トアル”親子達”の約束
お待たせしました!
新章開幕、そのプロローグです。
(しっくりこなかったので、恐縮ですが・・・
毎回、このように分けます・・・)
今日ように、
<Data>は別枠で”出来次第”上げていきますッ!
なので「早く物語出せよ・・・」的に思ってた方も
ご安心してくださいね。
また、ブログ(活動報告?)も初めて見ました。
「テスト」で書いてみたものですけど
よろしければ見てみてくださいね。
※2017年3月24日、
貴族の「家名」を修正しました・・・。
「ゼファイル」→「デシィード」
(すみませんでした・・・・・)
?:ここは、とある貴族達が住まう”領主館”。
朝日が昇り、美しい鳥のさえずりが響き渡る中、
領主館の裏手、門の両脇に咲き乱れる”桜”らしき
木には挟まれるように1組の”男女”がいた。
「・・・約束は本当なんだよな?」
?:仏頂面で睨みつけるように話す、浅黒い肌の男。
彼が話しかけている対象者は、モノクルを付け、
貴族のような豪華な”赤い”服装を身に纏う、
老紳士のような男であった。
「勿論、行った通りだ。
今日の夜明けまで、貴様が言う”姉”を
連れた状態で、我々から逃げ切る事が
出来れば・・・・貴様らの”母親”は
解放してやろう・・・」
「・・・本当に、本当なんだよな・・・?」
「・・・諄い。
それとも何だ? やはり、貴様らは同じ事を
何千回も聞かない限り、物事の”一つ”も
覚えられないような”劣等種”であると・・・
認めるのかね?」
「ッ!? テメェの”弟”らが、
オレに”傷つけない”って、言ったあの日から・・
”1日”も経たずに、「母さん」や「姉ちゃん」」に
手ェ出しやがった野郎らが、
何を言ってんだよッ!?」
?:浅黒い肌の男は、モノクル男の言ったことが
余程、気に障ったのか、今にも殴りかかろうと
言わんばかりに、ズンズンとモノクル男に
歩み寄ろうとしたが、”姉”と言われた
地面に視線を落としたまま動かない女性に
服の裾を掴まれ止められてしまう。
悔しそうな表情で姉に訴えかける
浅黒い肌の男・・・それに対し、
俯いたまま、小さく首を横に振っていた。
その様子を見ていたモノクル男は、
明らかに見下した態度でクックックッ・・・と
低く嘲笑しつつ、こう言った。
「・・・手を出した? 一体、何の事かね?
我が弟達からは、
<下賤な”エルフ共”が、使用人達に
失礼な振る舞いをしたために、その振る舞いを
端正すべく、態々、”教育”を施した>
・・・そのような素晴らしく、涙ぐましい
報告しか聞いていないのだが?
そうであろう? 弟達よ。」
?:そう言いつつ、モノクル男は背後を見る。
その後ろには、”弟達”と呼ばれた男が”二人”いた
一人は貴族のような豪華な”青い”服装ながらも、
筋骨隆々とした”偉丈夫”で、茶髪に青い眼・・・
背中には、大人”一人分の身長”を
軽く超えるような”大剣”を背負っていた。
「・・・はい、兄上。指定時間”外”なのに、
食事と水を要求したのを・・・しかと、
この”目”と”耳”で見聞きしましたぞ。」
?:そう言うと、男は頭を垂れつつ、右手を
胸の前に持ってくる。
・・・一種の”敬礼”のようなものなのだろうか?
もう一人の男は、先程の男と打って変わり、
貴族のような豪華な”黄色い”服装ながらも、
その体は”豚”のように肥え太っていた。
髪は金髪のバ○ハの様で、眼は・・・
キツネ目だが、細すぎて見えない・・・。
下劣で緩みきった顔をニヤつかせながら、
両脇に居た”女達”と、イチャイチャしていた。
「モチロンだよ〜アニィ〜。
ボクチンの”エンジェル達”がチャ〜ンと
聞・い・て! いた事だしねッ!」
「モチのロンですわ〜アリ様〜」
「”奴隷”の分際で嘆かわしい事ですわよねぇ〜」
?:キモ・・・肝を冷やすような表情と、行為に
吐き気を催しそうだが・・・男の”指輪”を
チラチラと目移りするように盗み見る、
彼女達の間に、一体どういった”ラブロマンス”が
あったのだろうか!?
・・・失礼、話を戻そう。
モノクル男の”弟達”は、浅黒い肌の男・・・
・・・この際、「日焼け少年」と呼ぼう。
”日焼け少年”を弁解するつもりは、一切合切
微塵のカケラもないようである・・・。
「クッソォォォォッ!」
「・・・フン、という訳だ
奴隷の分際だが、貴様の”質問”に態々
答えてやったんだ・・・感謝するがいい・・・」
「クソが! クソがッ!」
?:再度、”日焼け少年”が突撃を試みるも、
再度・・・”姉”に止められる・・・。
「・・・そろそろ
”口の利き方”を、考えてはどうだね?
我輩は貴様らに”譲歩”をしている・・・。
”奴隷”に・・・だ。・・・この意味は判るかね?
それとも何かね・・・?
今すぐにでも・・・お前の”母”と”姉”を・・・
”忌み物”にして欲しいと・・・?」
「・・・それ以上、言ってみろクソ野郎ッ!
お前なんて”ウィドラート”の魔法で、
ズタズタにッ!」
「やめてッ!」
?:突如として、声が上がる・・・。
その声の主は、”日焼け少年”と”姉”がチラチラと
見ていた方向・・・”デブ男”の真横に
存在していた、”檻”の中からであった・・・。
「領主様、お願いし・・・キャアッ!」
〜 ヴィシィィィィッ! 〜
「ご・主・人・様ッ! アニィには、
”赤の”ォッ、ご・主・人・様ッ! って、
言ってんだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
?:と・・・突然、手から”青い鞭”が現れ、
それを檻に叩きつける・・・デブ男・・・。
豹変したかのように、見開く青い眼に、
檻の中の”女性”は恐怖を隠せないでいた。
「すっ・・・すみません・・・
”黄の”・・・ご主人様・・・。」
「べェべェべェ〜これだから”奴隷”はぁ〜」
「・・・アリウスト、程々にしろ」
「・・・べェ〜イ、アニィ・・・」
「で・・・我輩に何の用だね?」
「お・・・お願いします・・・
”赤の”ご主人様・・・どうか・・・息子と娘が
行ってしまう前に・・・最後に・・・」
「フン・・・”話がしたい”・・・と?」
「・・・はい」
「・・・クックックッ、よかろう。
ただし、貴様の息子達が行った後に、
我輩が言う”条件”を、必ず”守る”事が・・・
大前提だ・・・」
「母さんやめろッ!
こんな”クソ野郎”共なんて、今すぐオレがッ!」
「やめなさいッ!
・・・”赤の”ご主人様・・・どうか・・・
息子のご無礼をお赦し下さい・・・」
「フン・・・と言うと・・・と?」
「私・・・”アムル・ホープティア”は、
デシィード家に・・・永遠の”忠誠”を・・・
誓います・・・」
「・・・フフ、ようやくか・・・」
?:そういった後、モノクル男は、
姉弟二人を通すように、右に体をどかした・・。
二人は少々おぼつかない足取りながらも、
全力で母親の居る檻へと走り、食い入るように
檻へと突撃する!
「母さん!」
?:檻越しだったが、母親に抱きつこうとした
二人は、優しく・・・払いのけられていた。
「えっ・・・?」
「・・・二人とも、よく聞いて・・・」
?:そう言うと、母親・・・”アムル”は、
姉に向かって手招きした後、近寄ってきた姉に、
両手が”首”に掛かるよう抱きしめた後・・・
同じ事を”弟”にも施す・・・。
〜 パチン 〜
「ッ!?」
「・・・貴方の「奴隷の首輪」は解除したわ・・
・・”ヴィジョン”をかけてね・・・」
「えっ・・・!?」
「ごめんね・・・
お姉ちゃんの方は”解除”できなかった・・・
もう・・・お母さんには・・・魔力が・・・
残ってないみたい・・・」
「母さん・・・何を言ってッ!?」
?:瞬間!
アムルは両腕で”口が塞がるように”抱くッ!
「ゴメンね・・・訳があって・・・
言いたい事はたくさんあるのに・・・
言えない母さんだけど・・・これだけは・・・
聞いて・・・」
「・・・」
「二人とも・・・本当に苦しい時が訪れたら、
きっと・・・きっ・・と、貴方達を
助けてくれる人が、出てくる筈よ・・・
こんな・・・こんな私達”エルフ”を・・・
受け入れないような・・・”クソッタレ”な
世界でも・・・! きっと・・・!」
?:そう語る”アムル”の顔は、俯き、誰にも
見えないようになっていたが・・・その顔は、
クシャクシャで、大粒の涙を次々とこぼしてた。
母親として・・・”真実”を伝えられない
”悔しさ”に嘆くようにも・・・息子達に
”愛情”を突き通す”覚悟”のようにも
見える・・・そんな表情であった。
そしてゆっくりと二人を解放すると同時に、
”姉”の首元から胸へ・・・”何か”が滑り落ちた。
姉は、アムルに聞こうとする素振りを見せるが、
素早く涙などで汚れてしまった顔を拭うと、
口の前に、右手の人差し指を置き、それを制した
「それじゃあ・・・
二人とも・・・頑張ってきてね」
「母さん・・・必ず・・・!」
?:そう言うと、
二人も、涙を拭いつつ、ゆっくりと・・・
檻を後にする・・・
「リ・・ィ・・・・・・・ラ・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
?:その時、”姉”の方が檻の方を振り返り、
それに気づいた”弟”の方も「何事か?」と、
振り返った。
「・・・リラックスして行ってね! 二人共!」
?:だが・・・振り返った先には、二人を”応援”し、
手を振って見送る、母・・・「アムル」の姿しか
なかった・・・。
「・・・姉ちゃん・・・行こう」
「・・・(コクっと、頷く)」
?:そう言うと、日焼け少年が”姉”の手を握り、
門の先へと広がっていた”森”へと、
走り出す・・・
何度も・・・何度も・・・檻の中の”母親”を
二人して見返しながら・・・。
そして・・・その一方で残された
”領主達”は、二人の姿が見えなくなった頃・・・
3人して”アムル”の方を見つめていた・・・。
「・・・今宵は”宴”だ・・・」
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彼女は・・・”最後”・・・
何を言いたかったんでしょうね・・・?