未知への疾走
心拍数。
上がる。レーシングスーツはスパルコの赤。
エンジンを。
かけてくれ。
行かねばならぬ。ただ、未知への疾走。
優しくなりたい。
サーキットで踏んでいった、15の俺。
走る、俺。つまづいてばかりだったけど。
夕暮れの北高。自転車置き場で。。。。
「レース、どないや」
「全然、あかんわ。追いつけへん」
「まあ、そない言わんと。ぼちぼちな」
「そうやな。ぼちぼちな」
授業中、教科書にセナが乗る、
マクラーレンHONDAを落書き、マルボロカラー。。。。
疾走。景色が溶ける道を15の俺は選んだ。
白。赤。青。ヘルメット。
友の言葉。ぼちぼち。を思い出す。
コースイン。
。
。
。最下位。。。。
俺は。
俺は。
晴れのち雨の、1992。夏のレース。
ピットでスプライトを飲んで、エンジンをかける。
コースイン。。
。
。
。
。予選、最下位。
。
俺、速く、走れない。
。
。決勝、クラッシュ、、、リタイヤ。リタイヤ
。。。
。
泣けた。負けた。
月曜日。新しい学ランを着る。自転車にまたがる。
北高へと走る。
サーキットに、さらば。もう、走れない。
エンジン音、さらば。
「俺、レース、辞めるわ」
「そうか。新しい、学ラン、買ったんか。いつもとちゃうから」
「そうそう、アメリカ屋で学ラン、半額セールやったから、4000ちょいで買ってきた」
夢って、時に辛い。夢見るって、本当に辛い。表彰台にも上がれなかった。
疾走。
疾走。
疾走。
友の言葉に感謝。授業中。俺は負けを認めた。
今となれば。。
走ったこと。走れたこと。
。
。
未知への疾走。テレビには、アイルトンセナ。
走る意味。
走った意味。
いまだに答えは出ない。
未知への疾走。
道なき道を行く者達に心からエールを。




