Side-? 亡者達ノ集イ−2
大変お待たせしましたッ!
今回は”幕間”的な回で”一万字以内”と、お話は短めになっています・・・。
まぁ・・・私は愛着や感情移入できるキャラじゃあないと、あんまり描写しない・・・描写が萎えてしまう節があるみたいでしてね・・・。(ヤバイ敵にしないと・・・! とかなら別ですが・・・)
まだまだ”精進”が必要でもあると思うのもありますが・・・。
とにかくッ! 今話後は・・・ようやっとッ!
今章の本・格・的なッ! ”戦闘回”に入っていきますので宜しくお願いしますッ!
”延ばす”かもしれないけど、”戦闘回に入らない”詐欺はしないよッ!
〜 ダァバキャァァァァッンッ! 〜
「クソォォォォォォォッ! 忌々しき反逆者共めッ!
何故だッ!? 何故ッ! 私達の崇高なる計画の邪魔をするんだッ!?
(執務室の奥にある机に、右拳を叩きつけた後、荒々しく言う)
グゥ・・・(自身の大声が響いたのか・・・ボスに撃ち抜かれ、包帯でグルグル巻きにされた右耳を顔をしかめながら、抑える・・・)」
N:リフィルが”戦士となる決意”を固めた一方・・・。
その執務室では、己の欲望に忠実な豚共が集い、”出世に飢えた豚”を中心に荒れに荒れていた・・・。
「べェェェェェェェェェ・・・ッ! ベフェッ! ベフェッ!(咳き込む)
ボクチンもだよォ〜アニィ〜ッ! あの下民メェェェェッ! ボクチンのエンジェルちゃんを掻っ攫った上にッ! ボクチンを壁の外にまで殴り飛ばしやがってェェェェェッ! べェ・・・べェクチンッ! (くしゃみが出る)
オマケに、落ちた先があんな”ドブ川”だなんて・・・プッざけんなッ!」
N:”出世に飢えた豚”から見て左側・・・執務机の側に置かれたやけに豪華な木製イスに、はみ出さんばかりのだらしない巨体を乗せ・・・しきりに包帯の巻かれた腹を摩りながら、ボスヘと憤慨する”肉欲に飢えた豚”・・・。
どうやらボスに飛ばされた後、城塞都市付近に流れる川・・・恐らく、都市から流れ出た”生活排水”が垂れ流される辺りに落ちたのであろう。
「高貴な自分がそんなドブに突き落とされるなんてッ!」・・・とご本人様とは直接関係なく、ましてや知識さえあるか怪しいが・・・本来、豚は”綺麗好き”みたいな事を仄めかすように言っているのであ・ろ・う・がッ! 今までの行いを考えれば、どんなに憤慨し弁明しようとも一般に思い浮かべる”汚い豚”のイメージは払拭できないであろう・・・。プププ・・・。
「・・・アリウスト、兄様・・・二人共落ち着いて下さい・・・。
ここに集まったのは、あの冷酷非道な”大罪人”に対して、各々の恨み言を延々と述べるためだけに、集まったのではないでしょう・・・!」
N:二人が荒れる中、”肉欲に飢えた豚”と同じく、彼の兄から見て右側の豪華な椅子に、片足を膝に組み座りながら一人・・・”剥製が掛けられていた壁だった瓦礫の山”と、”その奥に広がる通路”を憎々しげに見つめていた”暴力に飢えた豚”は・・・その本性を隠すように、湧き上がる怒りを抑えつつ、穏やかに二人を嗜めた・・・。
・・・まぁ、まずその前にボス達に”拷問器具”に叩き込まれたのにも関わらず、この場にケロッといるのが末恐ろしくも・・・誰もが「無事だったんかいッ!?」・・・とツッコミたいところであろう・・・。
しかし、刺傷まみれなハズのその外見には傷の面影は全くなく・・・シャツやズボンなどは新調したようだが、彼の偉丈夫さと、申し訳ない程度の貴族らしさを引き立たせていた、青いロココ調のコートには無数の穴が空いていた・・・。
突き刺したモノは、どれも相当な大きさだったのだろう・・・現代じゃあコンビニなんかでも容易に購入できる"傘"ぐらいの太さの穴が、コートのありとあらゆる箇所に空き・・・穴の周囲には、おびただしい程の血が流れ出たのであろう、”ドス黒く”コートを染め上げていた・・・。
猫被っている本人には申し訳ないが・・・本性を剥き出した時にはさぞ、お似合いな色合いになったであろう・・・プププ・・・。
「落ち着いていられぬのだよ・・・ヴァイオよ・・・。
三日だぞ? 奴らに”豊穣の秘宝”を盗まれた上で、三日間もの間ッ! 奴らの居場所が判っているのにも関わらず、こちらは何も手出しが出来てないというのだぞッ!? あのッ! ”魔道具の耳障りな音”を一切止められんとは・・・ッ! 一体、あの愚図共は何をしているというのだっ!?」
「・・・申し訳ありません・・・兄様。
しかし・・・兄様の私兵達の兵舎に小火が起きたり、何度も備蓄していた武器や装備は疎か・・・食料までもが、いつの間にかなくなっている事などの、こうも不可解な事が立て続けに起きていてはどうしようもありません・・・。
罪人共の隠れ家に兵を向かわせるのが遅れても致しかた無いと・・・」
「不可解だと・・・? どう考えても罪人共の”妨害工作”だろうがッ!
お前らの私兵も何をしてるというのだッ!?」
「(例の”お辞儀の後に、右手を胸の前に持ってくる”敬礼らしき事をするが・・・お辞儀の際、口が見えない時に”下唇”を強く噛んでいた・・・)
・・・申し訳ありません・・・兄様。
しかし、亡命直前に”焼き討ち”にする街とは言えど・・・亡命前では、まだ体裁を保つ必要があります・・・。アリウストの能力で王家を騙し、時間は稼げているとは言え・・・彼の私兵が失われた以上・・・屋敷の警備に回すには人員が不足していますので・・・」
「グヌヌヌゥゥゥ・・・・ッ! (両拳と噛み締める歯に力が入りながら)」
「ベウェ〜”第三王女様”ァ・・・だっけ?
数年前に”モバ”ニィ〜に言われて〜<ダーケスト・ファシネッション>した時は〜分かんなかったけどォ〜今となっては〜、可愛くて〜美味しい〜以外にも〜、あの王女様ァ〜にィ〜デレデレなァ〜王様にィ〜、教国のォ〜布教にィ〜専念させるためにィ〜ボクチン達にィ〜頼んでいたとはァ〜驚きィ〜だよねェ〜」
「・・・王国からの巡回や、査察を避ける為に、近衛で燻っていたヴァイオまでも引き合いに出して、納得させたのにも関わらず・・・なッ?
(頬杖を付きながら話す。最後の「なッ」では、ヴァイオに対して横目で睨む)」
「大変・・・不甲斐ない失態を犯してしまい・・・申し訳ありません・・・兄様・・・。
(再びお辞儀の際、口が見えない時に血が滲み出さん勢いで”下唇”を強く噛んでいた・・・)」
「ベェ〜けど〜”モバ”ニィ〜?
そんな”豊穣ォのォ〜秘宝ォ〜”にィ〜拘る必要があるのォ〜?
今まで送ってきた奴隷とォ〜この臭い街をブッ壊せばァ〜、充〜分、帝国でェ〜爵位を貰えるんじゃあ〜ないの〜?」
「・・・アリウスト、”豊穣の秘宝”があってこそなのだよ・・・我がディシード家が、帝国貴族の”公爵”となって、栄華を極められるのは・・・! 必要不可欠な事なのだよ!」
「ベェ〜どうして?」
「・・・チッ、仕方ない、これ以降は二度と教えないからな・・・。
そもそも・・・」
N:(カチッ、プツン・・・) はい、ストップ・・・ッ!
此奴らに説明されても構わないが、流石にこ・れ・以・上ゥッ! 前回も含めて私の出番が少なるのは宜しくないッ! なので、私が「豊穣の秘宝」に関して説明しようッ!
・・・べっ、別に、出番が少すぎて、忘れ去られるのが怖いって訳じゃあないからねッ! ウッウウンッ! (咳払い)
「豊穣の秘宝」・・・それは、荒れ果てた不毛の大地であったとしても、”忽ち、緑溢れる森へと生まれ変わらせる”力を持つ至極の秘宝である・・・。
この秘宝が発見された始まりは”帝国”の廃棄場であった・・・。
その日も皇族の使用人の一人が、使用済みとなった「廃棄物」の処理をしに廃棄場に向かった所・・・”奇妙な事”に気付いたのだ・・・。
元々、その廃棄場は、幾ら耕し植物を植えようにも、全く育たない”不毛の大地”であったが為に、廃棄物を埋め立てる以外に使い道がなかったのだ・・・。
しかし・・・その使用人は目を疑った・・・萌えていたのだ・・・! 何度試みようとも、新芽の一本でさえ生えなかった不毛の大地である”廃棄場”に草が・・・木が・・・自然が・・・数多の若木達が萌えていたのであるッ!
(因みに”萌える”の本来の意味は「草木の芽が出る」と言う意味合いである。
<金髪や黒髪のメイドさんなど>に対して使用しまくっていた○者の諸君は、”爪先立ちに体を反らし、両手をVの字に挙手しながら、太陽を見上げる”ポーズをとって反省した後、本来の意味もチャンと覚えておきなさいッ!)
それからと言うのも・・・この奇跡が皇帝陛下に伝わった後の帝国は、「豊穣の秘宝」の出自であった教国に、秘宝の収集を要請したのであった・・・。
教国はこれを快く快諾し、教国中に散らばっていた秘宝の回収に奔走するのであった・・・。
ところがどっこい、秘宝回収は急にパッタリと途絶えてしまう・・・発見から十年にも満たない内だ・・・。
理由としては簡単だ。血眼に探そうと、全くと言って良い程・・・秘宝が出なくなったのである。
まぁ・・・最も秘宝の出所として有力であった”教国南部に存在する大森林”で、帝国と教国の連合軍が”謎の弓矢や魔法によって針山にされ”、大損害を負ったのが、止めとなったのだが・・・。
さて・・・ここまで読んで頂いて勘の良い○者の諸君は、「豊穣の秘宝」・・・もとい「廃棄物」の正体が分かったのではないであろうか?
その正体は・・・「エルフの遺体」である。
無論・・・「廃棄物」扱いされていた”奴隷だった者”も含めて・・・。
そして・・・12世紀頃の技術が主流なこの世界で、唯一・・・600年先、18世紀頃の製鉄・治金技術を保有する帝国が、教国に要請してまでも血眼になってエルフを狩り続けたのは、<帝国の武力維持と領土の拡大>をするためである・・・。
現代では製鉄には骸炭(石炭の蒸し焼き滓)を使うのが主流であるが、それ以前の18世紀初頭以前では、大量の<木炭>が必要になっていた。
そのために、製鉄が盛んな国や地域では近くの山や森林地帯が、”禿山や荒れ地”と化し、人や工業によって排出される大量の”二酸化炭素”などを浄化できなくなり・・・公害や洪水に見舞われる事がしょっちゅうあったのである・・・。
このような地球の歴史と同じ末路を辿っていた”帝国”にとって、エルフは”奇跡の肥料”とでしか、見られてなかったのだ・・・。
因みに、この事はカルカを通じてボスには筒抜けであったが・・・この3日内で、現地人であるカルカよりも博識な”リフィル”に詳細を求めると・・・
1、基本、この世界で死んだ者の内包する魔力は大気へと還元されると考えられている。
2、エルフ以外の遺体では、このような効果があった事例は確認されていない。
3、遺体の一部分でも、それなりの効果を発揮する。
(魔力の発生源と考えられている心臓以外だと、より効果は低くなる・・・)
4、緑になる範囲は、種族の格の高さに比例して、広大かつ大規模な効果を発揮させる・・・。
(彼女の話を聞いた上でのボスのおおよそな推測では、”エルフ”だけでも”東京23区の四分の一程の面積”に、”ハイエルフ”はその100倍以上、緑を芽吹かせるとの事・・・! 二人の母親の種族であった”エンシェント”に至っては、規模が大きすぎて未知数だとリフィルは語ったのであった・・・)
また、ボスなりに”エルフの遺体が緑の成長を異常促進させる”理由を化学的に考察したところ・・・「恐らく細胞レベルまでに浸透した魔力が、遺体を分解した微生物を活性化させ、通常の何万倍ものスピードで周辺の土壌や植物を浄化や良好化、成長などを促進させる」と、ファンタジー的な結論を着けたのである。
そして、エルフの住む地域に自然が栄える根拠を発見し、「異世界スゲー!」とまたまた感動すると同時に、カルカによってもたらされた"エルフ狩りの目的"に対して・・・
「緑の再建は殊勝だが、目的と方法が”クソ以下”所か・・・”クズにも及ばねェ”じゃあねェかよッ!」
・・・と、非常に辛辣なコメントを残している・・・。
勿論・・・王国同様、教国、帝国諸共、ボスの中でのイメージ株価は、ストップ安を爆進し、当分は止まる事はないようである・・・。
とりあえず、今章の敵の親玉共の目的を端的に纏めれば・・・
<積み上げてきた”一万の奴隷”、王国の主要都市の一つを破壊させた武功、帝国の公害、緑化、燃料問題を一気に解決できる「奇跡の肥料」の献上・・・この3つを手土産に、帝国の<公爵>に上り詰める事>・・・実に悪辣である・・・。
例え・・・この世界では普通な事だとしても・・・現代の価値観から見れば”お前らが大罪人だろッ!?”と、大ブーイング待ったなしッ! な、計画であろう・・・。
こんな奴らが、人々の上に立つなんて、甚だしいにも程があるのでアルッ!
まぁ・・・エルフ姉弟の二人の母親より価値がないからと舐め腐り・・・”狩り”と称して面白半分に逃がし・・・その結果、奇跡と巡り会えた以上・・・
今更、焦燥する此奴らの行く先に、明るい未来が待っているなんて、微塵にも思えないが・・・。
「・・・という訳で、念のためにあの蛮族から抜き取っておいた”心臓”でも、充分な効果が期待できるかもしれんが・・・帝国での公爵の地位は盤石な物にするためには・・・罪人共が奪っていった”豊穣の秘宝”を奪還する事が急務であるのだ・・・ッ! 分かったか? アリウスト?」
「ベェ〜るほどねェ〜」
「成る程・・・私も帝国で王国以上の武功を得たいが以上・・・この計画を再確認させて貰えてありがとうございます・・・兄様・・・」
N:・・・うわァ・・・「武功〜」の部分・・・本心では「殺〜Pwiiii〜合いを殺りまくりたい」って言ってやがりましたよ・・・! ・・・血塗れェ・・・? ・・・残酷にィ・・・? ・・・無いワァ〜・・・。
・・・しかも、”肉欲に飢えた豚”の方は、説明を聞いてる最中も”ピンク塗れ”な事ばッかりッ! 考えていて・・・一切、計画の内容が入ってきていない始末って・・・。
此奴ら、忠実を通り越して・・・どんだけ”異常な”欲望を抱いているのやがるんだァッ!?
「まぁ・・・とにかくだ、多少計画は狂ったが・・・これ以降不可解な窃盗が起きなければ・・・三日前から行っている私の”私兵100人”を、奴らの隠れ場所となっている、クソ親父がたまに使っていた”狩猟小屋”に派兵させる」
「・・・雑兵100名だけで大丈夫でしょうか・・・?」
「・・・お前たち二人の敗因は、”数”だ・・・。自身の力を過失した事によるものだ。
だから私は、”数の暴力”で・・・「豊穣の秘宝」を奪還を確実なものにさせる・・・ッ!」
「(俯いて表情を隠した後、”下唇”を強く噛む・・・)
しかし・・・雑兵だけでは・・・」
「諄いぞッ! ヴァイオ!
スキルで幾分かは無事とは言え、貴様はさっさと怪我の”療養”と街の”警備”に戻らんかッ!」
「(再びお辞儀した際、口が見えない時に血が滲み出さん勢いで”下唇”を強く噛む・・・)
了解しました・・・兄様・・・」
「ベェ〜まぁ〜”モバ”ニィ〜なら〜大丈夫〜だよね〜」
「・・・そうだ・・・私なら大丈夫だ・・・大丈夫・・・私は公爵に・・・ッ!?」
N:おろ? 案外、空元気に威張り散らしているかと思っていたら、急に何かの悪寒を感じたかのように身震いした後・・・上の空ァ・・・って、白目ェ!? エェッ!?
・・・意外に追い詰められ過ぎていて、ついに精神が逝ッちゃったのか・・・!?
「ハァ・・・毎度毎度・・・気色の悪い連絡の仕方だな・・・クソッ
(俯き・・・右手で、こめかみを摘みながら」
「ベェ〜? どじたのォ〜? ”モバ”ニィ〜?」
「ヴァイオ、即刻、私の私兵達に、明日に向けての出兵の準備を伝えろ・・・!
(顔を上げて、険しくも幾分か明るい表情で言う)」
「エッ!? しかし・・・まだあの不可解な現象が・・・!」
「不可解な現象などない。 妨害工作を行っていた”賊”を捕らえた」
「オォ・・・! 兄様が雇っていた”暗殺者”がやったのですか!?」
「グゥ・・・(興奮するヴァイオの声が響いたのか、再び顔をしかめながら、右耳を抑える・・・)
あぁ・・・そうだ。だから、早く出兵の準備を伝えろ・・・!
私達の栄華への道を妨げる、愚か者共を・・・今度こそ八つ裂きにしてやるのだッ!」
N:更けて行く闇夜の中・・・両者、深まってゆく”慈愛なる決意”と・・・”強欲なる決意”が打つかり合う時・・・
果たして・・・彼らは”狩る”側になるのか・・・”狩られる”側になるのか・・・? この時は、まだ誰も知る由も無い・・・。




