Mission-19 ”事情徴収”ヲ打開セヨ(下編)
大変お待たせしましたッ!
今回は・・・書いている内に、
切るにも切れない程の密度になってしまい・・・
正気の沙汰じゃあない程の
長さだと思います・・・(汗)
恐らく・・・アニメの一話分が
作れる長さかと・・・(汗々)
・・・まぁ・・・話は変わって!
今回、読んでもらってる感謝を込めて、
再び、”あとがき”にて・・・ようやく完成した、
<エルフ姉弟>の容姿イラストを
載っけておきますッ!
閑話休題・・・
☆「なるほどな・・・。
”母親”を助けるために逃げていた・・・か」
あの後・・・
粉微塵となった「奴隷の首輪」を”スキャン”し、
何もない事を確認して焚き火に放り込んだ後、
そのまま”事情聴取”に入り、彼女・・・
”リフィル”から知る限りの事を聞かせてもらった。
・・・まぁ、
オルセットの「タフネス」が切れ、その
”一瞬のスキ”から逃げ出した・・・
”ラフィル”に乱入されかかったけどな・・・
彼女の事をかなり大事にしている感じ
だったから、「奴隷の首輪」が外れた事で、
仲良くできるかと思ったが・・・
”リフィル”の弁解を伝えなかったら・・・
かなり鬼気迫ってて、冷や汗もんだったぜ・・・
でだ・・・事情聴取の結果、
彼らの事だけでなく、この世界がどんな感じの
<地理>になっているのか? ・・・という事も
大体分かったのは、有り難かった。
まずは彼女達、
ハイエルフの「リフィル」とダークエルフの
「ラフィル」は、元は西にあるという
「サヴィオス教国」のどこかの森に存在する
”エルフの里”の出身らしい。
だが、親の都合により里には住めず
里と外界のギリギリの境界線付近でヒッソリと
暮らしていた所、正体不明の<人攫い>に会い、
家族まとめて”奴隷”になってしまったという。
・・・なんとも”クソ”な話だ。
しかも、様々な貴族や王族の奴隷として
”6年間”もタライ回しにされた挙句、
この先の商業都市を収める”デシィード家”の
奴隷として流れ着いたらしい。
・・・タライ回しの原因?
”リフィル”は、ぼかし気味に、
「”ラフィル”が毎回守ってくれて・・・」
なんて言っていたが、まぁ・・・
オレを襲った際に・・・
「ブッ殺してやる!」
・・・と彼女を”守ろう”として、
そんな事ばかり、言ってたらしいから・・・
この二人の”主人”になった奴の”末路”で、
大体想像がつくんじゃあないか?
ただ、自分達の事以外をやたら
話そうとしなかったので、「父親は?」・・・と
聞いてみた途端、彼女は黙り込み・・・
彼女の表情を見た”ラフィル”も、オレに対し
”非難轟々”だったのがウソのように黙り込み・・・
顔を背けてはいたが俯きつつ、必死に”涙”を
堪えているように見えた・・・。
そして、数分後に彼女が急に”黙り込んだ”事に
対して謝った後、オレも「野暮な事を聞いた」
・・・と謝罪し、その後に話した<二人の目的>に
反応したのが冒頭の”セリフ”なワケだ。
ちなみに・・・蛇足になるが・・・
「サヴィオス教国」とは、この世界の唯一神と
言われている「バーン神」を崇拝する「バーン教」
から成り立ってる宗教国家で、この「バレット王国」
を含め、東にあるという「ディナトース帝国」にも
布教をしており、
<神の力によって世界を平和に!>
・・・なんて謳ってる割には、
同盟している”王国”と共に”帝国”を攻めている
らしい。 ・・・現在は休戦状態らしいがな。
だが・・・それ以前に
「万を超える敵軍にグルッと”包囲”されている」
・・・なんて状況よりも、非常〜にッ・・・!
マズイ状況にある・・・。
『ハイ・・・兄さん』
・・・この呼び方と・・・
「おい・・・
いつまで”姉ちゃん”の話を
聞くのに掛かってるんだよ?」
・・・助けたと言うのに・・・”姉”一筋で
全く信用していない”ラフィル”に睨まれている
・・・この状況である・・・。
・・・今のセリフが言えるかッ!
それに・・・もう襲われたくないよ!
”スキャン”で分かったけど・・・彼、
オレのパワーの”3.8倍”近い
馬鹿力持ってるからな!?
通りで強いと思ったよ! あの時・・・もし
”タフネス”使っても、太刀打ちできなかったろうし
素のオルセットの力でも手こずるワケだ!
・・・オレが”弱い”ワケじゃあないぞ!
不可抗力って奴だぞ! イイなッ!?
☆「ま・・・待ってて・・・。
このスキル集中しないと難しいんだよ!」
・・・と、”リフィル”から拝借させてもらった
「クウェルヤ語」で話す。
因みに「クウェルヤ語」は”エルフ、ハイエルフ”
専用、「イラヴァ語」”ダークエルフ”専用の言語
らしい。
・・・なんとなくだが・・・
お互い・・・違う”部族(?)”なのに、
お互いが「クウェルヤ語」「イラヴァ語」を
マスターしているって所に、
「姉弟仲が良いんだな〜」って、少し微笑ましく
思ってしまう・・・。
・・・っとそれはともかく、
”お姉さん”の方にも弁解しないとな!
『・・・なぁ、その呼び方・・・
やめてくれないか? 今はオレの”念話”で
アンタの”弟”に聞こえてないからまだいいが・・
”オルセット”には聞こえているんだぞ・・・?』
『いえ・・・そんな訳には・・・
できませんよ・・・私の”恩人”ですし・・・』
『いや・・・恩人も何も、そ・れ・以・前・にッ!
いつからオレはアンタの”兄”に
なったんだよッ!?
ていうか・・・アンタ”姉”なんだろッ!?
”弟”がいるんだろゥッ!?』
『い〜じゃん、ボスゥ〜
ボクだって、ボスの事「ボスゥ〜」って呼んでる
だからそれに似たようなモノでしょ?
ねぇ〜リルちゃん』
『えぇ・・・オルガさん』
『エェ〜
そこは、オル”ちゃん”って呼んでよ〜!』
『オ・・・オル・・”ちゃん”?』
『そうそうッ!
改めてよろしくぅ! リルちゃん!』
『は・・・はい・・・オルちゃん』
☆「・・・聞こえてるからな!?
”ガールズトーク”聞こえてるからなッ!?
というか・・・仲良くなるの早すぎないか!?」
「おい・・・
いつまで待たせる気なんだよ・・・?
早く、姉ちゃんの”真似”じゃあなくて
”姉ちゃん”が言ってる”本当”の事を教えろ・・!
じゃねぇと・・・ブッ殺すぞ・・・!」
☆「最初から言ってるだろッ!?
それに、オレの魔法で”バンズ”を結べば、
オマエの姉ちゃんの言ってる事が、分かるって
何度言えば分かるんだよッ!?」
「るせぇッ! 姉ちゃんに”何か”した挙句、
姉ちゃんを”洗脳”までしやがって!
そして、オレも洗脳しようってのかッ!?
やっぱり! ”ニンゲン”は信用なんねぇなッ!
やっぱ、オマエらブッ殺すッ!
ブッ殺してやる!」
☆「ダァァァァァァァァッ! 待て! 待て!
待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
さて・・・荒ぶる”ラフィル”の対処を
”オルセット”と一緒にやっている間、
整理しようか・・・。
今、オレ達4人は
再び”焚火”を囲んで話をしている所だ。
そして・・・なんで「コール」を通して彼女・・・
”リフィル”を話しているのかと
言えば・・・コレだ。
~ウィィン~
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〈検索結果〉
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<心因性失語症>
様々な要因によって過剰な”ストレス”を
受け続ける事により、
<声が出なくなってしまう>
・・・状態の事です。
一般でよく知られている「失語症」とは、
脳の”言語野”への物理的な障害により
様々な記憶や言語理解などに困難をきたしたモノ
を指すため、異なるモノになります。
(ストレスの主な原因)
「肉親の死」、「両親の不仲、離婚」、
「親の愛情の差別」・・・etc
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<心因性視力障害>
様々な要因によって過剰な”ストレス”を
受け続ける事により、
<視力低下>
が起きている状態を指します。
ただし、この病気によって”失明”する事は
まずありえません。
時間の経過と綿密なカウンセリングよって、
発症後、大抵”1年以内”に治癒するモノであり、
低下する視力も時間によって変動しますが、
「0.1〜0.3」程度でしか視力低下は起きません。
(ストレスの主な原因)
「肉親の死」など、重度な物の他、
「転校」、「学級担任がかわった」、
「友達となじめない」・・・etc
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・・・という風に、
彼女は「心」の病気によって<喋れない>からだ。
・・・何で知ってんのかって?
まぁ・・・笑われそうな理由だが・・・
以前、YAKUZAなゲームでこう言った「心因性」の
モノが出た時「本当にあるのか?」・・・と
”眉唾”モンだったもんで調べてみたら、
以外と”心”に関連する病気が”芋蔓式”に
見つかったワケだ。
んで・・・
予め知っていた知識の<心当たり>と、
「スキャン」の情報・・・そして、
新たに追加された「メディカルノーレイジ」って
言う、”医療辞書”のようなスキルから得た
この情報が見事に合致していた事から・・・
「喋れないなら・・・”コール”は?」
・・・と思ってたんだが、
「バディバンズ」によって”手動”で共有する以前に
”自動”で共有されていたからこそ、冒頭辺りの
ように彼女から話を聞き出せたワケだ。
因みに、事情聴取の最中、「クウェルヤ語」
「イラヴァ語」のスキル共有を一旦、
切った状態でも”コール”なら話す事は出来た。
<”魂”同士で話している>・・・とか?
仕組みは、よう分からんが・・・今後、
応用が効きそうな効果だな・・・。
『あのぅ・・・兄さん・・・?』
☆「んっ?」
『ボ〜ッとしていて・・・何か・・・
考えていらっしゃるのですか?』
おっと、抑え終わって一息着いたというのに
いつもの”クセ”が出ちまっていたか・・・。
丁度良い・・・スキャンで気になっていた
事をまとめて片付けておくか・・・。
☆「あぁ・・・すまない。何か言っていたか?」
『私達の・・・母親を”助け出す”事です・・・』
☆「・・・本当・・・すまないな。
肝心な部分を聞き逃しちまって・・・」
「はぁ? 聞き逃した?
テメェ・・・姉ちゃんの言ってた事を、
”聞き逃した”・・・って言うのかよ?」
☆「待て待て待て待て待て待て待てッ!
聞き逃しはしたが、”答え”は
決まっているからな!」
『じゃあ・・・!』
☆「その前に・・・”3つ”、最後の質問をしたい」
『質問・・・?』
☆「あぁ・・・質問だ。
まず一つ目だが・・・アンタを鑑定した際に、
<忌されし子>って出たんだが・・・
コレはどういう事なんだ?」
『そ・・・それは・・・(俯いてしまう)』
言えない・・・か。
まぁ・・・コレは、”また今度”の機会があったら
聞こうか・・・。女性に無理強いってのも・・・
気が進まないしな・・・。
☆「じゃあ・・・2つ目だ。
リフィルは、どうやって物を”見ているんだ”?」
『えっ、どうしてその事を・・・?』
・・・やっぱり”見えて”いないのか・・・
さっき、”心因性視力障害”の項目を出したのは、
この事を確認するためでもある。
・・・彼女、視力が”0”のハズなのに、
こちらの事を”見えて”いるかのように
物を言うのだ。
お茶のマグを”正確に”受け取った事がある
のを思い返して疑問に思った、”奇妙な”事だ・・。
☆「オレの”鑑定”はちょっと特殊でな。
オレの顔の”特徴”は判るか?」
『ゴメン・・・兄さん・・・見えない・・・』
☆「じゃあ・・・
今・・・オレの”右手”はどこにある?」」
「ちょ・・・近づくんじゃあねェよ!
クソッタレが!」
『・・・ラフィルの近く・・・
左の脇腹の辺り・・・
(正確に右手で”指差し”つつ)』
☆「じゃあ・・・コイツでどうだ?」
「ちょ・・・
ボスゥ〜くすぐったいよ〜!
(体をくねらせつつ、ちょっと笑ってる)」
『・・・オルちゃんの背中・・・
”しっぽ”の先端を触っている・・・
(オルセットを右手で”指差し”つつ)』
「・・・スゴイ
(間の抜けた顔になっている)」
☆「おい・・・今のは”見えない”所だぞ?
オレの顔の特徴は”見えない”って言うのに
”視線も動かさず”・・・なんで”見えない目”で
普通じゃあ、見えるハズのない場所の事が
判ったんだ!?」
『・・・風です』
☆「えっ?」
『私は・・・
「風」で物を感じて見ているんです・・・。
後・・・”精霊さん”達の声にも
助けられています・・・。
それで・・・兄さん達を
見つけられたんですよ・・・』
☆「・・・」
・・・Whaom・・・!
どこの”柱の男”だよと思っちゃったが・・・
やっぱ、ファンタジー・・・スゲェなァ・・・。
恐らく・・・「風精の聲」ってスキルの
おかげだろうな・・・。バリッバリの「感知タイプ」
の”エルフさん”やな・・・リフィルは・・・。
「ボスゥ?」
☆「ッ!? すっ・・・すまない。
しかし・・・スゴイ力を持ってんだな・・・
リフィルは・・・」
『そ・・・そんな・・・事・・・
私達、ハイエルフの間では普通の事ですよ・・・
(顔を背けつつ、モジモジしてる・・・)』
☆「世辞じゃあなくて本当の事だ。
ホント、スゲェよ・・・スナイパーとして!」
『す・・・すないぱ?』
☆「ヴァ・・・!」
いけね・・・つい、”本音”が出ちまった・・・。
まだ”答え”すら言ってないのに・・・
「おい・・・”すないぱ”・・・ってなんなんだよ?
・・・まさか、姉ちゃんに”害”はあるモン
じゃあないんだよなぁ・・・!?」
☆「ねぇから! ネェからッ!
頼むから、メンチ切ったような顔でドアップ!
・・・ってのは、やめてくれ!
アンタの姉ちゃんには危害は加える事
なんて無いからッ!」
『ラフィル! やめて!
さっきから言ってるでしょ! 兄さんは
何もしないって!
(ラフィルに向かって「コール」で話す)』
☆「いや、伝わって無いからな!
5回目だぞ! <オレが危害を加え無い>
・・・って言うの! 伝わって無いからなッ!」
「・・・やった瞬間、ブッ殺すからな・・・
(言った後、乱暴に元居た場所に胡座をかく)」
・・・ハァ、やれやれだぜ・・・。
「ボスゥ・・・? いい加減、勿体ぶってないで
言ってあげたら? 助けてあげるんでしょ?」
『そうですよ!
質問以前に、その事はどうなんですか!?』
☆「あぁ・・・そうだな。
”最後の質問”をするためにも言わなくちゃあ
いけないからな」
「・・・最後の質問だとか、ウダウダ言ってないで
さっさと言えよ・・・クソニンゲンが・・・
(ボソッ・・・と言う)」
『ラフィル!』
☆「(ラフィル、リフィルの順に一瞥してから)
じゃあ・・・頼み・・・”依頼”の答えだが・・・
<断る>」
『えっ?』「ハァッ!?」「ウニャァ!?」
「ぼ・・・ボスゥ・・・?
ウソだよね・・・? ボスなら・・・
助けるんだよ・・・ねぇ?
ボク・・・みたいに?」
☆「・・・それは、
オルガの”イメージ”の中での話だ。第一に、
今回はオレがまず”望んでいない”からな・・・」
『望んでいない・・・?』
☆「いいか・・・?
オレのモットーは”フィフティ/フィフティ”・・・
<お互いを対等に>・・・だ。
そして、オレの今んところの目標としては
”生き延びる”事だ・・・」
「今のところ、ドラゴンに会ってないじゃん!」
☆「・・・今は黙っててくれ、オルセット・・・」
「エェ〜」
☆「すまない・・・話を戻そう。
まず、”望んでいない”って言うのは、別に
二人の依頼を受けなくても、オレは
”生きていける”からだ・・・」
『じゃ・・・じゃあなんで私達を・・・?』
☆「悪いが”正当防衛”って言う、自分の身を
守るついででやっただけの事だ・・・。
・・・オレの前で、手を下してない”死人”が
出るのは、胸クソ悪いんでな・・・」
『と・・・ということは、
兄さんが助けてくれるのは”無実”の人って事
ですよね・・・?
でしたら、私達の”母”だってそうです!
ですから・・・!』
☆「・・・じゃあ、
アンタ達が”無実”だって事を証明できるのか?」
『えっ?』
☆「そこだ。
依頼を受けたくない理由の二つ目として、
<情報>が不足している事だ。
・・・オレは寝首を掻かれるような事も
ハッキリしていない人と共に行動はしたくない。
況してや・・・「忌されし子」なんて不吉な
称号を持っている二人だからこそ尚更だ・・・」
・・・あの”ガリハゲ”から得た教訓の一つだ。
十分と思えた”情報”も、蓋を開けてみれば
ボスキャラが”3人”だの、ボロボロの状態で
帰ってくるだのと・・・「聞く」だけじゃあ
不十分なのが多い・・・。
2度目の人生、寝ている間に終了!
・・・なんて事にはなりたくないからな。
『そ・・・それは・・・』
☆「第三に、百歩譲って二人が”無実”だって事で
依頼を受けたとしよう・・・。
だが・・・その際は・・・
(”ラフィル”を指差し)
ラフィル、アンタを置いていく事が”条件”だ」
「ハァ!? なんだよソレッ!?
なんでオレが、クソニンゲンの”命令”を受けて
姉ちゃんと離れ離れにならなくちゃあ
ならないんだよ!」
☆「オレは、二人の母親が”何処”に囚われている
のかを知らない。・・・つまり二人には、
”道案内”をしてもらわないと・・・」
「ハッ! 言わしてもらうがな・・・
オレがテメェに頼んだ覚えなんて
コレッぽっちもネェんだよッ!」
☆「おい・・・話は最後まで・・・」
「うるせぇッ!
テメェの助けなんていらねぇんだよッ!」
☆「・・・じゃあ・・・オマエは、
どうやって母親を助けるつもりなんだ?」
「んなモン、今から行って・・・」
☆「その弱った体で行けるのか?」
「んなモン気合だよッ!」
☆「商業都市にはどうやって入るんだ?」
「邪魔するクソニンゲンは、
全員ぶっ殺シャアいいんだよ!」
☆「じゃあその際に使う”武器”は?」
「ブッ殺した際に奪うか、
テメェが寄越せよ! クソニンゲンッ!」
☆「戦い続けられるのか? 飲み食いもせずに?」
「クソニンゲンを全員、
ブッ殺して奪えばいいんだよ!」
☆「・・・最後に聞くが・・・
オマエの”姉”はそんなことまでをして、
”母親”を助けたいと思っているのか?」
「ッ!? それは・・・」
言葉の詰まった”ラフィル”は一瞬、俯いた後に
”リフィル”の方を見るが・・・彼女は目を閉じた後
に首を横に振っていた。
「姉ちゃん・・・なんで・・・!?」
☆「・・・(「コール」で聞いている)
ラフィル・・・貴方が守りたいのは、
”私”か”母さん”の2つだけなの・・・?
それ以外の”命”はどうでもいいの・・・?
・・・って言ってるぞ?」
「あ・・・当たり前だろッ!
姉ちゃんを・・・散々、傷つけようとした
クソニンゲン共の事なんて・・・ッ!」
☆「・・・(「コール」で聞いている)
貴方の言う”クソ人間”というのは、
私達に何もしていない・・・”無実”の人も
含めてなの・・・?
・・・って言ってるが?」
「無実・・・? 何が無実だよッ!? 姉ちゃん!
その無実のニンゲン共は、オレらの事を
助けてくれたか!?
一回でも助けてくれた事があったのか!?
・・・誰も助けてくれない・・・
クソニンゲン、ばッッかりだったろッ!?」
☆「・・・(「コール」で聞いている)
じゃあ・・・父様が亡くなった夜・・・
私達の事をコッソリと慰めに来てくれた、
”あの人間”も・・・貴方の言う「クソ人間」
だったのですか・・・?
・・・って言ってるだが・・・?」
「それは・・・それ・・・は・・・
(段々と俯き、涙声になって行く)
いい加減、”本当”の事を言いやがれッ!
クソニンゲンがァァァァァァァァァァァァッ!」
やれやれ・・・殴りかかってくるだなんてな・・・
・・・だが、そんなシンプルなストレートじゃあ、
〜ブゥゥン サッ! ガシィィ ガッ!
グォォン! バタンッッ!〜
・・・躱して、
「体落とし」を決めるのは容易い・・・。
「・・・イッ・・・テェ・・・・ッ」
☆「・・・(「コール」で聞いている)
オマエ・・・母親と別れる前に・・・
こう言って貰ったんだってな?
”きっと助けてくれる人が現れる”
・・・って」
「ッ!?」
☆「オマエの姉ちゃんが言ってるぞ・・・。
”今がその時なんじゃあないか?” ・・・って」
「・・・テメェの助けなんて・・・」
☆「いい加減にしろよ・・・。
お前が”姉”や”母親”を守りたいって
気持ちは良〜く分かった・・・。
だが、その”怒り”をぶつける相手を間違えるん
じゃあねぇ・・・オレは、お前達を傷つけよう
だなんてコレっぽちも思ってないし、さっきの
条件でオマエを外すと言ったのも、オマエの
母親を助ける最中、その”私情”の性で邪魔ばかり
すると思ったからだ。
<協力する>っていう<対等な関係>を
結べないと思ったから”条件”に出したんだ」
「・・・クッ!」
☆「だから、”助けない”ってワケじゃあない。
さっき言いかけたもう一つの条件・・・
<邪魔をせずに協力する>・・・って事を守って
くれれば、オマエを置いて行かずに助けに行く事
ができるんだ」
「・・・」
☆「・・・協力したくないのなら
そう言ってもいい・・・。
だが・・・もしオマエが本当に”姉”や”母親”の
事を思ってるんなら、一旦その私情を捨てて、
”オレ”じゃなく、”姉”に協力する形で
条件を飲め。
・・・そんなに信用したくないのならな」
そう言った後・・・
投げ飛ばされて仰向けになったままだった
ラフィルは、上半身を起こし、顔を”姉”の方に
向けた・・・。
するとそれに気づいた”リフィル”は、
一瞬、弟と目を合わせた後、オレに向かって
”頭を下げてきた”・・・。
弟には聞こえなかったが・・・
<よろしくお願いします・・・兄さん・・・>
・・・って、心の中で言いながらな・・・。
そして、オレも投げ飛ばしたままも悪いと思い、
「そんな・・・!?」・・・とでも心の中で
言ってるであろう表情をしている彼に、
右手を差し伸べる・・・。
☆「さぁ・・・どうする?」
「・・・(ボスを睨むように見つめ続ける)」
☆「・・・もし断ったとしても、
二人が元気になるまでは面倒は見てやるぞ。
朝・昼・晩・・・と食事付き、寝床もあって
青空の下、大自然に囲まれながら泊まれるぞ。
しかも・・・”服”の無料サービスまで着いて、
お値段は<タダ>だ。
・・・そこらの”宿屋”よりも待遇はいいぞ」
「・・・オレは」
☆「んっ?」
「・・・オレは・・・テメェを・・・
”絶対”、信用しないからな・・・」
☆「・・・フッ、それでいい。
大船に乗ったつもりでいとけ・・・」
「ケッ・・・
教国にあるって言う、帆船よりも
沈みそうなモンだな・・・」
☆「言っとけ・・・。 ホラ・・・掴まんな・・・」
「イヤ、座るぐらいできる・・・
(そう言うと起き上がり、自分が座っていた所に
戻っていく・・・)」
☆「気難しいモンだな・・・。
(頭を掻きながら・・・)」
やれやれだぜ・・・と思いつつ、オレは
両手を前に伸ばし、意識を集中させる・・・。
すると両手のひらに”黄色い光の玉”が現れ、
弾けたかと思えば、両手に”自衛隊のレーション”
である、”戦闘糧食Ⅰ型”・・・通称”カンメシ”
を握っていた。
☆「ホラ、オルガ!
(一個を、オルセットに向けて投げる)」
「ヴニャッ!? とと・・・! ボスゥ!
コレ、トリメシ!? トリメシィ!?」
☆「・・・缶、見ろよ・・・」
「えっ? ・・・なんだ〜”
セェ〜キィ〜ハァ〜ン〜”?」
☆「おとなしく待ってくれたのは有難いが、
オルガはもう食い過ぎてるだろ?
その”赤飯”は、”二人の分”だ」
『あの・・・”セキハン”とは・・・?』
☆「んっ? 赤飯か?
ちょっと説明が難しいが・・・”小豆”って
言う豆と、”もち米”っていう穀物を使った・・・
乾いたオートミール・・・って言えば
いいかな・・・?」
『乾いた”麦がゆ”・・・?』
「毒は入ってないよな・・・?」
☆「・・・入ってねぇよ・・・しつこいな・・・。
ラフィルは見てなかっただろうから言うが、
これを選んだ理由ってのは・・・
リフィルが”緑茶”って言う、お茶の葉を使った
温かい飲み物を大層気に入ったようでな。
そこから二人が食うなら”肉”とかよりも
”自然系”の食い物がいいと思ったからだ」
『フフ・・・
あれは”エリクサー”に勝る味でしたからね』
☆「・・・えっ? エリクサー!?」
『ハイ・・・本物は”体力”も回復させて、
腕さえも生やすような凄い薬なんですが・・・
物凄く不味くて・・・
だけど・・・”リョクチャ”は飲んだ瞬間、
自然の恵みがブワ〜って広がって!
それで、一気に体に魔力が満ち溢れん
ばかりになって・・・全魔力を使う
”蘇生回復魔法”を使った後でも、
絶えずに魔力が体から溢れ出してくるんです!
これが凄い気持ちよくて・・・
(両手を頬に添えて、
一瞬、恍惚とした表情になる・・・)
・・・あっ! ご・・・ゴメンなさい! 兄さん!
ちょっと・・・話しすぎちゃいました・・・』
☆「・・・」
なんとなく・・・
あの魔力の回復量の理由は分かったが・・・
エルフにとって”緑茶”が”不死の霊薬”と
ほぼ同等って・・・
☆「・・・今度飲んだ後、確認してみるか・・・
(ボソッと言う・・・)」
「おい・・・
いつまでその”セキハン”ってヤツを持って、
突っ立てるつもりなんだよ?」
「そ〜だよボスゥ〜
ボクも、いつまで持ってればいいのさ〜?
開けちゃっていいの〜?」
☆「あぁ・・・すまない。
オルガ、開けたら”ラフィル”に渡してくれ
あっ、”爪”で開けるなよ? いいな?」
「エェ〜
これに付いてる”カンキリ”って、
開けにくいじゃ〜ん・・・メンドクサイし・・」
☆「衛生上の問題だ。
いくらスキルが便利だからって、それで
やるなって何回言ったら分かるんだよ・・・?
それに、仮にも、オルガは”女性”だろ?
”爪”ェ、大事にしなくていいのか?
(缶の縁についていたカンキリを取り外し、
蓋をキコキコ・・・と、開けながら・・・)」
「・・・これぐらい、
どうって事ないのになぁ・・・
(イヤイヤそうながらも、
缶の縁についていたカンキリを、爪を差し込んで
弾きとばし、空中に飛んだのを片手で
キャッチした後、蓋をキコキコ・・・と、
開けながら・・・)
ハイ、どうぞ」
「・・・これが・・・”セキハン”?
(仏頂面で受け取った後に。)」
☆「スプーン出すからちょっと待ってな。
ホイ、どうぞ。(リフィルに渡す)」
『ありがとうございます・・・兄さん。
(”アウトドアセール”によって出された
スプーンも受け取りながら・・・)
あのぅ・・・』
☆「んっ?」
『本当・・・なんてお礼をしたら・・・
こんな・・・介抱して頂いて・・・しかも・・・
このような食事や寝床まで提供して
頂けるなんて・・・』
☆「・・・いいよ、お礼なんて。
オレが好きなようにやってるだけだ。
・・・それに・・・」
『・・・それに?』
☆「”お礼”はもう十分、もらってるしな・・・」
そう言うと、オレは顔の前に持ってきた右手の
”人差し指”に目を向け、意識を集中させる・・・。
すると、指先に5センチ位の小さな緑色の
<竜巻>ができており、ちょっと得意げに他の
3人に見せびらかした。
近くにいたリフィルは最初は驚きもしなかったが
次に”手の平”に、数十センチ程の”中ぐらい”の
竜巻を作ると、ハッ! としたように驚き、
最後にその竜巻を握るように”拳”を作り、拳に
<竜巻を纏わせて>みると口を両手で
押さえて飛び上がるようにビックリしていた。
他の二人も目を見開いて驚いていたよ!
『兄さん・・・それは・・・!?』
☆「見てろよ・・・!」
・・・ワクワクするぜ・・・!
そう言った後、オレは真下の”地面”を殴るッ!
☆「オラァッ!」
すると・・・ッ!
〜ゴンッ! ヒュウォォォォォィッ!
ブクゥォォォォォォォォォォォォォンッ!〜
・・・螺旋状に強風が吹き荒れ、周囲の小石や
落ち葉から木やチタンマグなどを吹き飛ばし、
さらには近くで燃え盛っていた”焚火”までもが
その強風に掻き消されていた。
そして、殴った地点には<螺旋状の跡>が残る、
深さにしておよそ数十センチ程の
”穴”が開いていた・・・。
☆「ハァ〜ハッハッハッハッハァッ!
名付けて「スピンブロウ」ッ!
殴った相手を”風の魔法”で吹っ飛ばすッ!
<風の拳>だァッ!
殴った際の激痛は拳とモノの間に作る
”空気のクッション”でやわらげるッ!
・・・もう魔法が使えないなんて言わせねぇ!
オレも”魔法”が使えるぜェェェェッ!
(両腕を天に伸ばして物凄く嬉しそうに叫ぶッ!)」
「ボ〜スゥゥッ!
スゴイのは分かるけど、メチャクチャだよッ!
真っ暗で何も見えないよッ!」
『目に・・・砂が・・・』
「おいッ!
スプーン、飛んじまったじゃあねぇかよ!?」
☆「ダァァァァァっ! ゴメンって!」
・・・やっちまったな・・・
まぁ・・・リフィルはすぐに"涙"が出たようで
大丈夫だったが、ラフィルに再び”スプーン”を出し
”焚火”をつけるために再び、”薪”と
”卵パック型着火剤”を出して・・・ライター魔法の
”クリッカー”で着火・・・っと・・・。
ハァ・・・せっかく魔力が増えたのに・・・
もう「500」以上も使っちまったよ・・・。
『兄さん・・・』
☆「あぁ・・・ゴメンな・・・。
もうちょっと離れた場所で・・・・」
『”鑑定”でステータスを見れなくて・・・
しかも・・・今・・・いきなり”魔法”が使える
ようになるなんて・・・兄さんは一体・・・?』
☆「それはこっちが聞きてぇよ・・・。
それよりも”ステータス”が見れなかった?」
『え・・・えぇ・・・』
☆「なんだ・・・?
誤作動かなんかがあるのか・・・?(ボソッ)
あっ、オレのステータス、見てみるか?」
『えっ・・・? そんな事して・・・』
☆「いいから、いいから。
(ご機嫌な感じに鼻歌を歌いつつ、
ステータス画面を出し、スキル共有をいじる)
よし、これでリフィルも見れるハズだ。
人差し指と中指を合わせて”こめかみ”付近に
添えてみな」
『鑑定って・・・
そんな風にやるものじゃあ・・・ッ!?
こ・・・この画面は何・・・!?』
~ウィィ~ン、ピピピピピ!~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈スキャン結果〉
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氏名:ボス
年齢:19
性別:男性
職業:”亜人”を束ね始めた者
属性:無、風(New!)
<レベル:4>
HP:91/260 (VIT:+10)
(寝不足 15h,53m,22s)
MP:902/1430 (bin's:+1010)
DE:10 (タフネスIn,w ×3.05)
能力値
STR:8.0 (タフネスIn,w ×3.05)
PER:10.0
VIT:10.4 (タフネスIn,w ×3.05)
AGI:15.0 (タフネスIn,w ×3.05)
INT:20.7
LUC:13.6
MAG:11.0 (bin's:+10.0)
[ Magic ]
<ウィド マスタリー>(New!)
→「ウィド MP 1」
→「スピンブロウ MP 1」
<ウィドラ マスタリー>(New!)
<ウィドラート マスタリー>(New!)
→ 〜OffLine〜(”MP”Lack Ne:5000)
<ウィドラマ マスタリー>(New!)
→ 〜OffLine〜(”MP”Lack Ne:10000)
<ウィドラマスタ マスタリー>(New!)
→ 〜OffLine〜(”MP”Lack Ne:1000000)
-------------------------------------
『・・・兄さんに・・・
こんな・・・”マナ”があるなんて・・』
☆「そんなにスゴイのか?
てか・・・”マナ”って?」
『・・・その個人の持つ魔力の事を”マナ”って
言うんです・・・兄さんの魔力量は・・・
軽く・・・人間を超えて・・・一般的なエルフと
ほぼ・・・同等の量です・・・』
☆「マジか!? エルフ並みッ!?」
「ていうか・・・
ボスは、なんでそんなに”マナ”が増えたの?」
☆『・・・ちょっとすまないが、
ここからは”コール”を使うぞ』
『えっ? どうして急に? ボスゥ?』
☆『リフィルには申し訳ないが・・・
アンタの”弟”が了承したと言えど・・・
お互い、信用しあっていないからな・・・」
『・・・本当に・・・弟がすみません・・・
私が話せないばかりに・・・』
☆『気にすんな。
リフィルが喋れなくなったのは、そんな目に
合わせた”クソ共”の性だ・・・。
二人共、気に病む事はねぇよ・・・』
『・・・本当、すみません・・・
でも・・・可愛いところはあるんですよ。
私の前の前だと、よく甘えてきたりとか・・・』
☆『ホントか?』『ホントォゥ?』
そう言って、
3人同時に”ラフィル”の方を向くと・・・って、
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいッ!
何一人で、飯かっ込んでんだよ!? しかも
”2缶”目って!?
「ッ!?
(視線に気づき、首だけを後ろに振り向けながら)
な・・・何見てんだよ?」
☆「・・・プッ(頬にご飯粒がついてるのを見て)
オレを・・・信用していないのなら・・・
ククッ・・・それは食わないんじゃあないか?」
「ど・・・<毒味>だよッ! 毒味ッ!
ね・・・姉ちゃんの方にも・・・
”毒”が入ってないか調べてんだよ!」
☆「安心しろ、お代わりはあるからな」
「誰が食うかよッ!?」
「プッ・・・」『フフ・・・』
「いいか・・・姉ちゃん、絶ッ対ェ食うなよッ!
コレ・・・食うのがやめられなくなる”毒”が
入ってるからな!
(そう言った後、またかっ込み始める)」
『ハイハイ・・・。
(伝わらないので、ウンウンと首を縦に振る)』
☆『いいのか?』
『ええ。 ”お代わり”はあるんですよね?
(ニコッと笑顔になる)』
☆『フッ・・・ああ。
(再び、同じ”カンメシ”を出して投げ渡す)』
『ありがとうございます・・・兄さん。
(風で”壁”を作ったのか、空中で
止まった缶を両手でキャッチしつつ・・・)』
☆『あっ・・・開けるの・・・』
『大丈夫ですよ。見ていましたから・・・』
☆『そ・・・そうか?』
『ええ・・・。
(缶の縁についていたカンキリを取り外し、
ボス達よりかは遅かったが、ゆっくりと
開けながら・・・)』
☆『・・・風と精霊の探知能力って・・・
本当なんだな・・・缶切りって・・・
結構、細かい動作だぞ・・・
(缶を開ける動作を見て・・・)』
『ねぇ〜ボスゥ〜?
結局、話さないの? ”マナ”の事?』
☆『あぁ、そうだったなァァァ・・・。
すまない・・・二人共・・・さすがに・・・
もう、かなり時間が遅いから・・・
手短にな・・・』
『いいですよ・・・』
『しょ〜がないな〜ボスはァ〜』
☆『オレの能力は・・・憶測だが・・・
<集団>を作ってこそ・・・強くなれると、
思うんだ・・・」
『集団?』『シュウ〜ダン?』
☆『オレのスキル・・・「バディバンズ」・・・
ってのを結ぶと・・・その結んだ相手から・・・
色々と・・・”貸して”もらえるんだ・・・。
例えば・・・オルガの「メディケア」とか・・
リフィルの「魔力」とかな・・・。
特に・・・魔力は毎日・・・結んだ相手の
総マナ量の”10%”は・・・
貰えるらしい・・・』
『10%!? ・・・えっ?
じゃあ私のマナ量だと・・・でも・・・
”マナ”は上限以上は貯まらない筈・・・』
☆『そこでオレのスキル・・・
「オーバーチャージ」だ・・・。
これが、毎日10%を提供してくれて・・・
恐らくだが・・・”無限”に・・・
魔力を貯められる・・・』
『そ・・・そんなスキルは聞いた事ない・・・!』
『・・・初めて知ったよ、ボスゥ・・・』
☆『・・・俺”独自”って事か・・・?
このスキル・・・?』
『えぇ・・・少なくとも、私が生きてきた間では
全く聞いた事のないスキルです・・・』
『・・・言ってなかったけど、ボクも〜』
☆『そうなのか・・・”チート”ってのは、
再確認できたが・・・じゃあ・・・
一体何なんだ・・・このスキル達は・・・?
(ボソッと言ったつもり)』
『ちーと・・・?』『チ〜トォ?』
☆『あぁ・・・ッ! こっちの話だ・・・
とにかく・・・! まだ・・・解明でいていない
部分も多いが・・・こうやって魔力や魔法を、
貸してもらって・・・貯めェェつつ・・・
武器やこう・・・言った・・・便利なモノを
出していけるのが・・・オレの能ォォ力・・・
って・・・ワケだ・・・ファァァァ』
・・・「集団」なんて言ったけど・・・実は
新しい目標として・・・<軍隊>を作ろうと
思っていた・・・なんてのは・・・・
今はまだ言えないよな・・・。
せっかく”銃”が使えるワケなんだし・・・。
ただ・・・”バンズ”を結べるのも・・・
オレを含めて・・・後、一人だけだし・・・。
・・・これじゃあ、「軍」を作るどころか・・・
「小隊」や「分隊」
さらには、「班」や「組」すら
作るのだって危ういぜ・・・。
『あの・・・兄さん・・・』
☆『・・・んぅぅぅ?」
『私にお構いなく・・・そろそろ・・・
休んではどうでしょうか・・・?』
『そ〜だよ、ボスゥ〜
後はボクがやっておくから、早く寝なよ〜』
☆「・・・二人共・・・気ィ・・・使わせて・・・
済まないな・・・んじゃあ・・・お言葉に・・・
甘えて・・・フェェェェ・・・
寝させてもらいますか・・・」
マジ眠いが・・・二人には・・・感謝だな・・・
とりあえず・・・テントを直して・・・
〜フォォォォォォォォォォォォォォッ!〜
『ホント・・・色々と出せるんですね・・・』
☆「一部・・・制限はあるけどな・・・
こうやって壊れたのを・・・”買い替え”的に
修理することも・・・できるんだ・・・
ファァァァ〜済まない・・・オルガ・・・」
『何〜ボスゥ〜?』
☆「・・・”コール”はもういいよ・・・」
「あっ! ・・・へへ。
(舌をペロッと出す)」
☆「・・・二人が飯を食べ終わったら・・・
このテントや、中にあるものの使い方、
後・・・服の着方とか・・・
教えといてくれ・・・」
「分かった〜、お休み〜ボスゥ〜」
『本当・・・ありがとうございます・・・
おやすみなさい・・・兄さん・・・』
☆「二人共・・・おやすみ・・・」
テントに入った後・・・何気なく
「アウトドアセール」で壊れたスマフォの代わり
に出し、左手に着けていたアナログ式の腕時計を
見てみると、「深夜2時」を回っていた・・・。
・・・この世界の日の出と共に、午前6時辺り
から合わせてみたが・・・明日辺りとかに・・・
商業都市に着いて・・・正確な時刻とか・・・
解るかな・・・?
なんて思いつつ、オレはシングルベッドサイズの
「エアーベッド」へと横になり、フカフカの布に
包まれた「エアピロー」へと頭を預け、極薄でも
体温の90%を反射させて体を温めるという、
「ファイアシート」を毛布代わりに、床に就いた。
オルセットも使えばいいのに・・・
寝袋なんてな・・・。
あぁ〜しかしッ・・・「アウトドアセール」
・・・・本ッ当、ありがてぇぇわ〜!
明日も・・・頑張って生きて行こう・・・。
二人の身元等の裏付けとか・・・あの首輪を
着けた”クソ野郎共”の事とか・・・調べる事・・・
着いたら山程・・・あるだろうしな・・・。
あぁ・・・でも・・・その前に・・・
2時間後に”見張り”・・・交代しないとな・・・
眠い・・・・・・・・・・・・・・・・・zzzzZ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〜〜〜
N:・・・ッ!? 出番がない…だと…
(作:休暇も必要だと思って。
そ・れ・に、ボスの心情も描写しないと・・・)
”MP”Lack = mana point Lack(魔力不足)
(因みに、MPは代表的な「マジックポイント」の他に、
「マジックパワー」とも読み、「不足」は、”幸運”と
読みは同じだが、スペルが1文字違う)
Ne =Need(必要)
(意味的には、必要<最低魔力>)
<補足事項>
・最近、ボスはよく短めのステータスを
出していますが、あれは「クイックスキャン」
という”隠し能力”を使ってます。
効果としては、使用者が必要と思っている事項
だけを表示させるモノで、ボスはこれを、
<無意識>に使ってます。
なお、作者のメンド・・・作業効率UPと、
文章の短縮化にも役立っていますね。
・・・ホントですよ?
<弟・ラフィル>
<姉・リフィル>
ボスが”エセ関西人”と対決する際の二人です。
・・・ラフィルは”ガチ”で何人も
殺めちゃってますね・・・(汗)
(因みに、事情聴取最中は、ボスとオルセットが
二人が眠っている間に、”水ボトル”と、”ハンカチ”で
綺麗に汚れを拭き取った後で、話していましたんで
ご安心を・・・)
再び、幾つか補足で、二人が着ているのは、
この世界で最も普及している”奴隷の服”で
「貫頭衣」と、手術の際に「患者が着る手術着」を
足して2で割ったようなデザインになってます。
(恐らく経費削減のため・・・?)
”身長”は二人ともほぼ同じ、ただし、
「オルセット」よりかは低いです。
(また「Data」で身長等を載っけます・・・)
後、事情聴取の際に、二人は”双子”だって事は
確認が取れています。ただし、”一卵生”か”二卵生”
かは、ハッキリしていません。
・・・なんせ、二人は”一卵生”か”二卵生”かの
概念を知らないんですからねぇ・・・。
服の材質はリフィルが”絹”、ラフィルは”麻”です
”高級娼婦”と、”どうでもいい”・・・みたいに、
扱われていたんでしょうかねぇ・・・?
(房中・・・ゲフンゲフン・・・)
最後に、リフィルが”コール”で喋っている場面では、
彼女は目が見えませんが、常に目が動いており、
表面上は”無口”な女性に見えると思います。
(ユーチューブなどで、インタビューを受けている、
目を”開けている”盲目の方を見ると、
なんとなく、イメージが持てると思います)
絵を見ると結構”ホラー”かもしれませんが、
”笑う”所では、目を閉じてニコッと笑ったり、
”驚いた”際は口を開けたりなど、
”目が見えず不気味な点”を除けば、
ホント・・・普通の女性と変わりは
ないんですよ。
最近、たまにはっちゃけてしまったりしますが・・・
(一応・・・楽しませるため・・・ですが・・・)
それでも、お読み頂いている方々に
感謝を申し上げます・・・。
次回は、トアル”別視点”を挟んでから
商業都市へと入っていきたいと思います!
※2017年3月12日、
冒頭の事情聴取内の内容で
「両親」の部分を<父親>に変更しました。
(前の方で”母親”の所在が分かっているのに
「両親」なんて・・・凡ミス、
スミマセンでした・・・)