第2話 ヘビのあざ
中野沙衣は東海北高校1年1組の生徒である。
彼女がオカルトがらみの件に詳しいことは知れている。
クラスメイトの掛橋咲子が沙衣に相談を持ち掛ける。
咲子は沙衣に言う
「あなた呪いとかに詳しいの。」
「専門じゃないけど何かあったの。」
咲子は右足のソックスを脱ぐ。
足に親指からふくらはぎにかけてヘビのようなあざが伸びている
「このアザだんだん上に伸びているのよ。」
「2組の五條美湖に見せましょ。」
「2組にはいきたくないわ。」
「どうして。」
「先週2組の男子をふったの、そしたら怖い顔で呪ってやるって言っていたの。」
「分かったわ。」
沙衣は2組に行って美湖を連れてくる。
美湖がアザを見ると
「これはヘビを使った呪いよ。」
「ヘビ。」
「そうよ、アザが首まで伸びるとあなた死ぬわよ。」
「何とかできる。」
「できるわよ。」
「何とかしてよ。」
「依頼料払ってね。」
咲子は唖然とする依頼料は高校生に払える額ではなかった。
彼女は両親に相談することになる。
その夜、咲子の父親から五條家に電話がある。
「掛橋と申しますが、咲子の件で電話をしたのですが。」
「美湖の母の美月と申します、咲子さんの件は聞いています。」
「呪いを祓うのに現金を要求されたのですが少し高額なのでどうしたものかと思いまして。」
「相場よりかなり安いですよ。」
「そうなのですか。」
「わたくし共に依頼されてもいいと思いますが依頼料は高いですよ。」
「高校生で大丈夫でしようか。」
「はい、若いだけで腕は確かですよ。」
「分かりました、娘さんに依頼料は私が出すと伝えてください。」
「はい、伝えておきます。」
沙衣と美湖は依頼を受けることになる。
2人は、携帯で連絡を取り合う
「依頼料、払ってもらえることになったよ。」
「なら、明日、放課後にやる。」
「準備しておく。」
翌日の放課後、沙衣と美湖は咲子とともに下校する。
咲子の家に着くと両親が待っている。
父親が言う
「本当に君たちで呪いを祓うのか。」
「ええ、呪詛返しをします。」
美湖が答える。
3人は咲子の部屋へ行く。
美湖は咲子に聞く
「呪いの心当たりはあるの。」
「ええ、先週、1年2組の男子に告白されたけどふったの、そしたら怖い顔で呪ってやると言われたわ。」
「分かったわ。」
咲子の答えに美湖はカバンから出した紙を広げる。
紙には円が描かれており、円の中に文字のような模様が描かれている。
沙衣は美湖に
「陣を描くんじゃないの。」
「このほうが早いわよ。」
「手抜きのような気もするけど。」
「これ昨日、描いたものよ。」
2人のやり取りに咲子は不安になる。
美湖は紙に描かれた陣に気を流す。
そして、彼女は指さして
「あちらに10メートル位いったところにあるわ。」
と言う。
3人は庭に出ると垣根の根元に土を掘り返した跡がある。
父親が掘り返すと切り刻まれたヘビの死体が出てくる。
彼は驚き、思わず言う
「本当に出てきた。」
「これを荼毘にふせば呪いを祓えるわ。」
父親は言われる通り、ヘビの死体を荼毘にふす。
父親が質問する
「呪詛返しと言っていたが呪いは消えたんじゃないのか。」
「呪いは消えず、呪いをかけた者に帰っていきます。」
美湖は答える。
翌日、1年2組の男子生徒が1人学校を休む。
彼は1か月学校を休んだ後、死んだことが伝えられる。






