Contact?-31 ”対峙”スル・・zZz・zZ・・思イ
大変お待たせしましたッ!
いや~もう・・・ね? 二ヶ月前から両親が”ネコ”を飼い始めましてね?
それが可愛らしくも・・・ね? いたずらっ子なもんで・・・。
何日もかけて・・・インターネットの回線をガリガリと齧りましてね~ッ!
できなかったワケですよ! エェッ! 言い訳がましく聞こえるかもしれませんが!
だから頑張りましたよ! 職場の休憩時間をフルに使ったり、チマチマとスマフォで書いたりと地味ィィィィィにッ! 頑張りましたよッ!
お陰で、3万字以上行っちゃいましたよ! 泣く泣く2話分に分けざるを得ませんでしたよッ!
(2話目は調整が済み次第、投稿いたします・・・)
後・・・進みが遅いのは毎回申し訳ないのですが・・・ハッキリ自分は作品を作る際は”質”か”量”のどちらを重視するかと言えば、<質と量の両方>を両立できるよう善処していきたいんです。
自分は将来、「ゲームクリエイター」になる以前に、人を楽しませることを生きがいにしたい「エンターテイナー」でありたいからです・・・。
・・・長くなってしまいましたが、拙い作品ながらも・・・「異界の傭兵団」、続きをお楽しみください・・・!
<オレは一体・・・何者なんだ・・・?>
N:背中が激しく痛み・・・朦朧とする意識の中、ボスは何度も自問自答を繰り返し続けているこの言葉を思い出していた・・・。
「クッ・・・ソ! あぁ・・・クッ・・・”メディケア”・・・!
(痛む身体に顔をしかめつつ、なんとか起こした後、魔法を発動させる)」
初めに思ったのは、彼が記憶喪失を自覚した時からだ。
常人ならパニックや、ノイローゼが起きてもおかしくない事なのだが・・・オルセットとの出会いで、彼が異世界に”訪れた事を認識した時点”で一旦保留になっていたのだ・・・。
「せっかくの異世界だ。もし一度死んだなら、2度目の生を大事にしていこう」・・・いずれ己の記憶を思い出したりするだろうと楽観視しながら・・・。
~ ホワワワ~ワァ~ン ~
N:しかし・・・そんな楽観的な見解は、いとも容易く崩れて行く・・・。
この世界の熊の魔物と死合い・・・再び死を確信し、森で目覚める前の虚無に飲み込まれ・・・沈み落ちて行く感覚の中、後悔する・・・。
「もっと・・・オルセットと一緒に・・・異世界生活を楽しみたかったぜ・・・」
その願いが届けられたのか・・・幾分か沈み落ちていたボスの精神は、まるで湧昇流の流れに乗ったかの如く浮かび上がっていき、彼を”異”世界の現実へと引き戻した・・・。
そして彼は恐れた・・・オルセットが拐われた事に・・・。
「ラルくんやめて! その剣でボスに何をするつもりなのッ!?
(羽交い締めにし、片手でラフィルが持つ大剣を奪おうとする・・・)」
「ッ!? 離せ・・・ッ! 離しやがれ・・・! このッ、クソネコォォッ!」
「オルガ・・・!
(小屋のブチ抜かれた壁付近で揉み合う二人を、不安げに見つめる)」
~ ガンッ! トサッ・・・ ~
(揉み合いの中、大剣の柄頭で眉間を殴られ”オルセット”が昏倒する・・・)
「ッ! オルガ!
(まだ痛む体に鞭打ち、ダッシュからの”右ストレートパンチ”をラフィルの顔面に叩き込もうと立ち上がるのを急ぐ・・・)」
N:しかし、その恐れは村に恐喝しに来た「盗賊の下っ端達」が放った一言によってジョジョに豹変してゆく・・・。
「”クソ獣人”が・・・みんなで”回す”か? ・・・だけど”獣クセェ”よな! ・・・ギャ〜ハハハハハハッ!」
確かにオルセットとは、身体上の違いは幾つかあるし、育ってきた環境も違う・・・。
だがしかし、それでも彼女は”臆病”という弱さを持ちながらも・・・自分のように、考え、話し、理解し、自分に笑顔を見せてくれる事もあった”人”だ。紛れもない”人間”の一人だ。
それなのに、”クソ獣人”だと? ”慰み者にする”だと? ”でも獣クセェから嫌だよな! ”・・・ァ?
ボスは”異世界”がどうの以前に、オルセットの事を・・・
<一人の人間であると認めていた>
それなのに・・・何故か心を抉られる程に「彼女が”人”として認められない事」を認めたくはなかった・・・。
盗賊達は知らずに起こしてしまったのだ・・・「起こしてはいけない”化け物”」を・・・。
「グウ・・・ッ!?
(まだ痛む背中に顔をしかめつつ立ち上がり、ラフィルの方へと顔を上げる)」
~ ザッザッザッザッザッザッザッ ドガッ! ~
(大剣を片手で肩に担ぎ上げたまま、ボスに右肩からの”ショルダータックル”を喰らわす)
「グアッ! クッ・・・ソッ・・・! ッ!?
(仰向けに押し倒され、再び顔をしかめるが・・・目を見開いた瞬間に見たもので驚愕する)」
~ザアァァァァッ・・・ドゥガウィィィィンッ! ゴロゴロゴロ・・・ッ!~
(タックル後、最初ついた右足を軸に”回転”しながら前進し、遠心力の勢いがついた右片手での”振り下ろし”をボスに叩き込む。
しかし、彼は振り下ろす寸前のラフィルを目撃していたので、間一髪で横に転がり躱すと同時に距離を取る)
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・
(ウソだろ・・・!? 小規模だが・・・”片手”なのに、地面が抉れてるッ!?)」
「避けんじゃあねェよッ! クソ人間ッ!
(軽々と片手で地面から大剣を抜き、肩に担ぎつつ、ボスの方へと向きながら)」
N:後日・・・オルセットが意識を取り戻し、全くの慰み者にされていない事にひどく安堵した・・・。
ところが、彼女が寝静まった後に彼女の寝る傍でボスは・・・もしも「彼女を失う事」を想像した時・・・それと同等・・・いやそんなんじゃあ生温く思える程、自分に恐怖していたのだ・・・。
<一体、オレは何をしたんだ・・・ッ!?>
・・・当然だが勿論、彼女が寝ている間に”ムフフ・・・”な事では断じてない。
無意識とは言え・・・自身に好意を伝えていた事実を知っていても、家も金も安全も・・・それに、彼女の好意でさえも”揺るぎない物になってもいない”のに、そんな”お楽しみ”に興じている場合じゃあないと、微かにでも”お楽しみ”を想像する度、途端に彼の頭から四散しているのだ・・・。
だが・・・そんな事よりも重要なのは、彼は、覚えていなかったのだ・・・。
・・・いや、正確に言えば、僅かには覚えていた・・・。
”洞窟に漂う硝煙の匂い”・・・”叫び猛狂う自分”・・・最後に銃を向けた時・・・”コイツを殺したらどんなに快感か・・・”
どれも微かで朧げな・・・まるで<自分じゃあない自分の姿>を・・・。
「待て! 待てよ! ラフィル!
(両手を突き出し、及び腰になりながら宥める)
何がいけなかったんだ!? さっきの提案で何か不満か足りない事でもあったのかッ!?」
「黙りやがれッ! 不満も何も・・・テメェが幾ら提案しようが、母さんは帰ってこないんだよッ! 姉ちゃんも悲しんだままなんだよッ!
だから・・・こんな結果になった原因であるテメェを・・・ブッ殺してやらないと・・・オレも姉ちゃんも、母さんと父さんの無念を晴らせねェんだよッ!
そんな事も分からねェのかよッ! クソ人間がアァッ!」
「・・・
(顔を俯かせたまま、静かに起き上がる)」
「なんとか言いやがれよッ! クソ人間ッ!」
「・・・分かんねェよ・・・そんな下らねェ理由・・・」
「・・・ハァ・・・?」
「オレが助けられなかったのは、認めよう・・・。さっきの”ムダのない流れからの叩き斬り”にそのまま斬られてもおかしくない理由だ・・・。オレらの”力不足”な訳だしな・・・。
だけどな・・・? ”母さんと父さんの無念”・・・? ”姉ちゃん”・・・?
聞こえは良いが、それは実際に”オレ”に結びつく事なのか・・・?
オレに償えるチャンスを与えれない程、"本当"に値する事なのか?
その理由達は、お前が本来・・・向けるべき”怒り”を・・・只々、”無駄でしかない八つ当たり”に使いたいがための”こじつけ”にしか、オレには聞こえないんだがな・・・ッ!?
(「お前が~」の所から、ジョジョに怒気の籠もった声と口調になってくる)」
「ッ!? だ・・・黙れッ! 黙りやがれェッ!」
「黙るも何も・・・もう~オレは堪忍袋の緒が”プッツン”してんだよ・・・ッ!
エェッ!? いつまで過去の”トラウマ”を引きずってやがんだよッ!?
オレらが助けてやったのにも関わらずッ、”人からの親切”を無下にするよう喚きやがってッ!
その挙句・・・オレの仲間に手を出す”理不尽な暴挙”までもやりやがってッ!
幾らお前が強かろうが、脳筋行為も大概にしやがれよッ! ラフィルッ!
(語尾に迫るほど叫びが強くなる、緩急ある口調で)」
N:他人から見れば妄言としか言いようのない”もう一人のボス”説だが・・・ボスの抱いた恐怖は、そりゃあ生半可な物じゃあなかった・・・。
起きた翌日からボスは、村を旅発つ前、オルセットに自身がスキルで覚えた事も含め、以前から覚えていた、「戦い方」を一週間・・・みっちりと彼女に仕込むのであった・・・。
表向きは、「自身の身を守る事と、自己判断し、自立できるように」と彼女に教えていたが・・・本当の理由は、まるで違った・・・。
いつか・・・イヤ・・・いつでも、自身の中に潜む”謎の化け物”が彼女に牙を向いた時に、彼女だけでも助かるように・・・と。
「黙れよッ! 黙りやがれェッよォォォォ! 何でオレがクソ人間なんかに怒られなくっちゃあならねェんだよォォッ!? 説教されなきゃならねェんだよォォォッ!? 大体、テメェにオレらの姉弟の何が分かるってんだよッ!?」
「・・・分かる訳ねェだろ? 全部は・・・。人は誰だって相手の思いを自在に知れるワケじゃあないし・・・過去には戻れない・・・。仮にそういうスキルがあったとしてもだ・・・。
(急に怒りが四散し、諭すような憐れむような口調になる)
お前らの身の上話を聞いて、オレは何度お前たちを”そうなる前に”助け出したいと思ったか・・・
そう・・・オレが”100回以上思った”って言ったとしても、お前はオレの頭の中身を見れるワケでもないし・・・過去に戻ってその”思った回数を数える”なんてのもできないだろう? それと同じだ・・・。
オレはなァ・・・ラフィル、人間とエルフがどうのこうの以前に、考えて、理性ある行動ができる”人”して、やっちゃあいけない事を今、怒っているんだよ・・・解るか? お前は人の話を聞いて・・・考えて話す事ができる・・・。
”獣”じゃあない、”人”だろ・・・?」
「・・・だからなんだよ・・・ッ、それ聞いて、母さんが生き返るってでも言うのかよッ!? 姉ちゃんが悲しまなくなるのかよッ!?
テメェをブッ殺さずとも、このオレの怒りが鎮まるとでも思ってたのかよォォォ!? アァァァッ! どうなんだよ! クソ人間ッ!」
「・・・ハァ・・・エルフの教育ってどうなってんだよ・・・。
ホントに”142年”も生きてきたのかって疑いたくなるぜ・・・。
人間換算の肉体年齢どころか・・・これじゃあ、精神年齢まで”中二”で、聞き分けのねェ”ガキ”も同然じゃあねぇかよ・・・。(ボソボソと悪態をつく)」
「おいっ! 何とか言ってみろよ! クソ人間ッ!
それとも何だよ! その下らねェ説教ってヤツはもうお終いかァッ!?
只々、オレをイラつかせたり、姉ちゃんを悲しませるような事しか言えないのかよッ!?」
~ プッゥ~~~~ン ~
「・・・そういえばァ~この前の処刑場でお前につい”ノーキン”って言っちまったよな~?
あれの意味ィ~・・・教えよっかァ~? ラフィルく~ん・・・?」
「なッ・・・なんだよ?
(急に変わったボスの態度にほんのチョッピリ、ビビる)」
「単細胞、猪突猛進、向こう見ず、愚直、駄々っ子・・・」
「・・・?」
「今言ったのは、お前のダメな所のほんッの一部を、簡単な単語で言った。
勿論・・・全部の意味は解るかるよな・・・?」
「・・・クッ! だからなんだってんだよクソ人間ッ!
(初めの”間”の所で、一瞬嫌そうに口角が引きつるが、すぐに怒りの形相に戻る)」
「「脳筋」ってのはなァ・・・今言った少し考えれば判るような物事さえ、思考を面倒臭がって・・・何事にも”力”だけで解決しようとする、ラフィルッ! お前みたいな<究極のバカ野郎>の事を言うんだよッ! (「ラフィルッ!」の部分から、ビシッ! っと、彼に指を指しながら)」
「だからなんだよッ! クソ人間ッ! 何が言いたいんだよ!」
N:<オレは一体・・・何者なんだ・・・?>
自身の異常さに気づいたボスは、無意識の内にオルセット達はおろか、○者の皆さんでさえも、嫌われたくない・・・心配を掛けさせまい・・・ッ! と、この世界に来た時からの振る舞いを、崩さずさないようにしてきていた・・・。
少しでも気を抜けば、この問題に囚われ・・・どんどん心を蝕まれて、いつしか本当に彼女達に襲いかかる化け物になるんじゃあないかと・・・否定し続けがたいために・・・。
しかし、押し寄せる現実は、夢想を見せ続けてくれる事はなく、ずっとボスがそう真面目に考えざるを得なくなるのも、この問題児であるラフィルと、その姉と言う”リフィル”のエルフ姉弟に出会い・・・「城塞都市マケット」での処刑場で摩訶不思議な光景と共に耳にした聲を聞いてからである・・・。
日く、「私を奪った」・・・。
日く、「私の口調まで似ている」・・・。
日く、「私を貸した」・・・。
「奪った」と「貸した」では、最終的な意味では、発言がダブってるんじゃあないかと、彼は野暮な事を考える何て事もあったかはさておいて・・・「自分は作られた存在」なのではないかと、有りもしないような事などを日に一度「”十分”ちょっとしか考えなかった」のが、日に「3度以上、”十~六十分”も熟考する」程に深刻化する・・・最初の問題へと繋がるワケだが・・・それと同時に、彼は妙に納得もしていた・・・。
実際に彼は、両親と海外へ旅行に行く度に、射撃訓練と共に現代的な実戦訓練を何度も体験し、明言していなかったが趣味の一つであったサバゲーでは、現代の軍隊も活用する実戦テクニックを何度も反復練習した。毎日適度に体を鍛え努力もし、軍事に関するありとあらゆる知識を貪るように漁りもした・・・。・・・だが、それだけに過ぎないのだ。
”殺るか殺られるか”という本当の戦いを経験した”実戦経験”なんぞ、全くの皆無であり・・・一般人が知識として、お遊戯として・・・「軍人の真似事」をしているだけに過ぎなかったのだ。
・・・だが、それにも関わらず、彼はこの”異世界”で生き延びる事が出来ている・・・。
<殺るか殺られるか>が全てと言わんばかりに体現された・・・”弱肉強食”のこの世界で・・・。
自身や仲間に敵意が向けられれば、自然と”適切な行動を起こすように体が動き”、ピンチや逆境に追い込まれれば追い込まれる程・・・不自然な程に”その逆境を確実に覆すべく頭が冴えわたってくる”・・・。その時になった彼は「”かの有名な物理学者”や”伝説の傭兵”にだって負ける気がしないッ!」と、自負してしまう程にだ。
しかれども・・・彼は自身の”存在”にこれからも自問自答という”確認”を繰り返すだろうが、その一方で・・・普段の彼の振る舞いでは想像もつかない程、彼はこの力を与えてくれたであろう”謎の聲”に・・・意外な事にも、”素直な感謝”を心の中で捧げていた・・・。
この世界で”生き抜くための力”を与えてくれてありがとう・・・。
名も知らぬアンタから奪っちまった・・・あるいは、貸してくれた力を無駄にしないよう・・・オレはより精一杯”生”を謳歌するため努力しよう・・・!
だから・・・<自分は一体、何者なのか・・・?>
この問題は、「この異世界を生き抜いてゆく上での最終目標」として、今は一旦、保留にしよう・・・ッ!
「語彙力に乏しいその返答も、ある意味、脳筋の証拠だよ・・・。
だから・・・(左掌と右の拳を胸の前で勢いよく合わせ合掌してから・・・)もうオレは”言葉”を使って、お前諭す事をやめる・・・。
<力が全て>とでも言いたそうなお前には・・・”拳で語る”方が、一番ッ、解りそうだからな・・・シスコン騎士さんよぉ・・・?」
「チィッ! ”拳で語る”とか、”シスコン”とか意味分かんねェじゃあねェよ!」
「・・・テメェみたいな聞き分けのない、姉ちゃんに甘ったれてる”クソエルフ”の騎士様にはァッ、オレの”武器”を使うまでもないって言ってんだよッ! 」
「ッ・・・!? んだァァとォォォォォッ! コラァァァァァァァァッ!?」
N:そして・・・ぼんやりとだった「教師になりたい」という生前(?)の夢を・・・。
まずは、拳を交えてでも・・・”オレはお前の味方だッ!”・・・という事を伝える事から始めよう・・・!
「(右拳をラフィルに向けて水平に突き出し、挑発しながら・・・)
来いよ・・・クソエルフッ! テメェのそのひん曲がった性根を、文字道り叩き直してやるッ!」
「・・・ハッ、素手で武器を持つオレに勝つつもりかよ・・・。
散々、オレの事をバカにしやがって・・・ブッ殺されても、”オレはバカじゃなかった”とかって、ほざくんじゃあァァねェェェェぞォォォォォォッ!?
(再び大剣を肩に担ぎつつ、叫びながらボスへと突進する)」
N:・・・と、ここまで私の盛大な「今までのボスの秘めた心境」・・・のッ、<捏造秘話>をご清聴頂き、ありやとうございやした~ッ!
~ザッザッザッザッザッザッ・・・ブクォォォドガッ! ・・・ガウィィィンッ!~
(走り込んできたラフィルが、”水平薙ぎ”を繰り出してきたのに対し、ボスは紙一重でしゃがみながら前進し、彼の腹に”カウンターストレート”を叩き込むッ! 空振った大剣はボスから見て、彼の左後ろに落ちる)
「グッ・・・!? (若干歯を食いしばりつつ、驚いた表情で)」
「どうした・・・? オレは”身体強化”すら使ってないぞ・・・?」
「クッ、クソがッ!」
~ゴッ! ギャッ!~
(構え直すのをさせまいと、ストレートを放った状態から、”左アッパーカット”から続け様に素早い”右フック”をラフィルに叩き込むッ!)
「クッ・・・このッ!」
「そんなデカい得物を、この密着に近い状態で構えられるのか?」
~ドゴッ! ギャッ! ガッ!~
(右ボディー→左フック→右フック・・・のコンボを、僅か3秒程で繰り出す)
「グフッ・・・! (左手で、腹を軽く抑える)」
「何で自分が殴られているのか、気絶する前に・・・よく考えておけッ!」
~ドゴッ! ギャッ! ガッ! ガッ! ドゴッ! ドゴッ!~
(ボディーブローとフックパンチを中心に、変則的なラッシュを叩き込んでゆくッ!)
N:くっ・・・悔しい!
私の実況が必要ないだとッ!? 私の実況にボスが反応しないだとッ!?
一体ッ、どういうことだって~Pwiiii~よ!?
・・・フッ、いつものように喚いて否定するよりも・・・たまにはこうやって実力で示す方が説得力があるかと思ってな。・・・因みに、捏造なんかじゃあないぞ? 全部本当だからなッ!? ホントの本当に、”Nの野郎”が捏造したって言う<オレの苦悩>は、マジモンの本物だからなッ!?
N:・・・結局、喚いているじゃあないか・・・。
るせウェェェッ! 誰だよッ!? いつもオレを喚かせているのはッ!?
たまには静かに、か・つッ! シリアスな雰囲気のまま話を進めさせて・・・
N:断固ッ! 拒否させてもらうッ!
即答かよッ!? オイッ!?
N:シリアスに固め続けようがなかろうが・・・どんな話でも”単調続き”ではあらゆる”〇者の皆さん”が飽きてしまうであろうッ!? だから私と言う、紳士的で道化な”ガス抜き成分”が、君達をおちょくってェッ、”〇者の皆さん”が最ッ後ッまでッ! 君達の物語を見届けてくれるように、支援しているのではないかッ!
むしろ・・・グチグチ私の日頃の行いにケチを付けないで、常に感謝というものを・・・
して欲しかったったら、”おちょくり”なんて下らねェもんを支援投下してんじゃあねェよッ!
それに、"変態的"でもあるだろッ!? ちょいちょい余計な”下ネタ”も投下してくんじゃあねェッ!
というか、こっちが”む・し・ろッ!”さっさとこんなクソ差別塗れの世界から脱出させてくれよッ!
それかッ! 差別されている亜人達を全て、日本に送るなり、なんなりで救済しろってッ!
目の前のトラブルも解消しろよ! クソがッ!
N:無論、私にはそんな力も権限もないので、断固拒否ッ! ・・・以前の問題なのだが?
~ゴッ、ガァァ~ンッ!~
「ッ!? イッテェェェェッ!?」
「ハァ・・・ハァ・・・調子に・・・乗んなァァァァッ!」
~ グッ・・・ウォォォォンッ! ゴロゴロゴロゴロ・・・ズザァァァ~ ~
N:ホラホラ・・・戦いに集中しないからァ~。
「(ハァ・・・ハァ・・・しばらく黙ってろォォッ!)
痛ッ・・・テェ・・・ッ! (右手の痛みを緩和させるように振りながら)
やるじゃないか・・・てっきりその剣を振り回すしか脳がないかと思っていたが・・・
「剣の腹でガードした後、そのままオレを押し返す」なんてな・・・
しかも、ガードの際は”片手で逆手持ち”にやるとは、意外と洒落てんじゃあないか?」
「(押し返した剣を、自身の目の前に突き刺し、柄を両手で握りながら)
アアァッ!? 戦いに洒落・・・ェ? もクソもあるかッ!
テメェの頭をカチ割るために、両手で押し返してやったのに・・・なんでそう、ピンピンしてやがんだよッ!?」
「おお・・・怖い・・・。殺意が高すぎやしませんかね・・・?
しかし・・・その意識をこう・・・今、”本当にやるべき事”を考えるために向けてはくれやせんかね? 今すぐこの不毛で無意味な戦いをやめてさぁ~?
(チョッピリ、おちょくるような口調で)」
「黙りやがれよォォッ! いつまで・・・そんな戦いに相応しくねェ、態度を続けるつもりなんだよォォッ!? テメェには、申し訳ないって気持ちどころか・・・ァァッ! 慈悲や哀れみの気持ちでさえも持ち合わせてないのかよォォォッ!? エェェッ!? クズ人間がァァァッ!」
「・・・あのなぁ、人様に”自分の戦い方”を押し付けるじゃあねェよ・・・
お前が”本当の敵”じゃあないから教えるけど、相手を小馬鹿にして・・・とにかく”冷静な判断”をさせないのも立派な戦術の一つだからな? そ・れ・にッ! さっきからオ・マ・エ・がッ! こんな無駄な状況を作り出してんだろうがッ! こんな状況をお前の姉ちゃんが見たらどう思うと思ってんだッ? 心から喜んでくれるとでも思ってんのかッ!?」
「黙りやがれよォォッ! これは姉ちゃんのためなんだよッ! 母さんと父さんのためでもあるんだよッ! それ以外の理由があるかッ!」
「・・・握りたくもねェ、”敵の剣”を使っていて良く言うぜ・・・」
「ッ!?」
「・・・どうして、柄を握る両手の指が、忙しなく動いてんだ?」
「クッ・・・!」
「これはオレの勝手な憶測だが・・・
そんな剣で仇討ちをするのは、相応しくないとでも思ってんだろ・・・?
勝てる相手だとしても・・・その剣で仇討ちしても、お前の言う・・・父親や母親の魂が浮かばれないとでも言いたいのか?
それとも、何度も負けたからって、怖気づいてんのか?」
「・・・(怒ってる・・・あるいは悔しがっているような複雑な表情になる)」
「・・・贅沢言ってじゃあねェよ・・・ッ!
こちらとら、貧弱な人間様かつ、満足もクソもあるかって叫びたくなるような”オンボロ装備”で、何度も死線を潜り抜けてきたんだぞ・・・ッ!?
オレが、死ぬような思いで苦労して運んできたその”大剣”を軽々とォッ! しかも片手だけでェッ! 振り回せしている浪漫と、お前の優れた身体能力に、ど・れ・だ・けッ! オレが羨ましがってると思うのかッ! 分かるかッ!?
元からお前は優れてるんだよッ! 怖気づくなよッ! 甘ったれんなッ!
償いたいからこそッ! お前達と一緒ならッできると思ってッ! ”仇討ち”を提案したんだッてッ!
分かるよなッ!? お前は”獣”でも、”野蛮人”でもないッ・・・一人の”ダークエルフ”なんだからッ! 頼むからいい加減、ちゃんと話を聞いてくれッ!」
N:頑なに否定し続けるのではなく、再び「ラフィルを一人の人間として認める」ように彼の優れた所を誉めつつ説得を試みるボス・・・。
その問いを聞いた彼は、何を思ったのか・・・ボスが城塞都市に潜入する際に渡していた”パーカーなどの上半身の服一式を、片手で全て引き千切ったかと思えば、今度はこれもまた急にボスが渡していた”スニーカー”を脱ぎ捨て、カンフー映画ばりの”半裸スタイル”を見せつけてきた・・・ッ!?
そのスレンダーながらも無駄のなく引き締まった見事な細マッチョに・・・失礼、その唐突な彼の奇行にボスは表情には出さないではいたが、内心、一瞬目が飛び出そうな思いで驚いていた・・・。
だが、それだけでは終わらない・・・。彼は地面に突き刺していた剣を両手で強く握り込みながら引き抜くと・・・”左足”を左斜め前に、”右足”はその対角線上に右斜め後ろに下げ・・・中腰になると同時に、順手に持ち替えつつ、大剣を背中に担ぐように・・・ドッシリとした”構え”を取るのであった・・・。
それは・・・現代の世間一般では、ほとんど知られていない西洋武術の一つ、”ドイツ式武術”では「”憤怒”の構え」と呼ばれる”型”によく似ていた・・・。
「(俯き、目に影が出来ているような状態で・・・)
・・・わかった、やめるよ・・・。
オレも・・・クソ人間・・・いや・・・テメェへの、説教をな・・・!」
「・・・(正直・・・本人はカッコ良く言ってるつもりだろうが・・・セリフが捻くれ過ぎててビミョーだなァ・・・オイ・・・ッ! つ~か、あの喚きって全部"説教"のつもりだったんかよッ!? オイッ!?)
なぁ、裸になる意味はあんのか・・・?」
「エルフですらねェ・・・テメェが、気安く聞いているんじゃあねェよッ!」
〜ザッ! ザッザッザッザッザッ〜
N:「早いッ!?」
ボスが思わず一瞬、身を引いてしまいそうになる勢いで彼へと急接近し、鬼気迫る袈裟斬りを繰り出すラフィル・・・ッ! しかし、ボスは地面を抉る轟音と共に、バックステップで安々と躱すッ! ・・・いや、躱せてしまったのだ。
ラフィルの身長と比べ、彼の頭一つ分を越す大きさとリーチを持つのにも変わらず、その斬撃が先程のと比べて遅過ぎたのであったから・・・!
・・・なんだ? やけに”必殺の一撃”っぽい構えから繰り出してきたのにも関わらず、この気の抜けたような・・・不自然にも感じる一撃は・・・?
・・・いや、今はそんなことに考えている場合じゃあないッ!
”逆袈裟斬り”の危険性があるが・・・今の内に、腹に一発”後ろ蹴り”を叩き込んで・・・ッ!
~キュルッ、バッ! スカァ・・・~
消えたッ!? ど・・・何処に、何処に消え・・・ッ!?
(後ろ蹴りの後、残心しつつ、首だけを動かして探す)
N:ボスの視線は、空中に止まっていたッ!
それはッ! 恐らく飛び上がったであろう状態かつッ! しかも"憤怒の構え"の状態で姿勢を維持した上で、"空中"で大剣を構えるラフィルの姿であったッ!
ボスの中の、最大級の"警笛"がッ! 全身を駆け巡るッ!
「・・・"月弧"ォォッ!」
~ズガドグゥォォォォォンッ!・・・~
N:その一撃は、先程の一振りとは比べようにならない程、より早く・・・より深く、ボスのいた場所の地面に大穴を抉っていたッ!
再び間一髪で避ける事が出来た彼は、距離を離しつつその一撃に驚愕を隠・・・イヤ、恐怖しそうな勢いで内心動揺していたのであった・・・ッ!
マジかよ・・・ッ! なんで、あんな”クレイモアのお化け”を空中で振り回せるんだよッ!?
無双ゲームなどで日常的に大剣をブン回し、スカッとしているであろう・・・〇者の皆さんの”夢やロマン”をブチ壊すようで大変申し訳ないが・・・とある科学者は言った・・・。
大剣をブン回すなら、”エクソシスト”のように”ブリッジの状態”で構えて突撃しなくてはならない・・・と。
無論、これは常人が持ち上げる場合を想定した上である。
しかしだ、しかしだがなッ! それでも問題は山積みである・・・ッ!
中世で使用されていた一般的な西洋剣の重さは”1~2kg前後”であるが、とある科学者が考察していたのは、推定でもその80倍以上、"165kg"の重さを誇る、”それはまさに鉄塊だった”・・と言わんばかりの巨剣である。
そして、その巨剣を<水平に持ち上げる”だけ”>でも必要になる力は・・・”剣の重心と、柄の部分でシーソー状になるように柄を持ち”、必要な力を軽減する、「てこの原理」を用いても”800kg”近くッ! ”クロサイ約一頭分の体重”に匹敵する力が必要になるのだ。これを”プロ野球選手のスイング並み”に振ろうモノなら、”1t以上”の力が更に必要になるッ!
それに対し、ラフィルが扱っている大剣は”考察の巨剣”程ではない物の、ボスも言っていた”クレイモア”という種類の大型剣をそのまま巨大化させた、大剣にしてはやや細身な刀身の見た目である。
しかし、恐らく鋼鉄製であろう「鉄の処女」をブン殴っても刃こぼれせずに現在も問題なく使用できている事から、良質かつ、相当な密度の鉄を使って製作されているハズ・・・。軽く見積もっても”30kg以上”はあるハズだ。
これは第一次世界大戦で大活躍した「ヴィッカス重機関銃」に相当する重さである。・・・要は、ラフィルやヴァイオの一撃は・・・
「重機関銃を”金属バット感覚”で振り回している」
・・・という、頭おかしいだろッ!? ・・・っとツッコまずにはいられない一撃なのである。
ましてや・・・ラフィルに至っては、ほとんどを”両手”で大剣の振りや保持をしていたヴァイオに対し、”片手のみ”で、振りや保持を軽々と熟していた”腕力”に加え・・・30kg以上もある大剣を保持し姿勢を崩さないまま、空中に飛び上がれる”脚力”も持っているからこそ・・・ボスが”ヤバい”と思ったのであるが・・・。
「・・・チッ、躱すんじゃあねェよッ!」
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤッ!? 頭ッおかしいだろッ!?
あんなミンチになるような一撃ッ! 誰だって喰らいたくないわッ!
(「~あんな」から、先程抉れた地面を指指しつつ)」
「・・・まぁいい、次で決めてやる・・・! (再び”憤怒の構え”を取る)」
「・・・クソッ。
(あんな一撃喰らえるかよ・・・ッ! なんだよ・・・! 急に無理ゲーっぽくなりやがってッ!? ・・・チクショウ・・・とにかく、愚痴ばっか言っていても始まらねェ・・・!
とりあえず、奥の手があるかもしれないが・・・今はアイツが「月弧」って、技を出した後を狙うしかねェッ!)」
〜ザッ! ザッザッザッザッザッ ズガドゥォォンッ!〜
「・・・"月弧"ッ!」
~ズガドグゥォォォォォンッ!~
よしっ! 今の内に・・・ッ!?
~グオンッ! ブウゥゥンッ!~
「・・・"光月弧"ォォォォォォォォォォッ!」
~ズガドグゥォォォォォンッ! ズガドグゥォォォォォンッ!
ズガドグゥォォォォォンッ! ズガドグゥォォォォォンッ!
ズガドグゥォォォォォンッ! ズガドグゥォォォォォンッ!
ズガドグゥォォォォォンッ! ズガドグゥォォォォォンッ!~
「(全力で敵前逃亡をしながら)
無~Pwiiii~乱舞かァァッ!? クソッタレェェェェェェェェェェェェェェッ!」
N:あぁ・・・なんという事であろうかッ!?
今・・・ラフィルは宙を舞っているのだッ! 誇張ではなくガチでッ! 先程の「月弧」を繰り出し続けつつ、全力回避するボスを追いかけながら、舞っているのだッ!
オイッ! ふっざけんなよッ!? 今、変なナレ入んなかったかッ!?
N:至極真っ当にナレーションをしていたのだが? それよりも回避しないと・・・
クソッタレェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!
N:・・・なんとも失礼な・・・。
おっ、だが・・・どうやらこんな合間に、小規模のクレーターを実に”21個”新たに作り出し、ようやくラフィルの攻撃は終わったようである・・・。
「・・・ハァ・・・ハァ・・・、躱すなよッ!」
「ゼェゼェ・・・るせェ! だ・か・らッ!
あんなミンチになるような一撃ッ! 喰らえるかッ!?」
「アァァァァァァァァッ! クッソッ! 次だ! 次こそはテメェを叩き斬ってやるッ! (地団太を踏みつつ)」
「・・・次が来れば、いいけどな?
(冷や汗をかきつつも、含みのある声で言う)」
「黙って・・・叩斬られてろオォォォォォォォォォォォッ」
N:「・・・ただのマグレだ! クソ人間がオレの技を躱しきるなんてあり得ないッ!」
ラフィルの心中では、その言葉で埋め尽くさんばかりだった・・・。
実際そうなのだろう・・・”犠精騎士団 超新星”の肩書を持つからには、それ相応の努力と研鑽してきた技に彼自身の譲れない”誇り”がまだあるのだろう・・・。
しかし・・・現在、彼が再び駆け出し、大剣を振りかざす相手は・・・まだ騎士であるならば・・・決して、剣を振りかざしては良い相手はおろか・・・行為ですらもない・・・ッ!
〜ズガドゥォォンッ! ザッ!〜
N:ボスは彼の技を回避しつつも、しっかりと確認していた。
空中に滞空していた時は流石に驚いていたようだが、その仕組みが”棒高跳び”に似たモノだと分かれば、無謀とも言える”勝利の道”へと・・・駆け出させる覚悟をッ! 彼は見出していたのだからッ!
「・・・"光月弧"ォォォォウッ!?」
N:ラフィルの一撃は、地面を抉り、深々と切っ先が突き刺さる程・・・。
一撃目の「月弧」以降・・・彼は、大剣が突き刺さった時、一瞬、大剣の柄頭を”台”にして、瞬時に身体を回転させると同時に、驚異的な腕力で”突き刺さった大剣を振りぬいては、突き刺し・・・振り抜いては、突き刺し・・・”を繰り返し、まるで宙を舞うかのように、で大剣を振り続ける事が出来たのある。
それをボスは理解したッ! 理解したからこそ・・・
~ズォォイッ! ドバッキャッ!~
N:ラフィルが、大剣の柄頭の上で体勢を変える一瞬ッ! その一瞬を狙うためッ!
ボスは、彼の初撃の終わり際に懐へと飛び込み、宙へと飛び上がった彼の脇腹近くに、渾身の「倒立蹴り」喰らわしたのであったッ!
・・・一歩、タイミングを間違えれば、「光月弧」の連撃に移るために振り抜かれた、彼の懐にも届く大剣の刃に真っ二つにされるリスクも恐れずに・・・ッ!
~ブワ・・・ドテンッ! ザッザッザッザッ!~
「イテテ・・・クッ・・・・ソッ!?」
「勝負はついたな?」
N:後の顛末は至極、呆気ないものであった・・・。
予想だにしないボスの一撃を喰らったラフィルは、空中で体勢を整えていたために反撃の余裕もなく、大剣の刺さった前方・・・ボスとは反対側の方向へと、仰向けに地面に落下していったのであった・・・。
そして、背中の痛みにもたついている間に彼にマウントされ、喉元にナイフを突きつけられ・・・その突きつけられている状況に、ラフィルは呆気に取られたというワケである・・・。
「・・・テメェ・・・ッ! 武器は使わないんじゃあなかったのかよッ!?」
「絶対に使わないなんて、オマエと約束したか?」
「クッ・・・卑怯だぞッ!」
「・・・戦いに、卑怯もクソもあるか。
誰だって生き残るためなら、最終的には”誇り”や”尊厳”でさえも捨てるハズだ・・・。
そもそも・・・これが本当の敵だったら、今のように約束を守るどころか・・・一見、丸腰でも、”仕込み武器等”を隠し持ってる場合だってあるかもしれないだぞ?
そんな状況になってみろ・・・? オマエは、今みたいに”卑怯”って言ってられるのか?」
「う・・・うるせェッ!
クソッ! クソクソクソクソクソクソォォォォォォッ!
何で・・・何で人間なんかに・・・こんなッ、クソ人間に負けんだよォォォォォォッ!?
(「何で・・・」辺りから涙ぐみ始め・・・ジョジョにしゃくりあげながら話す・・・)」
「・・・(憐れむような眼で見ながら)悔しいのは分かる・・・。
あれだけのスゲー技を編み出すのにも苦労しただろう・・・?
だけどなぁ・・・? お前らを見下すクソ人間共と同じように、お前も心のどこかで”人間だから”と舐めている限り・・・今後2人だけで生きていくとしたら、相当苦労するぞ?」
「”人間だから”・・・?」
「人間は確かに弱い・・・お前たち”亜人”よりも弱い。
だからこそなんだよ・・・弱いからこそ、生き残るために考える・・・。
考えるからこそ、こんなモンを作れたり、時にはお前たちを捕まえる程の策や力を身に着けるんだよ・・・。
(「こんなモン」のところで”SAA”を取り出し、軽く振りながら見せつける)」
「・・・」
「オレはなぁ・・・何度だって否定してやるが、お前達は”獣”でも”野蛮人”でもないッ!
今さっきみたいに、オレの話を聞いて、考えて、話す事が出来ているだろう? お前たちにはそういう”理性”があるだろう? それがあれば、お前達は”野蛮人”なんかじゃあない。立派な”人間の一人”なんだよ・・・」
「・・・だから・・・」
「・・・だから?」
「だから・・・なんだよ? 認めているからってなんだよ? それで母さんが生き返るって言うのかよ・・・? 姉ちゃんが悲しまずに・・・」
~ボクコォッ!~
(ボスが、マウント状態でラフィルの頬を殴る)
「グハッ・・・テメェ・・・」
「いい加減にしろオォォッ! 何回ッ! オレに同じ事を言わせんだよッ!?
お前は復讐をしたいのか!? それとも姉や両親を盾に、ただ暴れまわりたいだけなのかッ!?」
「・・・オレは・・・」
「お前が見据えるべき本当の”敵”は誰なんだ!? エェェッ!?
言え! オレは敵かッ!?」
「・・・オレは・・・」
「言え! オレがお前の姉に何をしたのか、言ェェェェェェェェェェェェッ!」
N:ラフィルの心に根付いた「人間への憎悪」という垣根は・・・死闘の末、ボスの心からの”本音”の叫びで訴えかけてまでも、取り払うことのできないものであろうか・・・。
彼の"執念"にも匹敵する"頑固さ"に対する怒りなのか・・・それとも彼に”味方”だと伝えきれなかった事を含め、己の不甲斐なさによる"悔しさ"からなのか・・・叫びの中、眼から何かが流れ落ちるのを感じながら・・・ボスは彼の顔面へと拳を振り下ろそうと拳を振り上げた時・・・ッ!
『・・・そこまでにして下さい・・・兄さん』
参考文献
*Amazon.co.jpの書籍情報を引用しています。
書名:中世ヨーロッパの武術
ISBN-10: 4775309463
ISBN-13: 978-4775309469
書名:空想科学読本14 [名キャラ対決、どっちがすごい!?]編
ISBN-10: 4040660609
ISBN-13: 978-4040660608
※2018年11月8日、「重機関銃を金属バッド~」の辺り、ヴァイオの大剣の振り方のナレーションを修正しました。
「常に」 → 「ほとんど」
(戦闘回、28話で、一度"片手"で大剣を振っている描写があったにも関わらず、失念してしまいすみませんでした・・・)