第80話 迷宮の家5
お座敷様の言葉に迷路の家の付近住人は避難を開始する。
住民は市に対策を求め、県は国に対策を求める。
国は自衛隊の派遣を決定する。
10名の兵が迷路の家に入る。
10名の兵は連携を保ちつつ家の中を探っていく。
お座敷様は、神出鬼没で兵を1人づつ仕留めていく。
兵はお座敷様の動きに対応できない。
1時間ほどで全滅してしまう。
軍隊がお座敷様に負けたのである。
避難した住民に絶望感が広がる。
国でも対応に苦慮する。
そんな時、清純を名乗る霊能者が名乗りを上げる。
彼は市と交渉し高額な成功報酬の約束を取り付ける。
彼は迷路の家の中に入って行く。
彼にはカメラマンが1人ついている。
テレビ局が取材料を払ってカメラマンをつけたのである。
清純は、家の中をある程度進むと立ち止まる
彼は、声を張り上げる
「いい加減で出来たらどうだ。いるのは分かっているぞ。」
「大声で言わなくても聞こえますよ。」
彼の前にお座敷様が現れる。
お座敷様は手刀で清純の首を狩りに行く。
彼がお座敷様を睨むとお座敷様ははじかれる。
彼は清純に言う
「気ですか、これまでの方たちとは違うようですね。」
「軽口を叩けるのは今のうちだぞ。」
清純は集中して気を右手に集め、お座敷様に放つ。
お座敷様は壁の中に吸い込まれるように消える。
「逃げたか。」
清純が独り言を言うと背後からお座敷様が現れ、手刀を振るう。
彼は気配に気づき避けるが背中を切られる。
お座敷様は壁の中に逃げ込むと気配が周囲に散らばり、位置が分からなくなる。
清純は次にお座敷様が出てくるのを待ち構える。
彼は右手に気を集める。
勘を研ぎ澄まし、待ち続ける。
彼は動く、体をひねり、左斜め後ろに右手を突き出す。
そこへお座敷様が出てくる。
清純の右手はお座敷様の腹に吸い込まれ、直接、気を撃ち込む。
お座敷様は手刀を清純の胸に突き入れる。
彼は清純の気に消えることなく反撃したのである。
彼は、清純に言う
「危ない人ですね。死にかけましたよ。」
そういうとカメラマンを始末し立ち去る。
清純は一歩、お座敷様に届かなかったのである。




