肉体強化訓練 二
誤字報告、感想をありがとうございます!
おはようございます。
今日も快晴です。
連休五日目です。
この四日間は、ひたすら肉体強化の訓練をしてました。
結果はまだ出て無いけど。
同時にボードに乗る訓練もして、こちらはフヨフヨとゆっくりなら飛べるようになりました。
アールスハイン達が周りをビュンビュン飛び回るのを恨めしげに眺めながら練習してました。
そこで、三日目くらいに気づいたのは、肉体強化の訓練を通して、魔力操作の上達が有ったからこそ、ボードを自在に扱える事が判明。
試しに魔法庁の職員さんを捕まえて、ボードに乗せてみたところ、アールスハイン達程とはいかないものの、結構なスピードで飛べることが判明。
魔法庁職員さんも大興奮で、ボードを欲しがってたけど、今、量産中だから、何なら自分で魔力込めてみたら?って勧めといた。
大急ぎで魔法庁に帰って行ったよ。
その後二日程で、複数の魔法庁職員さんが城の中を飛び回る姿が見られたとか。
普段そんなに魔力を使う機会も無いので、魔力をもて余していたそうです。
なので、あっと言う間に、ボードの魔道具は量産されて、騎士団用のボードも大分増えてきた。
今までゲラゲラ笑ってた騎士達が、盛大に吹っ飛ぶ所を、フヨフヨと飛べるようになった騎士達がゲラゲラ笑い返してた。
ボードに乗る訓練は、逆に言うと魔力操作の訓練にもなるので、肉体強化の為にも早く自在に乗りこなせるようになるといいね!
この分だと魔法庁職員さん達の方が、肉体強化を覚えるのが早くなりそうな予感がするしね!
ユーグラムとディーグリーも二日目から合流。
「ナハハハハハハハ」
「「アハハハハハハハハ」」
「フフフ、フフフフフフフフフ」
肉体強化をして動き回ると、何故かテンションも爆上がりして笑い出す、と言う現象が起こる。
それを見た騎士達が、ドン引きしております。
魔法剣使ってる時の自分達の姿を、客観的に見た感じ。
反省している騎士が多数。
今は反省してるけど、たぶん肉体強化覚えたら、同じことするよね!
その時は、なるべく近寄らないようにしよう!
今、アールスハイン達は、魔法剣を使いながらの肉体強化の訓練。
休日なのに、魔法庁の職員さん数人が、肉体強化の訓練に参加しながら、アールスハイン達を見て、同時発動が!とか驚いているけど、同時発動は随分前に出来てました!って言ったら、頭抱えてた。
テイルスミヤ長官の気持ちが分かったそうです?
俺はボードの量産を手伝っています。
職人さんが形を整えた魔物素材の板に、判子を大量に押して魔石を置いて焼き付けるだけのお仕事です。
他の人だと一つ一つ焼き付けないといけないらしいけど、俺の場合は魔力が多いので、纏めて一気に焼き付けが出来て、とても便利!
元々俺が作った魔道具なので、他の人より魔力も通りやすいしね!
お昼を食べたら、双子王子に拉致られて、午後はお城の庭を走り回りました。
双子王子のお友達の貴族令息達も一緒で、一際小さい俺をバカにしようとしてきたけど、肉体強化をしてるので、誰にも負けない速さで走れます!
子供達に物凄く尊敬の眼差しを向けられました。
おやつを食べたらお昼寝。
団子になって皆で一斉に寝ました。
起きたら保護者だろう奥様集団と、メイドさんの集団が微笑ましげに周りを囲んでました!居たたまれない!
帰るときには、何故か皆に涙ながらにまた遊ぶ約束をさせられ、終わった時にはグッタリしました。
風呂に入って晩餐室へ。
双子王子が今日の俺がいかに凄かったかを、目をキラッキラさせて語っている。
それを聞いてる大人組が、微笑ましい目で見てくる。居たたまれない!
ごめんよ、おっさん、ちょっとはしゃいじゃったよ!
肉体強化でテンション爆上がりするのは、俺もでした!
ちょっと反省しつつ今日は終わり。
明日からはいよいよ肉狩りの旅です!
おはようございます。
今日の天気は快晴です。
何時もよりも少し早めに起きました。
特に急ぐことは無いんだけど、遠足の朝とか無駄に早起きして、荷物の点検したのに忘れ物をしてしまうような子供だった俺です。
この世界に来てから、マジックバッグがあるので必要ない物まで詰め込んでるので、忘れ物はないと思います。
長男長女は荷物が多い傾向にあるって、昔テレビで見た記憶があるな。
暫くお城を離れるので、一応皆に挨拶して出発。
今回はシェルはお留守番。
デュランさんが用事が有るそうで、そっちのお手伝いだそうです。
凄く悔しそうだったけどね!
お城の料理長も、同行出来ない事を凄く凄く悔しがってた。
Aランクの冒険者さんとは街門の所で待ち合わせ。
強面肉屋のガジルさんが荷馬車を貸してくれるそうです。
マジックバッグが有るからいらないんだけど、手ぶらで帰って来るのは目立つので、今回はちゃんと肉、いや獲物を持って帰って来いって、助言されました。
街門に着くと多くの人がいて、どの人が待ち合わせのAランクの冒険者か分かりません。
馬車から降りてボケーと回りを見回していると、周りの人達がザワザワしてます。
視線を追って見ると、荷馬車に寄り掛かった男前が居ました。
背の高いガッシリした大柄な人物で、濃い茶の髪と目をしていて、無精髭がやけに色気を醸し出している男前。
イタリア人モデルにいそうな、彫りの深い濃い顔の男前。
ボケーと見てると目があって、男前はニヒッと笑いこっちに来ました。
「あーどうも、ガジルの紹介で今回同行します、ルルーです。あんたがアールさん?」
アールスハインを見て尋ねる男前なルルーさん。
優男風なのにAランク冒険者。
騎士団にいる筋肉マンとは違う細マッチョ。
笑うと人懐っこく見える男前。
とてもモテそう!
「アールです。よろしくお願いします」
「ユーグです、よろしくお願いします」
「ディーグリーです!よろしくお願いします!」
「ティタクティスです、お世話になります」
「けーたでつ、よーしくおねがーしましゅ!」
「おお、よろしくー、んじゃぁまずは馬車に乗ってくれ、ここに居ると邪魔になる。話は森に向かう道中で」
そうして荷馬車に乗り込んで出発した俺達。
が、揺れがですね!流石荷馬車、元々人を乗せる用じゃないので、間に合わせに置かれたクッション越しでも、下手に口を開けると舌を噛むほど揺れる!学園の馬車より酷い!
なので移動魔道具出して、一人フヨフヨします!
「あー、ケータ様ずりゅっ!!」
ずるいと言いたかったディーグリーが舌を噛んだ模様。
俺を見たアールスハインとユーグラム、助はすかさずボードを出して座ったのに。
痛みに悶えながらボードを出して座るディーグリー。
「あー酷い目に遭った!もう、皆も一言言ってよ~!」
「一言言う余裕が無かったんです」
「ああまぁ、同じ目に遭ったかもね~」
「ちょっとちょっと、ねえ!何それ?魔道具?!そんなの俺見たこと無いんだけど!やっぱ貴族様だと持ってる物が違うなー」
振り向いて浮いてる俺達を見て、驚いて荷馬車を止めたルルーさん。
繁々と眺めて更に驚いている。
「いやいやいや、俺は平民ですから!」
「いやでも、ラバー商会のお坊ちゃんならその辺の貴族よりも金もコネも有るだろう?」
「ん~まぁそれは否定しないけど」
「そんな見たこともない魔道具を持ってんだから、普通の坊っちゃんじゃねーだろーけどよー」
「俺はたまたま知り合ったのが、規格外な人達だっただけだし!俺はちょっと裕福な商会のボンボンなだけだし!」
「ちょっと裕福、では無いでしょう、国一番の大商会のボンボンなんですから」
「いやいやいや、それだって辺境伯の鬼属や、教皇猊下のご子息や、王子に比べれば、一般庶民でしょ~」
「はーーーー俺からしてみれば、全員が一生に一度お目に掛かれるかって大物だけど?!」
「まぁまぁ、その辺は気にしなくて大丈夫、今回同行を頼んだのも、ガジルさん経由だし、駆け出し冒険者の指導くらいの気持ちでいてくれれば、俺達も気が楽だし~」
「……………あぁそうさせてもらうわ、貴族の坊っちゃんの扱いとか言葉遣いとか、俺には無理だしな!」
「そうそう、一々気にしてたら無駄に怪我するよ~、この魔道具だって貰い物だし~、俺が凄いわけじゃないから~」
「そんな凄い貰い物があるって事がもうすげぇ自覚を持て!」
ルルーさん以外に見られました。
視線をそっと外す俺。
その意味に気付かないルルーさんが首を傾げるけど、特に説明はしません。
二時間後、演習に来た森に到着。
ルルーさんは荷馬車に揺られっぱなしだったので、ろくに話は出来ませんでした。
森に入る前に街道沿いにある休憩場所に荷馬車を置く。
馬は休憩場所に放しておいて大丈夫。
それ用の魔道具が有って、盗難防止が付いてるそうです。
荷馬車にも魔道具を付けたが、これは盗難防止よりも認識阻害な魔道具だった。
対になる魔道具を持っている対象者だけが認識出来るようになるそうです。
後で靴の中敷きにも付けなければ!
まぁ最悪、休憩場所を手当たり次第触りまくれば発見はされちゃうんだけどね!
何ならマジックバッグに入れとく?と提案してみたら、そこまではしなくていいって。
去年ここら辺を縄張りにしてた盗賊が退治されたので、心配無いって。
その盗賊倒したの俺達ね!
ちょっと早いけどここで昼食。
ホカホカの携帯食を渡してあげたら、物凄く驚かれて喜ばれた。