選んだ実は安楽死
「す、すぃません…」
カウンターに届くように勢一杯背伸びをして、消え入るような声で呼んでくれた、小さな少女。振りかえると、
「あ、の、いつものひ…は…?な、なんて読むんだろぉ………」
必死にメモを読むぷっくりした少女の顔に、不安の色が浮かぶ。どうやら、「秘薬」をどう読むか、困っているらしい。私的には、放っておいて面白がりたいのだが…
「ひやく、ね。分かったわ。でもごめんね。ついこの前無くなってしまって、向こうの丘にとりにいかないと。仕入れるのは1週間先だけど、貴方は飲まないともとの姿に戻ってしまうし…」
何でそんなことをするか、さっぱり分からないが、彼女はあるゲームに参加しているらしい。殺し屋達が、あの手この手を使って殺そうとしている中で、生きていればいるほどお金が貯まるという。この子がわざわざこんな格好をしているのも、どうやらその関係らしい。
ーーーーーーでもどうやら、性格も頭脳も子供になってしまうみたいで…?
「じゃ、じゃあぁ、わたしとりいきます。いきますから、良いですか。!」
子供になると、超絶可愛い。この切ない感じがほんと良い。
「じゃあいってらっしゃい。でもね、これだけは聞いて。赤青き…………」
「いってきまぁす!」
素早く身を翻して、かけていった彼女は…
ーーその木には、赤青黄色、茶色に緑。貴方の好きな、ピンクもあるの。でもお願い。約束して。絶対に黒しか食べないとーー
彼女はそのまま忠告をきかずにーーーーーーーー
選んだ木の実は、安楽死。




