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第11話 プールの妖怪1

 6月に入りプールの授業が始まる。

 プールの授業は男子と女子に分けられ1組と2組は合同の授業となる。

 今日は1年の1組と2組の女子の初めての水泳授業である。

 中野沙衣と五條美湖はプールを見ると先生に体調が悪いと申し出て見学する。

 2人は授業後、生徒指導の谷山に会いに行く。

 沙衣は谷山にいう

 「プールの中に妖怪のようなものがいます。」

 「お前たちが幽霊とか見えるのはわかるが妖怪か。」

 「はい、巨大な触手の塊のようなものが水中にいます。」

 「まだ、害があるかわからないだろう。」

 「そうですが、何かあってからでは遅いと思います。」

 「分かった、明日、職員の朝会で話してみる。」

 「お願いします。」

2人は谷山にお願いする。

 彼女らは生徒の心配より小遣い稼ぎのネタとして谷山に報告したのだ。

 その日は6月としても暑さの厳しい夜が訪れる。

 高校のプールに若者が4人、暑さをしのぐため忍び込みプールで遊び始める。

 4人がプールの中で泳ぎながら遊んでいると1人水の中に引きずり込まれる。

 3人は気づかない。

 また、1人水の中に引きずり込まれる。

 残った2人は異変に気付くがすでに遅くプールから出ようとするが足を引っ張られ水の中へ引きずり込まれる。

 夜の高校のプールは静けさを取り戻す。

 次の日の朝、プールに来た水泳部員が異変に気付く。

 プールの水が赤く染まり生臭いにおいがしている。

 部員は先生に連絡し、学校から警察に連絡が行く。

 プールは捜査が終わるまで使用禁止になる。

 そして、プールの水に人間の血が混じっていることがわかる。

 警察はプールの付近を捜索するが脱ぎ捨てられた衣類発見しただけである。

 谷山は沙衣と美湖を生徒指導室に呼び出す。

 彼は2人に聞く

 「これは言っていた妖怪のせいか。」

 「おそらくそう思います。」

 「水を入れ替えればいなくなるか。」

 「分かりませんが排水口に入る大きさではありませんよ。」

 「そうか。」

谷山は考え込む。


 1週間後、警察の捜査が終わり、プールの水が入れ替えられる。

 谷山は沙衣と美湖を連れてプールへ行く。

 プールの水の中には変わらず触手も大きな塊がいる。

 沙衣は谷山に言う

 「先生、まだいます。」

 「いるのか。」

美湖が返事をする

 「はい、います。」

 「分かった、五條、親御さんに退治を依頼したいと伝えてくれ。」

 「分かりました。」

美湖は元気に返事をする。

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