第43話 丑の刻参り
浜田稲荷の松林の中で、深夜2時頃、白装束の女がわら人形を木にくぎで打ちつけている。
女は毎晩、浜田稲荷に来てはわら人形にくぎを打ち付ける。
女は自分を捨てた男に対する恨みの念を込めて撃ち続ける。
7日目の深夜2時、わら人形に7本目の釘を打ち付けている。
すると空間が裂けるように開き、中から赤鬼が出てくる。
女は自分の願いがかなったと思う
「あの男を食い殺して。」
女は赤鬼に言う。
赤鬼は、女を見ると、右腕を掴み引きちぎる。
「ぎゃああぁぁ」
彼女は叫び声を上げるが誰も助ける者はいない。
赤鬼は女を食べると元居た場所に戻ろうとするが、開いてきた空間の裂け目は消えている。
この日から浪江市では行方不明者が増え始める。
浜田稲荷の松林は、結界になっているのだが、この赤鬼には効いていない。
中野沙衣は夕食後、自分の部屋で明日の授業の予習をしている。
彼女は、祓い屋をしていても学生として頑張っている。
彼女の部屋に突然、着物姿の美女が現れる。
それは人間でないことを彼女は知っている
「浜田稲荷の使い様が何か用ですか。」
「明日、もう一人を連れて来ておくれ。」
稲荷の使いは姿を消す。
沙衣は五條美湖にスマホで連絡する
「今、浜田稲荷の使いが来たよ。」
「何の用だった。」
「明日、稲荷に来るように言っていた。」
「分かった。」
美湖は了承する。
彼女は、離れで母親の美月に呪いを学んでいるところだった。
美月は美湖に聞く
「何かありましたか。」
「沙衣の所に稲荷の使いが現れたそうです。」
「どんな要件ですか。」
「明日、浜田稲荷に来てほしいそうです。」
「そうですか、依頼を受けるなら報酬をもらうのですよ。」
母美月はお金に厳しかった。




