Mission-26 ”有力情報”ヲ確保セヨ
大変お待たせしました・・・。
前回で書き忘れていましたが、チョろっと書いた”ストック”は前回で切れていました・・・(スミマセン)
なので、今回以降特に”書き溜めします”・・・と表記しない限りはまた不定期にしてきますので宜しくお願いします・・・。
(・・・頑張れれば、”週間”連載したいと思っています・・・)
・・・いや、もう1年以上(余程の事態がない限り)空けるとかはしませんよ!?
というか・・・本音を言えば、<書けず、投稿できず、構想ばかりが溜まってゆく>・・・という三重苦でず〜っと不完全燃焼しっ放しでしたからね! ええッ! 叫びたくて仕方ありませんでしたよッ!
・・・まぁ、とにかく、今後も”異界の傭兵団”ッ! 宜しくお願いします・・・。
あっ、そして<”PV”3万7千以上、”ユニーク”1万>・・・ありがとうございますッ!
「ドキンテキャアァァァ!」
〜ヒュ〜ンィ・・・バンッ!〜
「・・・喧嘩してるより、仕事してろよな・・・」
N:唐突に吹っ飛ばされ、壁の側で「犬○家の一族」的に伸びている冒険者はひとまず置いておこう・・・。
前回より時間は少し遡り・・・現在ボスと庭園で保護した謎の男と共に、とある場所へと訪れた際に、最も「典型的なテンプレ」の一つに遭遇してしまったのであるッ!
いくつものラノベをハシゴするベテラン”ラノベラー”な諸君らには、食傷気味で呆れてしまう要素かもしれないが、ラノベにおける一種の「様美式」として、どうか割り切って頂きたい・・・。
そんなこんなで、解決済みではあるが出会ったトラブルは「冒険者に絡まれる」・・・であるッ!
・・・大層な演説しているよりも、これまでの経緯を説明しろよ・・・
N: いや、失礼。
第一、前置きをしておかないと、いけなかったものなのである。
さて・・・これまでの経緯を説明すれば以下の通りになる・・・。
ボスが謎の男を介抱 → 話があると言い、正体を知りつつも場所を移動 → 秘密裏に話せる場所がないかと、ボスが男に道中で相談 → 男がいくつか考えている最中に呟いた「冒険者ギルド」にボスが反応 → ノリで行った結果がこんな惨状・・・といった具合である。
何、”体言止め”っぽい話し方をしてんだよッ!?
N:あぁ・・・忘れていた。
突然ボスに難癖つけて襲ってきた悪漢な奴は、 「昼間っから酒飲んで、億万長者になれんなら相手しますが?」・・というボスの一言に逆上 → 胸倉を掴まれた状態から右手を上げる・・・悪漢・・・ → 無表情にボスが右脚による「金的」が炸裂 → 堪らず、ボスと共に頭を下げるアカン奴・・・しかし、無情の「左膝蹴り」により頭をド突かれ上昇・・・ →トドメに膝蹴りから下ろした足をそのまま軸にの「右後ろ回し蹴り」で、ギルドの壁へと轟沈・・・といった具合である。
そして言っておこう・・・先ほどの説明で文章の”〆”に出てきたのはどれも”固有名詞”ではなく、ありふれた動詞などであるのだよ・・・ボス君。
国語の教師かッ!? オメーはよォォォォ
「・・・おい、ジャック」
「んっ? なんだ? ジョン」
N:ボスの背後にいた”男”は少々、呆れた表情の後に、”ボス”でない名前を呼びかける・・・。
混乱するかもしれないが、これは大衆の中でも名前を聞かれても大丈夫なように、あらかじめ彼らが決めた”偽名”であるッ! ボスが「ジャック」、男の方は「ジョン」ということで認識して置いて欲しいッ!
「急に呼び出して、話があるってなんだよ?」
「あぁ、お前に美味い酒でも奢ろうと思ってな」
「・・・ヘェ、随分と気前のいい話だな・・・?」
「まぁ、なんだ・・・まずは座ろうぜ」
N:ギルド職員、周囲の冒険者、吹ッ飛ばした冒険者の取り巻き達の「アイツらは何者なんだッ!?」・・・と言った視線は露知らず、ボス達は堂々とギルドカウンターとは向かい側に併設されていた”酒場”の一席へと腰を降ろすのであった・・・。
・・・何ィ? 彼が、やけに素直に従っているゥ?
・・・それは、武器屋からこの冒険者ギルドまでの距離が、地味に長い事を考慮すれば、幾らでも”口裏を合わす”事ができるのではッ、な・か・ろ・う・かッ!? (シャクゥッ! ノモンダイッ!)
「・・・で? 何を奢ってくれるって言うんだ? 特上のエールか?」
「まぁ、待て待て・・・久しぶりにあった仲なんだ。ただ奢るんじゃあつまんないだろう?
(そう言った後、右腕をテーブルに立てる)」
「・・・何のつもりだ?」
「腕相撲・・・アームレスリングだよ。(左手で、右腕の上腕二頭筋を軽く、2度叩きながら)
まさか、良くやっていた仲だって言うのに久しぶりすぎてド忘れたなんて言わせないぞ?」
「・・・」
N:周囲にもイヤと言うほど通る声を張り上げながら、”ジョン”を腕相撲へと誘うボス。
対する彼は、表情には出ていなかったが内心呆れつつも、ボス同様に右腕を机の上に置き、自身の手をボスの手と絡めるのであった・・・。
『・・・驚かず、このまま合わせろ』
「・・・ッ!?
(目を見開いてボスを見つめそうになってしまうが、即座に顔を俯かせる)」
「よしッ、やる前のいつもの儀式だッ! 目を閉じてこのまま黙想するぞゥッ!」
N:唐突に頭の中で響いたボスの声は何なんだッ!?
・・・的な感じに、彼・・・”ジョン”の頭の中には疑念が渦巻いていたが、再度見上げてボスの顔を見て「黙想」とは、目を瞑ったまま黙る・・・という行動なのだと理解し、彼も同じように目を瞑って再び俯くのであった・・・。
だが、一応ここで注意して欲しいのは、彼・・・ジョンの机の上に置かれた”左腕の手首”には、ボスが”バディバンズ”を行った際に現れる”ダイアモンドの模様が彫り込まれた腕輪”がないのにも関わらず、「コール」のスキルが行えている事を念頭に、この先を聞いて欲しい・・・。
『やっとこれで色々と聞く事ができるな・・・』
『・・・』
『・・・初めての感覚だと思うが、喋りたい事を思い浮かべれば、オレに意志は伝わるぞ?』
『・・・これは一体何なんだ? お前は何者なんだ?』
『どちらも、今は聞かなくてもいい質問だろ? 今重要なのは”この街で何が起こっているのか”・・・って事をお互い確認した方がいいんじゃあないのか?』
N:そう言うボスは内心、「このスキルの事話しても、”トルガ村で子供達の面倒見ていたら偶然発見した”・・・なんて言えないよな・・・(タメ息)」
・・・なんて、地味に”重要そうな事”を思っているのを語るのは、余計であろうか?
・・・100%今は、余計だよ・・・ッ!
国語の教師どころか、小学校以下から勉強やり直したらどうなんだッ!?
N:無論、「N」である私は断固拒否するぞッ!
・・・そ〜かよ・・・。
『・・・見知らぬお前に、話す義理はない』
『アンタの命を助けていてもか?』
『・・・』
『・・・しょうがねぇなァ・・・オレァ、あんまり面倒臭い事になるのは嫌いだから、さっきの質問に答えてやるよ・・・。
オレは・・・”傭兵”だ。たまたまこの街に寄ったんだが、あまりにもこの街の酷さに辟易しちまってな・・・。
つい手が出ちまったんだよ・・・。アンタを助けたのは』
『・・・このご時世、随分とイカれた傭兵がいたもんだな・・・』
『おいおいおい・・・随分と淡白なリアクションだな・・・。
もっとこう・・・”領主に逆らうなんて、お前は何をしているんだッ!?”・・・的に激しくツッコんでくんのが相場ってもんじゃあないのかッ!?』
『・・・(”ジョン”の眉間にシワが寄る)』
『・・・いや、怪訝な感じになるのは分かった、分かったから・・・。
けど・・・そんな”諦めの境地”に至ったような返事しつつも、この街の住人達にはない”生きたい目”をしてんのは、この街をどうにか変えたいからなんだろ?
領主の娘さん よぉ・・・?』
『・・・ハッ、何の事だ? 私は”男”だぞ?』
『・・・ここに来るまでの最中、やたら”尻”を振るような歩き方をしていてもか?』
『・・・ッ!?』
『それに、男にしちゃあ・・・やたら”内股”っぽかったし、”喉仏”が目立っていない男なんて・・・随分と珍しいもんだ・・・』
『・・・なっ、何を言って・・・』
『言っとくが・・・これ以上、”男か女か?”・・・なんて事で渋り続けても、お互いが醜態を晒し続けるだけだぞ?
それに、オレがアンタを助けたい・・・って言う気持ちがあったとしたら・・・どうすんだ?』
『・・・』
『・・・まさか、オレがあの”クソ野郎”と実は仲良しこよしでもしている・・・なんて思っていたら、心外だぞ?
言っただろ? この街の辟易してアンタを助けたって・・・』
『・・・』
『・・・なんでもいいから教えてくれ。これじゃあアンタに同情したくても、同情できない・・・』
『・・・(軽く深呼吸し、ため息をついた後)分かった、話そう・・・』
そして、彼は語りだした・・・。
この街のありとあらゆる汚職に、惨状・・・日に日に活気を奪われ、腐敗に蝕まれていく街と民衆の悲鳴を、それを救えずにいる”己の無力さ”を、時に静かに・・・時に激しく・・・今まで溜め込んでいた、胸が張り裂けんばかりの思いがジョジョに決壊していくの感じながら・・・彼女は語るのであった・・・。
街の悲惨さを語る束の間、”彼”は、彼女・・・いや、「カルカ・ディシード」に戻っていた・・・。
その姿はギルド内にいる人物達から見れば、オレが時折頷く中、先程より眉間を寄せつつ時折食いしばった歯が僅かに見え隠れする程度でしかなく”特に変わりない”姿であったが、”コール”を介してオレに伝わっていたイメージはまるで違った・・・。
現代でいえば恐らく高1・・・かつ、大人にすら満たない少女が、全く身に覚えのない罪を被りつつも・・・女性の”命”とも言える髪を切り、みずぼらしい服を身に纏い、かつては美少女であったであろう姿を捨ててまでも、<自身の住む愛する街を救いたいがために>奔走した末に、泣き叫んでいる・・・。
その姿・・・彼女の”本当の心の叫び”が時折”オレの手を強く握りしめる彼女の手”から”コール”を介して伝わってくる・・・。
・・・嘘偽りない本当モンの声だ・・・。
だが・・・だからこそ、最後に確かめる必要がある・・・ッ!
『成る程・・・しかし、意外なもんだな。
お前があの「ダース」と組んでいて・・・街の住民を助けるために外の魔物を狩ったり・・・ダースを通じて、街を救うための物資や仲間を集めようとしていたとは・・・。しかし・・・どうやってこの街から出られたんだ?
「金貨100枚」もする、クソボッタクリな「出街税」があるって言うのに・・・?』
『それは前領主・・・私の父上が、万が一街が攻め込まれた際、自身や”私達”の安全のために用意してくれた、街中や、街の外に繋がっている「秘密の地下通路」のおかげだ』
『・・・ダース商会に繋がっていた、アレか?』
N: ボスは、処刑台からの逃走劇の道中・・・オルセットが感知していたという、「黒ずくめの人物」と、あの「ダース商会に繋がっていた”地下道”」の事を思い浮かべていた・・・。
自身は知ることはなかったが、オルセットが感知した黒ずくめの正体は、恐らく彼女なのだろう。
『・・・そうだ。それに、当たり前だがそれは”領主館”にも繋がっている』
『・・・だからか。10年も逃げ回っている割には、妙に捕まんないのは』
『憎たらしくて仕方ないが・・・クソ兄貴達が、抜け道の事を知る前に・・・出世に走ってくれたからな・・・』
『・・・(掴んだ手を離すことなく、引き寄せながら両手を組み、顎を乗せる)』
『・・・それで、傭兵さん?
今までの話を聞いて、私達の街を助けてくれる気になったか?』
『・・・断る』
『エッ!?』
『”断る”って言ったんだ』
『な・・・なんでよ・・・! ・・・なんでなのよッ!?
(ボスを掴む手に、力が入る)』
『”街のために物資を集めていた”、”街のために仲間を集めていた”・・・それは分かる。
じゃあ・・・なんで、まず初めに”王都に助けを求めなかった”んだ?』
『ッ!』
『こんな乱暴狼藉や、反乱の意思ミエミエな行為をしてんのに何故、王都は動かないんだ?』
『で・・・できる訳がないでしょッ!?』
N: その声と共に突然ッ! ボスの手を掴む彼女・・・カルカの手がボスの顎の下から引き抜かれ、その直後に腕を地面に叩きつけんばかりに力を込め出すのであった!
あまりに突然な事に、ボスは顎をテーブルに強打しそうになったが、自覚ナシな彼女を上回る”STR”で咄嗟に対抗するのであったッ!
突然、咄嗟に始まった”アームレスリング”&”罵り合い的な”ファイトッ! 今・・・ッ! ゴングですッ!
〜カァァァァンッ!〜 (注:”ミスターN”以外には聞こえていません)
『基本王都は不干渉ッ! それなのに私達が払う税金はキッチリ貰っているクセに、ロクに正規軍や騎士団、魔物の定期討伐隊ですら、もうこの街の中まで回ってこない! 何度行っても、ロクに話を聞こうともしないのよッ!?』
『・・・4回』
『・・・へッ!?』
『さっきの言い訳を含めて”4回”。後”三回”・・・オレの質問に対して「できる訳がないッ!」・・・なんて”言い訳”を抜かすなんて事をしたら、絶対にお前を助ける事なんてしないからな』
『・・・なっ、そんな・・・何を勝手にッ!』
『・・・じゃあ聞くが・・・カルカさんよぉ・・・さっきの話でアンタァ・・・外で”マグズリー”や時にはそれ以上の”オーガ”とかも狩る事ができるとか言ってたじゃあないか?
そんな”ワンマンアーミー”でもできそうな力を持っているっていうのに・・・何故、立ち向かわない?』
『できる訳がないでしょッ!?』
N:カルカ選手! 怒りのワンボイスに力が入るッ! 直立に拮抗していたボス選手の腕を”15度”程、傾けさせたァ〜ッ!
『・・・後3回、言い訳を言ってもいいぞ?』
『ッ!? あ・・・貴方なんかに言わないわよッ!』
N:お〜っと、カルカ選手! チョッピリ動揺した余りッ、”5度”程減退したぞ〜ッ!?
『・・・さっきまでは、悲劇のヒロインが如く・・・ペラペラ喋っていたのになぁ?』
『クッ!』
『じゃあ、次だ。仲間を募っていたんだよな? 10年もすれば多少なりとも集まっているハズだろう? 王都が不干渉なら、これ幸いにと何で反乱を起こさない?』
『・・・気楽で良いわね・・・傭兵は・・・』
『・・・あぁ、分かった。この街を救えない理由が・・・』
『?』
『あれだろ? この街の領主様や守備隊かなんかに対して自分達が”お強い”からって”舐め腐って”いるからだろ?』
『ッ!?』
『そりゃあそうだよなァ〜。
10年もありゃあ、オーガも倒せるお強い”カルカ様”に成長するだろうし、それはそれは勇猛果敢で豪傑な仲間達がわんさか集まっているだろうから、”いつだっていいや”ってなりたくもなるだろう・・・』
『・・・(ワナワナとして、再びボスを掴む手に力が入る)』
『まぁ・・・そんなお強いなら、後もう”10年”ぐらい、じっくりのんびり準備でもしていりゃあ・・・』
『できる訳がないでしょッ!?』
N:うォ〜ッと、カルカ選手! チョッピリ怨嗟込もるヴォイスと共に”35度”程巻き返した〜ッ!
『・・・良くもまぁ、無責任な事が言えるわね・・・?
貴方は知らないからよッ! あのクソ兄貴達の中でも最も恐れられている存在ッ! 「ヴァイオ・ディシード」の恐ろしさを知らないからッ! そんな悪魔みたいな事をッ・・・』
『・・・で? 後2回、何を言い訳するんだ?』
『ッ! ・・・クゥゥゥゥゥッ〜〜!』
『(ヴァイオ? 処刑場にいた青コートの奴だよな・・・。
アイツは倒したのに何を恐れてるんだ・・・?)
・・・そんな感情的になんなよ・・・。
後2回、言っちまったらオレはアンタを助けねぇ〜ぞ?』
『貴方が言わせてるんでしょッ!?』
『被害妄想なんて心外だな・・・んじゃあ次だ。
少し訂正して聞きたい。カルカさん、アンタァ・・・領主館に”何度も忍び込んで情報収集”している割には、何で”暗殺仕返す事”を考えつかないんだ? 如何に強敵であろうとも休息中は多少なりとも隙はできるハズだ。何故しない?』
『・・・』
『さっき言ってた”ヴァイオ”が警戒心が強過ぎんのか・・・それとも寝てる”間抜けヅラ”を毎晩笑って見て、まだ”舐めプ”をしているからなのか・・・』
『教国から雇い入れた”暗殺者”がいるからできないのよッ!』
N:うォ〜ッと、カルカ選手! 半ば自棄っパチなシャウトと共に更に”30度”程押し込んで行く〜ッ!
『・・・後、一回だ』
『何でよッ!? 「できる訳がない」なんてさっきは一言も・・・ッ!』
『「暗殺できない」・・・”行動”に移せてないなら、”できる訳がないッ!”・・・って言ってんのと同じだぞ?』
『グッ・・・!』
『じゃあ、最後の質問だ・・・次にアンタは・・・』
『できる訳がないでしょッ!?』
『・・・と言う』
『・・・エッ!?』
『自暴自棄になんなよ・・・まぁ、今のはオレが質問していたとしてもサービスしてやるよ・・・』
『何をふざけて・・・ッ!』
『少しは緊張が取れたろ・・・?』
『・・・ハッ!?』
『それで良い。最後は落ち着いて・・・よく考えてから言いな・・・』
『・・・』
『んじゃあ最後の質問だ・・・カルカさん、アンタは”命を賭けて”でも、本当の本気でこの街を・・・”城塞都市マケット”を・・・救いたい気持ちはあるのか?』
N:その言葉と共に、不自然なまでに今までカルカの腕に対して、力を込めてこなかったボスの腕に力が込められてゆく・・・。
その余りに急な力の込め方に、彼女は先程以上に動揺してしまい”40度”近く巻き返されてしまったが、徐々に・・・ジョジョに・・・ッ! 今までにしてやられたボスに対して、仕返す”言葉”と、自身の立場に対する揺るぎない”意志”を心の中で練り上げてゆき・・・そして、負けじと腕に力を再び込めて行き”50度”近くまで追い込んだ後に、言い放つのであったッ!
『私はこの街が・・・父が愛して止まなかったこの街が・・・消えて無くなってしまうなんて絶対にイヤッ! 例え、何度も逃げ隠れようとも、クソ兄貴達・・・いや、”反逆者達”に敗北しようとも・・・私はこの街を救いたい! 苦しむみんなを助けたィ゛!』
『(”コール”内で伝わる彼女の強烈な”真剣な表情と共に号泣している”姿を見て)
それは、あんた自身だけの望みなのか? それに、オレが断ったとしても変わらないか?』
『・・・違う、私的な感情だけじゃない・・・。
領主の娘として・・・いえ、”次期領主”として・・・”出来ないワケがない”がないからよッ!』
〜 バンッ! 〜
「だから気に入ったッ!」
N: ボスは叫んだ。まるで求めていた”答え”に応えるように・・・。
その叫びと、テーブルに叩きつけられた手の余りの痛みに、彼女は叫びと共に立ち上がっていたボスを見つめ、呆けてしまっていたが、不思議とその手の痛みに不快感はなかった・・・。
彼女自身でも分からなかったが、むしろその痛みに”心地よさ”と・・・頰に一筋の涙が伝うのを感じていたのだ・・・。
唐突なボスの叫びに、ギルド内にいた人達は”何だ? 何だ?”と再び注目を集めるが、そんな事も梅雨知らず・・・ボスは(いつの間に”スキル”で出したのか・・・)ハンカチを取り出すと、彼女の涙をそっと拭つつ、彼女の両肩に手を置き、彼女と視線を合わせながら語りかけるのであった・・・。
「ジョン・・・済まないが、酒代を忘れちまった・・・。
だが、さっきの腕相撲から・・・確かにお前の”意志”は受け取った。
後は任せろ・・・」
「・・・ありがとう・・・ジャック・・・」
N:こんな・・・スムーズ(?)な・・・泣ける展開があっていいのだろうか・・・ッ!
私が・・・私が思わず・・・ゴングを鳴らし忘れる程に・・・センチな気分になって良いのだ・・・
『・・・ボス、ボスゥッ!』
「あ〜ちょっと待ってくれよな・・・急に首が・・・
(右手を首の右側面の、頚動脈に覆い被せる様にして)
『おいッ! オルガどうした!? 急に連絡してきて! 今結構重要な情報を大量に仕入れてる最中なんだぞッ!? また”鳥飯”を食って良いかとか、聞きに来たんじゃあ・・・』」
『”トリメシ”ならもう、ボク食べたよッ!』
『・・・ハッ!? 急な戦闘のために”勝手に呼び出して食うな”・・・って、アレ程言ったのに、また少ない魔力を無駄遣いしたのかッ!? 弾切れや、スキルを使いたい時ど〜すんだよッ!? (怒鳴り声で)』
『じゃ・・・じゃなくてェッ! 大変なんだよボスゥ! すっごく大事な事ォッ!』
『・・・大事な事ォ? 何だ?(チョッピリ怒気が込もった声で)』
『リ・・・リルちゃんが・・・ラル君が・・・ボクの・・・ボクの所為で・・・!
(先程のボスの怒鳴り声に萎縮して泣いているのか、しゃくり上げるような声で)』
『・・・ハァ、泣くな。
失敗なら後で幾らでも聞くし、キチンと直せば良い。
先ずは何が起ったのかハッキリと”報告”してくれ、オルガ』
『じゃ・・・じゃあ・・・言うね・・・』
N:そしてボスは耳を傾ける・・・。
横には、急に彼が首に手を掛けてから、放置され始めていた”カルカ”がポカンと”さっきみたいな事をしてるのかな・・・?”と、わりかし鋭い予想しているなんてボスは思いもしないだろう。
い・ま・はッ・ど・う・で・も・い・いッ!
N:この「N」に対して・・・手厳シイィィィィィィ!
(・・・おやッ、だが、ちょうどコレを言い終わった時に、ボスは泣きじゃくるオルセットからようやく一部始終を聞き出せたようだ)
『・・・分かった・・・今回は、”鳥飯”の件は不問にする。
だけどなぁ・・・なんでそんな重要な事を、オレが話しているのを”遮ってでも”早く伝えられなかったんだよッ!?』
読んで頂き、ありがとうございますッ!
・・・余談ですが、もし「カルカ」の姿が見たいッ! ・・・というお方が「感想欄」に多かったら、次話か今話投稿後に、僭越ながら”線画”ですが掲載しようと考えています・・・。
・・・えっ? それよりも続き?
イヤ・・・それは”前書き”にもあった通り、<不定期掲載>ですから、じっくり楽しみに待っててくださいよ・・・m(_ _)m
※2018年8月17日、「N」の一部の台詞を"不思議と"わからない程度に修正しました。