三年新学期 13
誤字報告、感想、ブクマをありがとうございます!
おはようございます。
今日の天気は曇りです。
モコモコのツナギを着せられました。
心なしかプラムに似た着ぐるみに見えるのは気のせいだろうか?
相変わらずシェルの仕事が早い。
食堂に着くと、俺とプラムを見比べてユーグラムがホワホワしてる。
剣術大会の翌日なので、今日は訓練が全面禁止。
やることもないので、街の外へ出てボードをかっ飛ばす遊びに興じる。
ソラ達は草原にいる魔物を狩って遊んでる。
虫魔物とスライム以外は草原の魔物に大した使い道は無いので、倒したら穴を掘って埋めておく。
プラムは穴を掘るのが上手いみたい。
ソラだと無駄に大穴を空けちゃうし、ハクは土を融かしてしまう。
ラニアンはまだ小さいからね。
意外と器用で面倒見の良い奴だった事が判明。
俺はみんなの後を付いて回収係。
虫魔物は色々使い道が有るんだけど、ユーグラムと一緒の時は狩れないからね!
たまにある岩に座って休憩してたら、岩の周りを駆け回っていたラニアンがキャンキャン吠えるので、何か見付けたのかと岩の裏側に回ってみると、岩の影になって分かりにくいけど木の扉を発見。
いかにも怪しいその扉。
だが下へと繋がるその扉を持ち上げるのは無理そうなので、上空に向けて小さな花火を魔法で打ち上げる。
驚いたアールスハイン、ディーグリー、助がボードから落ちそうになってたが、全員が俺の所に集まって来た。
扉を発見したことを言えば、
「おおー、いかにも怪しい扉!」
「街からそんなに離れてないし、悪巧みのよか~ん!」
「何が出てくるか分からないので、慎重に行きますよ!」
「開けるぞ!」
分厚い板の扉をアールスハインがゆっくりと開けると、なんとも言えない匂いがして、全員が顔をしかめた。階段の下にはもうひとつ扉があり、中は真っ暗だった。
人の気配はしないけど、慎重に降りていく。
階下の扉も鍵はかかっておらず、すんなりと開いた。
中はそれほど広くはなかったが、所狭しと物が置いてあり、何が目的で集められた物なのかが分からない程、色々な物がごちゃ混ぜになっていた。
埃も積もって、崩れた場所も多く、暫く放置されていた様子。
だがよくよく見てみると、魔石や魔道具らしきもの、何かの生き物のミイラ化した物等もあり、全てが合法な物ではなさそう。
ますます怪しくなってきた。
何があるのかは気になるが、あまり荒らしても収拾がつかなくなりそうなので、一旦外へ出て、街の兵士に知らせる事に。
知らせに走ったのはスピード狂の助。
行くのは早いけど戻るのは多少時間が掛かるだろう、ってことで、お昼ごはんの準備をします。
外ご飯はだいたい焚き火で直火焼きか、親方特製バーベキュー台を出すかの二択。
今日はバーベキュー台を出して、何時もの網ではなく鉄板を出して、焼きうどんを作ります!
本当は焼きそばを作りたかったんだけど、麺を細く延ばすのは至難の技でした!
蕎麦は打てるよ!でも今の体型では無理です!
俺の成長期が遠い!
野菜も肉も大量に入れて、ワッサワッサとかき混ぜる。
醤油とソースと昆布出汁を混ぜてジャッと回し掛けて出来上がり。
醤油だけでも美味しいけど、外で食べるご飯は味が濃いめが好みです!
見た目青汁な桃ジュース片手に焼きうどんを頬張る。
ソラ達も、味を薄めに作ったやつをモリモリ食ってる。
試しにプラムに先割れスプーンを渡してみたら、器用に使いこなして食った!
一回目に焼き上がった分を食べ終わり、まだ足りなさそうな面々に、もう一回焼き始めた時、助が兵士数名と戻って来た。
事情はもう話してあるのか、すぐに地下室に向かう兵士。
その小鼻がヒクヒクしてたのは笑った。
助の分も合わせて大量に焼きうどんを焼く。
丁度完成した所で、兵士が地下室から幾つかの物を運び出して来た。
布で包まれたそれらは違法性の高い物のようで、持ち帰って調べるそうです。
まあ、すぐに帰りそうになる兵士達に焼きうどんを振る舞ったら、物凄い食い付きで、更に三回も作らされる羽目になったけどね!
午後もアールスハイン達は、空遊び。
俺とソラ達は探検ごっこ。
そのうち走り出したラニアンを追って、おいかけっこになったけどね。
午後のオヤツの時間に終了して、街のカフェでお茶を飲んだ。
この二ヶ月半の間に、柔らかい肉は結構広まったけど、柔らかいパンと菓子はまだまだ遠い模様。
見た目は美味しそうなだけにとても残念。
ガリボリ言いながら食うもんじゃ無いと思うのケーキって!
生クリーム的な木の実もあるし、チョコレートだってあるのに、俺の食える物が果物だけって残念でならない!
歯の溶けそうな甘味って何とかならんのか?
砂糖って高級品でしょう?もうちょっと控えようよ!
お城のデザートは大分改善されてきたのに。
デザート担当の料理人が、砂糖の使用量が激減したって驚いてたけど、その分滅多に買えなかった高級輸入果物を大量に使ったお菓子が、普段の食卓に出てくるようになって、王様が心配する程だったのに!
まあこの店は貴族街にある店なので、見栄とかもあるんだろうけども、平民街の富裕層地区と、平民街低層地区では、甘味がガラッと変わる。
砂糖主体の甘味から、メープルシロップ的な甘味へと。
なので、平民街低層地区からの甘味は、何と言うか、汁っぽくなる。
ガリボリの生地に、シロップを大量に掛けてある的な菓子。
スラムまで行くと、甘味と言うより多少甘い芋がオヤツになったりする。
極端過ぎね!
貴族が菓子に使う砂糖を、三分の一に減らせば、国中で砂糖の値段が下がると思うよ!
前に王様に言ったら、妙に納得された。
その後はいつもの古魔道具屋さんに顔を出したり、街をブラブラして解散。
次の日から二日間は魔法大会に向けての訓練と予選。
魔法の訓練には俺も付き合ったよ。
肉体強化したアールスハイン達に、魔法玉や槍を投げるお仕事。
上手いこと当たると気持ちいいね!
勿論大会前に怪我をさせるわけにはいかないので、バリアを壊したら止めたよ!
意外と簡単にバリアが壊れて、皆が悔しがってたけどね!
それを周りで見てた人達が、ドン引きしてたのは知りません!
ただ、クラスメイトなブロッコリー侯爵子息?が、何とも言えない粘着質な視線を向けてくるのは気になるところ。
演習中はダンジョンを希望してなかったブロッコリー侯爵子息は居なかったけど、たまに学園に戻って来たときとか、料理長と調理室に籠る前とか後とかに、微妙な距離に居ることがある。
言いたいことが有るなら言えば良いのに、イヤらしい笑顔で遠巻きに見てるだけ。
ショタコン?ショタコンなの?と疑ったけど、街で見かけた時は、子供に見向きもしてなかった。
何だか不気味!なので近付きません!
発見した草原の地下室は、違法な物品の宝庫だったそうです。
外国産の毒物とか、薬物とか、輸入が禁止されてる魔物の死体とか、妖獣のミイラとか、正体の分からない液体とか、兎に角色々なヤバい物が押収されたそうです。
ただ、その地下室を使ってた犯人は不明。
埃を被ってた様子から、ここ三ヶ月程は戻ってない様子。
部屋の中身は丸っと押収して各専門部所が詳しく調べるそうです。
入手先とかルートとかね。
街門の見張り塔から見える位置なので、見張りはするけど、戻って来るかは分からないって。
不気味さだけが残った。
気分を切り替えるためと、大会前に英気を養うとか言って、夕飯は二日続けて大量の唐揚げを作らされた。
まあ頑張って優勝してください!
こいつらに敵う奴居ないと思うけど!




