第十八幕 ミントとメアリー……。交差する光と闇。 1
※どう考えても警告が来そうなので、この話は殆ど削除しました。
ミッドナイト版かカクヨム版を作成する場合、完全版として載せようと思います。
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メアリーは甘美でエロティックな妄想に耽っていた。
ミントの事を考えると、劣情ばかりが湧き上がってくる。
……あの子、好きな子いるのかしら?
そう思うと、嫉妬の感情も湧き上がってくる。
ジェドという少年では無いだろう。
ならば……。
……女の勘だけど、ね。
メアリーは、遠くに見える、謎のオーロラを眺めながら、どうしようもないエロティックな妄想に耽っていた。
『作中作・砂漠の華』
凍える砂漠の中、二人は対峙する。
「貴方自ら、私の処に出向くなんて、何故、そう考えたのかしら?」
メアリーは不思議な顔をする。
「お願いがあるの。協力して欲しい」
「何に?」
「犯罪者が野放しにされている。処罰されるべき罪人達が生きている。私はそれがずっと赦せなかった。沢山の人殺し達がよ……」
ミントは冷たい視線で向ける。
「犯罪者? 人殺し?」
メアリーは少し困惑したように感じる。
ミントから発せられているのは、メアリーが強く興味を引くくらいの憎しみだった。深く、暗く、そして底が見えない程の……。
砂塵は二人を包み込む。
「ねえ、メアリー。私はこの世界の神様を信じない。彼らに転生を与えてはならないから。死後の世界での救済を与えてはならない。私は彼らに死を与えたい」
「そう?」
メアリーは自らの髪にかかった砂埃を払う。
「それで、貴方は取り引きの際に、私に何を提供してくれるのかしら?」
ミントは……。
少し、儚げな顔になる。
「私の貞操を上げるわ。貴方、欲しがっていたでしょ?」
メアリーは唇を震わせる。
「いいの?」
「ええ、私を好きにしていいわ」
ミントは、自らの上着を投げ捨てる。
肩。
太股。
そして、胸元が露わになった服を着ていた。
「私を好きにしていいわ」
ミントはメアリーの瞳を見据える。
「いいわ。取り引き、成立ね」
†
……………………。
……………………。……………………。
朝だった。
ミントは羽毛に包まれたベッドの中で寝ていた、隣にいたメアリーが彼女を起こす。
「う、うん…………」
ミントは眼をこする。
メアリーは、ミントの髪を握り締め、そして大きなハサミで髪を切っていく。
「ちょっと、何しているの…………」
べりっ、と。
ミントの薬指の爪が剥がされる。
ミントは激痛で失神しそうになる。
「何、やってる……!?」
「どんどん、興奮してきちゃって、……その、ちょっと貴方の身体、色々、切り取っていいかしら?」
ミントは。
力いっぱいに、メアリーの頬を弾き飛ばす。
メアリーは鼻血を流す。
「ふふっ、…………、私、可愛い子からいたぶられるのも好きよ?」
「そう」
ミントは、握り拳を作り、力いっぱいに、メアリーの顔を殴り付ける。メアリーは、よろけて倒れ、椅子に全身を打ち付ける。
「これ、以前、私の脚切った分ね。これで許す。……ね、ちゃんと私に協力してね? 私、本当に初めてだったのに……、やっぱり、貴方って人は……」
メアリーは起き上がろうとしながら、椅子の角に当たった後頭部を撫でる。
鼻血がどくどくと流れている。
「ミント。貴方、ハルシャって。あの…………、牛の頭の男の人……?」
「うん、そうよ」
「……本気?」
「初めては、彼と決めていたのに…………」
「人間じゃないわよね……」
「別に貴方に関係ないじゃない? 私は彼との子供が欲しい」
メアリーは、少し首をひねる。
メアリーは、優しくミントの頭を撫でる。
†
急使が来て、メアリーの妄想は終わる。
妄想が酷過ぎて、思わず、ノートとペンを取り出して、自分とミントの逢瀬の妄想を書き上げていく。
興奮して壁に鼻を打ち付けてしまい、本当に鼻血がどぼりどぼりと流れ出していた。メアリーは正気に返って、ハンカチで鼻血を拭う。
「……あの子、絶対、ハルシャに恋愛感情抱いているわね」
メアリーは確信する。
手紙の中に書かれている、デス・ウィングのミントへの見解に対しては、メアリーも何となくそう確信していた。お互いの見解は、ミントも充分な異常者である、と。メアリーも、流石に獣と交尾する性的嗜好は少し、理解出来ない。
ごとり、と、メアリーの傍で、彼女が××××に使っていた、アンデッドの少女の手首が床を転がっていった。
メアリー




