2/4
少女幻想
女はいくつになっても若く美しく
MDやカセットテープはそろそろ幻想入りを果たす頃でしょうか
「~♪~♪~♪」
八雲紫は縁に腰掛けて上機嫌に鼻歌を歌っていた。随分とアップテンポな曲らしく、それに合わせて足をぱたぱたと揺らしている。
「上機嫌ですね。何か良い事でも有りましたか?」
八雲藍は洗濯物を干す為に、カゴを抱えたまま草履に足を通した。
「この歌に会えた事が素晴らしいのよ。早くCDを幻想入りさせたいわね」
「そんな事してもイタチごっこになるだけですよ? 河童に小型のレコードを作らせた方が早いですね」
「藍のケチ~」
「使役者の顔を拝見してみたいものですね」
少女はさっきの曲をまた口ずさみ始めた。爽やかな風の吹く、よく晴れた昼下がりの縁に腰を掛けて。