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第21話 海水浴2

 紗衣と美湖は、ディレクターと打ち合わせをする。

 内容は簡単である。

 2人が海辺で遊び、襲ってきた化け物を退治するというものである。

 テレビ局が用意した水着は紺のスクール水着のようだが、高校の物より露出が多い。

 紗衣は美湖に言う

 「この水着、いかがわしくない。」

 「視聴者サービスでしょ。」

美湖は答える。

 取材当日、西之浜は人がまばらで貸し切りに近い状態である。

 沙衣と美湖は、テレビ局の用意した衣服と仮面で登場すると

 「私たちこれから水着になります。」

と言ってカメラに手を振る。

 そして海の家で水着に着替える。

 2人はカメラに

 「私たちの水着姿どうですかー」

と言いながら海に走っていく。

 そして海に入り、遊び始める。

 カメラの収音マイクに声が入らないように紗衣が

 「あほらしい。」

 「かまん。がまん。」

美湖が呪文を唱える。

 2人は海で遊び続けるが大きな手の化け物は出てこない。

 沙衣は気配を探っているが異常はない。

 2人は疲れて海に上がる。

 アシスタントが飲み物を持ってくる。

 ディレクターが2人に話しかける

 「どうですか。」

 「今のところ、化け物はいないわ。」

沙衣は言う。

 2人につられてか、海の中で遊ぶ人が出てくる。

 沙衣と美湖は、休憩しながら海を見ている。

 しばらくすると、2人は突然立ち上がり、海の中にいるアベックに向かって走り出す。

 カメラマンが2人を追う。

 沙衣と美湖には、海の中に霊団を見つけたのだ、霊団はアベックに近づいている。

 美湖がアベックに叫ぶ

 「海から上がりなさい。」

アベックは2人に気づき怪訝(けげん)な表情をする。

 水着に仮面をつけた2人組が叫びながら近づいてくるのだ。

 怪しさいっぱいである。

 アベックの男の方が霊団に捕まり水中に引きずり込まれる。

 沙衣と美湖は海に入ると紗衣が美湖を掴んで水中を進む。

 沙衣は水をコントロールして水中を勢い良く進む。

 霊団に追いつくと2人は手をかざし陽の光を霊団に当て焼いていく。

 霊団が男を放すと美湖が男を引っ張り上げる、

 沙衣は海中に無数の水の刃を作り霊団を切り刻む。

 霊団は、刻まれながら霧散する。

 カメラは男が何かに引きずり込まれるところを撮ることはできたが、化け物を退治するところは取り損ねる。

 沙衣の水中を移動する速度が速すぎたのだ。


 2人は取材に失敗したと思ったが、ディレクターは上機嫌である。

 1週間後、2人が出演するオカルト番組が放送される。

 番組の内容は、ほとんどが2人の水着姿で占められていた。

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