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デキるメイド=ポンコツメイド説

「う…ここは…?」


眠りから覚めるような感覚を覚え四季は目を開ける


「…うん、無事にダイブ出来たみたいだ」


辺りをキョロキョロと見渡し、自分がFWOにダイブしたことを確認する


「さて、と…攻略サイトに書いてあった情報によればサポートAIが出てくるはずなんだけど」

「ようこそ『フリーダム・ワールド』へ、ユーザー様。私は貴方をサポートする、貴方だけのサポートAIです」

「あ、出てきた」


四季の呟きに呼ばれるかのように、お辞儀をしながら現れる一人の女性

その外見は一言で言えば、普通。綺麗でもなければ、不細工でもない。背が高いわけでも、低いわけでもなく

太っているのかと言えば違うし、痩せているのかと言えばそうでもない。とにかく普通なのだ


「はい、出て参りました」

「おぉう…今のにも反応するんだ……さすが次世代型高性能AI」

「お褒めに預かり恐悦至極にございます」

「あ、や。今のは拾わなくていいです、ただの独り言なので」

「分かりました」


こんな呟きにまで反応するのか、といった顔でサポートAIを見つめる四季


「どうかいたしましたか?」

「あ、その…えっとですね、堅苦しい感じは嫌いなのでもう少し砕けた感じというか…柔らかい感じで話してくれませんか?」


自分が見つめられていることに気付き、何かあるのかと声を掛ける

それに対して四季は、AIとは言え女性の顔をまじまじと見つめていたという事実から顔が熱くなり

恥ずかしさを誤魔化す為に話を振る


「それでしたらユーザー登録の中にサポートAIに関する項目が御座いますので、そちらから変更をお願い致します」

「わ、わかりました!」

「それではユーザー様、何か分からない事があれば声をお掛けください」


そう言葉を残し四季から離れるサポートAI


「よし、それじゃあちゃっちゃか登録しちゃいますか!えーっとたしか登録情報を入力するには…仮想ウィンドウを開いて…っと」


そう言って手を横に凪ぐようにして仮想ウィンドウを呼び出し、登録画面を開き個人情報等を入力していく


「っと、あったあった。これがサポートAI関連の項目だな…うげ、色々あるなあ。とりあえず性別はそのままで…性格は大人しめで口調は柔らかめ、外見は…どうしよ?ランダムでいっか。表情は~…豊かでいいな、うん。後はAIの名前を入力してっと。よし!登録完了!」


あれやこれやと悩みながらもAIに関する項目にチェックを入れ終わり、ユーザー登録を終える


「ユーザー登録完了。お疲れさまです、四季様」


ふ~と溜め息を吐いていると後ろから声を掛けられ、振り向く四季


「あ、うん終わったy…って誰?!」

「…?四季様専用のサポートAI『ルナ』で御座いますよ?」


おかしなことを言いますね、といった表情で四季様を見る私


「いや、姿変わってるから分かるわけないでしょ?!」


あ、そうでした、忘れていました。私は四季様の手によって(恍惚)生まれ変わっているんでした

今の私は、先程までの地味で普通な見た目の女性ではなく、これぞデキるメイド!といった見た目をしています

たしかにこれでは分からないのも無理ありませんね


「申し訳ありません。外見が変わったのを忘れておりました」


私はそう謝罪の言葉を口にして頭を下げる


「えあ?!あ、その…!ほ、本当に君がルナ…なの?」


ふふふふ…四季様は慌てた表情も可愛らしいですね


「えぇ。私が、四季様専用サポートAI『ルナ』で御座いますよ?」


私はそう言ってニコリと四季様に微笑みかける

おや、四季様のお顔に「なんだこのデキるメイド感溢れる微笑みは?!」と書いてありますね?

ふふふ…まぁ、そう思われるのも仕方がないかもしれませんね

何故なら私!勉強して参りましたから!貴方様を完璧にサポートする為に広大な電脳の海に沈み、デキるメイドというモノを完璧に理解して参りましたから!


「そ、そうなんだ…えっとその、これからよろしくね?…後、口調どうにかならないかな?堅いままな気がするんだけど…」

「はい。こちらこそ末長く、どうぞよろしくお願い致しますね?四季様。口調に関しましてはこれが最適解、と理解致しましたので変えるのは…。ですが他の部分で四季様が堅い(意味深)と感じられる所を中和していけたらな、と思っております」


そう!例えばこの完璧な、デキるメイドスマイルとか!!


「そ、そうなんだ…」


ふふふふふ。照れた表情も大変お可愛いですね

とと、四季様とのお戯れはこの辺で一時ストップしておくとして


「それでは四季様。ユーザー登録がお済みなのでしたら、次はキャラクタークリエイトをしては如何でしょう」

「あ、そうですね。それじゃあパパッと作ってきます」

「はい。何か気になることがありましたら、お呼びください」


私がそう提案すると、四季様は仮想ウィンドウを開いて手を動かす

まあ。キャラクタークリエイトと言っても、現実世界の姿を元にしてしか作れないので、今の四季様とそんなに変わらな…ってふえええええええ?!!


「終わりました!」

「は、はい!お疲れさまでした!しゅ、種族はエルフになさったんですね」

「はい!最初はヒューマンにしようかと思ったんですけど…昔からエルフの弓使いに憧れていたので、思いきってエルフにしちゃいました!」

「な、なるほど。大変お似合いですよ!」


いや、というか!なにが起きたんです?!

先程まで肩までしかなく黒かった髪が、これぞエルフ!って感じのさらさらでありながらしっかりと艶を感じさせる金髪ロングになって

その髪の間からピョコンと動く少し垂れてる長い耳が更に可愛さを引き立てています!

いや、本当に!もう、その姿が本当の姿なんじゃないのか?!とそう思わされるくらいに似合っておりますね!


「えへへ、ありがとうございます」


グハァッ?!

そ、その姿でその微笑みは反則です…私の完璧なデキるメイドスマイルが霞んでしまいます…!

私、AIなのに惚れてしまいそうで…いやもうこんなん惚れてまうやろー!ふぁー!私のご主人様可愛すぎかー!こんなご主人様に出会えた私勝ち組かー?!

あぁもう、後で他のサポートAI達に自慢してやりましょう!えぇ絶対に!


「い、いえいえ。本当によくお似合いですので。それではキャラクタークリエイトもお済みになられたようですので、次はチュートリアルですね。お受けになられますか?」

「あ、受けます!」

「分かりました、それではこちらへ」


私はそう言って四季様をトレーニングルームへと案内するのであった

もっと、初めて感情を得た『AI』みたいな描写とかしたいんですけど今は無理なので

いつか書けるようになる時が来たら、ガッツリ書きたいと思います

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