ハマナス
真面目の反動
「浜茄子のハマハマナスの浜茄子よー」
「なに言ってんの」
「ここじゃ食べたいものを言うのも禁止されてるのかよ!ジンケンシンガイだ!」
「いやなんも悪いって言ってないんだけど」
「チガイホウケンだ!」
「何?」
「シノウコウショウま゛っ!」
「どう発音すんのそれ」
「酒食らって寝てるおっさんのいびきをかわいくしたような、愛しさと切なさとポリフェノールみたいな発音」
「ま」
「もっと切なく!」
「ま゜」
「もっとまろやかに!」
「ま`」
「惜しい!コクをブレンドして!」
「ま゜!」
「よく出来ました!」
「いやどっちかっていうと、煮られ過ぎた味噌煮込みうどんにブドウ入れたような感じじゃないかこれ?」
「誰のティクビが干しぶどうだよ!」
「言ってねぇー」
「なに?俺が貴腐ワインだっていいたいの?高級品だって、そう、言ってくれるの?」
「なんで顔赤らめるの」
「でも私、あなたのハウスワインになりたい」
「薄い」
「飲みやすいの!」
「お前の言うことはことごとく飲み込めないな」
「よく噛めよ」
「いい味になるとは思えないからなァ」
「なるなる。じゃあ好きな言葉言っていこうよ。似てたら似てるんじゃないかな僕ら!」
「良く分かんないけど。
えーとじゃあ、ハスミ」
「ハマチ」
「キリル」
「キハダ」
「イヌ」
「イカ」
「クラス」
「クラゲ」
「オイコラ」
「ほら近い!凄く似てる!」
「うるせぇ海臭いんだよ!」
「じゃあ油あげる。たっぷり使って。」
「え。いやごめん。意味分かんない」
「噛み合わないから足りないのかなぁと思って」
「会話は歯車じゃないからさ」
「機械油じゃダメかー」
「そこじゃない。聞け」
「なんでそんなことするの?」
「ごめん俺の話聞いて」
「うわー気になるー。話してほしーなー」
「君バカなの」
「僕は散乃って芸名で売れって言われますよ」
「良く分かった」
「何が分かったっていうのよ!あなたに何が!」
「いやまぁ由来というか」
「私のルーツを知るというのか貴様」
「そこそこ有名人だろ」
「消すしか無いようだな」
「何を」
「ダァクマタァー…」
「うわーブラックホールがー」
「ワハハワハハ!」
-完-
キタキタキタァー(筋肉痛のごとく