「はわく」
箒は「はわく」物です。
「はく」は嘔吐を連想し、感染症に由来する可能性があるため不用意に子どもが近づいてはいけないものという事情から
言いにくいです。
言わない方が良い言葉のような気がしてしまいます。
「はいて。」
それは「吐いて(戻して、嘔吐して)。」と言っているように聞こえないか?とずっと思っておりました。
「はわいて。」
なら混合しようがないのですもの。
分かりますよ。文脈判断ですよね。
それでも、印象ってあるじゃないですか。
違和感もそうですし、終止形の「はく」を知っていても
「掃かないの?」
「先に掃こう。」
「私が掃きます。」
「まだ掃いてない。」
「掃く人は足りているか?」
「一旦、箒で掃けば?」
……自分が言わないだけでなく、聞いて反応できない可能性があります。
小学校で、「はわい」ていたんだもの。
それこそ、家庭では箒と雑巾ではなく掃除機かフローリングモップを使うのなら掃きませんから、地域色の強い「はわく」から掃くに移行しないのだと思います。
さらに言えば、掃くと読めてしまいますから、『はわく』と入力して『掃』の漢字変換を探しているのに全然出てこないなんてこともあるかもしれません。
「はわく」も「はく」もカ行五段活用ですから、送り仮名が「く」だけなら「掃」で「はわ」までか〜と思ってしまえば、誤解に気づきにくいでしょう。
「はわく」の根強さはそのくらいあると思います。
1人の方言話者より
箒は「はわく」のに使うものです。
「掃く」に関しては、そう仰る方がいらっしゃるという知識があれば、目の前で
「吐いているみたいじゃない?」
と言いそうになるのは飲み込めますが、自分が言うのは憚られるかもしれません。
ただ、
「小学生が漢字のテストで掃( )くの読み方を聞かれて、(はわ)と答えた。」
なんてエピソードがあったとしたら、私は残念ながら丸はあげられないけれど、方言を継承してくれたことを温かく笑って、喜んでみせてあげたいと思います。
そこは、丸をあげない方が「方言話者のままで」ひいては「その子のままで」上手に生きていける糧になる気がいたしました。




