第45話 鬼退治2
深夜、日付が変わってしばらくしたころ沙衣はポリタンクの水を使って陣を張る。
沙衣は美湖に言う
「なるべくこの中から援護してね。」
「分かったわ。」
美湖は自分が守られているような気がする。
2時頃になると異様な気配を感じる。
沙衣は水の刀と盾を作り出す。
わら人形が打ち付けてある松の木から何かが落ちてくる。
それは着地すると立ち上がる。
大きさは普通の大人より二回りは大きい。
肌は赤く、頭に2本の角が生えている。
沙衣は陣から飛び出し赤鬼に切りつけるが鬼は避ける。
鬼の身のこなしが軽い。
美湖が手をかざして陽の光を鬼の顔に当てる。
赤鬼に隙ができる。
沙衣は水の盾をたたきつけ盾からとげを生えさせるが、鬼は盾から離れて回避する。
沙衣と赤鬼の戦いは陣から離れていく。
美湖は陣から離れ、陽の光を赤鬼の顔に当てようとする。
赤鬼は標的を沙衣から美湖に替える。
すばしっこい沙衣より陽の光で邪魔をする美湖を先につぶそうというのである。
赤鬼は素早く沙衣から離れると美湖に迫る。
美湖は逃げようとするが、赤鬼の右腕で跳ね飛ばされる。
木にぶつかり地面に落ちた美湖は動かない。
沙衣は怒り、周囲に霧が立ち込め始める。
だんだん霧は濃くなる。
赤鬼に水の刃がどこからか飛んできて皮膚を切り裂く。
赤鬼に沙衣は歩いて近づいていく
「よくも美湖をやってくれたわね。」
沙衣はの怒りの表情に赤鬼は笑う。
彼女はトンと地面を踏み鳴らす。
赤鬼の下から水のとげが飛び出て、鬼を串刺しにする。
彼女は水の刀で赤鬼の首をはねる。
沙衣は美湖に駆け寄ると美湖にはまだ息がある。
彼女は稲荷の使いからもらった勾玉に美湖が回復するように願いを込める。
すると美湖は気が付く
「私、どうしてた。」
「死にかけてたわよ。」
沙衣は美湖にホッとして言う
「どうして助かったの。」
「使いがくれた勾玉のおかげよ。」
「そういえば報酬。」
「今日は帰りましょ。」
命の次に報酬が大事な美湖にあきれて沙衣は言う。
家に帰ると2人の机の上には小判が1枚置いてある。
使えないお金に2人はがっかりする。




