僕にとってのハッピーエンド。
僕が幸せになる物語。
僕は人の為に何かをするのが好きだった。
例えパシリとか呼ばれても、何かをしてあげれる事が嬉しかった。
だって、僕が何かをすると。皆が喜んだし笑ってくれた。だから僕は人の為に何かをするのが好きだった。
あの時もそう思ってた。
異世界にとある高校の2年全員が召喚された。その中には僕も居た。
召喚したのは女神と名乗る綺麗な女性。
何も無い真っ白な空間に浮かび、僕達を見降ろす女神。
女神は言った。
「今からアナタ方に力を授けます、その力を使って魔王から異世界を救って欲しい」
僕は女神様の為に頑張ろうと思った、だって困っている様だったんだ。
皆、力を貰い異世界にワープした。
ワープする先は何人かは一緒だが、基本はバラバラの様だ。
一緒に居た、違うクラスの男女合わせて4人と一緒に力を確認する事になった。
ステータスと言うと自分の能力を見れるらしい。
僕が女神様に貰った力は、上限突破だった。説明を見るとどうやら全ての上限が無くなるらしい。
普通の人はLv100までしか上がらないそうだ。
この力があれば皆を助けれると思った、幸い僕の身体は皆の為に色々やって来たので。ステータスの基本値がとても高かった。
なので最初に一緒だった4人を守りながら、他の人達を探して合流する事にした。
4人を守りながら魔物と戦った、御蔭で僕のLvはドンドン上がって行った。
どうやら上限突破は、あらゆる上限を突破する様だ。例えば魔物を倒して得られる経験値も上限が突破して凄まじく増える様だ。
ドンドンLvを上げながら、高校の人達を集めて行った。
探す途中で死んでしまった人も居て、悲しかったが仕方が無い。僕がもっと強くなれば良いのだ。
そうして高校の人達を集めている内に、異世界の国の王様達とも仲良くなった。
王様達から勇者と呼ばれ、崇められる様になった。
それと同時に高校の人達は、僕を見る目が怖くなって来た。
何故だろう?、幼馴染や高校の友人達も少し僕を見る目が変わって来た様に思う。
そんな時に、僕は国の王女様に告白された。とても嬉しくて直ぐに受けた。
王女様は綺麗で優しかった、僕も好きになっていた。
ある日、奈落と言うダンジョンに高校の皆で行く事になった。
皆のLvを上げる為らしい、僕が頑張って守れない事もある。その意見には賛成だったので僕も護衛として行く事にした。
王女様に気を付けて行って来て下さいと言われた。
それに大丈夫ですと答えた。
奈落に着き、皆でダンジョンに挑む。この奈落はまだ最下層に達した人が居ないそうだ。
ダンジョンの途中で、とても強い魔物が出て来た。
今の僕でも、倒せるかどうか分からない程に強い魔物だった。
「僕が殿を務めます、皆は逃げて!」
そう言うと、皆が一斉に地上に戻る上に続く階段まで戻り。僕と魔物の戦いを見つめている。
魔物はとても強く、ダンジョンの床がドンド壊れて行く。それでも何とか魔物を倒して皆の所に行くと。
僕を化け物でも見る様な目で見て来る、そしてその内の1人が僕を今にも壊れそうな床の上に押した。
床が抜け、僕は奈落の底に落ちて行く。その時見た皆の顔は安堵だった。
何とか下に落ちても生きて居た、だがダメージは大きい様だ。
暫く休憩して、身体を休める。
やっと動ける様になった、そして考える。
何で僕は殺されそうになったんだ?、ただ皆を助けただけなのに。
考えても分からないので、奈落から脱出する為に道を探した。
下に続く階段しかなく、2日程そこで救援が来ないか待ってみたが誰も来なかった、仕方なく奈落の底に外に出る事が出来る物があると信じ
てドンドン階段を下りる。
あれから3年、やっと奈落の底に着き外に出る事が出来た。
奈落は酷かった、食べる物が無い時は泥水や虫に魔物を食べた。
何度も死にかけた、その度に思うのは、何故僕がこんな目に遭わなければいけないのかだった。
ただ皆を助けてただけなのに、憎い皆が憎い。何で誰も助けに来てくれなかったんだ。
僕はちゃんと皆を守る為に頑張ったのに。
何とかこの憎しみを抑え込み、皆の所に戻ろうと思った。
もしかしたら、2日後には僕を助けに来てくれていたかもしれないし。
信じよう皆を。
そして、以前お世話になっていた。恋人である王女の居る国に向かった。
その道中で、なんと幼馴染と再会した。
驚いた後に、慌てながら言われた。
「良く生きてたわ。皆に知らせなきゃね、こっちに来て」
「うん」
案内されたのは、粗末な小屋だった。
「ここで待ってて、皆を呼んで来るから」
「分かった、僕は疲れたから少し寝るね」
「ええ、寝てて」
良かった、皆は無事な様だ。やっぱり事故だったんだ、あの後きっと僕を探してくれたんだろう。
安心して、少し寝てしまった。
何かが燃える音がして、起きてしまった。
周りを見ると、小屋が燃えていた。
慌てて小屋から出ると、剣で斬り掛かられた。
その剣を素手で防ぎ周りを見る。
クラスメート達と幼馴染が居た。
「何をするんだ!」
「うるさい!、何で生きてるの化け物!」
そう幼馴染に言われた。
「この化け物め!、死ね」
「お前なんか居なくても、もう俺達で魔王は倒したんだ!」
「化け物はもう要らない!、俺達は此処で平和に暮らしたいんだ!」
皆から、攻撃され罵られ。
僕は悟った、ああ、僕は裏切られたのかと。
あれほど、皆の為に頑張ったのに。僕は裏切られたのだ。
そう思った瞬間、斬り掛かって来たクラスメートの頭を握り潰した。
「ひいいぃぃい!」
「化け物だ!」
煩いな、死ね。
どんどんクラスメート達を殺していく。
最後に幼馴染が残った。
「ひっ!、止めてよ。本当はこんな事したくなかったのよ」
「アナタは皆を助けてくれたのに、こんな事をして良い筈ないわよね!」
「私と2人で皆を説得しよう!」
殺した。
「調子の良い奴だな、なんだよこんな奴らを僕は助けてたのかよ」
それから、僕は出会う生物を殺して行った。
お世話になっていた国に着いた。
城下町で話しを聞くと、王女は魔王を倒し世界を救った勇者と結婚したらしい。
「ハッ、アイツもただのビッチかよ」
「もう良いや、全部殺そう」
人々を殺しながら城に入り兵士達も全て残らず殺していく、王座で僕を奈落に突き落とした奴と再会した。
どうやらコイツが、王女の結婚相手の勇者だった様だ。
王女も居た、僕を見て泣いている。
「ご無事でしたのですね、死んだと彼に聞かされていました」
「ああ、一応無事だったよ。何度も死にかけたけどね」
「良かった・・・本当に良かった」
僕を突き落とした奴が死んだと嘘を言ったらしい、いや奈落に落ちたのだあながち嘘でもないか。
「ちなみに言うと、僕が奈落に落ちたのはソイツが僕を突き落としたんだよ?」
「!」
「嘘を言うな!、信じるなよ!。俺は勇者だぞ!お前の夫だぞ!」
「元より、私は貴方を愛してなどおりません!」
「お父様に言われて結婚しただけです!」
「私が愛して居るのは、彼だけです」
そう言って僕に抱きつく王女。
「クソが!」
「もう煩いな、死ねよ」
勇者の首を千切って殺した。
「何を!」
「何って復讐だよ?」
「ですが、こんな事をすれば国に追われます!」
「安心して良いよ、もう君以外は誰も生きて無いから」
「な・・・なにを言って居るのですか?」
「全員殺した」
「そんな・・・いえ・・・私達が悪いのでしょう」
「本当に、ごめんなさい」
「でも、私は貴方以外を愛した事などありません」
「それは、信じて欲しいのです」
「うん、信じるよ」
「良かった、でしたら私を連れて行って下さい」
「貴方がどんなに変わられようと、私は貴方を愛しています」
「絶対に貴方を裏切ったりはしません!」
そう言った王女を殺した。
何故かって?、僕以外は愛して無いのは信じても裏切らないとか信じれる訳ないよね?。
良くドラマとか漫画とかアニメとか小説とかで、裏切られた主人公が裏切った奴を許したり助けたりするけど。
あんなの在り得ないよね、そんな簡単に信じたり出来るなら、それは特に絶望とかしてないんじゃない?
ちゃんちゃらおかしいよ、一度絶望したり人が変わった人間はもう元には戻らないよ普通は、許したり出来るのはその程度の憎しみしかな
いんでしょ。
あんなのフィクションの中だけだよ。現実で一度変わった人間はもう元には戻らない。
人はそんな簡単には変われない。
僕が奈落で絶望し憎しみを覚え幼馴染とクラスメートに裏切られて変わった様に、それ程の経験をしないと人は変われない。
更にそうやって、変わった人間がもう一度変わるとか不可能でしょ?。
僕はそう思う。
さて、残りも殺して僕の幸せを掴もう。
そして、僕は世界を殺して回った。男も女も子供も老人も青年も少女も少年も幼女も犬も猫も鳥も虫も魔物も生きている物全てを殺して回
った。
全ての生物を殺した、この世界にはもう生きてる物は居ないだろう。
そんな風に思った時、僕はまた真っ白な空間に居た。
「貴方は何て事をしたのですか!!!」
怒った女神が居た。
「私の愛する世界になんて事を!!!」
煩かったので女神も殺した。
そして、気が付くと元の場所に居た。
「やっと・・・・1人になれた・・・・」
「これで、僕は誰にも裏切られる事は無い」
「これで僕は幸せだ」
そう言った青年は、本当に幸せそうに満面の笑みをしていた。