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飴転生  作者: 灰色セム
6/6

最後の一本

最後の一本、あるいは打ち切りのお知らせ――

 朝日がまぶしい。拍子抜けするほどなにもなかった。ペロ君は疲れ切っていたのか一度も起きなかった。いいことだな。

「おはようございます」

「おはよう。旅立ちには絶好の朝だな」

 雲ひとつない青空が高い。いい天気だ。

「本当ならここから俺たちの大冒険が始まるはず――だったんだけど」

「作者がプロットを紛失したのは痛かったですね」

「本当にな。キャラ同士でメタい座談会とか古臭すぎてびっくりする」

「ゴーレムさんもあれだけ強キャラ感出しておいて、やったことは整地ですからね」

「本当は夜中に襲撃させる予定だったとか、ナントカ」

 プロットを無くした――ということにする小技にはがっかりだ。

「それでも俺たちの旅は続くからな。立派な商人になろうな」

「飴と犬系人間と、ときどき犬。組み合わせが濃いですね」

「ファンタジーとは、そういうものだよペロ君」

 俺はしたり顔で講釈をたれる。まあ半透明だけど。

「そんなわけで」

「ここまでお読み下さりありがとうございました!」

「「作者の次回作にご期待ください」」

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