前編
ある夏の事だった。ある少女が暴走族に絡まれていた。
「なぁ、そこのお嬢ちゃん。俺達とブンブンブンブンしようぜぃ。ヘッヘッヘ」
「嫌です!アタシ、帰らなきゃ。塾あるし」
「塾なんていかなくて良いからさ、夜の教育教えてやるぜ」
「もう!私帰ります」
「おい!俺達、四代目武羅蛇亜を無視すんのか?ワレェ」
彼女はその言葉に唖然とした。
「あの今なんて言いました?」
「だから、四代目ブラジャーのことをしんねぇのか?」
「きゃあ!このエッチ、変態。もう来ないで」
「好き放題言いやがって。女でも容赦しねぇぞ」
後ろから暴走族のヤンキーの一人が殴りかかってきた。彼女には見えてないようだ。後ろからこのままでは当たってしまう。
刹那、間一髪のところで一人の男が、殴ろうとするそいつの手を掴み、殴り飛ばした。
「何だ!てめぇ、いきなり出てきやがってムカつく野郎だ。おう!やっちめぇ!」
呼応し、手下が仇と言わんばかりに彼に向かって殴りかかる。
華麗に回避し、カウンターを食らわせる。
「ふん?こんなものか。粋がってんじゃねぇぞ。お嬢ちゃんに手を出しやがって。おめぇらみたいなのが一番嫌いなんだよ」
彼は言った。
「四代目武羅蛇亜の名は此処で廃れるわけにはいかないんでね。あばよ!」彼らは逃げていった。
「あんた、大丈夫か。さっきの奴に絡まれて怖くなかったか?」
「怖かったけど、お兄さんが助けてくれたから大丈夫だったよ。ありがとう」
「じゃあ、俺の家でお茶飲んでかない?別にナンパしてる訳じゃないよ。あっ!塾あるんだっけ?」
「あら、聴こえてた?あれ嘘だから気にしないで。」
その少女は彼の家に向かった。
家の中に入ると離れがあった。そこは茶室であった。狭い入り口を潜り抜け、幽玄に思いを馳せる。
「まだ自己紹介してなかったな。俺は九条佳澄。宜しくな」
「あの、高峰実久です。さきほどはありがとうございました」
「抹茶は飲めるかな?高峰さんは」
「実は苦手なんです。お恥ずかしいですけど」
「でも、飲んでみてよ。残しても良いからさ」
抹茶が苦手であるのは本当だ。昔からお茶、とりわけ日本茶というものは苦手だった。日本人失格かもしれないと思うが。
「じゃあ頂きます」九条さんが立てたお茶を飲んだ。
その時、少女は初めて抹茶を全て飲めた。
フリーダム学院…総有高校、この学校には、校則が比較的緩やかである。この学校の部活は顧問の先生を必要としない。
つまるところ、先生達が部活に携わりたくないのだ。
部員は最低五人、その利益性を問わず、部費は無いが、補助金が人数に応じて支給される。
そして、高峰も新たに設立された珈琲部の部長として、ドリップの楽しさ、奥深さを伝えようとした。
気長に書いていきます。宜しければコメントや、アドバイス頂けると有り難いです。




