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返信【青年】

親愛なるテツロウへ


まさか今回はこんなにも早く返事をもらえるとは思わなかった。

どうやら私と君の世界には多少のズレがあるらしいね。


試験の成功を祈ってくれてありがとう。おそらく君が手紙と一緒に封筒にいれてくれたお守りが私に加護をくれたんだろうね。


私の方は無事に『独立』をしたよ。


これで私もやった自分の声を使って皆の役にたてる。


私がやる仕事は前々から心を決めていた。


配達人さ。


私の声が強く思った相手に物を届ける力だと教えた事は覚えているかい?

そう、その力を使って依頼人の大事にな人への思いに協調して歌を歌い手紙や贈り物を届ける仕事は前からずっとやりたいと思っていたんだ。


君の手紙から見るに、君の世界には色々便利なものがあってその中には人々を早く目的の場所に運ぶ動物がいるようだがこの世界では人間が乗れるようなものは馬しかいないからね。

昔話では自分の歌声に乗って空を飛ぶものをいたようだけど……


君が話してくれたように旅行に2-3日で「ヒコウキ」というものに乗って海を飛び越えて隣の国へとはいかないのさ。


だから私のような声があれば遠くにいる大事な人とすぐに連絡が取れる。


出来れば本人を運んであげればいいんだけど私が声で運べるのはせいぜい手のひらに収まる程度のものだけだからこれは仕方がないね。


それでも私の力はとてもこの世界で重宝される。

誇りに思うよ。


ところで君はいったいどんな仕事をしているのかな?

もしくはもし君が小さな少年だった場合どんな事をしたい?

あと君の声はどんな声なのかな?

あ、ごめん。なんだか口うるさいおじさんみたいな聞き方になってしまったね。

でも私は一人っ子だからついつい異世界にいる君が弟のように思えてしまって。

おかしいね、会った事もないしまだほんの数回しか手紙のやり取りをしていないのに。


そうそう、お願いされてしまったオタマジャクシの実だけど実際どれぐらいの時間をかけてそっちの世界に届くのかよくまだ分かってないから代わりに母が君の話を聞いて作ってくれた加護の枝を送ろう。


これは君の送ってくれたお守りのように持っている人への幸福を運ぶとされているお守りで、それぞれの家庭によって決まった形がある。


私たちの家のは持ち主が困った時に支えるようにと杖なんだ。

気に入ってくれるといいのだけど。


君の手紙に比べて短くなってしまってごめんね。


今年はどうも羊皮紙があまりとれなくて貴重品になってしまったのさ。

ところで君の送ってくれる手紙の紙はとても薄くて綺麗だね。


いったいどうやって作っているのか知りたいな


ムジク

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