Contact-32 討伐 ≠ 実験 ≦ 狩猟(前編)
よってらっしゃいッ! 見てらっしゃいッ!
この小説の見所の”戦闘回”だよッ!
今回は目紛しく”敵”と”味方”の視点が交わりッ! スピード感ある(分割あれども)一本通しの戦闘が見ものだよォ〜ッ! 試験的な試みなのはご愛嬌ッ! 生暖かい目でご覧なってくださいなッ! サァ〜よってらっしゃいッ! 見てらっしゃいッ!
・・・はい、大変お待たせしました・・・。
・・・と言う訳で、茶番の前振り通り・・・”敵”は「>Villain<」、”味方”は「>Hero<」と、前置きを置いてから書きます。
ただし、”誰の視点”か? と言う事は明確には挙げないので、そこは文章中の表現や会話文から、読者の皆さんが”ご想像”や”予測”にお任せするという風にやっていきたいと思います。
(改良点がありましたら、感想欄やツイッターに書いて頂けるとありがたいです)
それでは・・・この小説では、初めてであろう蹂躙回・・・お楽しみくださいッ!
>Villain<
N:夜明け前、城塞都市マケットの領主館・・・天から差し込む光もまだない中・・・その裏手に広がる入り組むように木々が並ぶ森の中を、とある1つの群衆がちぐはぐな装備と足並みを揃え、森の奥へと進んでいた・・・。
「・・・なァ、アルノー。本当にこの先に狩猟小屋と、ちっこい広場なんてあんのか?」
「・・・知るかよ、ブノワ。親分からのお達しなんだよ。
オレらはただそれに従えりゃあ、暴れた上に、美味い酒と女にありつけんだよ・・・!」
「誰だッ!? 俺様を”親分”なんていうのはッ! 領主軍隊長と呼べ! 軍隊長とッ!」
「「ヘェヘェ・・・」」
N:・・・どこぞの世界でも、こうも野生化・・・いや、下劣な盗賊や品行方正のない兵士という類の男は、「酒」「女」「暴力」の3拍子しか考えられないのだろうか・・・?
・・・とは言えど、幾ら議論しようにも本能に忠実な此奴らよりも「めし」「フロ」「ネル」しか喋らないような、つまらなくも人畜無害な”サラリーマンの群衆”を横目に、思い浮かべようとするのは私だけだろうか・・・?
まぁ・・・それでも、兵士達は・・・ぎこちなくも足並み揃えて進む、進む・・・。
「親ビン〜あの領主様から、何か言われたんですか〜?」
「だから、軍隊長と呼べッつってんだろうが! このスカタン共がッ!
オメェらは、戦争から帰った英雄である・・・このッ、バンジャマン様に黙って従えば良いんだよッ!」
「ヘェヘェ・・・(×無数)」
「何だァッ!? 貴様らァ!? その返事はッ!? この”バンジャマン隊の精鋭”何だぞッ! 相手がたったの”4人”とは言えど、その気の抜け方は何だ貴様らッ!?」
「でも親ビン〜たったの”4人”ッスよねェ〜? こんだけ居るオレ達が〜全員、掛かればァ〜あっというまじゃあないッスかァ〜?」
「だ・か・らァ! 名誉隊長様と呼べッつってんだろうが! このスカタン共がッ!」
「・・・(なんか増えてる・・・!?)(×無数)」
「良いかァッ!? 貴様らァ!? この戦いはなァ・・・! 俺達の・・・バンジャミン傭兵団の・・・立身出世のための・・・ッ! ”セーセン”って奴なんだよッ! 神にも等しい行為なんだよ! 」
「・・・(神にも等しいか・・・!?)(×無数)」
「いいかッ! お前らッ!? この作戦が成功した暁にはなァ・・・俺達はなァ・・・あの”男爵”の芋野郎から・・・”公爵”のッ! 芋野郎になったッ! 栄えある帝国様の名誉近衛隊長にッ! 俺様がなれるんだよッ!」
「・・・オォォォォッ!(×無数)」
N:・・・いや、そこ気づけよッ!? 変な称号増えてんのも、気づけよッ!?
「俺様がッ」・・・だぞ? 「俺達がッ」・・・じゃあなくてッ!?
お前らの出世、どうでもいいみたいに言われてんだぞッ!? 切られるぞ! 中年太りのッ! そのスカポン隊長にッ!?
「なァ・・・アルノー・・・。
バンジャマンの親分、最近話題な教国製の”酒”でも買ったんですかねェ・・・?」
「あぁ・・・あの気持ちよくなれるって言う”酒”か?
違うな。ありゃあ・・・あの領主様が雇った”暗殺者”様が、オレ達にって・・・それよりも高い効果のある”お薬”なんだとよ」
「知らねェぞ!? そんな事ォ! おメェどこでそれ知ったんだよ!?」
「たまたまだよ。
昨日の兵舎で、親ビンが教国製の酒と一緒に”祝杯だァ〜ッ!”・・・とかッて、例の薬と一緒にガブ飲みしていた所を見ちまったんだよ。ありゃあ・・・”オレ達の分”まで、飲んじまったみたいだな」
「何だよそれ・・・」
「知るかよ、お前の言う通り・・・オレ達ゃァ、ただそれに従えりゃあ、暴れた上に、美味い酒と女にありつけて・・・その上で、親ビンの言う通りになれりゃあ、食いっぱぐれる事はァ無くなるんだからよ・・・」
「・・・だな。何かあったら、あのクソ親分に押し付ければ良いよな・・・」
「そ〜そう。
食えて、寝て、安心して生きられんのが、イチバンだからなァ!」
「「アッハッハッハッハッハ!」」
N:・・・知らない事が、此奴らにとって救いであろう・・・。
なんせ・・・彼らは”酒”やそれ以上に強力な”薬”と言われる”ナニか”を・・・喜んで飲んでいられるだけで幸せなのだから・・・。
まぁ・・・後にも先にも、彼らに”幸せ”が訪れる以前に・・・
この先の”地獄”から帰れるかが・・・問題なのだがな・・・。
>Hero<
『準備はいいか・・・? オルガ、リフィル・・・?』
『大丈夫だよ〜ボスゥ〜!』
『準備万端です・・・! いつでも撃てます・・・!』
『・・・ラフィルの方はどうだ?』
『・・・私の向かい側にいますね・・・ちゃんと聞いてくれているみたいです・・・』
『けど〜すっごい怒った顔しながら〜ボスをの方を見てるよ〜?』
『・・・ハァ・・・言う事聞いてる分、まだマシなんだろうが・・・いい加減にしてくれよ・・・
お前の”姉”に負担かけてんだぞ・・・!? ”コール”できないと・・・ッ!』
『本当にすみません・・・兄さん』
『いいよ・・・オレに直接従わなくとも、二人に渡した”銃”で上手く対処してくれるなら・・・それが、オレ対しての謝罪にもなるから・・・』
『あ・・・ありがとうございます・・・兄さん・・・』
『フフ〜ン、リルちゃん、落ち着いて! リラックスッ! リラックスッ!
落ち着いてやれば上手くいくよッ!』
『・・・微笑ましいけど、こういう状況じゃあなければなァ・・・』
『ッ! 兄さん、距離・・・およそ”500m”ッ!
100人の兵士らしき人影が接近していますッ!』
『100人? ・・・2個小隊って・・・こっちは4人だぞ?
千や万と比べりゃあ少ないが・・・過剰戦力じゃあないか・・・!?』
『・・・兵士達の会話からだと・・・そうではないみたいですね・・・
むしろ・・・こっちを侮っています・・・』
『クソッ・・・フザケけやがって・・・ッ!』
『・・・でも・・・やるしかないんでしょ? ボスゥ・・・?』
『あぁ・・・言い出しっぺはオレだし、二人に約束した事だからな・・・!
だけど・・・一つ、二人に言っておく』
『なァ〜にィ? ボスゥ・・・?』
『・・・何でしょうか、兄さん?』
『カルカやダースに頼んで稼いで貰った3日間・・・十分とは言えないが、お前達に精一杯教えたッ! この広場や小屋に仕込みもしっかり仕込んだッ! だけどだッ! 幾ら綿密に練った作戦や仕掛けであろうと・・・”偶然”と言う運命の前では、無力になる事がある・・・ッ!』
『・・・偶然・・・』
『う〜ん・・・どういう事? ボスゥ?』
『・・・ハァ、つ・ま・り・だッ。
不測の事態が起きても、慌てずパニックにならず・・・落ち着いて物事に対処しろって事だ』
『・・・リルちゃん、分かるゥ?』
『・・・例えば、オルちゃんが転ぶような事があっても、すぐに受け身を取って走り直したり・・・私と同じように、人を殺さなければならない時・・・オルちゃんも躊躇わずに、殺らなくてはならない事を・・・兄さんは言ったんですよ・・・オルちゃん』
『・・・そっか・・・ボスは本当の意味で戦えって・・・』
『・・・オルガ、それは本当に”自分”や”オレ達”が殺されそうになった時でいいぞ・・・。
まだ、忌避感があるなら、オルガはアイツらを”気絶”させる事に専念して・・・”殺し”はオレやリフィル達に任せろ・・・。
オレが一番心配していんのは、怪我以前に無理をして・・・お前達が”心の病”に罹る事だからな・・・』
『心の・・・病ィ・・・?』
『心の闇・・・私のように、目や声帯が使えなくなったり・・・オルちゃんの様に、特に殺害に対して強烈な忌避感・・・”嫌だと思う感情”を抱く事ですよ・・・。
確か・・・兄さんが住んでいた世界では・・・「ピィーティーエスディー」って言うんですよね?』
『「心的外傷後ストレス障害」・・・通称「PTSD」な。
怪我しなくとも・・・オレの世界じゃあ、戦争から帰ってきてこれで”自殺”する兵士がたくさんいたから・・・ラフィルも含めて・・・お前達にはそうなって欲しくないからな・・・』
『ボスゥ・・・!』
『後・・・度々、解説ありがとうな。リフィル・・・。
・・・しかし、スゲェよなぁ・・・訓練の合間合間に話した雑談での知識を、ほぼ瞬時に覚えちまって、今でもしっかりと覚えているんだからなぁ・・・!』
『いえ・・・こちらこそ。
兄さんの世界の知識には、色々と興味がありますからね・・・この戦いが終わったら、もっと色々聞かせて欲しいです・・・』
『おいッ! やめろ・・・!
その発言は”フラグ”になるから・・・!』
『・・・フラグ?』
『ッ! ボスゥ! ラルくんが手を挙げてるよッ!』
『ッ!? すみません、兄さん! ・・・確認しました!
距離・・・およそ”100m”ッ! 兄さん達が視認できる距離及び、射程範囲内に入りましたッ!』
『・・・棚に上げるつもりはないが・・・随分、悠長なもんだな・・・。たった4人だからって、そのトロい行進にビビって出てこいってか?』
『だ・・・大丈夫でしょうか・・・!?』
『落ち着け、リフィル・・・こっちは”600年先”も進んだ、”文明の利器”ってモンがあるんだ。
深呼吸して・・・落ち着いて対処すれば・・・”ゲリラ戦”で十分勝てるッ!
むしろ”千”や”万”の軍隊が来なかっただけマシだった思って、ほくそ笑んどけ!』
『は・・・はいッ!』
『さて・・・ほう? 小屋の方に向かって・・・半々に分かれて捜索するのか・・・。
・・・だが、無駄なこった・・・。
ご足労の所、申し訳ないが・・・早々、ご退場を願おうか・・・』
『・・・何処に”退場”ォ〜するのォ〜? ボスゥ〜?』
『勿論・・・悪党様御一行は、あの世にだ・・・』
>Villain<
〜バンッ! バンッ! バッキャァァァンッ!〜
「領主軍だッ! おとなしく投降しろッ!」
〜シ〜ン・・・・・パチッ、パキャ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・〜
N:・・・勢い勇んで、小屋の扉を強行突破したはいいが、それに対し返されるのは・・・寂しく置き去りにされた家具達の静寂・・・ッ!
ベッドに・・・机に・・・椅子達に・・・何かが乗せられていたような”乾いた血痕”のある3つの木箱・・・そして、何故か一体だけ黙秘権を行使せず、一人轟々と焚べれられた薪を燃やし続ける”ロケットストーブ”のみ・・・!
「・・・誰も居ないッスね・・・」
「ハッ、俺様のバンジャマン隊の勇姿にビィビッてッ! 逃げ出したんだろ。
そのために、俺様の英断でッ! 隊を半々に分けて森を捜索させてんだからなッ!」
「ヘェヘェ・・・(×少数人)」
N:哀れなり・・・”ナニか”の所為で細やかな判断ができない故に、部下達の心が離れて行く事に気付かぬとは・・・!
・・・ほら、ボスも「部下さん達ご愁傷様・・・」って、リフィルから会話の内容を聞いて呟いちゃっていますよッ!?
さてさて・・・スカポン隊長の”自尊心”と”ウザさ”が増す中、小屋に入ってきた数十人の兵士の内の一人が、部屋の異様な”暖かさ”に気づき、「ロケットストーブ」に注目し始めたようである・・・ッ!
「これは・・・暖炉・・・なのか?」
「そうッスかねェ・・・? て言うか・・・コレェ・・・”青銅製”じゃあないッスよ・・・ねッ?」
「何ッ!? となると”鉄”かッ!? ”鉄”なのかッ!?
だったら俺様の物だッ! 俺様が一番に見つけたんだからなッ!
(まだ燃えているにも関わらず、持ち上げようする・・・)
ッ!? オワアァァァァァチャチャチャチャチャチャチャチャチャッ!?」
「・・・ハァ、親ビン・・・なァ〜にやってんすか・・・んッ?」
N:とあるチンピラ口調の兵士君の一人が、スカポン隊長の横暴(?)な振る舞いに呆れ果て・・・流し目に顔を背けた先にあった”ある物”に気づくのであった・・・。
それは、「紙」であった・・・。何かが”走り書き”された羊皮紙ではないが、ストーブ近くの壁際にポツンとあったのだ・・・。
あまりの両手の熱さに、しっちゃかめっちゃかな踊りを披露する隊長を横目に・・・その兵士君が紙を拾い挙げて見てみると・・・?
領主軍が来るッ! 急いでテーブル下の地下通路に逃げ込むんだッ!
〜 ルーザー 〜
「親ビンッ! 奴ら地下通路に逃げ込んだみたいでっせッ!」
「何ッ!? 今”親ビン”なんて言った奴出てこいッ! そこの暖炉に叩き込んでやるッ!」
「ちょ、親ッ・・・隊長ッ! そうじゃあなくて、コレを見てくやさいッ!」
「あぁん!? なんだコレは・・・? ・・・」
〜 ザッ、ザッ、ザッ、ガッ、ガタ〜ンッ! 〜
「ちょッ!? 親ビンッ!?」
「ヘッヘッヘッヘッ・・・マヌケがァ・・・!
こんな大事な書置きを”隠し忘れる”なんて・・・哀れすぎて腹が捩れそうだぜェ・・・!」
N:アァッ! なんと言う事だッ! スカポン隊長達には判らなかったが、紙に書かれた字は”ボス”の物であったッ! そして、隊長が蹴り飛ばしたテーブル下の床・・・実際に這いつくばりながら見つめる先には、”正方形状に切れ込みの入った床板”が・・・ッ!
こんな初歩的以前(?)なミスで、地下からゲリラ戦を仕掛けようとするボス達は発見され、彼ら諸共八つ裂きにされてしまうのであろうか・・・ッ!?
〜 シャッ・・・ガッ、ギギギギギギッバクンッ! 〜
「ウヒヒヒ・・・ッ! これで俺様は・・・帝国の近衛・・・いやッ! 英雄隊長だァ・・・ッ!」
そして運命は移り行く・・・!
その狂い果てた欲望の余りか、高温のストーブによる火傷の痛みも忘れ・・・スカポン隊長は腰元にあった”手入れのなってないナイフ”を、床板の隙間に差し込み・・・こじ開けて行く・・・! 金銀財宝がザックザクな宝箱を開けるに近い感覚で、隊長が床板をこじ開けた先には・・・!?
〜カチッ・・・
>逆に、”隠し忘れる理由”ってのは考えたのか? 負け犬がッ!<〜
N: ・・・ぼ、ボスの・・・声!? 床板開けたら”ボスの声”ェ・・・!?
イヤイヤイヤ・・・スカポン隊長の放心した保けた顔以外には・・・ッ!?
見つめる先には何もなく・・・只々続く暗闇のみィ・・・!?
そして・・・開けた床板の裏に何かが無数に入った・・・袋ォ・・・?
「俺が・・・俺様が・・・負け犬だとオォォォォォォォォォォォォッ!?」
〜カチッ・・・〜
>Hero<
〜ドグゥォォォォォウオォォォォォォォォォォンッ!〜
おッシャアァァァァァァァァァァァッ! 第一段階成功ッ!
これで、あの小屋に入った”20人ばかり”の兵士御一行様をッ、あの世へご招待できたぜッ!
N:・・・ボスどん、ボスどん・・・何が起こってるか説明して欲しいのだが・・・!?
アァん? また「○者の皆さん」・・・って奴か? そんな妄言、付き合って・・・
N:られなきゃ、24時間、貴方の脳内で喋り倒しますけどォォォォ〜ッ!?
ダアァァァァッ!? ウゼェッ! 分かった! 分かったからッ!
とりあえずこれを見ろッ!
〜 ヴィィン 〜
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・「スイッチ」(MP 10(設置5、作動5))
ハイエルフである”リフィル”と確固たる”絆”を見出し始めた事により生まれた、<遠隔操作魔法>です。
”左手”で「親指を握るように拳を作り、”スイッチ”と唱える」事で発動します。
その後に”右手”で魔法を発動させるとその魔法を「設置」し、その後、右手で同じような”拳”を作った後、”起爆装置の蓋を開ける”ように親指を突き立て、”スイッチを押す”ように親指を動かせば、登録した魔法を遠隔操作で発動させる事ができます。
上記の方法で”発動した場所の空中”に魔法を設置できますが、設置の持続時間は”一分”までになります。
しかし、登録時に”右手”で何かを触れた状態で魔法を発動させると、対象となった”物”や”場所”に魔法を”固定設置”し、設置の持続時間は”永続”します。
さらに、左手の親指を突き立てれば、円型メニューが登場し・・・
1、無色透明な「魔法線」に触れる事で発動する<ワイヤー式>
2、一定の「範囲内」に入る事で作動する<センサー式>
3、「重さ」で反応する<感知式>
4、「無差別の攻撃」に反応して発動する<衝撃式>
5、特定の「キーワード」に反応して発動する<音波式>
6、最大1時間以内の「時間経過」で作動する<時限式>
7、1つだけ、どんな「条件」でも設定し発動する<条件式>
8、デフォルトの<スイッチ式>
・・・この8つを左手の親指をレバーのように操作し、選択する事で選ぶ事ができます。
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・・・とまぁ、こういうワケだ。
N:まだ、手抜き感があるのであるッ!
ウゼェなァ、おいッ!?
これいつの、やり取りのつもりなんだよッ!?
以前以上に手間ァ掛けて、解説しただろッ!?
N:せめて、小屋と兵士を共に吹っ飛ばす前の仕掛けを言うぐらいは、してもいいんじゃあないかッ!?
あぁ・・・なるほどな。
まぁ、簡単にこのスキルを言えば、「魔法を使った”地雷”や”仕掛け爆弾”などを作れる」スキルって言えるな。魔法地雷・・・今後は”魔雷”と呼ぼうと思うんだが、これがかなり応用範囲が広くてな・・・
例えば、今小屋を吹っ飛ばしたのは以前も作成した”黒色火薬”と、強力な爆発反応を起こす”魔石”を組み合わせた「一式ゲリラグレネード」を作成する際に、詰め込んだ”黒色火薬”に”クリッカー”の魔法を、「<負け犬>のキーワードで作動する”音波式”」を組み合わせて、「ただの火薬を詰め込んだ袋」を・・・<高性能仕掛け爆弾>に作り変えたってワケさ。
・・・リフィルから兵士の話を聞いて「負け犬」のキーワードに、急変更したのはチョッピリ、メンドかったけどな・・・。
N:・・・”キーワード”を言わなかった時は、どうするつもりであったのだ?
そこも抜かりないぜ。実はこのスキル・・・さっきも言ったように”組み合わせ”による”重ね掛け”ができてな・・・?
その前に”応用範囲が広い”って言ったように、あの小屋が爆発するまでのプロセスを言えば・・・
1、開閉する床板に「ワイヤー式」を床板を外すか、開き切ると切れる長さで仕込み、作動時に録音再生の風魔法「ウィドラ・メッセンジャー」の録音が流れるように設定。
2、「ゲリラグレネード」に更に設定した”2つ目”の<条件式>で「風魔法の音声が流れ切ると”時限式”が作動する」・・・と設定。
3、更に更に、グレネードに設定した”3つ目”の<時限式>で「”30秒後”にクリッカーを発動させる」ように設定済み・・・!
・・・と、こんな風に相手が不測の事態を起こしても、時間経過で自動爆破するように、プログラムしといたってワケさ。
N:・・・その抜かりなさと綿密さには、感嘆するが・・・聞き覚えのない風魔法が、”しれっと”出ているのは何故だろうか・・・?
・・・今までで見て来ただろう? オレは魔法を”習得できない”だけで”使えないワケじゃあない”って事がッ! 現に、オレの初めての魔技である「スピンブロウ」とかの詳細を3日間の間にリフィル伝え聞いたら、<魔法を撃ち出す以外 での魔法の使用方法は、少なくとも聞いた事がない>って、言ってたんだよ!
だったら、ラノべお馴染みの”イメージ魔法”を、使えるようになった”木魔法”と”風魔法”で行使できないか試行錯誤してみたら、出来ちゃったワケなんだよッ!
そ・れ・に・・・爆弾以外にも、木魔法の方で新たに開発した「ウドウスト・バンジャベリン」とかの魔法を、広場や周辺の森に「ワイヤー式」や「センサー式」、「感知式」を中心に実験も兼ねて”これでもかッ!”ってぐらいに仕掛けといたから・・・この異変にィ・・・一体、何人のォ・・・捜索部隊がァ・・・小屋まで辿り着けるだろうなァ・・・ッ!?
N: あ・・・悪魔だッ! ここに悪い顔した、悪魔がいるぞォッ!?
・・・何とでも言え・・・。
こっちは生きんのに、必死なんだよッ! 殺らなきゃ、殺られるんだからッ!
『兄さん・・・兄さん!』
『ッ!? (・・・後でなッ!)
すまない・・・リフィル。ちょっと考え事していてな・・・』
『大丈夫ですか・・・?』
『大丈夫だ・・・。ちょっと・・・リフィルに申し訳ないな・・・って思っていたから・・・』
『・・・もしかして・・・私に授けて下さったライフル・・・の”弾”や、森中に設置した”魔雷”の事ですか・・・?』
『あぁ・・・オレの魔力保有量が少ないばかりにな・・・教えなくっちゃあいけないのにも関わらずに、3日もの間・・・緑茶飲んで、”魔力ブースト”してまで、”魔雷”の設置や弾の供給をしてくれてって・・・思うとな・・・』
『・・・フフッ、お気遣いありがとうございます・・・兄さん。
けど・・・兄さんが決めた事以前に・・・私が決めた事なんです。
美味しい緑茶も・・・弾や魔雷も・・・そしてこの”復讐”も・・・ッ!』
『リフィル・・・』
『だから・・・兄さん。
今は私に謝罪するよりも・・・どうか・・・浅学な私達を・・・母の仇の元へとお導き下さい・・・』
『・・・了解ッ。彼奴らが混乱してるとは言えど・・・これ以上、悠長に話してらんねェしなッ!
リフィル、念のため聞いておくが・・・奴らの隊長はまだ生きてんのか?』
『ちょっと、待っていて下さい・・・。
あぁ・・・兄さん、大変心苦しい事ですが・・・体の輪郭さえ保っていない状態になっているみたいです・・・。
あの時・・・思わず耳を塞いでしまいましたが・・・”爆弾”とは、ここまで恐ろしい威力を持っているとは・・・!』
『・・・情けは掛けるな・・・リフィル。
どんな戦いも・・・いつだって、殺るか・・・殺られるかしかないんだよ・・・。
チョッピリでも躊躇すれば・・・待つのは”死”だけだ・・・。
それを念頭に、その”銃”を撃つんだ・・・!』
『・・・兄さん・・・私・・・怖いです・・・』
『・・・心配すんな。
練習じゃあ・・・ビックリするぐらいに百発百中だったじゃあねェかよ!
大丈夫、練習の時の感覚を思い出して・・・その通りにやれば良い・・・ッ!
失敗してもオレらがしっかりカバーしてやるから!』
『・・・そう・・・ですよ・・・ね』
『・・・大丈夫だって、深呼吸して・・・気をしっかり保て!
最初が上手くいったんだから、絶対上手く行くッ!』
『・・・スゥゥゥ・・・・・・はいッ!』
>Villain<
「なんなんだよ・・・一体何が起きたってんだよッ!?」
「知るかッ!
・・・と言うか親分はどうしたんだよッ!? 生き残っているのか!?」
N:一方、こちらのヴィランサイド・・・。
小屋の周囲では、狭い小屋に入れなかった事と、スカポン隊長の命令で待機兼、包囲をしていた何十人もの兵士君達は、しきりに慌てふためき、冷静さを失っていた・・・。
そんな中・・・原因不明の惨事の中でも、冷静さの片鱗でも残そうと必死なのか、名無しでない”アルノー”君と”ブノワ”君は言い争っていたのだ・・・。
「無理だろッ! あんなスゲェ炎と一緒に、ドでけェ”岩”も飛び出て来てッ、小屋の近場で包囲していた奴らも消し飛んだんだぞッ!? どう考えたって生きてるハズがねェだろッ!?」
「落ち着けアルノーッ! あんなクズ野郎でも”戦場では冷静さを失った奴から死ぬ”って、言ってだろッ!? ムカつく親分でも、それだけは、いつも当たっていただろッ!? (両肩を押さえつけて、激しく揺さぶりながら・・・)」
「うるせェェェェッ! オレはいつも通りだって聞いてたから、ここに来たんだよッ!
いつものように、殺ってッ! 奪ってッ! 女がいたら犯り回してッ!
そ〜ゆ〜いつも通りだと思っていたから来たんだよッ! なのになんなんだよこの事態はッ!? 敵もいねェのに、なんで攻撃を受けてんだよッ!?」
「だから落ち着け! 攻撃を受けたって事は、少なからず敵はどこかにいるんだよッ! だから周りのバカ達は放っておいて、俺達だけでも・・・」
〜 プパァァァァァァンッン!!! ビッシャァァァァッ! 〜
N:束の間・・・ブノワは今までに聞いた事もないような幻聴を聞いた・・・。
そして・・・親友であるアルノーの後頭部に、一瞬・・・”赤い大輪の花”が咲き誇るのを幻視した・・・。
「お・・・おいっ? おいッ!? アルノー? アルノーッ!?
(様子がおかしくなったアルノーを、再び両肩を押さえながら揺さぶる・・・)」
N:いや・・訂正しておこう。今のは私の言葉ではない・・・。
彼の・・・ブノワ君の・・・本音だ。
そうあって欲しい・・・そうでなきゃおかしい・・・そうでなきゃいけない! だって・・・だって・・・そうでなきゃ・・・!
〜 ぐらっ・・・バタンッ! 〜
「あ・・・あぁ・・・あァァァ!?」
N:こんな・・・こんな手に血が・・・! 眉間に・・・小さな穴が・・・! 此奴が・・・ッ人形のように・・・倒れるハズがないッ! ないんだよッ!? 頭の後ろから・・・その中身をブチ撒けて、倒れるハズなんてないんだよッ!?
「うわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」
N:恐怖の波紋が・・・今・・・広がる・・・ッ!
〜 ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ・・・ 〜
「おいッ! ブノワッ! 何を叫んで・・・エッ!?」
〜 ズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリ・・・ッ! 〜
「うわァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」
N:わ・・・私が・・・ッ言っておいたのも何のだが・・・。
これは一体、何の<ホラー映画>だと言うのだッ!?
兵士君達の目で捉えられないような”2体”の謎の生命体が突然ッ! 小屋やその近くの広場周辺を囲むように生えていた茂みから、突然飛び出しッ! ”兵士の首筋をふん捕まえて、茂みまで高速で引きずって”行くのだッ! そして・・・捕まった兵士は・・・!
〜 ズシャアッ! ザクッ! ザクッ! ザクッ! ザクッ! ザクッ! 〜
「やめッ! やめ・・・てッ! 助けッ! 助け・・・ウェェェェェアカッ・・・ハッ・・・!」
N:スプラッタ待ったなしの、ヒジョ〜にエグく・・・ヤバイ音が、茂みの中から広場へと木霊してゆくのだった・・・! 大半の兵士君達のSAN値がガリガリ減ってゆく中・・・そればかりでなく、勇敢な者もいたりするが・・・。
「こ・・・この野郎ッ! 待ってろ! 今助けに・・・!
(「この野郎ッ!」から、兵士が引きずり込まれた茂みに向かって走り出す!)」
〜 プパァァァァァァンッン!!! ビッシャァァァァッ! ・・・ぐらっ・・・バタンッ!〜
N:・・・この広場では・・・それは無意味な”蛮勇”と化し・・・
「ヒィィィィィィィィィッ! こ・・・こんな事やってられるか!」
〜 ザッザッザッザッ・・・カチッ、ザザザザザザザザザザザシャアッ! 〜
「カッ・・・こ・・・レ・・・ハ・・・ッ!?」
N:・・・無謀に逃亡しよう物なら・・・地面から吹き荒れる・・・無数の風の刃に細切れにされ・・・
「おいッ! 森の方に捜索に出ていた奴らはどうしたんだッ!? 誰か呼び戻して来れないのかッ!?」
N:自身の無力さを悟ったのか・・・他力本願に助けを求めれば・・・
〜 ザッ・・・ザッ、ザッ、ザッ・・・ザッ! 〜
「た・・・助けてくれッ!」
「(囲まれた茂みを通り越した木に縋り付く、満身創痍な兵士を見て叫ぶように・・・)
おいッ! お前ッ! 森を捜索していたよなッ!? 一体何があったんだッ!? 他の奴はどうしたッ!?」
「も・・・森で・・・罠に・・・エルフに・・・獣人と人間・・・」
〜 カチッ、ヒュウゥゥゥンッ! ザザザザザザザザシュッ! 〜
「にィ・・・・・」
「ヒィッ!? な・・・何だ・・・何で・・・ッ!?
(尻餅を付き、顔面蒼白になる)」
N:聞き遂げたのは、絶望に纏わり付かれ・・・無数の”竹槍”にメッタ刺しにされる・・・哀れな兵士のみ・・・
〜 プパァァァァァァンッン!!! ビッシャァァァァッ!
ガッ! ズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリ・・・ッ!
プパァァァァァァンッン!!! ビッシャァァァァッ!
ガッ! ズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリ・・・ッ!
プパァァァァァァンッン!!! ビッシャァァァァッ!
ガッ! ズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリ・・・ッ!〜
「に・・・逃げるんだ・・・オレだけでも・・・逃げるんだ・・・!」
N:もう・・・この広場には・・・いや、戦場には・・・勇敢な戦士など・・・人っ子一人としていやしない・・・。
今、ここにいるのは只々・・・攻撃の原因究明さえも思い付かず・・・自身達の罪に気づかぬまま・・・見えざる死神に・・・必死に許しを請い続け・・・逃げ惑う・・・哀れな子豚達しか・・・
〜 プパァァァァァァンッン!!! ビッシャァァァァッ! 〜
N:・・・いなかったのである・・・。
前後に分けたのは・・・書き上げた際に「3万字」近くにカウントされていたなんてとても・・・ハッ!?
ンンッ! と・・・と言う訳でッ! 今後、戦闘回はこんな風に長くなり、文字数も”非常〜にッ”多くなる可能性が”かな〜り高い”ので、そうなった場合は”前後”に分けられるよう善処します・・・。 <(_ _)>
あっ、後・・・<”PV”5万2千以上、”ユニーク”1万3千以上>・・・
そして、<”ブックマーク数”100”越え>! 本当にありがとうございますッ!
まだまだ先人の人気ラノベ小説家の方々に比べれば、稚拙な部分が多いかもしれませんが・・・
遠くない未来、その方々と肩を並べるかそれ以上の作品を、これからも出していけるよう精進しますので・・・今後も、宜しくお願いします! <(_ _)>
・・・"ソウゴウヒョウカ"モ、フエルト・・・ウレシイナァ・・・(泣)
※2018年11月21日、誤字、脱字、消去忘れ等の細やかなミスを修正しました。