Data - W2 第2章登場武器
お待たせしました!
第二回、武器紹介編でございますッ!
……いや、実は執筆が遅れているのは意外にこの武器紹介を含めた”データ集”を書いている性だったり……。
物語の続きを書く → 途中で行き詰まる → じゃあ、気分転換も兼ねデータ集でも書くか! → (実銃などの武器のデータを閲覧中)うわ〜スゲェな〜。 → (関連動画を見て)う〜ん、もっと具体的に説明できる動画はないかな〜? → (疲れてきて)zzZZzZZZ……。
……いや、その分、銃の事を”全く”知らない様な方にも楽しめる様、試行錯誤を重ねてこの小説は書いていますからねッ!?
……とにかく! 武器紹介、お楽しみくださいッ!
〈ドライゼ銃〉
1841年、プロイセン王国で、製作されたボルトアクション式ライフル。
黒色火薬を用いた”早合”ではない、”紙製薬莢”で装填を行う。
(ボスが使用していた物の見た目は6回目の改良が施された、M62というモデルに近い)
全ての「狙撃銃」の始祖とも言える、<ボルトアクション式>を”世界初”で搭載した本銃であるが、実は開発されてから本格的に活躍し始める”1860年以降”までは、「革新的過ぎる技術」のあまり、完成から実に”24年間”もの間、軍に配備されても注目を浴びない日陰者だったという、なんとも不憫なエピソードが存在する。
しかし、これまた世界初の"匍匐前進"をこの国が編み出し、本銃と合わせた"伏せ撃ち"戦法が確立して以来、この銃の運命は変わり始める……。
その後本格的に活躍し始めた”1860年”以降のプロイセン王国は、フランスやオーストリア帝国(現代の”オーストリア共和国”を中心にと、”チェコ”などの複数の周辺国家が合わさっていた集合国家)をボコボコにしたのを皮切りに……。
後の第一次、二次世界大戦にて、世界中……当時の大国であった"アメリカ"や"ロシア帝国"でさえも、震え上がらせる程の工業大国である「ドイツ帝国」へとのし上がるのであった……。
(同時に"ボルトアクション式"ライフルの"有用性"と"驚異"も、周辺国家に轟くのであった……)
そんな本銃だが、1章のボスの主力であった”フリントロック・ピストル”の発射方式である「燧発(フリントロック)式」よりも、「鎖閂(ボルトアクション)式」の方が下記のような点で優れていたため、登場した時代と共に、ジョジョに「前装式」の銃を廃れさせてゆく事になる……。
1、ハンマーによる衝撃が少なく、即時、発射薬に着火するため、
命中精度が高い。
2、「燧発式」は基本、剥き出しの黒色火薬を銃口から詰めて発射する
「前装式」を採用しているため、着火時の火花で位置バレしたり、
雨や湿気の前では役立たずだった。
しかし、「鎖閂式」の方は、1830年頃に誕生した「銃用雷管」を用いた
「後装式」を採用しているため、「前装式」のデメリットがほぼ皆無かつ、
圧倒的に弾込めが早かった。
(因みに「雷管」とは、現代の弾薬で端的に言えば、実包の底部分にある
”小さな丸いくぼみ”を指す。
くぼみの内側が皿状になっており、そこに衝撃に敏感な起爆薬が入っている。
撃鉄が撃針を叩くと弾が発射されるのは、撃針が雷管の起爆剤を盛大に
ド突いて発火し、雷管のより内側にある発射薬に着火させているからである)
次弾装填前後に、撃鉄を押したり引いたりしないと撃てないのが特徴。
(”撃鉄レバーを引き出す” → ボルトハンドルを起こして引く → 排莢(手動で紙製薬莢の燃えカスを取る) → 次弾装填 → ボルトハンドルを押し倒して戻す → ”撃鉄レバーを押し戻す” → 引き金を引く……
このように、現代のボルトアクションライフルよりも一手間以上掛かる銃であった)
また、排莢の際は、押し込んだモノと、撃鉄(ボルトの底)にこびりついた紙製薬莢を取り出していた。
(現代では、10発ワンセットの紙製パックに入っている)
ただし、ボルトアクション式ながらも、弾薬の推進剤となる「ガス圧」の<完全閉鎖>に成功しておらず、ガス漏れを抑えるために後の「シャスポー銃」よりも火薬量を減らした”弱装弾”を使用していた事により”射程”と”威力”が犠牲になってしまっている。
さらに……。
1、撃針も火薬の燃焼ガスが吹き掛かり焼損して折れ易くなる。
2、燃焼ガスによってジョジョにボルト内が腐食していき、最終的に漏れた発射ガスが顔や持ち手を焼く危険性がある……。世界初さながらの荒削りな欠陥が存在する……。
(腐食しやすいのは、弾丸の構造上、約4.8g程の”黒色火薬の中を突き進んで”、発射薬(雷管)をド突いて点火、発射させるため。
分かりやすく言えば、あなた自身が、自爆スイッチのボタンを態々押しに行き、態々自らを爆炎で焼いているようなモノ……と言えばお分かり頂けるだろうか?)
どうしても「?」と頭の上に出てしまうのであれば……。
<Dreyse Zündnadelgewehr>と、検索すれば実銃を撃っている動画を見られるので、参考にしてみて欲しい。
(マスケット銃の部隊と撃ち合っている動画では、いかにボルトアクションの連射性が当時では早かったか……それが実感出来るハズだ)
ただし、単発式故に頻繁なリロードを要するのが何よりの弱点であり……。
ボスは、3バカ貴族の私兵部隊を相手にする際に、〈1000〉のコストにも関わらず、¨2丁¨を作り出し”織田信長”の〈長篠の戦い〉ヨロシクのように、双子のエルフ姉弟に、次弾装填を¨弟¨。狙撃を¨姉¨。
――と分業させて、より早い連射を可能にするハズだったのだが……。
そんなボスのロマンをラフィル君は打ち砕き……泣く泣く”影武者戦法”を実行せざるを得なかったと言う……。
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<基本性能>
(A) 3000(有効射程300m圏内)〜1000以下
(F) 「(R)」
(M) 1
(R) 約3〜5秒(熟練程、短くなる)
<詳細性能>
(AC) C+
(RA) 600m
(ER) 250m(最高火力保持距離)
(P) 1〜3(生身。
オリハルコンなど、強固な材質の
防具の材質によっては1以下に)
<物価、重量、生産コスト>
(W) → 約4.7kg
(VA) → 3,0000br
(SC) → 1000MP
(SA) → 450(BC:Lev.2)
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〈シャスポー銃〉
1866年、フランスで、ドライゼ銃を参考に作成された改良型のボルトアクション式ライフル。
必要コストは「2000」
弾薬は同じ紙製薬莢だが、改良された点として
1、小口径化。(直径11mm。現代突撃銃で主流な弾の約2倍弱)
2、火薬量を増やし、弾の銃口初速の増加。(300m/s → 410m/s)
3、上記2つ+ゴムの発明によって、有効射程が「ドライゼ銃」の2倍、およそ<1200m>までの狙撃が可能になった。
(↑カスタマイズによるが、現代の代表的な狙撃銃「M700」でも、1000m以上は中々行かない)
特に画期的だったのは、”3”にもある「ゴム」による発射ガスのガス漏れがなくなった事が、このドライゼ銃を大きく上回る、高性能化の功績に大きく買っているのだ。
そもそも、ドライゼ銃は当時は前装式よりもボルトアクションが優れていたとは言え、完璧に発射された弾薬から発生する燃焼ガスを漏れなく、弾丸に伝える事まで成す事ができなかったのである。
ボルトから漏れ出たガスは、ヒドイ時は射手の”手”や”顔面”に噴き出し、焼き尽くすのであった。
作中では、3ブタの処刑の際、ドライゼでは足りない射程(有効射程600m)を克服するため(有効射程1200m)、導入され、リフィル、ラフィル、オルセットの3人よって使われる。
(裏設定だが、鐘を鳴り響かせていたのは、シャスポー銃の発砲音を誤魔化すため。鐘楼の場所でやっていたのは、確実に音を掻き消す事と、ちょうど三角帽子の塔が、広場を見渡せる高さにあったため、狙撃地点として選ばれていた)
ただし、実際の銃は撃針の腐食破損が少なくなった代わりに”不発”しやすくなったらしい。
これはドライゼ銃が雷管を”弾頭”の真後ろに設置して固定していたのに対し、シャスポーは紙製薬莢の底に”糊”で接着していたという極めて脆弱な固定方法だったのである。
(ドライゼは「弾頭の底」という”金属”の壁で、雷管と撃針を受け止めていたのに対し、シャスポーは、「”紙”薬莢の底」という、薄っぺらく頼りない壁で雷管と撃針を受け止めていたのだ。
さながら、ドライゼは<鉄筋コンクリート>の床。
シャスポーは、<泥>か<コンニャク>にも等しい”不安定な床”と言ったところか……)
遠征などでジメジメとした”湿地帯”などに遠征した際に、糊が湿気によって剥がれ、まともに撃てなくなり銃剣のみで戦う羽目になった話なんてのがあるそうだ。
(こんな致命的なミスがあるのは、フランスの気候は乾いているため。
それを物語るかのように、フランス製のブランド物などの製品は、湿気に対する対策において無頓着な傾向がある)
余談だが、幕末の日本にナポレオン3世が、”この銃の改良型”を徳川幕府に送り、これが後の国産”初”のボルトアクション狙撃銃「村田銃」の元になっただとか……どうかは置・い・と・い・て……。
それ以前にもツッコミどころとしては、この12年程前に”拳銃”でだが、<ヴォルカニック連発銃>などで「金属薬莢」が使われていたのは別の話である……。
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<基本性能>
(A) 6000(有効射程300m圏内)〜2000以下
(F) 「(R)」
(M) 1
(R) 約3〜5秒(熟練程、短くなる)
<詳細性能>
(AC) B
(RA) 1200m
(ER) 300m(最大火力保持距離)
(P) 1〜4(生身。
オリハルコンなど、強固な材質の
防具の材質によっては1以下に)
<物価、重量、生産コスト>
(W) → 約4.65kg
(VA) → 5,0000br
(SC) → 2000
(SA) → 1000(BC:Lev.1)
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〈コーチガン〉
1850年、西部開拓時代の直前辺りに開発された水平二連式の散弾銃。
定義的には、バレルの長さが18〜24インチ(460〜610mm)ぐらいとされている。
”コーチ”とは駅馬車(stagecoach)の意味で、これは西部開拓時代、郵便馬車など一部の馬車は非常に高価なモノを輸送する役目を負っており、それを警備する<ガードマン>が御者と共に乗っていた……そのガードマンの装備のほとんどが<ショットガン>だった事が由来らしい。
つまり、一口に「コーチガン」と言っても、「佐藤〇さん」、「佐藤〇〇さん」……のように同じ”分類”でも、作っている”メーカー”は違い、コーチガンという<通称>、あるいは<括り>として呼ばれているのだ。
因みに、この頃は「SAA」や、「レバーアクションライフル」などの大御所銃器が、後々出てくるのにコレなのか? と言うと、例えば馬や同じように馬車に乗った複数人の”悪党”に追われているとしよう。
その際、余程の強者でない限り、誰でも”早く逃げたい”と思うのではないだろうか?
さらに、高速かつ、馬車の振動やガタガタを抑える高性能な”サスペンション”がない時代に、上下左右しかも高速で動く”的”を、貴方は撃ち抜けるだろうか?
(余談ではあるが、「サスペンション」の原型となったモノがで始めたのは14世紀頃。
車輪を回す”車軸”の上にポンと馬車の荷台を置いていただけなので、ものっそい揺れに揺れた。
なので、この揺れをどうするか?
……という時に、じゃあ車体を揺れないようにしよう!
……と、車体を車軸から浮かせるようにした。
この時に、車体を吊り上げていたロープや鎖が、サスペンションの始まりだという。
ちなみに、現代のようなバネ状のモノは、18世紀頃から作られ始めたらしい)
……と言う事で、「ビリー・ザ・キッド」並みか、それ以上の射撃の腕を持つ者などが、わんさかいたワケでもないので「点」で撃つ「SAA」などの銃よりも、「面」で攻撃できる<ショットガン>が好まれたという話である……。
因みに、海外では今でも車の<助手席>は、「ショットガン」と呼ばれるそうだ。
(馬車の席に、御者は”左”、ガードマンは”右”に座っていた事から。
そして、海外の車は日本と違って、”左側”にハンドルがある)
ボスが使っていたモノは、モデルやメーカーを示す刻印がすり減っており……。
判別不能だったが、
銃身 → 「18インチ」
使用弾薬 → 「10ケージ」
引き金の形状 → 「両引き」
撃鉄の形状 →「有鶏頭」
(弾を込めた後、露出した2本の撃鉄を倒してから、弾を発射するタイプ)
……そして、ストックは切り詰められ、グリップだけになっており、素早く引き抜いて使う事を意識した造りというモノになっていた。
また、二連式散弾銃でよく見られる、銃身を折った際に”ポンッ!”……と空薬莢を自動で排莢するエキストラクターという部品は、1900年代頃から備わっていたらしい。
そのためか、ボスは毎回この銃をリロードする際は、毎回空薬莢を引き抜いていたのだった。
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<基本性能>
(A) 500 × 10発
(F) 約1秒
(M) 2
(R) 約3〜10秒(熟練程、短くなる)
<詳細性能>
(AC) E+
(RA) 15m
(ER) 5m(最大火力保持距離)
(P) 1〜2(”零”距離限定)
<物価、重量、生産コスト>
(W) → 約3.5kg
(VA) → 5,0000br
(SC) → 1500
(SA) → 750(BC:Lev.1)
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<抱え大筒>
全長約1.2m、重量約30kg、50匁(187.5g)、33.04mmの砲弾とも言える弾を使用する携行可能な大砲。
(”砲弾”の定義としては、陸上自衛隊では「口径20mm以上の弾丸」だとされている)
必要コストは「5000」
装填方式はボスが使っていた”フリントロック・ピストル”や発砲の機会に恵まれなかった”火縄銃”と同じ「前装式」である。
ただし、発射方式は「フリントロック式」ではなく火縄銃にも使われている「マッチロック式」となっている。
そもそも「大筒」とは、戦国時代から江戸時代辺りにかけて主に”攻城戦”や”海戦”を目的に作られた攻城兵器である。
(ざっくり言えば、でっかい城の門や壁をブチ抜いて、城への侵入経路を作ったり、巨大な安宅船の船体にこの兵器などで穴を開けまくって、沈める為に作られた武器と言える)
多くの「大筒」は、皆さんがご存知、有名であろう「パイレーツ・オブ・カ◯ビアン」で、海賊や東イ◯ド貿易会社の保有船、海軍の皆様方がバカスカと海上で撃ちまくっていた、炸裂弾を放つ「臼砲」や、鋼鉄の球をブッ放す様々な「キャノン砲」の日本製バージョンと思って頂ければ良い。
ただし、今回ラフィルが使用した物は、これを個人が携行して撃てるように火縄銃の機構を加えて作られた、言わば「持ち運べる大砲」であり、上記の大筒達と比べれば小さい。
しかし、それでも攻城兵器として当時の強固な壁や門を、ブチ抜くのに使われていた事もあるだけにあって、それが近距離かつ生物や人体に向けて放たれた際の、火力は絶大といえるであろう……。
(余談だが、ラフィルが使っていた抱え大筒は、銃身の素材が”鍛造の鉄製”であることから、恐らく”江戸時代”に作られた比較的新しい物だと推測される)
弱点は命中精度の低さ。
これは、火薬の量で射程距離を調整する必要性があり、上記「コーチガン」同様の滑腔砲かつ、携行可能な重さと銃身の長さを、実現させる事もあって正確な射撃が難しいからである。
……え? やけに解説が少ないって?
そりゃあ、解説する程の資料が少ないことも原因なのですよ……。
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<基本性能>
(A) 10000〜5000以下(射程距離と込めた火薬量に大きく比例する)
(F) 「(R)」
(M) 1
(R) 約30〜120秒(熟練程、短くなる)
<詳細性能>
(AC) F-
(RA) 10〜100m(火薬量による)
(ER) 0〜25m(火薬量による)
(P) 1〜2(生身。
オリハルコンなど、強固な材質の
防具の材質によっては1以下に)
<物価、重量、生産コスト>
(W) → 約30kg
(VA) → 5,000br
(SC) → 5000
(SA) → 2500(BC:Lev.1)
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<SAA>
1872年、西部開拓時代の真っ只中に設計され、同年代にアメリカ軍に20年近く正式採用され続けた傑作リボルバーである。
(しかし、後に”100年拳銃”とも呼べるご長寿で大人気な後輩君よりも50年以上も”正式採用年数”は負けているが……)
その後輩君が使用する”45ACP”弾よりも、弾頭重量と初速が高く、総合的な火力は若干”45ACP”よりも高い……事や、華麗なるガンプレイが最も栄える銃として、何とかその先輩としての威厳を保っている……ハズ。
火薬量の違いも、薬莢の長さが4インチ分も差がある事が物語っている……。
正式採用された年を意識してか、当時のアメリカ軍内での正式採用名は、「M1873」。
現代でメジャーとなっているシリンダーを振り出してリロードする「弾倉振出式」リボルバーとは、異なり、シリンダーを出すことができない「固定式」を採用しているため、”ローディングゲート”と呼ばれる場所から空薬莢を一発ずつ捨て、それからまた一発ずつ弾を装填していかなくてはならない、ヒジョ~に面倒なリロード方式になっている。
ただ、その代わりにこう言った「固定式」のリボルバーは、”腕を吹っ飛ばす”ぐらいの強烈なリコイルを生み出す、ハイパワーな銃弾にも耐える堅牢性を持っている。
そのため、この銃の全盛期であり当時で強力な弾であった「45LC弾」を撃ちまくってもほぼノープロブレムであった。
しかし、この銃が開発された頃は、現代の銃きには当たり前に備わっている「安全装置」というのはまだ確立されておらず、ほぼ存在しないも同然であった。
なので、暴発防止に”ハーフコック”にするか、ハンマーを下ろしている際、ハンマーが触れている部分のシリンダー内の弾は”空”にしとかないといけなかったのだ。
2章の作中、ボスがフルリロードをせずに”5発”込めたSAAに、態々一発弾を追加してから戦闘に臨もうとするのは、そのため。
さてさて……話は変わるが、この銃「フリーバイチケット」がなかった場合は「36000」もの魔力と引き換えにしないと供給できず、しかもこれより安い「パーカッション式リボルバー」や「ペッパーボックスピストル」、シャスポー銃でチラッと語った「ヴォルカニック連発銃」などがあるにも関わらず、この銃をボスは選んだのか……?
ズバリ、言ってしまえばどの銃も「”信頼性”及び、”リロード方法”、”性能”」が”SAA”と比べ、それらの銃を戦闘中に叩きつけたくなる程に低いためである。
具体的に言えば……
「パーカッション式」→ リロード<E>
火薬→弾→パーカッションキャップ(雷管)を計6回押し込み……。
ハメ込んで、装填完了!
……これを戦闘中に、悠長にやってられるでしょうか?
「ペッパーボックスピストル」→ 威力<E>、射程<E>
SAAとほぼ同時期の出身だと、上記のパーカション式な上、服の中に隠し持つ目的のため銃身が極端に短い。
後世の「デリンジャー」に近いタイプの銃なため、撃ち合いとパンチ力は欠ける。
「ヴォルカニック連発銃」→ リロード<C>、メンテナンス<E>
この銃は銃口を捻り、ポンプアクション式の銃のように、銃身下部に弾をこめるチューブマガジンに弾を入れていく方式なため、SAAと比べれば比較的リロードは容易だが、問題は作動機構。
ボルトアクション式に淘汰されていった、「レバーアクション式」の機構なため、複雑かつSAA並の強い拳銃弾を撃てない。
以上のように、威力、リロード、射程、メンテナンス面を考慮した結果、ボスは<SAA>を選択したのだ。
ただ一応、これから異世界に向かう人達に、ロマンをブチ壊すような発言をして申し訳ないが……
劇中ではボスが明確な発言をしなかったが、彼が使用していた”西部開拓時代”真っ盛りに多く使用されていたであろう……黒色火薬を使用する「ブラックパウダーモデル」では、中世の鉄製鎧を打ち抜く事はまず”不可能”。
(前提に現代で主流の”無煙火薬”と比べ”黒色火薬”を発射薬に使う銃は総じて”火力は低い”)
誤解しないで欲しいが、ボスの「ガンスリンガー」のスキルによって、威力が底上げされていた事もあり、作中では鎧や青銅帽ごとポンポン撃ち抜けていた。
ただし、それは現代の洗練された”冶金技術”によるものなので、魔法によるトンデモ技術などがない限り、不純(?)な純度で作られた粗末な鉄鎧……なら……! という希望はある。
(ただ、撃ちぬけなかった時は私に文句を言うのは、<世界の半分をやろう>的に、強く言われても聞き入れないので悪しからず……)
因みに、余談だが……ボスが最初に手にした「SAA」には、<356893>……という、製造番号が刻印されていた。
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<基本性能>
(A) 300(無煙火薬タイプは”600”)
(F) 1.2(ボスのファニングは、”1秒”で”6連射”)
(M) 6
(R) 約5〜10秒(熟練程、短くなる)
<詳細性能>
(AC) D+
(RA) 200m
(ER) 50m(最高火力保持距離)
(P) 1(生身。
オリハルコンなど、強固な材質の
防具の材質によっては1以下に)
<物価、重量、生産コスト>
(W) → 約1.14kg
(VA) → 3,0000br
(SC) → 0(本来は、30000)
(SA) → 0(本来は、15000)
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<スレッジハンマー>
鋼鉄製、ホームセンターや土木作業などでよく見かける、黒い頭が特徴的な大型スレッジハンマー。
元々は、ボスがテントを張る際の”杭”を打ち付けるために使用していた物だが……
ボスは、鎧を装備した相手に有効なのは”打撃”という事を知っていたため、範囲攻撃もできるこの長い柄を持つこのハンマーをチョイスした。
大乱闘回では、商会に置いてきたバック内に入っていたため、新たな物を供給している。
ただ、スキルの影響か……頭の部分よりかは細く、鋼鉄の密度が低いはずの柄が、鉄塊とも言える”ヴァイオの大剣”の一撃を、数回に渡って防ぐほどの頑丈さを持っていた。
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<基本性能>
(A) → 1500(柄による打撃は、¨10¨)
(F) → ”Agility” による。
(EN) → 300(クラス¨D¨、鉄)
(R) → ”Agility” による。
<詳細性能>
(AC) → ”Perception” による
(RA) → 腕の長さ、あるいは、
”Strength” (投擲の有無)による。
(ER) → 1~2m
(至近距離。投擲によっては、変動)
(P) → 0
<物価、重量>
(W) → 5.00kg
(「ジャム◯じさん」とも呼ばれる銃とほぼ同等の重さ)
(VA) → 500br
(日本での価格は、税込13834円)
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<即席フレイル>
通称「ポケットフレイル」。
8オンス(約230g)の釣り用重りを、バンダナで包んで作られた即席棍棒。
リフィルが自身の背後に忍び寄ってきた相手の撃退に使用。
その威力は、年間150人もの犠牲者を出していると真しやかに言われ、「殺人果実」とも評された「ココナッツ」を容易く砕く程の威力を持つ。
(ココナッツが凶悪犯!? ……と思った方は、高さ約30m程の建物の屋上から、4〜5kgのボウリングの球が人に目掛けて自由落下してきた様子を想像して欲しい)
因みに……参考程度だが、ココナッツの硬さは人間の頭蓋骨のおよそ”10倍”と言われている。
そこに人間よりも優れた身体能力を持つ”ハイエルフ”の彼女が振っていたと考えると……末恐ろしい物である。
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<基本性能>
(A) → 1000(柄による打撃は、¨1¨)
(F) → ”Agility” による。
(EN) → 300(クラス¨D¨、鉄)
(R) → ”Agility” による。
<詳細性能>
(AC) → ”Perception” による
(RA) → 腕の長さ、あるいは、
”Strength” (投擲の有無)による。
(ER) → 0~1m
(至近距離。投擲によっては、変動)
(P) → 0
<物価、重量>
(W) → 約240g未満
(VA) → 500br
(日本での価格は、税込約500円以内)
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<ヴァイオの大剣>
鉄製、ヴァイオが愛用していた一振りをボスが鹵獲した後、ラフィルに渡した物。
全長約1800mm、刃渡り約1600mm、刃厚約500mm、重量約0.03t。
……という、”鉄塊”と言っても過言ではない巨大さを誇る”グレートソード”である。
この鉄塊をヴァイオが両手で軽々と振り回していたと言えば、彼が今章のボス達にとってどれ程強敵だったが思い知れるだろう。
ただ……ボスおろか、オルセットでさえ両手かつ、「タフネス」のスキルを使用してやっと振る事が出来るのに対して、ラフィルはコレを片手で軽々と振り回して扱えるのである。
……要は、<上には上>がおり、人間様ばかりが威張ってはいけないと言う事なのである……。
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<基本性能>
(A) → 750(柄による打撃は、¨10¨)
(F) → ”Agility” による。
(EN) → 300(クラス¨D¨、鉄)
(R) → ”Agility” による。
<詳細性能>
(AC) → ”Perception” による
(RA) → 腕の長さ、あるいは、
”Strength” (投擲の有無)による。
(ER) → 0~1m
(至近距離。投擲によっては、変動)
(P) → 1
<物価、重量>
(W) → 約0.02t(20kg)
(VA) → 140000br
(日本での価格は、税込10368円)
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<異傭な機密情報>
”SAA”でチラッと話に出た”黒色火薬”と”無煙火薬”。
その違いは名前にもある通り”色”や”煙の出にくさ”の他に、皆さんはパッと思い浮かぶ<違い>はありますか?
……余り認知されていないでしょうが、その違いは「燃焼速度」。
つまり、”燃え尽きる速さ”に違いがあるんです。
これは、2018年までご存命だった、ある有名な元アメリカ軍の軍曹さんがやっていた……とある軍事番組で行われていた実験なのですが……。
”黒色火薬”と”無煙火薬”、その両方を少量ずつ……爆発しない程度の量を、ペトリ皿に用意し火をつけたんです。
すると”黒色火薬”は、瞬時に大きく燃えがった後、即鎮火したのに対して……。
”無煙火薬”の方は、燃えた時間は短いですが……確実に黒色よりも長く、蝋燭の火の様にゆっくりと燃え尽きて行ったんです。
爆燃だの、爆轟だの、詳しい事は省きますが……。
簡潔に言える事としては下記の様になります。
<黒色火薬>
火を付けると”即座に”燃え尽きる。
そのため、弾丸を押し出す力は火を付けた瞬間に、トップスピード!
助走なんて考えずに突っ走る、短距離走専門な火薬……というよりも爆薬。
(または、割り箸ゴム鉄砲の弾の様に、撃つとすぐ落ちる”持続力のない”火薬)
<無縁火薬>
火を付けると”ゆっくりと”燃え尽きる。
そのため、弾丸を押し出す力は火を付けた瞬間からジョジョに加速して行く!
弾丸が発射された瞬間が、トップスピードッ! 慎重かつ確実に弾を押し出して行く、長距離走専門な火薬。
(または、打ち上げロケットの様に、宇宙まで飛んでゆく”持続力のある”火薬)
……と、イメージして頂ければ、何故「無煙火薬」が威力が高いか……お分かり頂けたでしょうか?
また、余談ですが「黒色火薬」は”火薬”と言うよりも”爆薬”に近い性質なため、少なからず発射した際に銃身が破裂して吹っ飛ぶ! ……と言う事故があったそうですよ?