三年 冬休み3
誤字報告、感想をありがとうございます!
おはようございます。
今日の天気は曇りです。
庭師のおじさんが言ってた通り、今年は雪が多いみたい。
最近は降ったり止んだりが多いです。
今日からは新年のパーティー三昧の日々です。
俺はお城のパーティーしか出ないけど。
何時もよりちょっと早めに来たシェルに、朝から風呂に入れられ、いい匂いのクリームを塗られ、髪を整えられ、可愛らしいスーツを着せられ食事室へ。
隣を歩くアールスハインも何時もと違ってビシッと王子様スタイルです。
助も何時もよりはカッチリした騎士服。
シェルはそんなに変わらない、と見せかけて、ベストの縁取りとか、ジャケットの襟とかに然り気無く飾りが付いていた。
食事室には王様とイングリードが揃っていて、ちょっと複雑そうな顔、
「おはようございます」
「はよーこじゃます」
「おはよう」
「おう、おはよう!」
取り敢えず挨拶して席に着くと、
「アールスハイン、これからパーティーに出れば噂として聞くかもしれないが、あー……………キャベンディッシュは、犯罪奴隷となった後、オークションにかけられ、そのー、落札されたのは娼館だった…………」
「は?」
「あー、だからよ、キャベンディッシュの奴は、男娼になったって事だ!奴も顔だけは良かったからな!ルガーヌの奴も同じ場所へ送られた。既に店に出されてるらしく、過去最高額で競り落とされたらしいぞ!」
「はあ、えー、何と言えばいいか…………」
「まあ、面白可笑しく話す奴が出てくるだろうが、気にすんな!奴は自業自得だった!」
「ああ、はい」
確かに微妙な気分にはなるね!
王様も微妙な顔になってるし!
三人で微妙な気分になってる所へ軽い足音。
「「おはよーございます」」
双子王子がメイドさんに手を引かれて挨拶してきたけど、まだ眠そう。
何時もより支度の時間分早かったからね!
双子王子も可愛らしい王子スタイル。
いつもはフワフワの髪がユルッと整えられている。
次にアンネローゼとロクサーヌ王妃様。
「おはようございます!」
「おはよう、みんな!」
二人は朝から元気ですね!
朝稽古してたらしいよ!
「おはようございます」
次はサディステュー王子、爽やかですね!
「おはようございます!」
「おはようございます、あらわたくしが最後でしたの?遅れて申し訳ありません」
リィトリア王妃様にクレモアナ姫様。
皆で朝御飯を食べる。
アンネローゼ曰く、地獄の淑女教育を越えたらしく、食べ方が大分上品になった。
リィトリア王妃様とクレモアナ姫様の目が光ってるからね!
パーティー仕様なのか、女性陣の肌が何時もよりも更にツヤツヤしてる。
ロクサーヌ王妃様は、ツヤツヤ通り越してテカテカしてて、リィトリア王妃様のチェックが入ってた。
お高い美容液は、大量に塗れば良いって物では無いらしい。
食事のせいで口許がテカテカのアンネローゼにも厳しいチェックが!
午前中から始まる子供達も参加するパーティーまでに、指導が入るそうです!
午前中のパーティーは、十三歳までの子供達とその保護者が主な招待客で、それはそれは賑やかなパーティーである。
俺は別に参加しなくても良いんだけど、双子王子に拉致られました。
両手を繋がれ強制参加。
ついでにアールスハインも仕方無く参加。
去年よりも大分背の伸びた双子王子に手を繋がれてるのは何だか複雑。
俺だって伸びたんだよ!十五センチくらい!
参加者の中で、俺が一番小さく見える。
ワチャワチャと子供達と遊んで、食べて、程ほどの所で退散。
アンネローゼは、久しぶりに会う幼年学園の友達に囲まれながら、おすまし顔で菓子を貪り食ってた!
ちょっとお昼寝して、着替えさせられ夜の部へ。
王族控え室で待ってると、王様とサディステュー王子が和気藹々と話しながら来て、続いてイングリード。
男ばっかりで軽食を食べながら話してると、女性三人が到着。
テカテカだったロクサーヌ王妃様も無事にツヤツヤになってドレス姿で登場。
全員がそれぞれ違う方向の美人です!
これで揃ったと思って待機してると、デュランさんに連れられたイライザ嬢の到着。
すかさずイングリードが立ってエスコートしてきた。
うん、美女と野獣ですな!
妙にお似合いなのが不思議。
時間になったのでまずは王様とロクサーヌ王妃様の入場、続いてクレモアナ姫様とサディステュー王子、リィトリア王妃様をエスコートして俺も抱っこしてるアールスハインの入場、最後にイングリードとイライザ嬢。
王様と王妃様二人が席に着き、その一段下に王子達、イライザ嬢もね。
集まった招待客達が一斉に礼を取って、王様が立ち上がり頭を上げさせ、まずは王族から犯罪者を出してしまった事を詫びて、それでもパーティーに参加してくれたことへの感謝を述べて、開始の声を掛けると、ワッと一気に賑やかになる。
楽団の音楽が流れ、最初に踊るのは王様とロクサーヌ王妃様、クレモアナ姫様とサディステュー王子の二組。
クルクルと優雅に一曲踊り、王様がリィトリア王妃様に手を差しのべる。
ロクサーヌ王妃様と交代してもう一曲、クレモアナ姫様達はもう一曲、そこにイングリードとイライザ嬢も混ざって3組で踊る。
二曲目が終われば、今度は今年デビュタントを迎える子供達が一斉に踊り出す。
それが終われば後は特に順番も無く、踊りたい人が踊る。
キラッキラのシャンデリアの下で、鮮やかな髪色で鮮やかなドレスを着た人達がクルクル踊る。
目がチカチカクラクラします!
宝石だってシャンデリアに反射して更にキラッキラ、ついついアールスハインの肩に目を伏せちゃうよね!
眠いわけではないので背中をポンポンはいりません!
高位貴族や大臣とかの粗方の挨拶が終われば、後は好きにしていい。
肉食系令嬢が、一人減った王子に目をギランギランさせてます!
俺は今日もアールスハインの虫除けに使われております!
露出の多い令嬢達に周りを囲まれながら、会場を一回り、王族として何の交流も無く下がることは出来ないからね。
クラスメイトや元クラスメイトと挨拶して、少し話したりして、壁際の助の所に到着。
「お疲れ様です!」
「ああ、そっちも」
二人ともこう言う場はあまり得意ではない様子。
「なに、ケータはもうおねむ?」
「ちなう、めーくりゃくりゃするらけー(違う、目クラクラするだけー)」
「あー、これだけ一度に見ると、確かに」
アールスハインの肩にずっと目を擦り付けてたら納得された。
そのまま食事の並ぶテーブルへ。
普段食べる料理より豪華な料理の並びに、唐揚げや豚カツ、オークカツが並んでますけど?
白い服着た少年達が、下品にならないギリギリでがっついている。
料理長がそのぶっとい腕をムリッと盛り上げながら追加の大皿を持って待機中。
好評なようで何よりです?
皆が演習中料理長と一緒に試作しまくった食パンのサンドイッチも好評。
オムレツを挟んだサンドイッチとフルーツサンドが令嬢達に人気のようです。
俺も見たこと無い料理を中心に摘まんでいく。
肉は柔らかくなってきたけど、味付けが濃いのはまだなんとも。
なので一口づつ食っては隣へ。
食いかけを躊躇無く食う王子。
助も同じく。
その様子をいつの間にか来た、シェルがずっと笑ってる。
今日の主役はデビュタントした子供達なので、そんなに遅くまではパーティーも続かない。
大人なパーティーは明日からが本番なので、今日はここまで。
おはようございます。
今日の天気は雪です。
それでもパーティーはあるので、朝から騎士達による雪掻きが大忙しです。
アールスハインと助も混ざって雪掻きしてます。
俺は魔法でやってます。
皆は肉体強化の訓練も兼ねているので、さすがに半裸になったり爆笑はしてないけど、ニヤニヤはしてるので怪しい集団には代わり無い。
今日からのパーティーは夕方から始まるので、昼過ぎくらいまではのんびりです。
女性陣はそうもいかないけどね!
アンネローゼは、まだ大人パーティーには参加出来ないので、淑女教育が休みになってはしゃいでいます。
今日から始まる大人パーティーは、カオスなパーティーになることが多い。
高位貴族が主役とは言え、酒が入ると人の口は軽くなるのか、魔法大会事件やその後の断罪劇、今年の夏に行われる王族二組の結婚式などの、王族中心の話題で盛り上がっている。
話題の王族の皆様は、上手にあしらってる。
流石に高位貴族の面々だけあって、更に追及するような事は控えてるけど、誰かが話し出せば、皆興味津々で聞き耳を立てている。
俺にまで話を振ってくるおっさんとかもいるけど、分かんな~いと惚けといた。
挨拶もすんで料理も摘まんだので、早々に退散。
おはようございます。
今日も朝から雪掻きです。
お昼まで雪掻きをして、ちょっとのんびりしたらパーティーの支度をして、昨日と同じように入場。
長い列の挨拶が終わる頃には、大分出来上がってる紳士淑女の皆様が。
今日のパーティーは、選ばれた低位貴族や大商会の商会主等が呼ばれていて、たまに高位貴族が混じってたりする。
昨日よりもカオスな様相。
お酒が入って気が大きくなって、声も大きくなる人多数。
話題の中心は昨日と同じく王族。
特に、キャベンディッシュの行く末について大声で話す人達。
実際にキャベンディッシュの売られた娼館に足を運んだ物好きもいたりして、昨日よりも具体的な話題が多い。
聞こえて来た話では、キャベンディッシュは過去最高額で競り落とされたが、奴隷の首輪をしていてさえ傲慢な態度は改善されず、指名した客から大変な顰蹙を買っているだとか、店に出てまだ数日なのに、ルガーヌに既に負けているとか、その事で更に癇癪を起こしているとか。
ルガーヌは元々、今は没落した準男爵家の出身で、その綺麗な顔に惚れ込んだ高位貴族の未亡人に売られそうになった所を魔法の才能を買われ、学園に特待生として入学したんだとか、その後も綺麗な顔のせいで散々な目に合ったせいで、性格がねじ曲がったとか。
その行き着いた先が娼館なのに、その憂いの表情が堪らないだとか、話題にしてた人達が笑ってた。
そんな話がそこらじゅうで話されてて、王族の皆様が、良く見ると大変微妙な顔をしていた。
なんにしても、キャベンディッシュは無駄に元気そうですね!
ちなみにだけど、ルガーヌとキャベンディッシュの奴隷の首輪を作ったのは俺です。
一応、魔法庁のエリートな魔道具師だったルガーヌは、何度奴隷の首輪を嵌めても、勝手に取り外し逃げようとするので、外れない奴隷の首輪を娼館から魔法庁に依頼が出てたので、作ってやりました!
逃亡防止と破壊不可、自殺防止と美貌保持を付けてやりました!ププッ!
美貌保持は、普通の奴隷の首輪なら魔力を完全に遮断しちゃうんだけど、ルガーヌはスコラウスの魔力を取り込んで、高魔力保持者になっちゃったので、その魔力を全部美容に向けてやった感じ!荒れた生活でも肌荒れや染み皺が出ないようにね!娼館で一日も長く働けるようにしてやったさ!
キャベンディッシュにも同じ物を付けてやったさ!プププッ!




