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守護神シリーズ

決心する。

作者: 櫻井 満月

性懲りもなく、シリーズ化させてしまいました。

でもまた中途半端で終わっているかもしれません><


R15にしてありますが、今のところその要素はないです。


楽しく読んでいただけますように!

私は強くなる。

決して流されないように、私の大事な人を傷つけないために。

あの人の笑顔が陰ることのないように。

私は強くなる。



皆様こんにちは。

お久しぶりです。

有野 芙蓉美です。


(前回どっかのおバカな作者のせいで、変態の認定をされてしまったのは非常に心外だったのよね。

なので、今回は汚名返上のために是が非でも私は活躍しなくては!

(誰に宣言したのかって?内緒よ、内緒!))


思い出すだけでも恥ずかしい「みこ」との出会いから半年ちょっと。

私たちは高校生活2度目の4月を迎えた。

私と、姫、みこはそろってまた同じクラス。

きっと、前世の影響だと思うんだけど…、中学のころから私はあんまり人付き合いがいい方じゃなかった。

そんな性格だったのに、前世の記憶を思い出してからはもっと人に興味がなくなった。

姫を幸せにしてあげなくちゃ!ってそればっかりだった。

でも今私は、普通に比べたら非常に少ないけど、大好きな親友と呼べる存在がいる。

なんか恥ずかしくて面と向かって言えないけど、

親友の二人と同じクラスになれた事がこんなにも嬉しいなんて思わなかった。

ちょっと面はゆい始業式を終えて、私たちは教室へ入る。

「ふーちゃん、みこちゃん。今日は始業式だけだから、

 帰りにアイス食べにいかない?」

そう言って私の後ろの席から姫こと姫宮 陽が声をかけてくる。

「素敵ですわ!

 学校終わりにお友達と寄り道!

 前の時はずっと家と学校と病院の行き来しかなかったから、

 とても憧れますわ!」

その姫の声に真っ先にみここと安陪巫女が賛同する。

私は、そんな二人の可愛い様子を眼福よろしく眺めております。

「ふーちゃんも一緒だからね?」

そういってにっこり笑う姫は安定のかわいらしさよね。

うんうん。

「陽さんと芙蓉美さんと同じクラスになれるなんて、

 本当に運が良かったですわ。

 ぜひ、今日はアイスを買って私のお家にいらしてくださいな。」

そして、みこも私へ微笑んでくれる。

あぁ!

萌科キュン属性の笑顔!

これで一年私は元気で過ごせます!ありがとう神様111111


おっと、いけないいけない。

またおかしな世界に旅立つとこでした…。


「じゃあ、今日は新しくできたクレープ屋さんで美味しいものを調達して、

 みこの家にお邪魔しましょう!」


などときゃいきゃい言い合っていたら先生が少し遅れて入ってきた。

ちなみにこの先生、何を隠そう隠れ攻略キャラなのよね。

身分を偽っているけれど、皇家の人。

つまり、この世界で一番偉い一族の中の一人…。

なんでも、私たちの様に「精霊」に気に入られた若者が多くいるところには、「妖魔」も集まりやすいらしい。

そのため、春暁学園には必ず皇家の誰かがいなくてはいけないという決まりごとがあるらしい。

通常は、現役を引退した御大が用務員のおじいちゃんよろしくお庭仕事しながら巡回することになってるらしいけど、

この先生は自ら学園に行くことを志願したらしい。

え?なんで私がそんなこと知ってるのか?

それは、お決まりの「この世界が云々……。」のためですよ。

少なからず、転生してきたことでこの世界がどんな世界なのかを知っている私。

しかも私の立ち位置がサポートキャラっていうゲーム攻略のためにはなくてはならない情報網!

なもんだから、主要キャラクターの事は大抵情報として記憶の奥底に持っているらしいのよね…。


そして、この先生の後ろからついてきた女の子をみて、私はまたもや気づいてしまった。


ゲーム…。

まだ続いてる…?


女の子は転校生。

本当は3年生の年だけど、親の仕事の都合でいろいろな国を転々としていたらしく、1学年下に編入したとのこと。

「みんな仲良くするように。」と先生の締の言葉。

「自己紹介して。」

そう言われてその子が前に進み出る。

「初めまして、蘆屋あしや 美月みつきです。

 年はみんなより1個上だけど、

 同級生として仲良くしてくださいね!」

そしてぺこりと綺麗にお辞儀をする。

「可愛い…。」

「なにあの可憐さ。マジやられるわ~。」

その姿を見てクラスの男どもが騒ぎ出した。

普段みこを見慣れてるはずなのに、そんなに騒ぎになるくらいにその子は魅力的だった。

スラリと伸びた手足。

ふわふわの髪の毛。

プルンとした魅惑的な唇…。

男心をくすぐるにはもってこいの女の子。


だけど…。


だけど…。


私は、その瞳だけで彼女を怖いと思ってしまった。


その瞳は私とみこを見つめ…。

肉食獣が獲物を見つけたようなねっとりとした気持ちの悪い笑みを浮かべた…。


この子…。

知ってる。

自分が何者なのか…。

そして、私たちが自分にとってのなんなのか。


そう思った瞬間。

私は頭の中に霧がかかるようなはっきりしない感覚に襲われた。

「蘆屋の席は…。」

そういう先生の言葉をさえぎり、蘆屋さんは私のところに駆け寄ってきて、

「芙蓉ちゃん!

 芙蓉ちゃんだよね?

 小さい頃によく一緒に遊んだの覚えてない?」

と話しかけてきた。

「え?」

彼女はなおもいう。

「すっごい懐かしい!

 芙蓉ちゃんのママに同じ学校って聞いてたから、

 会えるかな?って思ってたけど。

 まさか同じクラスだなんて!

 すっごい嬉しい!!」

そう一息に話す、でも私の手を放してはくれない。

離せよ、うざい…。

ていう、私は顔も見たことないんだけど。

(いや、正確にはあなたの設定画は見たことあるけど…。)

頭ではそう思っているのに、彼女の手を振りほどけない。

「先生、私芙蓉ちゃんの隣でもいいですか?

 久々に帰ってきて、知り合いの近くの方が安心できるんですけど…。」

そういって、蘆屋さんは先生に魅力的な上目づかいで訴える。

いや…待って。

私の隣はみこがいるのに!

そしてその後ろは姫がいるの!

私の幸せの大三角形を壊さないでよ!

みこだってきょとんとしてるじゃないの!

って思うのに、どうして私は何にも話すことができないの?

先生も断って!

そう声にならない声で私も訴えたのが効いたのか、

先生は「いや、そこにはもう安陪がいるし、席次表作り終えたんでな。」

なんていう天の声…。

席次表はクラス替えがあった初月のみ各クラスの担任教師が作成し、

各担当教員に配布されるもの。

それを見て、クラスの顔と名前を一致させるのだ。

だから、明日から始まる授業に備えて、すでに席次表は作成されているはずで、各教員に配られてる後だから、その席次表を書き換えるのはめんどくさいだろう。

なのに、蘆屋さんは食い下がる。

「生徒一人が加わるだけなのですから、先生から職員朝礼の時に、他の

 先生方に言ってください。」

なんなのよ!もう!

席ひとつで、ここまで食い下がるもの?

そんな蘆屋さんだけど、先生は先生でめんどくさいことはお断りオーラを出している。

だから一向に話が進まない。

それをさえぎったのはみこだった。

「先生、わたくし席を替わって差し上げても構いませんわ。

 席次表の書き換えが面倒という事でしたら、わたしくお手伝いしますか

 ら…。

 そうでないと、せっかくの新学期の初めがなんだかよくない雰囲気になってしまいますわ。」

みこはそう言って自分の荷物を整理しだした。


ダメ、ダメ。

イヤ。ワタシハミコノトナリガイイノ…。

ワタシコノコノソバニイタクナイ。


私の頭が必死に訴える。

なのに!なんで言葉が出てこないの!みこが別の席に行くのがとても怖い…。




ハヤク…ハヤクナニカイワナキャ!!!



頭では何か言わなきゃいけないと思ってるのに、

私の口からは声が出せない。

私が鯉みたいに口をパクパクさせている横で、蘆屋さんはありがとうなんでみこに話してる。

「構いませんわ。」

じゃないよみこ!

私は蘆屋さんの隣は嫌なの!!

そして、みこが席を立とうとした瞬間。

「先生。

 蘆屋さんは、ふーちゃん…有野さんの横じゃない方がいいと思います。」

そうはっきりとした声が聞こえた。

「え?」

蘆屋さんはびっくりした顔で声の方向を見る。

姫だった…。

「誰?」

蘆屋さんが怪訝な顔で姫に対峙する。

「新しい環境で不安なのはわかるけど、だからこそ昔の知り合いの横じゃなくて、新しい人の横に座った方が早くクラスに馴染めると思うので。」

そういって、姫は先生と蘆屋さんににっこりと笑った。

その顔は、何故か有無を言わせないという意思がはっきりと伝わってくるもので、私もみこも少なからず驚いて唖然としてしまった。

それは蘆屋さんも一緒みたい。

先生だけは姫の援護射撃を受けたので、

「蘆屋、早くなじむためにも姫野の言うとおり、有野の横ではない席に座るのがいいだろう。

 1カ月もすればまた席替えがある、そこで隣の席になることもできるはずだ。」 


それだけ言って先生も有無を言わせぬ雰囲気を醸し出して蘆屋さんを当初考えていただろう席に着かせた。

蘆屋さんは事の成り行きについていけないようだが、

これ以上わがままを言うのは得策ではないと考えたようで、

おとなしく (でもないかも)席に着く。

でもその眼はみこ(ついでに姫にも)への憎悪に満ちていた…。


そう…。

「あなたの守護神」には第2クールがある。

1クール目で死んだはずの巫女が誰かしらの秘術で生き返る。

(制作陣何でもアリだなと思ったのは内緒。)

自分の好きだった人への情念だけが残ってしまった巫女の魂は、攻略対象者のそばにいるヒロインが許せず、様々な策略でヒロインを追い詰めていく。

ヒロインはその幾多の困難を乗り越え、ハッピーエンドまで行くストーリー。

そして、私の立ち位置はさっきの蘆屋さんの言葉が表す通りまたもや、ヒロインに協力するサポートキャラ。

幼少のころに家が隣でよく遊んでいたけど、ヒロインが引っ越したため、連絡が途絶え、高校生になって再開するというもの。


さっき彼女に言われたことに反論できなかったのは、私と彼女の関係性なんだろう…。

そして、彼女もきっと転生者…。

じゃないと、私が幼い時に遊んだ子だなんて言わないはず。

だって、この世界はゲームの世界に酷似しているだけだから。

私の記憶の中に蘆屋なんていう名前の家族と知り合ったものはないし、

小さいころからのお隣さんは姫と今クールでの攻略対象者である、

吉祥院(きっしょういん) (とおる)だけ。

彼女はこの違いを知らないで転生してきたのだろうか?



みこから視線を外し、私の方を見つめている彼女の視線をあえて無視して、私は決心する。

彼女が転生者だったとしても、

普通に恋愛ゲームを楽しむだけでいいのなら協力しないでもなかったけど。

あんな目でみこを見るのだったら、私は協力しない。

今なら私はわかってる。

この世界はゲームの世界じゃない。

だから、本人の意思とは関係なくおかしなことは起きてはいけない。

誰かを踏みつけての幸せなんか望んじゃいけないんだ。

彼女にかかることなく、みこと姫を守れるようにしなくちゃ。

大事な親友を傷つけたりなんかしない。

私は私を幸せにしてくれたあの人を決して傷つけない。


読んでいただきありがとうございます。


誤字脱字、文章おかしいよ。などありましたらご指摘いただけると嬉しいです。


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