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僕が君を待つ理由

 僕は、…なんだったっけ、自分の名前が分からない。呼ばれた気がしたんだ。名前を、呼ばれていたはずなのに、思い出せない。とても泣きたい感覚になるが、体をうまく動かせない。苦しくて、呼吸をしようにもうまくいかない。視界が明るくなり、空気に包まれる感覚。思い切り息を吸い、そして、思わず大きな声で泣いた。しばらくして、落ち着いてみる。自分の置かれた状況を考え、結論にたどり着く。


 つまりは僕は、転生、したようだ。

 僕は幼いころから人の気持ちを考えることが苦手だった。それは、成長した今でも変わっていない。もしも僕が、例えば人の気持ちがよくわかる人であれば、少しは現状が違っていただろうか。


 もう、誰かの期待に応える生き方は、疲れた。誰かの命令で生きることは、したくない。


 ずっと、本当にずっと昔からこの場所で君を待っている。早く来てくれとは言わない。なにせ時間は余るほどにあるのだ。来てくれるというなら、どれだけ待たされたってかまわない。

 この世界でどれくらい時が過ぎたか分からないが、どうやら僕の名前はリーゼというらしい。言葉もうまく話せず、手足も自由に動かない。本当に不便で、退屈である…

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