Mission-7 行商人ト交流セヨ
お待たせしました!
ここ最近、(まだまだ少ないですが・・・)じわじわと”評価”と”ブックマーク”が上がってる事に、
戸惑いと、嬉しさを隠せないでアリます・・・。(感謝!)
・・・あんまりだ~!
と言える程ショックを受けたが、
何とか持ち直し一夜を明かした
オレとオルセットは、翌日、
当初、彼女の旅の目的地であった村、
「トルガ村」へと辿り着いていた。
人口54人、村の面積は1500㎡
(1㎡は、縦、横1メートルの”正方形”だ。)
例えるなら、<25mプール>が”4つ分”と
言ったところか。
特産物は特になし・・・
ただ・・・もし、贔屓して言うなら、
ここの子供は遊ぶのに困らない程の”広い中央広場”
がある事かな。
まぁ……つまりは”円状”に家が配置されてる
と言った感じか。
・・・なんで解ったって?
まぁ、”スキャン”を
誤作動させたらって・・・事だけ言っとく。
・・・”検証”がメンドウになってきたけどな。
☆「とりあえずは、”宿”かな・・・」
広場の中央でごちる。
もちろん、オルセットも一緒だ。
「ねぇ・・・ボスゥ・・・」
☆「んっ? どうした?」
「宿よりも・・・先に・・・
”買い物”・・・いいかな・・・?」
☆「どうしてだ?
先に決めておかないとまた”野宿”になるぞ?」
「・・・服が欲しいの」
☆「服? そのローブがあるだろ? それよりも、
泉に”荷物”を置いてきちまったんだろ?
”武器”とかの”装備”が先じゃあないか?」
「ボスゥ・・・」
そう言うと、オルセットは顔を背けながら
自分の”胸”辺りにかかっていた
ローブを少し捲くり・・・エッ?
お・・・オイ・・・オレの見間違えか・・・?
「ボ・・・ボスゥ・・買っ・・て・・・」
☆「お・・・オルセット?
お前・・・はだ・・・」
「買ってよ!ボスゥ!」
☆「わ・・・わかった、解ったって!
後、落ち着け! 店‥‥
探して買ってやるから‥‥」
「ありがと・・・」
ふぅ・・・まさか、
”服”まで置いてきていたとはな・・・。
とりあえず、”店”探すか・・・。
粗末に扱うなんて言語道断だしな・・・。
‥‥とまぁ、
探し始めて10分ぐらいしたが、やっぱり
”小さな村”だからというべきか‥‥ないな。
RPGなんかじゃあ、こういう村でも
小さな「雑貨店」があってもいいハズだが‥‥。
そうもいかないもんか‥‥?
しっかし‥‥ないのは‥‥
「お兄さん」
☆「・・・?」
おっと、いつの間にか広場に戻っていたのか‥‥。
というか‥‥今の声は?
「ちょっと、そこの”美人”を連れたお兄〜さん!」
☆「・・・んっ? オレェ?」
声のした方向‥‥説明し忘れたが、
広場の中央にあった”針葉樹”のような木の根元を
見れば、そこにはオルセットと似たような
ローブを着た怪しげな”男”がいた。
一言声をかける前に、軽く観察。
ローブは、青黒、フード付きのモノのようだが、
外しており顔の表情が見える。
第一印象としては”爽やかな青年”っていう所
だろうか‥‥。
ブロンドヘア‥‥でイケメン‥‥
あれっ? 何で憎らしく思えるんだ?
「何かお困りのようだね?」
☆「あぁ・・・。アンタは?」
「僕かい? ああ、申し遅れたね。
僕はこの界隈で行商人をやっている、
”ダース”ってモンだ。」
・・・”・ベー○ー”って続きそうな名前だな・・・。
☆「行商人?
じゃあ、”服”とか売ってるか?」
「あぁ、持ってるとも。ちょっと待ってろ・・・」
そう言うと、木の根元に置いてあった大きな
背囊・・・じゃあないな・・・。
・・・何て言えばいいんだ? う〜ん・・・
”ストリート○ァイター”の”リ○ウ”が、
持ってるような、バッグと言えばいいか・・・?
まぁ、とにかく、
そんなバックを前に取り出すと、
中から、次々と出てくる、出てくる・・・。
剣に盾、ナイフにリンゴなどの食料と、
さらには、こんなモン誰が”道すがら”に買うのか?
って疑問に思うような”壺”まで・・・
☆「すごい入ってるんですね・・・」
「んっ? ああ、これか?
これは、あるツテから買い取った自慢の品でな。
まぁ、どこから買ったかは企業秘密だし、
売らないけどな・・・っと、あったあった!」
そうして、一通り並べ、
ようやく見つけたかのように”服”が出てくる。
・・・やっぱ”中世”がベースな世界なんだな・・・。
☆「これまた種類が多いな・・・」
「ウチは、”品揃え”の多さも、
”バック”と張り合う程の”自慢”でな。
・・・なんてのは、チョッピリ冗談だが、
さて、そこのお嬢さん。
この中からお気に召すモノはあるかい?」
「えっ? ボクは・・・」
「顔を隠したってムダさ。
それよりも、僕に、お嬢さんの服を
見繕わせてくれないか?
そのために、その”フード”を外して、
キミの”美人さ”から、どんな服がいいか、
考えさせて欲しいんだ」
あれ? オルセット・・・いつの間に”後ろ”へ?
☆「おい、嫌がってるじゃあないか」
「選べないなら、選んであげるのが
”筋”ってものじゃあないのか?
さっ、お嬢さん。」
「ええっと・・・ボク・・・あっ・・・。」
・・・おい、神さん・・・
なんで”風”を吹かすんだよ・・・?
「ッ! ・・・帰ってくれ」
☆「はっ?」
「”帰ってくれ”って、言ったんだ。
なんだよお前・・・”獣人”が恋人とかって、
頭、狂っているんじゃあないのか?
オレでも、シネ〜よそんな事。
さっ、帰った帰った」
☆「テメェ・・・」
「ボ・・ボスゥ・・・もういいよ・・・
他・・・探そう。こうなるかも・・・って、
薄々思っていたし・・・」
「ハァ? ”獣〜人”風情が、な〜に言ってんだよ?
オメェらみたいな”獣臭い”奴らに売る”品”なんて、
どこの店に行ってもありゃしね〜よッ!」
「・・・・・・」
「だいたい”お客様は神様だ”って、
商人の間では言うが、お前ら”亜人”共は、
”厄病神”なんだよッ!
な〜にが、亜人”様”だ⁉︎
人間の事を知らない”野蛮人”だろ⁉︎
近寄るだけで、客は帰っていくし、
寄っただけで、”店”の常連さえ、
ドンドンいなくなっていったって、
聞いた事もあるからな!」
「・・・ッウゥ・・・」
「・・・と熱くなりすぎた・・・。
フゥ・・・申し訳ないね、まぁ・・・しかし、
冷静に考えてみれば・・・
お客さん・・・災難なモンだね。」
☆「・・・はぁっ?」
「いや、フツーありえないからさ。
”亜人”と一緒にいるのって。
大方、この先の商業都市で、あの”お貴族様”から
”罰”でも受けちゃたんでしょ?」
☆「・・・」
「解ってるって、
”屈辱”すぎて言えない事ぐらい。
大変だよな〜
なんせ、<”亜人”と一緒にいる>って事は、
この世で”最高の侮辱”だからな〜」
〜ジャキッ!〜
「・・・へ?」
☆「今から”二言”だけ言う・・・。
”金は払う”、”服を売れ”」
「ボ・・・ボスゥ!」
「は・・・ははっ、お・・・お客さん、
それで”脅し”のつもり?
自慢じゃあないけど・・・オレは、
そんな”鉄棒”じゃあ・・・」
~キンッ!シュボッ!~
「へっ?」
~ズバンッッリウィィィィィィィンッ!~
「へっ? へっ? ヘエッ⁉︎」
☆「もう一度だけ言う・・・。
”金は払う”、”服を売れ”
それとも・・・」
「解った! 解ったから!
悪かったって! 解ったから、
早くその”武器”をしまってくれ!」
☆「解ればいい。
・・・で? いくらだ?」
「いーよッ! タダで持っていけ!
”命”なくしたら、商売もこうもネェからなッ!
さっさと持ってけ!」
あの”兵士”どもの話の一部から、
薄々、予想がついていたが・・・この世界・・・
オルセット達・・・「亜人」の”迫害”は
酷そうだな・・・。
まぁ、今は置いといて・・・
買えるようになったが・・・
どれにすればいいか・・・?
とりあえず、無難に”女性”っぽいモノを
選んでみるか・・・。
☆「オルセット、この服はどうだ?」
俺が選んだのは、青いワンピース風の
ドレスっぽい服に、白い長袖の服だ。
ネットで覚えていたのか、たまたま見たやつに
”白”を”下”に、”青”を重ね着するような、
中世のファッションがあったハズだ。
さすがに、俺より先に”転生者”とかがいて、
”ジーンズ”とかが大流行! ・・・なんて
なさそうだしな・・・。
「う〜ん・・・
とりあえず、着てみるね、ボス。
・・・ちょっと、このローブで、
ボクを覆い隠してくれるかな?」
☆「あ・・・あぁ・・・」
そう言うと、
針葉樹らしき”木”の裏手に回り、ちょっと、
キョロキョロした後に、脱ぐ準備をした。
オレは、持ってきた服を地面に置いた後に、
彼女のローブを受け取り、即席の試着室を、
拵える。
・・・身長、高くて良かったな・・・。
☆「どうだ? オルセット?」
「う〜ん・・・ボスゥ・・・
悪いんだけど・・・合わないかな・・・」
☆「・・・そうか・・・」
「う・・・ううんっ!
ボスの”チョイス”はいいよ!
ただ・・・動きにくいんだ・・・」
☆「なるほどな・・・。
おい、ダース。”男物の服”を並べてくれないか?」
「”獣”風情に着せといて、
まだ寄越せっていうのかよ⁉︎」
☆「そーだ。ついでに、
お前への”おかわり”も、一緒でいいのか?」
「ダァ〜ッ! 解った!
並べとくからさっさと来いッ!」
・・・フンッ。
とにかく、取りに行くか・・・
一旦ローブを置いてっと・・・。
☆「ちょっと待っててな」
反対側に回り、再び、店の前へ。
並べられた”ラインナップ”は3つ程。
右斜め上に、片付けるのが面倒になったか、
さっきまで置いてあった服が乱雑に纏めらている。
「ホラッ、好きなん選べよ・・・」
さて・・・どれにするか・・・んっ?
☆「なぁ、あの服もいいか?」
「これか? ”男物”じゃあないけどいいのか?」
☆「あぁ。
ついでに、短めの”紐”もくれないか?」
「・・・はぁ、持ってけ。」
そう言って、一瞥していた”服の山”から
”オレンジ色”の長袖を貰い、並べられた”3着”の
中から、”ブーツ”などもセットになった1組を
チョイスする。ついでに”紐”も。
☆「オルセット、今度はどうだ?」
そして、渡すことおよそ10分。
「いーよ、ボスゥ」
☆「よし・・・っと。・・・オォ〜!」
焦げ茶の”ベスト”、両肩が大胆にくり抜かれ、
袖に余裕があるオレンジ色の”長袖”、
古着のような味わいのある、黒”ズボン”に、
中古らしい茶色の”ブーツ”。
・・・自画自賛かもしれないが・・・似合ってるな。
というか、今更だがオルセットの足、
”ネコ”っぽかったのに、フツーに履けるんやな‥‥。
さながら、「長靴をはいたネコ」みたいだな。
「う〜ん・・・けど・・・」
☆「まだ何か?」
「腕の部分・・・がね」
☆「そ〜言うと思った、
ホラッ、腕伸ばしてみな」
そう言って、伸ばされた腕に、
オレは先程、貰った”紐”を手首に括り付け、
袖がずり落ちたりしないようにした。
☆「これでど〜だ?」
「・・・うん、ありがとう! ボスゥ!」
☆「フッ、どういたしまして」
そして、
ローブをオルセットに渡し、再び店へと戻る。
「で? もう用は済んだだろ?
さっきの服もやるから、
とっとと帰ってくれッ!」
☆「・・・そうもいかないんでな・・・」
え〜と・・・どこにやったっけ・・・?
「ヒッ! いいからさっさと帰・・・」
〜ジャリン!〜
「へっ⁉︎」
☆「ホラッ、服の”代金”と、
さっき割っちまった”壺”の”弁償代”だ。
これで足りるとは思わないが・・・
今、持ってる俺たちの”全財産”だ」
「ボスゥ⁉︎」
「ちょ・・・お前・・・」
☆「・・・オレの国では、
民族による”差別”なんてほとんどなくて、
静かで、時に騒がしくも、本当に・・・
平和な国だったんだ。」
「・・・」
☆「そして、オレはそんな”国”を覚えてる性か、
”民族”や”宗教”なんかの”くだらない”理由で、
”いじめ”だの、”差別”だのしている奴が、
ど〜しようもなく”胸糞悪く”思っちまうんだ」
「・・・」
☆「アンタがこれ以上、聞き様がないのなら・・・
って思っていたが、意外に聞けるって
分かったしな。
・・・”夢幻だろ?” って思うかもしれないが
オレの国では、あったんだ。
流れ着いた身で、我儘かもしれないが・・・
オレは、そんな自分の”我儘¨を
突き通したかっただけだ・・・。
ホント、済まなかったな・・・」
「ボスゥ・・・」
☆「オルセット、
ゴメンな・・・今日も”野宿”だ」
「ううん、いいよ・・・。
また・・・”ボア”を食べられるしね・・・」
☆「・・・そうだな。
んじゃあ、行こっか」
オルセットに申し訳ないと思いつつも、
店を後にする・・・。
「・・・待ちな」
☆「ん?」
「ここから”北”ちょっとに、”川”があって
そこにこの村の”ギルド”がある。
そこで登録した後、2、3と、今日中に
こなせる依頼をやれば、”飯付き”で、
ちとは、お釣りも来るだろう」
☆「・・・そうか」
「だが、”情報料”として、さっきの話でも言った
この村から”東”にある”商業都市”で、
オレの店に来いよ・・・じゃねえな。
絶対に来い。しょうがネェから、
色々と”サービス”してやるよ」
☆「・・・ありがとな」
「最後に、そこの”獣人”」
〜ジャキッ!〜
「ッ!
・・・今度は”フード”取れないようにしろよ」
「あ・・・ハイ・・・」
☆「・・・フッ
行くぞ、オルセット」
「あぁ・・・ボスゥ⁉︎
お礼は⁉︎」
・・・また会って、ホント”イイ奴”って判ったら、
今後とも贔屓にしよっかな・・・?
とにかく、今は”ギルド”に向かうか・・・。
「・・・アレを”絶対”手に入れてやる・・・!」
その”商魂”は
”純粋”か・・・? ”野望”か・・・?
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いかがでしたでしょうか?
「行商人ト”喧嘩”セヨ」って、
思った方もいるんじゃあなかったでしょうか?(笑)
そして、思う方もいらっしゃると思いますが、
自分が「・・・」を多用するのは、マンガやアニメの”フィクション”の世界では、
例外もありますが・・・
ほとんどが”間”もなく流暢かつ、適切に”言葉を選んで喋る”のに対して、
現実では、日常でそこまで”言葉を選んで喋る”事ができる方って・・・
たくさんいるでしょうか?
作者だって、喋るのは結構シドロモドロ気味ですよ。(汗)
そんな”現実”の”呼吸”をキャラに与えて、
より”生き生き”とさせたいのが、自分の作風です。
<現実に近い、非現実>・・・そんなのを目指したいです。