魔の森に住まう(前) ~ 駆け出しのハンター・ミュカレ ~
少なくとも最初の数話ぐらいは。書き溜めておいてある程度集中して連続投降、というのが理想だと、そう思ってました。
こんな遅い、しかも不定期な更新では・・・
でもね、やるしかなかった。
書き溜め作ろうと考えてもう2年とか過ごしちゃってるんだからさっ、いい加減自分を追い詰めないとっ、ってっ。
暖かい、柔らかい何かに包まれているような感覚。
耳には小鳥たちのさえずりが聞こえる。それになんだか甘い、いい匂いがする。
「・・・んうっ、む・・・」
ミュカレが目を開くと、そこは白い小部屋だった。
「あれ・・・どうしたんだっけ・・・?」
仰向けに見上げた天井は、あまり広くは無い。ミュカレが住んでいる、ギルドの独身寮の一室とたいして変わらない。
しかし部屋の雰囲気は、まるで違っていた。
部屋の南側に大きく取られた腰高の窓から、白い薄手のカーテン越しに日の光が柔らかく差し込み、室内を明るく照らしていた。
ミュカレの自室は西日が強く、窓も小さくてちょっと薄暗い。
家賃は掛からないし、昼間はほとんど自室に居ないから文句も無かったけれど。
ゆっくりと身を起こしてみる。
「うわっ、なにこれ」
ふわふわした肌触りに驚く。ゆったりとした白い肌着を着せられていた。見たことのないデザインだ。
寝かされていた寝台も、街の高級店でしか見たことが無いような、真っ白い寝具が掛けられていた。
改めて、撫でてみる。くすぐったいくらいにふあふあだ。くせになりそうな柔らかさ。
自室の古毛布とは別次元だ。
「うぅーん・・・なんだろう、ここ・・・」
部屋の様子を確かめる。壁も床も天井も、白木造りでシミ一つない。
これもまた白木造りの、小さめのタンスにテーブル、椅子。飾り気無くシンプルなものだが、上質なものだと一目で判る。
そして、部屋の中には甘い、優しい香りが満ちていた。
「何の匂いだろう?」
ミュカレの部屋なら、灯火用の安物の油のにおいが染みついているところだ。
なんと心地よい空間だろう。まるでこの世の物とも思えない、ような。
両腕を伸ばしてみる。ゆったりした袖口から覗く二の腕から先には、傷一つない。
「・・・あ、あれ!?」
急に、記憶がよみがえる。あの時、魔の森で、ラージアントの蟻酸を受けた筈だ。
籠手が守ってはくれたが、少しだけ素肌に掛かった部分が赤くなって、後からとても痒くなったのを覚えている。我慢するのが大変だった。
下手に触ると、脆くなった皮膚が破れてしまう危険があった筈だ。
他にも、森の中を逃げ惑う間、体じゅうあちこちに引っかき傷や擦り傷を作ってしまった。
傷つき、疲れ果て、あちこちが痛くてたまらなかった。
「な、なんで・・・」
なのに今は、なんともない。
足の裏の潰れたマメも、藪に飛び込んで太いトゲが刺さったふくらはぎも。
あの魔の森での逃走劇の痕跡が、ミュカレの身体には一切残っていなかった。
更に、半年前に剣の練習をしていて付けてしまった古傷までもが、無い。
夢の中にいるような、現実感のない不可思議な状況を思い、ミュカレは認めたくなかったことを認めた。
「あー。あたし・・・死んじゃったのかぁ」
もっと、生きていたかったなぁ、と、ミュカレは思った。
† † † † †
さて、ここが『死後の世界』だとして、いったいこれからどうすればいいのだろうか。
以前酒場で、若手のハンター仲間たちと『死後の世界』について話をしたことがあった。
魔獣を狩るハンターの仕事は、危険と隣り合わせだ。死について考えるなんて縁起でもないと思うが、それでも気になる事であるのは間違いなかった。
『死後の世界』と言っても、宗教や思想なんかも絡んで様々な説がある。
酒の席のバカ話で、みないい加減な説をぶち上げたものだ。
ある者は、偉大なる神様のおわす世界である、と信じ、今生は神々に生き様を示すためにあるのだと言った。
戦神信仰の教義だったか。神々に勇者と認められ、偉大な魂として昇華するのだという。
突撃するしか能のない考えなしの戦士が、意外と真剣に語るものだと驚いたっけ。
またある者は、人生の罪を削ぎ落とす煉獄の世界である、と述べた。
人間は誰でも死にたくない。死後の世界は恐ろしいことを、人間は本能的に知っているのだ、と。
そんなことを言っていたのは、陰気で口うるさい魔術師だった。
とっつきにくいが、実は世話好きで良く気が付く細かい男だったな。
天使たちが治める、平和で穏やかな、満ち足りた豊穣の世界に違いない、と、夢見るような表情で言ったのは、ちょっと年上の女戦士だった。
彼女の祖母が大往生を遂げた時、とても満ち足りた笑顔であったから間違いない、のだそうだ。
酔った勢いなのか、普段見せない乙女な表情にみんな笑ったけれど、大好きだった人たちが先に行って待っていてくれるのだから、嫌な所である筈がない、と大真面目に語られてしまった。
翌日、真っ赤な顔をして「忘れろ」と迫ってきたのだが、ミュカレは「いいな」と思ったのだ。
ミュカレ自身はこだわった自説は無かったが、死んだ後まで苦労するのは御免だった。
満たされるならそのほうがいいと思ったし、ミュカレは天使の伝説が好きだった。
幼い頃に母が語ってくれた物語。
天上から舞い降りて数々の奇跡を成し、人々を救ったという五色の天使。
今も人々を見守り続けているという。
幼い頃のミュカレは、そんな天使に純粋にあこがれたものだった。
† † † † †
ここが『死後の世界』だとして。
とりあえず居心地は良さそうなので、恐ろしい煉獄の世界ではない、らしい。
ちょっとほっとした。
状況を確認しようと、とりあえず寝台から降りると、少し体がふらついた。
どうも現実感が無いし、ああ、地に足が付かないってこんな感じなのかなぁ、と、どうでもいいことを考えた。
「うーん・・・」
寝台のわきに、これまた白いスリッパが用意されているのに気が付いたけれど、なんとなく履くのをためらってしまう。
いや、室内で履く履物だと知ってはいるけれど、もちろん履いたことなんかないし、綺麗過ぎて気後れしてしまう。
「・・・いいや」
結局、裸足のままで歩いてみるが、白木の床はそれでも十分に感触の良いものだった。
窓のそばに立ち、カーテンの隙間から外を見てみる。
そこは、ちょっとした果樹園のようになっていた。
これもそれほど広いと思わせる敷地ではないが、一定間隔に10本ほどの樹木が植えられ、様々な花や実が成っている。
どれも見慣れないものばかりだが、甘い香りの元はこれなのだろう。
果樹園の向こうは森か林のようだ。丈の高い樹木が茂っていて、視線を遮っている。
どうやらここは、林に面した小さな一軒家、といった感じのようだ。
「『死後の世界』と言っても、なんかあんまり、変わらない、のかな?」
瑞々しい木々の実りを見ていると、空腹と喉の渇きを覚えた。
死んでもお腹は空くものなんだな、と、不思議に思いながら、とりあえず渇きをどうにかする手段を探すと、寝台の枕元にコップと水差しが置いてあるのに気が付いた。
コップは木製だったが水差しは上品な金属細工で、うっかり取り落としたりしないようにドキドキしながら水を注いだ。
冷たくておいしい水だった。天上の甘露水ってこういうのなんだろうか。特に味がある訳でもないけれど。
コップに2杯も水を飲むと、喉の渇きは収まったが、今度は空腹が気になった。
水を飲んだら誤魔化せるかと思ったけど、逆に胃を刺激してしまったようだ。
室内に食べられそうなものは見当たらず、窓から手を伸ばしても、庭の樹木の実には届きそうもない。
腰窓を乗り越えて外へ出るのもはばかられ、まずは建物の中を探してみようと考えた。
窓の反対側に、これまた白木のドアがあった。
恐る恐るドアノブに手を掛けると、鍵が掛かっているようなこともなく、ドアはスルリと開いた。
「ええっと・・・だ、誰か、いませんかー?」
ドアを開くと、先程までの甘い香りとは違う、美味しそうな匂いが嗅覚を刺激した。
「誰も、いません、ね・・・なんだろう、すごくお腹が空く匂い」
そこはリビングになっていて、中央には小さなテーブルと椅子が二脚、配置されていた。
小さい、というか、テーブルも椅子も、丈が低いように感じられた。子供サイズなのだろうか。
左側の壁には、これまた小さな戸棚があって、簡素な食器が並べられている。
右手には蔓草を編んで作られた長椅子が置かれ、戸外へ続くらしいドアがあった。
高い位置に採光のための天窓が設けられており、明るくて心地良い空間になっている。
田舎の父母を、こんな屋敷に住まわせてやれたら・・・
そう考えて、少し悲しくなった。もう二度と、会う事さえ叶わないのだろうから。
ぐぐぅ。
「うっ」
しんみりしてしまったところでお腹が鳴った。感傷もへったくれもないもんだ。
死んでも元気なお腹をさすりながら、美味しそうな匂いの元を探した。
どうやら、リビングの奥が台所になっているようだ。
匂いに惹かれるまま、ミュカレは台所へ足を踏み入れた。
なかなか洒落た台所だった。
丈は低いが立派な作業台と窯が設えてあり、作業台の横には井戸まで付いている。
家の中に水を引き込むなんて、貴族の館でも滅多に無い贅沢な造りだ。
「これ・・・もしかして手押しポンプ式!?最新式じゃない!」
まだ希少かつ高価な最新の設備であり、噂には聞いていたが、ミュカレは見るのも初めてだった。
「さ、触ってみてもいいのかな・・・いいよねっ」
恐る恐るハンドルを押し下げてみると、驚くくらい簡単に澄んだ清水がほとばしる。
従来の釣瓶式とは比べものにならない。
「うっわー・・・なんて便利なんだろう」
『死後の世界』なんて古めかしいイメージしかなかったのだが、さすが『死後の世界』は人知を超えているな、と感心してしまう。
竈には火が入っており、大きな鉄鍋がぐつぐつと音を立てて、何かを煮込んでいた。
ふたが乗せてあって中身は見えないが、先程から胃袋を刺激してやまない美味しそうな匂いの元は、間違いなくこの鍋の中身である。
ミュカレは思わず息をのむ。
「・・・こ、これが・・・もしかしたら天上の料理だとか、そういう・・・」
鍋が煮えているという事は、少なくともつい先刻まで誰かがここに居て、料理をしていたという事、の筈だが。
「・・・な、中を見ても、いいのかな・・・」
周りを見回すが、やっぱり人の気配はない。
もはや暴力的なまでの匂いに、ミュカレは我慢出来なくなってきた。
「・・・吹きこぼれちゃうかも、知れないし・・・焦げちゃうかも、ですよねー?」
鍋のふたに手が伸びる。
「見るだけ、見るだけ、ですからっ」
鍋ぶたに手を掛けた瞬間。
がちゃり!
「うひゃあいっ!?」
突然、左奥の壁が開いて、驚いたミュカレは飛び退いたのだが、ふらついてしりもちをついた。
「ああ、起きたのか。調子はどうだ?」
ポンプや鍋に気を取られていて気が付かなかったが、台所の左奥に勝手口があったようだ。
勝手口のドアが開いただけだったらしい。
ドアを開けて入ってきたのは、黒くて小柄な人影だった。
「腹が減ったのか?もうちょっと待ってくれ、すぐ食事の支度をするからな。いいスープの素が手に入ったから・・・」
小柄な人影は、手に抱えていた野菜の入った籠を作業台に置くと、穏やかな様子で話しかけてきた。
ミュカレはしりもちをついたまま、目を丸くして、その人物を凝視していた。
鈴の音のような可憐な声が、ミュカレの耳を素通りして行った。
それは、美しい少女の姿をしていた。
身長はミュカレの胸の高さほどだろうか。黒く長い髪、白い肌に黒く輝く瞳。驚くほど整った容姿をしている。
布を幾重にも重ねたような、見慣れないデザインの黒い衣装をまとっている。身体の線は分かり難いが、華奢でしなやかであろうことが動作からうかがえた。
黒い少女は井戸で野菜を洗うと、ナイフで手際よく刻みながら翼を伸ばして鍋のふたを取った。
「うん、そろそろいいかな」
鍋の中身を覗き込んで、もう一方の翼で杓子を持つと鍋をかき混ぜ、中から白い塊を取り出した。
刻んだばかりの野菜を鍋に投入して、再びふたをする。
「あとはサラダと・・・飲み物はどうするかな。酒は置いてないけど・・・うん?どうした?」
黒い少女に話しかけられ、ミュカレはかすれる声を絞り出した。
「・・・黒の天使さま・・・」
その少女の背には、一対の黒い翼があった。
伝説の五色の天使、その一柱たる黒の天使。まさに伝説、そのままの姿だった。
「ああ、出しっぱなしにしてたな。これ便利なんだよ」
黒い天使は翼を伸ばすと、しりもちをついたままのミュカレをそっと包んでたたせてくれた。
翼はスルスルと縮んでいき、少女の背中に消えた。
「驚かせてしまったかな?まぁ気にするな。・・・って、その格好のままで出てきたのか。
寝床のそばに着替えを用意していたんだが・・・」
指摘されて、ミュカレは自分の装いを確認した。
最低限の下着の上に、薄手の肌着一枚。改めてみると、人前に出られる格好ではない。
思わず赤面するミュカレに、黒い少女は苦笑しながら寝室を示した。
「とりあえず、着替えてくるといい。食事の準備をしておくから」
† † † † †
「・・・これでいい、のかなぁ?」
用意されていたのは普通の、ありふれた村娘風の衣服だった。
ふわっとしたシャツとスカートで、似たような形の服はミュカレも普段着に持っているので、着方が分からないという事は無かった。
ただし、布の材質が全く違う。
見た目は普通の服なのに、見たことも無いような、きめ細かくてしなやかな生地。
しかも、目が覚めるような澄んだ青い色合い。
これは本来なら、上流階級のドレスを仕立てるような生地なんじゃないだろうか?
サイズはぴったりだった。肌着が露出するような事も無く、見た感じ、おかしいところも無い。
おかしくは無い、筈なのだが、こうした色合いはどうにも着慣れなくて、なんとなく気恥ずかしい。
見た目は一応普通なのに、明らかに彼女の人生で着た服のうち、一番上等で高価な服だろう。
「・・・よし、行こう」
とりあえず引っ掛けて破ったりしないように気を付けながら、再び寝室を出ようとして、はっと気付いて取って返し、また少しためらいつつスリッパに足を通した。
これまたふわふわしていた。踏み出す足もぎこちなく、ミュカレは寝室を出た。
改めて寝室を出ると、すでに食事の準備は整っていた。
黒衣の少女は配膳の済んだテーブルに着き、ミュカレを待っていた。今はその背中に翼は無い。
「やぁ、似合うじゃないか。着心地はどうかな?」
「は、はひっ、大変よよろしくてございますみたいでしてっ」
声が裏返ってしどろもどろになってしまった。
「はは、そんなにかしこまらなくていいよ。まぁまずは落ち着いて、食事にしようじゃないか」
黒衣の少女に促され、ミュカレもテーブルに着いた。
椅子とテーブルはミュカレにはやはり少し低かったので、足を少し横に流して座る。
「ああ、すまないな。ここに誰かを招くなんて考えなかったから、私に合わせたサイズなんだ。使いにくいだろう」
「い、いえ、大丈夫ですのでっ」
テーブルにはスープとサラダ、飲み物の瓶が並べられていた。
特に美味しそうな匂いがする具だくさんのスープに、ミュカレはごくりと唾を呑む。
「丸々一日も寝てたんだ、腹が減っただろう。さぁ、遠慮なく食べてくれ」
「は、はい」
促されるまま、ミュカレはスープを一匙すすった。
濃厚だがさっぱりした風味豊かな味が、ミュカレの舌を魅了する。
「!・・・すごい、おいしいです!」
黒い少女もスープを飲みながら、満足げにほほ笑んだ。
「ちょうどホップスパイダーの肉が手に入ったからね。乾燥させれば保存も効くし、いい出汁が取れるから稼ぎになるんだが、これを安定供給するには・・・」
夢中でスープを掻き込んでいたミュカレの手が、ぴたりと止まった。
「・・・え?ホップスパイダー、です、か?」
「そうだよ、森でお前さんを襲ってた奴。・・・あぁ、しまったな、パンを焼くのを忘れた!
こんな魔の森の奥では小麦粉が貴重でね、ここしばらくは節約して芋ばかり食ってたんだが、やっぱりパンが欲しいだろ?」
ミュカレの思考が停止した!
食欲が求めるままゆっくりともう一匙、二匙とスープをすすり、ミュカレは途惑いつつ問いかけた。
「あのう、天使さま、私って・・・死んだんですよ、ね?」
「うん?生きてるじゃないか。何言ってるんだ?」
その言葉がミュカレの頭に入ってくるまで、しばし時間を必要とした。
「えっ、でもだって、ケガとか・・・ふらふら、するし」
「どこかおかしいか?ケガなんかは治癒した筈だけど、頭とかぶつけた様子は別に無かったと思うぞ。
ふらふらするってそりゃあな、一昼夜眠り続けた訳だし、調子も崩すだろ」
「こ、ここ、ずごくきれいだし、ポンプあるし、ありえないくらいきれいで、まるで天上の世界で・・・」
「私の自慢の屋敷だよ。気兼ねなくのんびりしたくて魔の森の奥に作ったけど、お客を招くとは思ってなかったから、かなりこだわった作りにしちゃったんで、まぁ・・・ちょっと普通、ではないかもな。
気に入ってくれたなら嬉しいよ」
「・・・私、生きてるん、ですか?」
「もちろん。覚えてないのか?森で魔法を使っただろう。あれで気が付いて、私が助けたんだよ。
こんな森の中層に人が入ってくるとは思わなかった。単独踏破とは、なかなかやるじゃないか。
ちょっと危なかったみたいだけど」
魔の森の深部へと迷い込んで。絶体絶命の所まで追い詰められて。
気が付いたら、この世のものとは思えない不思議な場所にいて。
てっきり死んだのだと、思い込んで。もう帰れないのだと・・・。
でも、生きてた。助かったんだ。帰れるんだ!
急に、涙があふれ出した。思わず嗚咽が漏れる。堪え切れなくなって、声を上げて泣き出してしまう。
「お、おい!?どうした、なんで泣く?どこか痛いのか?料理がまずかったのか?」
泣きじゃくりながら、ミュカレは首を横に振った。
どうしよう、気持ちを伝えたいけれど、感情があふれて声にならない。
更に、生きていると分かった途端、どうしようもないくらい空腹を実感した。
涙が止められないまま、どうしようもなくなって、ミュカレは泣きながらスープをすすった。
「おいおい・・・まぁ、食べられるならいいか。腹が減ってるとろくなこと考えないもんだしな。
遠慮は要らん、おかわりいっぱいあるからな、落ち着いて食べるといいよ」
ミュカレは泣きながら、空になったスープ皿を差し出した。
長くなったのでこの章分けよう、と。ノープランだねぇ我ながら。
プロット甘くて今回分3回くらい書き直してるんだけっども。
無駄な描写ばっかりでお話進んでないのよね。
いやこのお話は描写丁寧にやってみようという自己目標なんだけれども。
まったく、お着換えのシーンで2000文字とかって描写要らないよねっ。
そこはすっぱり短くしてみたり。まだ甘いかっ。