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最後の一本
最後の一本、あるいは打ち切りのお知らせ――
朝日がまぶしい。拍子抜けするほどなにもなかった。ペロ君は疲れ切っていたのか一度も起きなかった。いいことだな。
「おはようございます」
「おはよう。旅立ちには絶好の朝だな」
雲ひとつない青空が高い。いい天気だ。
「本当ならここから俺たちの大冒険が始まるはず――だったんだけど」
「作者がプロットを紛失したのは痛かったですね」
「本当にな。キャラ同士でメタい座談会とか古臭すぎてびっくりする」
「ゴーレムさんもあれだけ強キャラ感出しておいて、やったことは整地ですからね」
「本当は夜中に襲撃させる予定だったとか、ナントカ」
プロットを無くした――ということにする小技にはがっかりだ。
「それでも俺たちの旅は続くからな。立派な商人になろうな」
「飴と犬系人間と、ときどき犬。組み合わせが濃いですね」
「ファンタジーとは、そういうものだよペロ君」
俺はしたり顔で講釈をたれる。まあ半透明だけど。
「そんなわけで」
「ここまでお読み下さりありがとうございました!」
「「作者の次回作にご期待ください」」




