2日目終わりと3日目
初感想を頂いて浮かれてるので、もう一話投稿します!
有り難うございました!
魔力コントロールをクリアした後も、もう暫く練習して、アールスハインも俺もほぼ完璧に出来るようになったよ!
スイッチを切り替えるように、はっきりと色を変える事も、グラデーションみたく、中間色も混ぜて徐々に色を変える事も出来るようになったさ!
二人で色々工夫して、ま、遊んでたら、シェルが晩餐ですよって、3人で移動。
食事室に入った途端、アンネローゼに抱き付かれたけど、少しは学習したのか、
苦しくなる程ではなかったので、大人しく抱っこされてたら、頬をスリスリスリスリスリスリされて、しかも段々鼻息も荒くなってきて…………はっきり言って、とてもキモいよね!それがどんなに美少女でも、お姫様でも、キモいよね!
つい、アンネローゼの顔に手をついて、遠避けようとしても許されるよね!
ハアハアするアンネローゼに、男性陣がドン引きしてる中、俺を助けてくれたのは王妃様。
「アンネローゼ貴方ちょっと落ち着きなさい!そんなに興奮して、鼻息まで荒くしてたら気持ち悪くてよ!」
「き、気持ち悪いって!母様酷い!」
「酷いのは、先程の貴方の態度と顔よ!貴方だって年上の男性に鼻息荒く頬を擦り寄せられたら、気持ち悪く思うでしょう?」
「そ、それはそうですが、私は男性ではありません!」
「相手がどんなに美人でも美男子でも、その行為が変態的なら気持ち悪さは変わらないのよ!」
今までの人生で、変態などと呼ばれた事の無いだろうアンネローゼが、ショックで固まる。
王妃様はお構い無しで、俺をアールスハインの隣に座らせ、自分も席に座ると、デュランさんに食事の指示を出す。
デュランさんに速やかに席に案内されたアンネローゼをそっちのけで、粛々と食事は進む。
食後のお茶の時間になっても、アンネローゼは呆然としていて、昨日のような賑やかさは無い。
男性陣は、何も言わずにお茶を飲んでいる。
暇な俺は、ポケットに入れていたファンタジー玉で、お手玉遊びをし出した。
勿論、色を変えながらやったよ!
双子王子がすぐ側まで見に来て、目をキラキラさせている。
そこでやっと反応したアンネローゼが、俺のお手玉色変えを見て、別の意味で固まった。
そんな事に気付かず、色変えしながらお手玉してると、
「ケータ殿は、随分器用な事をなさる。そんな芸当は魔法庁でも数人出来るかと言ったところか?」
王様に誉められた。
「そうですね、長官と副長官位でしょうか?順番に色変えをするなら、全員出来るでしょうが、そんなポンポン投げながらとなると……難しいでしょうな、私にはまず無理です!ハハッ」
イングリードが豪快に笑い飛ばす。
「そ、そうですわよね!普通は出来ませんわよね!」
復活したアンネローゼが、ホッとしたようにイングリードに同調する。
イングリードは脳筋ぽく見えるので、魔力コントロールは下手そうに見えるけど、アンネローゼも苦手らしい。
「にぎゃてー?」
と聞いてみると、
「と、得意では有りませんが、そ、その、青と緑の変化は出来るのですが、それ以外はまだ………」
モゴモゴ言うアンネローゼに、玉を渡して色変えをやらせてみると、確かに青と緑を行ったり来たりを繰り返す。
アールスハインに目配せで、アンネローゼの座るソファーの肘掛けに座らせてもらうと、アンネローゼの手に手を重ねて、色変えをしてみせると、やはりとても驚かれて、ちょっと固まった後、確かめるように、一人で色変えをして、青、緑、黄、白の色変えに成功して、また固まる。
興奮してまた抱き付かれるのは怖いので、アールスハインに抱っこをせがむ。
アールスハインの席に座った頃、
「ええええええええええええーー!!?え?私今、出来ましたわ!え?なぜ?」
と、何度か試しても、半分は成功して、固まってを繰り返す。
「…………これは、どう言う事だ?ケータ殿は何をしたんだ?」
王様が俺ではなく、アールスハインに聞く。
「分かりません、今日の午後、テイルスミヤ長官にこの玉を渡されまして、最初は赤にしかならなかったのに、部屋に戻り、両手に持っていたものを投げ始めてから、みるみる上達していきまして、その内飽きたのか、私の練習する玉に悪戯を仕掛け、先程のように手に手を重ねてきて、私も出来るようになりました」
「…………………?それはどうなんだ?誰でも出来る事では無いだろう?テイルスミヤ長官なら可能だろうか?………」
王様がブツブツしだしたので、興味津々にこっちを見ていたイングリードにも、同じ事をしてみたら、三回に一回の成功率を出して、
「うおおおおお!できた!できた!俺にもできたぞ!」
と、俺をほうり投げて喜んだ。
アンネローゼに抱っこされるよりも、安心感のあるほうり投げに、童心に返り、キャッキャしてしまった。
すぐに双子王子も寄ってきて、3人でキャッキャした。
「取り敢えず、明日の魔法訓練の時に長官に相談してみようと思っています」
「あ、ああそれが良いだろう」
と、アールスハインがまとめて王様が同意したので今日は解散した。
部屋に戻り、シェルに風呂に入れて貰い着替えを手伝ってもらう。
一人だと溺れる深さだし着替えも時間がかかるからね!けして楽だから………も有るけど!
寝る準備が調うと、まだ寝ないアールスハインが、今日の俺の、人に色変えを教える?方法は、特殊なので、メガネ長官に相談するまでは、今日の夕飯メンバー以外には見せない事を約束させられた。
騒ぎになって、俺も俺もって人に頼まれると困るからね。
了解して、おやすみなさい。
おはようございます。
幼児になって3日目だが、寝覚めがすこぶる快調である。
前世の最後半年は、碌な睡眠も食事も取れなかったせいで、体調が常に悪かったが、今の体は、あり得ない位、柔軟で、疲れも無く、凝りもなく、慢性化しつつあった目と肩と腰の痛みも無い。
広いベッドの端っこで、柔軟体操をしていると、アールスハインが起きる。
寝起きのアールスハインは昨日も見たが、15にして無駄にエロカッコいい。
前屈ついでに股下から見ていると、クスクス笑われたので、でんぐり返して腹に突っ込んでやったが、ビクともしなかった。
その内シェルがきて、朝の支度を調えられ、ちなみに今日の服は、柔らかい生地の長袖Tシャツぽいシャツにブルーの半袖の繋ぎみたいな服に、白の靴下、スリッポン型の靴でした。
リビングに行くと、昨日同様王妃様とアンネローゼ双子王子。
今日も突撃してきたらしく、二人の後ろのメイドさんが苦笑しながら挨拶してきた。
6人で朝食、午前中は暇なので、アールスハインはお仕事、俺は、シェルが揃えてくれたのか、本棚の一番下の段にあった、この世界の図鑑ぽいのを眺めて過ごした。
図鑑ぽいのは、全部手書きだったよ!
魔物図鑑と植物図鑑が、昔弟達がやってたRPGゲームの設定集みたいで面白かったよ!
昼食は、いつものになりつつあるメンバーに、イングリードが交ざった。
豪快に、でもなぜか下品には見えない爆食に、流石王族!と変に感心してしまった。
午後は、予定通りメガネ長官の魔法訓練です!
魔法訓練所ってのが、あの廃ホテルの奥にあったよ。
そんで、あの廃ホテルが魔法庁の建物だったよ。
訓練所に着くと、まだ誰もいなかったので、キョロキョロと周りを観察。
四方を高い壁に囲まれて、遠くの壁際に的らしき物がある。
後はだだっ広い石床の広場で、天井は無い。
アールスハインに下ろしてもらって、歩く練習をしましょう!
確かにね、俺の今の身長は、大体40センチってところ、前世でも、生まれたての赤ん坊と同じくらいの身長。
アールスハインの膝にも届かない、その大きさだと、手を繋ぐのも大変で、片手で抱っこ出来るんだから、抱っこするよね。
なので、まだ慣れない幼児の体で、歩行練習です!アールスハインの足に掴まって、立ち上がり、一歩を踏み出そうとするも、膝と腰がグラッとしてドシンと尻餅をつく。
痛くは無いが、衝撃が凄い。
この幼児の身体能力は、1歳前後位か?甥っ子達の成長と比べて、かなりちっさいんだけど、この世界の幼児の成長具合を知らないので、何とも言えない。
この世界の俺が見た大人達は、前世よりも大分大きく感じるんだけどどうなの?
小さく生んで大きく育てるの?
俺もいずれは大きく育つの?
手足の動きは、結構良いと思うの。
甥っ子達は、1歳位の頃、歩ける子と歩けない子がいたし、お手玉なんて出来なくて、2、3メートル投げられて凄いなーと誉められる程度だった。
疑問と不安が尽きないね!
20分位練習して、良い汗かいてきたところで終了。
掴まっての横移動なら出きるようになった。
壁の向こうから、ワチャワチャと人の話し声と気配が近付いてくる。
何かあると逃げられないので、シェルに抱っこしてもらう。
入ってきたのは、先頭に疲れた顔のメガネ長官、次に見たこと無い騎士、次も見たこと無い騎士、更に見たこと無い騎士、の次にキャベンディッシュと腕を組んだ二股聖女。
1日見なかっただけなのに、二股聖女は、ビラビラの真っ赤なドレスを着て、ギラギラのアクセサリーを着け、濃い化粧のケバい女になっていた。
ビラビラのドレスをバッサバッサして歩く姿はとても下品で、アンネローゼは小走りでもあんなバサバサしなかったのは、ドレス用の歩き方みたいなのが有るんだと感心した。
何やらメガネ長官に、迎えに来られたのが気に入らないらしい。
ギャーギャーと喚いていて、一向に訓練が始められない。
とても迷惑。
そしてこっちに気付くキャベンディッシュ、アールスハインと俺をあからさまに馬鹿にした顔で見下してくる。
が、キャベンディッシュが何か言う前に、メガネ長官が、空気を変えるように手を叩き、
「では、揃ったので訓練を始めます!」
と大きめの声を出したので、二股聖女と一緒に来た騎士達は、少し離れた所に移動した。
「それでは、昨日渡した魔力錬成の玉をどれだけ使えるか見せて下さい。1日しか無かったので、上達してなくても恥ずかしくはないですからね、では聖女様どうぞ」
メガネ長官に言われて、二股聖女は、ドレスのポケットらしき所から野球のボール位の魔力錬成の玉を出し、目の前に掲げると、緑、青、紫に、順番に色変えをして、とても自慢気にこっちを見て、鼻で笑った。
すかさずキャベンディッシュが手を叩き誉めちぎる。
アホだね、呆れるね、むかつくね!
「はい、では次にアールスハイン王子どうぞ」
メガネ長官の声に、アールスハインが掌の上に玉をのせて、白、黄、緑、青、赤の順に色変えをし、次に赤、紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、レモン色、白とグラデーションで色変えをして見せた。
二股聖女はポカンとし、キャベンディッシュは驚愕!って顔をしてた。
「はい、ではケータ様どうぞ」
驚いてるけど、若干嬉しそうな声のメガネ長官。
俺もやりましたよ、昨日から飽きる程やっている色変えのお手玉を、アールスハインと同じく、はっきりとした色変えとグラデーションの色変えを両方ね!
どや顔もおまけに付けたよ!フン!
驚いて固まり、ハッと気付いて今にも拍手しそうになったメガネ長官だけど、二股聖女達の手前、途中で止めて、
「そうですね、聖女様はもう少し練習が必要ですね、でもとても筋は良いですよ。アールスハイン王子とケータ様はもう練習は充分でしょう、実技の練習に入れる実力です。お二人には、魔力変換の練習から始めて頂きましょう。あちらの的の近くに、うちの者がおりますので、移動し……」
「ちょっと待て!なんだお前たち!今な、何をした?!そんな昨日玉をもらったばかりで、あんなにはっきりと色を変えられるわけないだろう!何か卑怯な手を使ったな!白状しろ!俺の目は騙されないぞ!!」
と言い掛かりを吹っ掛けて来た。
バカだね、穴ぼこの目だね、相手したくないね!