04 あのパターンじゃねーか?
探偵の報告書に書いてある地図をもとに、成巻は、タクシーを走らせた。
店が立ち並ぶ街を抜け、小さな道に入り住宅街の合間、合間を通り目的地に到着した。
「この家か、どうする・・行くか?」
「・・・えっ!?いえ。」
「何だよ!!どうしたんだよ!?」
「あの・・・その勇気が出なくて。」
「せっかく、ここまで来たんだぜ、このままじゃ帰れねーぞって言うか帰さねーぞ。」
男は下をうつむき自分の手の方だけ見ていた。すると、家の玄関が開き一人の子供が出てきた。
「オイ!?誰か出てきたぞ、あの子供か?」
「え!?多分そうだと思います。」
「それにしても、ずいぶん小さいな。」
「まだ6才ですから。」
「そうなのか、もっと大きな子供がいるのかと思ったぜ。」
その子供は、気分が良いのか陽気にスキップしながら後ろを向き誰かを呼んでいる。
「また、誰か出て来やがったぜ。」
「あっ!?亜希子!!」
「あれが奥さんか?」
「はい!!妻です。」
「どうする。行くか?」
「あっ!?いえっあの・・」
「おいおい、度胸ねーな男だろ、もっとビシッとしろよ!!」
「えーあっはい。」
「あれ!?また誰か出て来やがったぞ!?もしかして、このパターンってあれじゃないか?」
「えっ!?」
「やっぱりそーだな、あのパターンだ。」
「え”~~~うっそだ~~!?」
「オイ!!ちゃんと探偵のヤロー報告しろよ、こんな事は、一番大事な事だろー!!」
「パパー早く!!早くー!!」
その子供は、家の玄関から出てきた男性を呼んでいた。
「どうする~~~?もう帰るか。」
「・・・・・。」
男はずっとその子供の所を見て寂しげな表情を浮かべている。段々と離れていく3人、
「追ってください運転手さん!!」
弱々しい声で男は言った。
「おいおい、このまま奥さんと子供の前にでりゃーややっこしくなるぞー・・・」
「・・・・・・。」
「それに子供お前の顔覚えてねーんだろ。」
「・・・・・・。」
「もし、お前があの子供のホントの父親だと分かれば複雑だろ~~な~~。」
「・・・・・・。」
「あ~~かわいそ、あのボウヤ、あ~~不幸だ、あのボウヤ。」
「黙ってて下さい!!」
男は、目を細めて強い口調で声が裏返った。
「おお~~!!やる気だね~~!!」
ゆっくりと3人の跡を追う車、龍典は両手を頭のうしろに手を組んでリラックスしている。
その中で緊張感を張り巡らせて運転席と助手席に手をしっかりと置いて3人を目で追っている石本。
車が止まった。
「公園かー一家団らんかーいいね。」
「・・・・。」
遠くの方でサッカーボールを蹴っている子供と男性そして、近くのイスに腰掛けている亜希子は、2人の動向を見守っている。
3人とも笑い声が絶えない。少しまだ遠くの方に行って思いっきりボールを蹴る男性、
ボールが高く上がって子供の頭上を越えて行った。
芝生に落ちてコロコロと転がって行くそして、ゆっくりと柵をの所で止まった。
その近くの道路には、タクシーが止まっている。
あちらこちら、目をやりながらボールを探す子供、
「オイ!!何してるんだよ!!早く行けよ!!」
「・・・・・。」
「息子に会いたかったんだろ!!」
「・・・・でも。」
「オイ!!何してんだよ!!このままじゃ一生後悔するぞ!!」
「・・・・・・。」
「このままでいいのかよ!?」
その時タクシーの扉が開いた。
「お客様終点ですよ。」
丁寧な声で成巻が言った。
石本は、急いでタクシーから飛び降りて低い柵を越えてボールの所に向かった。そして、それを手に取り、子供の側へと行った。
「このボール。坊やのボールかい。」
「うん。」
「はいボール。」
「オジサンありがとう!!」
子供が後ろを振り向いて行こうとした時、石本は言った。
「ちょっと待って!!坊や。」
「なに?」
「えーと、あの・・その、ある人から伝言があるんだ聞いてくれるかい?」
ボールを持って静かに待っている子供、
「なに?」
「・・・・君がいつまでも、大人になっても元気でいる姿を願っている・・だから心配しないで前だけを向いて歩けばいい・・・・ちょっと難しかったかな?」
「うううん、分かるよ。でも誰が言ってたのそんな事?」
「そっそれは・・・内緒だよ(*ノωノ)」
「内緒なんだね、うん分かった。じゃあその人に伝えといてありがとうって。」
そう言うと笑顔になって家族の所にボールを蹴って戻って行った。




