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異界の傭兵団~現代スキルで世界統制を目指す~  作者: North.s.Traveller(ノーズトラベラー)
第二章 三匹の”ブタ”
33/66

Mission-22 ”娯楽”ヲ盛リ上ゲヨ

・・・連続投稿?

はて・・・何の話でしょうか・・・?



・・・と、それはともかく、しつこくなってしまうようで申し訳ないですが、私のツイッターで、「予告」を書いてみましたので、「本当ォ?」などと思う方は、下のアカウントから見てみてくださいね。

(よろしければフォロー、お願いします)


ツイッターアカウント:OzTokida


次話投稿の見出し:Next Mercenaries of different world・・・

           (次回の異界の傭兵団は・・・)


 〜 チキキ・・・カチッ! パァァァァンッン!!! 〜



N:今にもギロチンのやいばが落ちそうな最中、ボスに握られていた”SAA”は、濃厚な硝煙しょうえんの香り含んだ”白煙はくえん”をボスの周囲に大量に撒き散らしながら45口径(直径、約1.13cm)の弾丸を叩き出していた。


 初めに言っておくが、錬金術の産物だとか異世界転生やら、オカルトパワー、その他神の所業などなど・・・諸々の要因で”魂”でも定着させた・・・なんて”ありえない事”が実現でもしない限り、物”に「意志」というモノは存在しない。

 よって、彼ら(・・)に「善悪の観念」などは存在しない。

 やれ、あれは悪い物だ、あれは良い物だなどは、後々の”物”でない”者”達によって勝手に着けられた”概念がいねん”でしかないのだ・・・。

 冷戦時代の後に”小さな大量破壊兵器”と呼ばれるようになってしまった”突撃銃アサルトライフル”でさえも、元は”祖国を守るため”という「愛国心」によって生み出されていた・・・という話がいい例だ。


 だが・・・あえて言わせてもらおう・・・。もし・・・この処刑場の4m前後の空中を、ギロチンの刃と装置を繋ぐ”ロープ”目がけ飛翔ひしょうする弾丸に、「意志」が宿っていたのなら、こう言っていたであろう・・・。


 <なんで・・・ぼくの後ろに猫みたいな”人”が・・・ほぼピッタリなスピードで跳んで(・・・)来ているのッ!?>


 ・・・と。



 「ハニャァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」



 〜プッ・・・バッキャアシャァァァァァァンッ!!!ガラガラガラガラガラガラッ!〜



N:ボスが発砲した直後、ほぼ同時に(彼女は自覚していなかったが・・・)走り幅跳びの要領で、助走をつけて処刑台へと跳んだ彼女は、ギロチンの”刃”目掛け、空中で強烈な”ローリングソバット”をちかまし、ほぼ真っ二つにギロチンをヘシ折ったのであったッ!



 「シェヴァイッ!? シェ・・・シェに事ジェアッ!?」



N:痩せぎすのキノ・・・小男が狼狽うろたえるのも無理もないだろう・・・。

 何故なら、彼女の蹴りの威力は、ギロチンの刃を吹っ飛ばすだけにとどまらず、後方へと回転しながら飛んで行った”刃”が家の2階部分を崩壊させ、1階の壁の8割方に巨大な”亀裂”を生み出していたのだから。

 人が喰らったとすれば・・・口はおろか、想像でも表現し難い・・・冗談じゃあない威力である・・・。



 〜フウォ・・・ブオン! バッキャアッ!〜



 「な・・・なんで獣人が・・・?」


 「いいから、コッチ来て!」



N:小男が、顎を外している間に着地したオルセットは、速やかに女性の首を”サンドイッチのハム”として固定させているギロチンのパーツに踵落としをかまし、女性を階段近くまで強引に引っ張って行った・・・。



 「シェウェイッ!? シェんでシェんなとこにけがらわしいシェものがッ!?」


 「・・・シェ〜シェ〜何言ってんの?」


 「シェイッ!? ワチェシ素晴シェンバらしいシェイ音とイントシェーションが聞きシェれないとは、シェものの耳はどうなっシェんでシェイか!?」


 「・・・お喋りはそこまでだ”シャイシェイ”・・・」


 「シェッ? ヴァイオチェマ・・・ッ!?」



N:突然のギロチン降下に飛び退いた際、「尻餅なんてついてなかったぞ・・・!」・・・のような事を物語るように、中央のギロチンの側に居たキ・・・改め、”シャイシェイ”と言う小男にその巨体に似合わない¨無音¨に近い歩みで首を片手でわし掴みにし、軽々と持ち上げた”ヴァイオ”と呼ばれた男は、目線を合わせ・・・め付けるようなけわしい表情で彼に話しかけた・・・。



 「シェイ・・・何故、オレの前に出た・・・?」


 「シェ・・・シェれはァァァ・・・ヴァイオ様におシェわずわらす訳には・・・」


 「その前に・・・だ。何故、犯罪者がこの場にいるんだ・・・?」


 「シェッ?」


 「言わなかったか? 私は犯罪者を見つけたら即刻”報告”しろと・・・」


 「ジェ・・ジェスから・・・シェの前に・・・シェッ! 引き止めようと・・・!

 ジュウェッ!? (一瞬、強く首を締められる)」


 「・・・貴様の”口利きの旨さ”と”腕っ節のなさ”を見せろとは言っていない・・・ッ!」


 「ジェは・・・カッ・・カッ・・・ッ!」


 「いいか・・・私が”報告”しろと言うのは、貴様らの”腕”が信用できないからだ・・・。

 私が来るまでの間とは言え、貴様らが戦って無用な被害に加え、犯罪者を取り逃がような事は・・・あってはならないのだからなッ!」



 ~ブウォン! ザキュゥンッ!~



 「ニャァァァッ!?」



N:本物の猫ならこの後確実に、”フゥ〜シャァァ〜ッ!”・・・ッと、威嚇いかく行動に出てもおかしくないぐらいに、ソロリソロリと後退あとずさりで階段を降りようとしていたオルセットの爪先つまさきへとわずか数ミリの誤差で投げ込まれた”ナイフ”は、根元がほぼ見えない程に深々と突き刺さっていた・・。

 (彼女の方に、一切顔を向けてないのに・・・!?)



 「逃げられると思うな・・・? けがらわしい獣め・・・。

 このような事態を起こした理由を・・・お前を「奴隷の首輪」で締め上げ・・・身分のわきまえをという物をたっぷりとその身に刻み込んだ後・・・根掘り葉掘りと・・・吐かしてやるからなッ・・・?」


 「え〜っと・・・それは・・・」



 ~ズバンッッ!~



N:前振り以前に何も考えていなかった、オルセットのピンチを救ったのは、先程よりも大きな(・・・)一つの”銃声”であった。

 その音は、SAAの音に驚き荒れに荒れてていた広場の人波を新たな驚きで沈め、紅海こうかいを真っ二つに裂いて渡ったという”モーゼ”の如く、広場にはその銃声の元から・・・ジョジョに、処刑台へと続く”真っ直ぐな道”が、ある足音よって開かれていった・・・。



 「オレが話そうッ! ・・・っと!」



N:処刑台へと辿り着いた”男”は、およそ1mもありそうな高さの処刑台を物ともせず、軽々とジャンプした後、片膝を付き、しっかりとした見事な着地をしてみせた・・・。

 だが・・・右手に握っていたモノ(フリピス)見せない(・・・・)よう、立ち上がる最中にズボンの尻ポケットに入れ、ジャケットを被せるごく自然に見えた”振る舞い”は抜け目ない・・・。



 「貴様は何者だ・・・?」


 「何ァ〜に、通りすがりの旅人だよ。

 この街にフラリとやって来ただけの風来坊ふうらいぼうさ」


 「フン・・・そんな根無し草の下賎な民が、この街の重要な行事を邪魔したのは何故だ?」


 「あぁ〜? おたくさん・・・今なんて言った?

 (右手を耳に添えて「聞ッこえまッせ〜んッ!」・・・と、小馬鹿にするジェスチャーをしながら)

 邪魔をしたァ〜? 人聞きが悪い・・・」


 「(一瞬、”下唇”を噛んだ後・・・)

 ほう・・・では何をしたと言いたいのかね? 名もなき、”下賎な”旅人よ・・・?」


 「なぁ〜に、単純な事だよ。

 (両手を顔の両脇で”大した事ないですよ”・・・的にヒラヒラと広げ)

 お宅さんのもよおし物が大ッ・・・層ッ! つまらなかったもんなんで、オレなりに盛り上げて(・・・・・)やっただけだよ・・・」


 「(一瞬、”下唇”を再び噛む・・・)

 ふ・・・フン、なるほど・・・。

 だが・・・この民衆の”冷めよう”を見ては貴様のしでかした事は、領主が執り行う”行事”を妨害した、立派な「反逆罪」になる事は・・・無論、承知の上だろうな・・・?」


 「(おっ、以外に煽り耐性がないのか・・・?)

 あ〜スマン、物足たりなかったか?

 さっきのギロチンを・・・こう・・・グルングルンッ! ・・・って、大回転させるとか・・・どこぞのカリブ海の海賊がやっちまいそうな事をした方が・・・御気に召しましたかね・・・?」


 「・・・海賊? 貴様・・・教国からの回し者か?」


 「いんやッ?

 (再び、両手を顔の両脇で”ヤレヤレだぜ・・・”的に広げ)

 そもそもオレは”神頼み”をする以前に、自分自身から”行動”して、”道を切り開いていく”のが好きなんでな・・・」


 「何を言って・・・」



 〜 フォアァ・・・カチッ! パァァァァンッン!!! 〜



 「例えば・・・こんな風にな・・・」



 〜 ・・・・・・・・・バタンッ!〜



 「ヴァイオ様ァァァァァァァァッ!? (警備兵達が一斉に)」


 「走れェェェェェェェェェェェェェェェッ!」



N:質問には質問で・・・はなく、ヴァイオが一瞬狼狽えたのを見逃さなかったボスは、ズボンの右ポケットに隠していた「SAA」で、ヴァイオが言いかけていた質問の”答え”を見事な”早撃ち”で返したのだッ!

 彼がどうなったかって・・・?

 まぁ・・・彼は眉間が吹っ飛ばされる(・・・・・・・・・)ような驚愕きょうがくを受けたあまり、仰向けに卒倒そっとうしてしまった・・・と、だけ言っておこう・・・。

 そして・・・ボスの合図と共に、彼らは走り出す。

 先程向かおうとしていた、栄光(反対側)の道へと・・・。














 「ゲショ、ゲショ・・・・

 シェヴェ〜イッ! シェにしてるんだ!?

 おシェエらッ! ボシェっと、ほうけてないで、シェイつらを捕まシェいて来〜いッ!」


 「は・・・ハッ! (警備兵一同)」



N:・・・なんて、エピローグ的な結び方をしても、彼らの冒険は、まだまだ始まったばかりなんですがぁ〜ねぇ〜ッ!



 人が真剣かつ、必死こいて逃げてるって言うのに、お前は何ふざけてんだよッ!?



N:ふざけったって良いのだッ!



 なんでだよッ!?



?:それは・・・・・・・・私が「N」だからだッ!



 だからッ! ワケ解わかんねェッてッ!

 て言うか、そんなより意味不明な”間”を設けるぐらいなら、この街の脱出口くらい、ナビゲート(・・・・・)しろよ!

 お前の「N」は「ナビゲート(Navigate)」の「N」でもあるんじゃあないのかッ!?




N:違うッ! 「N」の「N」は「N」だッ! 断じて「N」以外の何者ではないッ!



 ・・・ヘェ〜リィ〜クゥ〜ツゥ〜〜〜〜ッ!?



N:おお〜怖い怖い・・・。



 「テンメェ・・・いい加減に・・・」


 「いい加減にすんのはテメェ〜の方だよッ!?」


 「ッ!? ビックリしたァ・・・なんだよ・・・ラフィル・・・?」


 「なんだよ、じゃあねェ〜よッ! ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」


 「あの〜大丈夫・・・ですか・・・?

 (ラフィルが背負うバックの上から、恐る恐る覗き込むように言う母親)」


 「るせぇッ! ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・黙ってろ・・・ゼェ・・・クソ人間がァ!」


 「ワアァぁぁ! ラル君落ち着いて・・・大きな声出しちゃあダメだってボスが言ってたでしょ・・・?

 疲れてるならボクの荷物を持つから・・・」



「るせぇッ! ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・テメェも・・・ゼェ・・・黙ってろ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・クソネコがァ!」




N:・・・(さぁ〜て、仕事・・・仕事・・・)

 何故、このようなカオスな状況に陥っているのかと言えば・・・時は少々、さかのぼる・・・。

 ボス達が、処刑場から逃げ出した際、なんとも良いタイミングで目覚めた、キ・・・”シャイシェイ”はッ! あまりにも”ありえない事”の連続でほうけていた警備兵達を叱咤しったし、ボス達の追跡を開始させた。

  逃げていたボス達は・・・まぁ、この後本人の口から大体語られるから、


  <迷った挙句、一旦日陰の濃い”路地裏”らしきところに隠れて休憩中・・・>


 ・・・とだけ、言っておこうッ!



 諸々カットしすぎだろッ!

 オレ達が、荷物と親子達を守るのに、何回捕まりそうな目にあったと思ってんだよッ!?

 実況する気あんのかッ!?



N:そこは・・・ほら・・・”尺”の関係で・・・



 メェ〜タァ〜過ゥ〜ぎィ〜〜〜〜〜ッ!?



 「ボスゥ! いつまでボ〜ッとしているの!?」


 「ッ!? あ・・・あぁ・・・済まない、オルセッ・・・オルガ」


 「もぉ〜ボスったら〜、ボクが”リルちゃん”をおんぶして、ボスは手ぶらなんだからしっかりしてよ〜」


 「言う事違うだろッ!? クソネコがぁッ!

 ・・・ハァ・・・ハァ・・・それよりもテメェ! いつになったら、この街の”入り口”に戻って”体制を立て直す”事ができるんだよッ!?

 それよりもココはどこなんだよッ!?」


 「いや・・・申し訳ないな・・・ラフィル・・・当初は、道の判らないこの街でも・・・壁沿いに進めば必ず出口に付く、”右手法”で”城壁”を辿って、確実に脱出できるよう考えていたんだが・・・

 まさか、ここまで”兵士の数”が多いとはな・・・想定外だった・・・スマン・・・ッ!」


 「ハァ!? スマンで済むかよッ!?

 どうやって、ここから抜け出すんだよッ!?

 母さんはどうやって助けるんだよッ!?」


 「そ・・・それはだな・・・」


 「ねぇ〜エルフのお兄ちゃ〜ん、もう走らないの〜?」


 「そ〜だよ〜。もっと走ってくれよ〜」


 「テメェらは黙っとけ! ニンゲンのガキ共がぁ!

 今すぐこの荷物諸共、テメェらを壁に叩き潰してやろうかぁッ!? アァァァッ!?

 (前後左右に、1つずつ・・・計4つの、”バックパック”のうち左右にしがみつく兄妹のカバンを振り子のように振り回しながら)」


 「あはは〜ッ! エルフのお兄ちゃん、カンカンッ!」


 「うお〜っ! はなされてたまるか〜っ!」


 「すっ! すみませんッ! どうか、私が謝罪しますのでご容赦を・・・ッ!

 (背後のバックパックから顔をヌッと出し、ラフィルを覗き込むように謝る)」


 「だ〜か〜らァァァッ! 黙れって言ってんだろうがッ!」


 「ッ! ラフィル!

 (ビシィッ! ・・・と彼を指差す)」


 「なんだよッ!?」


 「そこの”ご婦人”から聞こう。(指先を上へとスライドさせつつ)

 今ここがどこなのか・・・」


 「・・・なんか、すごく今更な気がするような・・・ッと!?

 (眉間がピクピク動きつつ、呆然とするが、両腕の荷物がずり落ちそうになる)」


 「きゃ〜!(楽しげな声)」


 「うおっ!(楽しげな声)」


 「ええと・・・助けて頂いてありがとうございます・・・

 なんと・・・お礼を言えば・・・」


 「あぁ・・・お礼は今の状況を脱してから改めて言ってください・・・。

 ええと・・・お名前は・・・?」


 「”ソンス”です・・・」


 「よし、ソンスさん。ここからこの街の入り口は・・・」


 「いたぞッ!」


 「ッ!? (リフィル以外の一行が、声のした方向へと一斉に振り向く)」



N:声の主は、ボス一行が逃げ込んだ路地裏の入り口に彼らを指差しながら、こちらを睨んでいた・・・。

  だが、人が三人・・・横に並んでもややスペースが残るこの路地裏に、捜索隊が来るよりも早く・・・



 〜ザッ、ザッ、ザッ! 〜



 「オラァッ!」


 「ウワァァッゴッ!?」




N:”飛び前蹴り上げ”を”下顎”に喰らい、なにやら”空耳”にも聞こえなくない悲鳴を上げながら、真後ろへと吹っ飛ばされる兵士。

 そして勢いづくあまり、道へと飛び出てしまい、片膝を着いて着地したボスは・・・



「走るぞッ!

 (後ろを振り向きつつ、大きく右腕で”来いよ!” ・・・的に振る)」




N:そう言われ、後ろの逃げ道がある訳でもないため、一斉に左右分かれる道から”右方向”へと進んでゆく御一行・・・。

  さて、また大幅カットに・・・


 (・・・えっ? 見つけるの早くないか・・?)


 ・・・どうやら逃げている間に、だいぶ”入り口近くの壁”に近づいていたようで、先程の曲がった道を直進した後、”ソンス”の指示で、2回共当たった”分かれ道”を”左”に曲がると・・・右手にまっすぐと城壁が沿った直線的な道へと出たのだッ!



 「このまま、真っ直ぐに行って突き当たりを”右”に曲がれば、この街の入り口です!」


 「案内、ありがとうございます!」


 「ゼェ・・・ゼェ・・・ようやくか・・・あッ?」



N:今の所、”文句”と”怪力”しか取り柄のないような彼・・・ラフィルは、ボス達が表情に疲労しか浮かべていなかったのが、ジョジョに嬉々(きき)とした表情になっていく中・・・彼だけは、およそ”200m先”にうごめく複数の”何か”をその”目”で捉えていた・・・。



 「おいっ! テメェ! ゼェ・・・ゼェ・・・あの先の”奴ら”はどうすんだよッ!?」


 「奴ら・・・?」


 「前だよ! ゼェ・・・前ッ!

 (気づいていない事に声を荒げ)」


 「前って・・・ゲッ!?」



N:ラフィルが行っていた先を「視聴強化」を用いて見たボスの目に入ってきたのは、既に二列に隊列を成し、前列は青銅製の”大盾タワーシールド”、後列は長弓ロングボウの2段構えで待ち構えていた警備兵の一団であった・・・ッ!その数・・・およそ20人ッ!



 おいおいおいおいおいおいっ!?

 なんなんだよ! この手際の良さはッ!?

 「しかし まわりこまれてしまった!」

 ・・・なんて、強敵やボスを目前に逃亡する”勇者”とかじゃあねぇんだぞ!? オレらはッ!



N:回り込まれているというよりも、後方から青銅製の剣を装備した”10人強”程の追っ手によって再び”サンドイッチの具”にされそう・・・というのが、正しい状況なのであるが・・・?



 んな事いってんじゃあ・・・んっ? 10人? (背後をチラリと見る)

 ・・・やるしかないな・・・



 『オルガッ!』


 『フニャァッ!? び・・・ビックリしたよ〜ボスゥ〜』


 『驚くのは後にしてくれ! それよりもオルガ、頼みがある!』


 『もしかして、前の人達の事ッ!?』


 『話が早いッ! この話が終わったらオルガに”銃”を渡す! そしたらできる限り”至近距離”でこの先の奴らに一発ぶちかましてくれ!』


 『フニェェェッ!? ボ・・・ボスゥ! ボ・・・ボク、まだ・・・・』


 『無理に当てなくていい! とにかく至近距離での”発砲音”で奴らをビビらして時間を稼いでくれッ!』

 

 『りょ・・・りょ〜かいッ! ボスゥ!』


 『オレは、背後の奴らをなんとかするッ! 前方からの”弓矢”には注意しろよッ!』


 「前方からの弓矢に注意しろ! (走りつつ、首だけ振り向いて)」


 「言われなくても分かってんだよッ! クソがァ!」



N:その罵倒で、隊列を崩せれば・・・いくらでも言って欲しいものだ・・・なんて思いつつも、ボスは胸ポケットから一丁の”フリピス”を抜き、右後方で走っていたオルセットに投げ渡した。

 それを彼女がリフィルを背負う”右手”で素早くキャッチしたと同時に、彼女の走るスピードが急上昇! 約50mにまで接近していた隊列へとグングンと距離を縮めていくが・・・



 「放て〜ッ!」



N:・・・という、弓矢をつがえていた内の一人が上げた声と共に、無数の”矢の雨”がボス一行へと襲いかかるッ! 

 ・・・だがッ!



 〜ピキッ、ピキピキピキピキピキピキピキ〜



 「・・・オルガクロー・・・(俯きつつ、ボソッと言う・・・)」



 〜ブクゥオンッ! ・・・パラパラパラパラ・・・〜



N:一呼吸する内に・・・その一瞬で、振るわれた彼女の”刀”程にまで伸びた”左手の爪”は、目前にまで迫っていた無数の矢を”風圧”によって全て! はたき落したのだッ!



 「ッ!? う・・・狼狽えるなッ! すぐに次の矢を番え・・・」



 ~キンッ!シュボッ!~



 「ハッ!?」



 ~ズバンッッ!~



N:盾の壁の狭間からヌッと伸ばされ、指示を出していた者の至近距離から放たれた”フリピス”の弾丸は、その兵士の青銅製の兜を”えぐる”ようにかすめ、周囲の兵士諸共、腰に入る力を吹き飛ばしていた・・・。

 そして彼女は、それでもすわりこまなかった左右の兵士達に気づくと、近場にいた盾を構えていた兵士をほぼ一瞬で”盾ごと”蹴り飛ばし、ドミノ倒しのように残りも転倒させたのであったッ!



 『ボスゥ! オッケーだよッ!』


 『上出来だ! オルガッ!』



N:その一方、ボスは、後方から迫り来る10人の追っ手に対し、”SAA”を右ポケットに突っ込みその側の宙に"右手"を添え、左腕も腹をかばうように”左手”を右手の近くまで寄せた状態で向かい合っていた・・・。

 現在の距離はおよそ”150m”程・・・。



 落ち着け・・・落ち着け・・・オレ・・・。

 ここに来る前は散々、やっていたんだし・・・今は、”タフネス”やら”ガンスリンガー”やらの「スキル」で、パワーアップしてるんだ・・・!

 そして・・・なにより・・・ここでやらなきゃ、誰がこの状況をくつがえしてやるんだ・・・ッ!?




N:立派な佇まいの裏腹、内心、汗ダラダラなボスで あったが、ボスの目には既に狙うべき”4人”を捉え、失敗を恐れブルってるのか・・・それとも「武者震い」・・・という名の震えなのか、添える右手が微かに震えていた・・・。

 そして・・・ついに、追っ手の距離がおよそ”3m”付近にまで到達した時・・・ッ!



 〜パァッパァッパァッパァンッァァッン!!!〜



N:ボスは1秒にも満たない速度で”SAA”を「トリガー(引き金)を引いたまま」引き抜き、銃口を標的に向ける度に寄せていた”左手”で「ハンマー(撃鉄)を起こす」動作を素早く4回繰り返す・・・ッ!

 自動拳銃ハンドガンにも引けを取らない回転式拳銃リボルバーの連射テクニック、<ファニング>によって、撃ち出された4発の弾丸は、追っ手の”最前線”を走っていた者達4人の、”脚”へと吸い込まれていき、一斉に”地面さん”との熱烈なキスを交わすのに導くッ!

 ・・・するとッ!



 〜ドンガラガッシャシャシャーンッ! ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ!〜



N:即席の”道端の小石”と化した4人につまづいた、残りの後続の者達は、一部を除きボス一行へと転がり”青銅と肉の塊”として襲いかかるッ!

  ・・・だがッ!



「跳べッ!」



 〜ブワァッ! ×3〜



N:何時いつぞやに見た、3mを越す大ジャンプッ!

 ・・・とまではいかないが、ボス一行は”1m以上”は確実にあるジャンプで、向かってくる塊を華麗にかわすッ!

 ボスが狙っていたこと・・・すなわちッ!



「イテテテ・・・大丈夫か・・・?

 ッ!? ドゥドワァァァァァァァ!? こ・・・こっちにくるなぁぁぁぁぁぁぁッ!」



 〜パッコォォォォォォォォォッ!〜



N:ストラィィィィィィィィィィィィィクッ!

 ・・・と気持ちの良い声が幻聴してきそうな程、警備兵達は派手に衝突し、ボスが待っていた際に後方で立て直されていた陣形は、あっという間に崩れ去ったのであった・・・。



 「よし・・・(で・・・できて良かった〜ッ!)」



N:・・・まぁ、この作戦の立役者は、成功してもまだ”内心汗ダラダラ”のようだが・・・



 る・・・るっせぇッ!



 「けっ、ざまァみやがれ・・・」


 「んなこと言ってないで、さっさと逃げんぞ・・・んっ?

 おいっ! オルガッ! どこに行くッ!?」



N:ひらけた先、再び町の入り口から脱出を図ろうとしたその時、突如、オルセットが城壁の反対にあった薄暗い”小道”へと走って行く・・・!?



 「おい待て! クソネコッ!

 姉ちゃんを連れてどこに行きやがんだよッ!」


 「きゃっ!」


 「うわぁ〜い! ×2」


 「おい、ラフィルッ! あぁ・・・クッソ!」



N:小道へと走り去って言った、一行を追いかけるためボスも走り出そうとするが、入り口に差し掛かったところで、はたと止まる・・・。

 すると何を思ったのかボスは足元に、食用油の”一斗(18L)缶”を「アウトドアセール」によって出現させた後、即座に「ガンクリ」で「ブラバス(ラッパ銃)」を作り出し、一斗缶のふち近くを真上から発砲した後、その場で蹴り倒し中身をブチ撒けるッ!



 「これで少しは時間を稼げるな・・・」



N:そうつぶやいた後、ボスは小道の闇へと消えて行く・・・。




  そして数十分後・・・。




 「どこに・・・どこに消えたんだァァァァァッ!」




N:全身、打撲傷に鎧はデコボコォ・・・おまけにツルツルテカテカな、ストライクを決められた警備兵の皆さんは、このどうしようもない状況に悪い意味でテンションアゲアゲ(揚げ揚げ)な状態であった・・・。

 まぁ、怒り叫ぶのも無理はない・・・。

 何故なら、彼らがボス一行を追い詰めたと思った先にあったのは、四方を建物に囲まれ、”警備兵達が入って来た道”と”空”以外に脱出不可能(・・・・・)な隠れる物も、場所さえもない「カラの一坪」であったのだから・・・。

読んで頂き、ありがとうございます。


また、作中に出た「硝煙の香り」や、「◯◯口径」など、一部の用語を知らない方々向けにと、この小説が投稿完了された後に「活動報告」の方に<補足広場>を書いておきますので、よろしければ覗いてみてくださいね。


 活動報告URL:https://syosetu.com/userblog/list/

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