ラポール rapport
Charles Mingus - Mingus Ah Um (1959)
を 聴きながら
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小さな頃、絶対に人に心を見せたくなど無かった
無かったのに、自分の分身を望んだ なにもかも理解してくれるラポールが欲しかった
小さな頃、うまく表出できないこの役立たずな私が手にする言葉などなくなればよいと願った
役立たずな言葉など必要などない 誤解が生まれていくだけでなく上乗せされて余計にひどいことになるんだと憤った
小さな頃に泣きながら願ってもう今では顔も思い出せない女の子に愚痴ったとき
私は、そこでもちいさな失望を感じた
彼女は、私の訴えそのものを理解すらしてくれなかった
彼女の心には全く響かなかったそれ
ラポールなんていないのだと思った そして、同時に私はまた期待していたのだと思った
ばかみたいに 期待することをやめられないのだと思った
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あれから、年月だけはたっていったけれど
私は、小さな頃の私の願いを白い影のようにみる気がする
小さな私はちいさく座ってただただ空想に沈もうと努力する
足元や腰元は、もう現実という水に浸かっているのに、そこから無理やり目を背けようとして
きっとその子の流している涙だけが、その子の中で現実にすこし触れ合っている部分だから
水面に落ちる水滴にそのようなことを思って
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