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裏庭ダンジョン~ブラック企業で燃え尽きて世捨て人になったおっさんは先行者利益で無双する~  作者: 笑パイ
第1章 獣人生誕

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第21話 天使降臨

 奥に進むと内部は開けていた。中央に一番大きなホールがある。幅15メートル、奥行き20メートル、高さは5メートルといったところか。


 幅2メートルほどの狭い通路を介して、2つの部屋がある。2つともホールの半分ぐらいのサイズで1つは礼拝堂のようだ。祭壇があり人型の女神が祀られている。7階で見た女神像とすこし似ているが、造りがかなり大雑把なので同じものかどうかはわからない。


 もう1つの部屋は寝室らしいが、ベッド等はなく床に枯れ草が敷き詰められていた。


 宝箱は2つあった。ホールの宝箱からはポーション詰め合わせ。アイアンボアの部屋で入手したものと同じだ。階層と敵の強さを考えればハズレだろう。


「ギィエーッ!」

 礼拝室の宝箱を攻撃すると甲高い叫び声をあげてミミックが現れた。箱型の頭に短い胴体と長い手足が加わっている。


「ミミックキター!」

 不気味な容姿はほぼ想定どおりなので、それほど驚かない。由緒正しい古き良きミミックといった感じのミミックだ。レベルは24。『天魔のハルバード』を思いっきり突きたてたので、いきなり満身創痍の状態のようだ。


 アヤさんが【咆哮】で動きを止めたところを【五月雨突き】でサクッと倒す。ミミックが「ハズレ券」をドロップしたので、これで9枚になった。あと少し!


 そろそろ晩飯を食べて休もう。そう思った刹那、オークたちがリスポーンした。


「あれ、なんで?」


 よくよく考えてみれば、ここの入り口は隠し扉ではないのでアイアンボアの部屋とは違い、外に出なくてもリスポーンするのだった。


 オーク・プリーストとソルジャー8体は出現すると同時にひざまずいて祭壇に向かって一心不乱で祈り始める。背後から情け容赦無い【戦独楽いくさこま】を放って一団を殲滅した。


 隣のホールでアヤさんが暴れている音が聞こえてくる。俺は即座に部屋からホールへと向かった。ホールの中にはオークの死体が4つ転がっているが、アヤさんも少し怪我をしている。どうやら麻痺攻撃を受けたようで、固まっているところをオークオフィサーに襲われそうになっている。


「キュア!」

 即座に状態異常回復魔法を彼女に掛け、続いて回復魔法と攻撃力上昇のバフを掛けた。


 残っていた敵をふたりで片付けたところに、異変を察したオークガード2名が入り口から駆けつけてくる。


「1体は殺さずに残そう」

「にゃーぉ(あいよ)」


 麻痺には驚いたが、レベルが上っていたし補助魔法も使った。なによりも再戦ということで彼らのあしらい方に馴れていたので、割と楽に殲滅できた。麻痺矢が床にドロップしていたので、オーク・アーチャーが持っていたのだろう。


 晩飯はカニカマとワニ肉とオーク肉だ。ワニ肉はあっさりとしていて意外と美味かった。オーク肉のほうは食べれないわけじゃないが、ちょっと筋張っていてそれほど旨くはない。


 精力増強の効果があるらしく、食べた後は体のとある部位が元気になりすぎて困った。相手がいなければ意味はない。やはりTEMGAも持ってきたほうが良かったのか……。


 礼拝室の宝箱はまたミミックだったので、さくっと倒す。ついに「ハズレ券」が10枚になった。感無量である。


「さてと……ついに10枚揃ったな」

 俺は10枚のハズレ券を床に並べてみた。


 どうやって使うんだろう? 

 そう思っていると、ハズレ券10枚が輝きだし宙に浮かび、部屋中がまばゆい光で包まれる。あまりの眩しさに俺は思わず目を閉じた。


「!?」


 目を開くと翼を生やした長身の美女が宙に浮いている。

 肌も髪も翼も純白で神々しいが、黒い布で目を隠していた。

 古代ギリシャ風の服を着ているが、露出度が高く豊満な乳房が半分以上あらわになっている。間違いない。地下7階で見た女神像のモデルだ。


「ハズレは当たり、アタリも当たり。幸運の理天使りてんしラクスティーケだぞ。良くぞハズレ券を10枚揃えた。褒めてつかわす」


 天使が口を開くと、凄まじいまでの神気が洞窟の空気を満たした。大事な商談の前のピリピリとした緊張感と初恋の頃のドキドキを同時に味わっているような不思議な感覚だ。どうやらかなり上位の存在がやってきてしまったようだ。


「ははーっ、ありがたきお言葉!」

 俺は土下座して礼拝した。


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