお薦めしております」
「ああ、そうなのですね。いえ、ガイドの事は初めて知りました」
「そうですか、冒険者ギルドでもその様に説明するよう申し付けているのですが、さてはあの兎娘はまた忘れてるな?」
「そのようでございますね。今回で六度目です。今度こそは厳重処分を求めましょう」
羊な執事さんが怖い笑顔になってますよ!
ホワホワ癒し系と思った兎娘のギルド職員は、うっかりさんでした。
「アールスハイン王子殿下には、こちらで優秀なガイドを手配致しましょう。なに、奴も冒険者ですから、旅の邪魔にはならぬでしょう」
「お気遣いありがとうございます」
「いえいえ、大した事ではありません。あー、ところで、アールスハイン王子殿下、そちらのお子様は、王子殿下のお子様ですかな?」
大匙でお茶を啜ってる俺をガン見する象さんな領主さん。
「いえ、この子は、妖精族の突然変異で、気に入られて共に旅をしています」
「おお!妖精族の!突然変異とはまた珍しい!初めまして妖精殿!」
ググイッと顔を寄せられました!
顔もでかいな!
「はじめまちてー、よーせーじょくの、けーたでつ」
「おお!可愛らしい!私は象族のジュボーダンと申す。少々離れてはおりますが、妖精族の町もあります。楽しんでいかれよ」
「ありあとーごじゃます」
「アールスハイン王子殿下、お時間があるのなら、この城は何処を見て頂いても構いません、ごゆっくりどうぞ。私は少々片付けなければいけない仕事がありますので、失礼致します」
「ええ、お忙しい所、お時間を取って頂き有り難うございました」
お互いに頭は下げずに握手して、象さんな領主様はお仕事に行ってしまった。
羊な執事さんは、建物内を案内してくれるそうです。
部屋を出て、案内されながら歩く。
一つ一つの部屋は大きいし、間隔も広いけど、部屋数や人数はそれ程多くない様子。
庭も、庭園てよりは、森の延長って感じだし。
一通り見せてもらって、
「ジュボーダン殿はお忙しいようでしたが、何か問題が?」
アールスハインが聞いてみれば、
「いえいえ、問題などは特にありません。近々闘技大会があるので、その準備に追われているだけでございます」
「ああ!獣族の種族代表が戦闘力を競うと言う!」
「タスクは知っているのか?」
「騎士団では有名ですよ!人間族とはまた違った戦い方をされるので、見学に訪れる騎士や冒険者も多いですし!そう言えば、この季節でした!」
「人間族の間でも有名とは光栄でございます。皆様もお時間があれば、是非観戦されてはいかがですか?今ならまだチケットには余裕がありますので、こちらで手配致しましょう」
アールスハインが助を見ると、顔全面で見たい!と訴えているので、
「大変興味深いですね、お願い出来ますか?」
「承知致しました。大会は十日後となりますので、席を押さえておきましょう」
「有り難うございます」
だいたいの所を見終わったので、そこで見学終了。
領主館を出て、ブラブラ歩きながら街を見て回る。
あれね、観光と言っても、森の中の街なので、景観は何処を見てもあまり変わらない。
人獣族の人達は見ててちょっと楽しいけど、王都程整備されてない街並みは、何だか華やかさには欠ける。
あと、とても重要な事は、美味しいものが少ない!!
人獣族の人達は、人間族よりも体も大きく力も強い、なので固い肉でも難なく食える。
いい匂いに誘われて近寄った屋台では、熊っぽい耳の人獣さんが、焦げの多い肉の塊を、グワッミチミチッと引きちぎるように食ってた。
獣感満載!
俺では歯も立たないだろう。
とても残念な事に、テントで自作したほうが、美味しいものが食べられる事実。
観光の醍醐味どこ行った!
落ち込みながら宿に到着。
ユーグラムは戻っていて、ディーグリーはまだのよう。
話を聞いてみると、神官を務めるのは山羊の人獣さんだったらしいよ。
一神教の世界でも、土着の宗教は存在するらしく、妖精族やエルフ族などは聖獣信仰なんかもあるらしい。
ドワーフ族は火山信仰とかね。
そんな話を聞いてるうちに、ディーグリーも戻ってきた。
それとほぼ同じくらいに、宿のおかみさんが客が来たと知らせに来てくれた。
宿ではなく、ギルドの食堂で待ってるらしい。
道を挟んだすぐ前のギルドに行くと、昨日受付に居た兎娘職員が、元々赤い目を更に赤くしながら、羊な執事さんと共に出迎えてくれた。
近寄っていけば、
「お呼びだてして申し訳ありません。案内人のご紹介に上がりました。それとこちらのギルド職員の非礼の謝罪も」
そう言って羊な執事さんは、隣の兎娘職員をちょっと前に出した。
兎娘職員は、ピョコンとちょっと弾むように飛び上がり、深々と頭を下げて、
「昨日は申し訳ありませんでした!必要な説明を省いてしまい、ご迷惑を掛けました!ごめんなさい!!」
物凄い大声で謝罪するもんで、ギルドの視線が全てこっちに向いた。
「あー、まあ、俺達は執事殿が手配してくれた案内人が居るようだし、まあ、反省してくれれば…………」
「はい!深く深く反省しております!お許し頂き有り難うございます!!」
ピョコンと跳ねて、頭を上げ、また深く頭を下げて、再度頭を上げると、素早く居なくなった!
何だか反省してるように感じないのは俺だけ?
羊な執事さんも呆れたような顔で見送ってたし、この後また説教とかされるコースだろうか?
「それでは気を取り直して、こちらに居るのが案内人で、Bランク冒険者のクラックです」
「ど~も~、狐人獣のクラックでやす~」
「少々癖は有りますが、案内人としては優秀です」
「へ~い、俺っち、ゆ~しゅ~でやす~!よろしくでやす~!」
黄色い短髪に黄色い目の、ヒョロリと背の高い人獣さん。
黄色い頭にはフッサフッサの黄色い大きな狐耳、先っちょだけが焦げ茶色。
そして腰の後ろに見えるのは、警戒してなのか、ゆっくりと動く大きな尻尾。
フッサフッサですよ!
プラムとは違うフッサフッサ。
先っちょだけは焦げ茶色。
話し方は独特だけど、領主館の執事さんの紹介なら間違いは無いだろう。
「ああ、よろしく、俺はアールだ」
「ユーグです。よろしくお願いします」
「グリーです!よろしく!」
「タスクだ、よろしく!」
「けーたでつ、よーしくー」
「おお、よろしくでやす~」
一通りの挨拶をすると、羊な執事さんは十日後の待ち合わせを決めて、去っていった。
書き方が下手で上手く伝えられて無かったのですが、娼館デビューの事で、デビュタント前に男子は、閨教育は基本実地込みで済ませてます。イングリードプロデュースの娼館デビューは、悪い大人の遊びデビューって事でした。




