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02 神からの忠告即無視

 しっかりと厳重に自宅に鍵を掛ける龍典は、あちらこちら周りを見渡し、ちゃんと鍵が掛かっているかドアのノブを回し確かめた、そして、重量感のある体を足で一歩づつ踏み鳴らして、マンションのエレベーターの中に入った。14階から1階までスグに降りて行った。

外へ出ると改じめ呼んでいた。馴染みのタクシーの運転手が車から出てきて、龍典を席へと誘導した。

「藤谷さま、今日はどちらに行かれますか?」

「いつもの店。」

「はい、かしこまりました。」

運転手はハッキリとした、丁寧な言葉で応答して、微笑し車を走らせた。

「最近景気は、いいですか?」

「・・・ぼちぼちだな。」

「そう言えば昨日東京ファイアーズ勝ちましたね。」

「・・・・・ああ。」

外はすっかり、暗くなり街の街灯や看板から照射される、光がきらびやかに辺りを照らし出され、暗闇が明るく見える。

「東京の町いつも輝いていてキレイですね。」

「・・・・・。」

「着きましたよ。」

数えないで雑に札を置く龍典は、いつものようにお釣りを取らずタクシーを出た。

「毎度チップありがとうございます。」


「龍ちゃん本当にいいの、もうこれで5回目だよ。」

「ああ。」

「お金あるの?」

「ああ。」

「前みたいにお金足りなかったらダメだよ。」

「ああ。」

「また私店長に呼び出されちゃうよ。」

「だから金ならあるって言ってんだろ!!」

龍典の濁った大きな声でたじろぐお店の女性は、少し震えた声で言葉を発した。

「・・・・そう・・分かった。」

「だったら早くしろ!!」

「・・・うん。」

「ドンペリミッド入ります。」

そう言うと店のカウンターから逆三角状のピラミッドを逆さにしたような大きな器が用意された。

それを店の女性3名がなみなみとボトルを注いで空ビンが10本程に達した時その器からあふれ出た。

「おい!!またかよ、この短時間でピラミッド5回は出たぜ!!」

店内にいる一人の客がそう言うと周りにいた人たちも騒ついて店の中が騒然となっていた。

「本当に大丈夫かな・・・?」

龍典に腕組みしていた。店の女性が心配そうに小声で言った。

請求書には、153万250円と記載されていた。

それを、見るなり店の女性は顔が青ざめるように目を見開き、その金額には焦点が合わす事が出来なくなった。

「何ダルマ見たいな顔してるんだよ、金なら持ってるって言っただろう。」

スーツの裏のポケットから帯付きのお金を二束人差し指と親指の先の方で軽く持ち店のテーブルに投げた。

「アフターいいだろ、七恵。」

気が和らいだせいか店の女性は自然と笑顔になりうなづいていた。

2人が外へ出るとタクシーがすでに、店の前に止まっていた。

「いつものとこ。」

「はい、分かりました。」

右に指示器を入れて後ろに方向転換した。

「今日、嬉しかった、ありがとね。」

「・・・・・」

「でも龍ちゃん、何で私を指名するの?」

「ああ!?」

「だって私ナンバー1でも2でもないし、それに顔あまり自信ないし、それに他にカワイイ子いっぱいいるじゃん。」

「ああ。」

「ねぇ~何で!?何で!?」

七恵は龍典の右腕をしっかりつかみ左右に振りながら甘えた口調で言った。

「ああ。」

「ああじゃなくて答えてよ~!!」

「ん~~~~・・・普通。」

「普通?」

「だから、普通だからだよ。」

「何それ、普通ってカワイくもキレイでもないって事!?なに~それ!!」

「はぁ~違うよ見た目じゃねぇーよ、内面の事を言ってるんだよ。」

「内面?」

「そうだよ内面だよ、内面。」

「じゃあ性格良くも悪くもないって事、ホント!!何よそれ!!」

「まぁ平凡って事だよ。」

「平凡?」

「そうだよ、なんつーか家庭的って言うか。家に帰ってきた時は普通にご飯があって、部屋片付けられてあってビール飲みながらよーたあいもねー話ししてよー、一緒にベットについて寝るんだよ。」

急に七恵は龍典の顔を見られなくなり静かになって顔を下に向け沈めて言った。

「・・・・・それって結構・・嬉しいかも。」

それを聞いてか龍典は笑いながら

「何だよ!!それ。」と言った

「だって嬉しいんだもん。」

重々しく顔を龍典の胸にもたれかかって右腕をしっかりと、つかむ七恵。その時上の方から大きな音がした!?

「なに!?」

驚いた声で七恵が言って龍典の方を下から覗いて見た。すると、車の天上が龍典の頭に接触していた。

「大丈夫龍ちゃん!?」

七恵が目を丸くして言っても反応がなかった。

「ねぇ龍ちゃん!!龍ちゃんったら!!」

車は動かなくなり止まっていた。

タクシーの運転手も即座に後ろを向き

「藤谷さま!!藤谷さま!!大丈夫ですか!?」と龍典に大きな声で呼びかけていた。じっと動かない様子に慌てふためいく2人、

七恵は龍典の体を両腕でつかみ自分の方へ引き寄せようとするが、天上のへこみとイスで体ががっちりと密着して、七恵の力では、一ミリも動かせなかった。運転手の成巻は、後部座席の開かなくなったドアを必死に開けようとしている。

「やだ!!龍ちゃん!!龍ちゃん死んじゃイヤー!!」

喉が枯れるまで叫び続けた七恵は、疲れ果てて声が出なくなってしまった。そして、奇妙なほど静かな時間が数分流れていた。その間にも脳天を直撃した龍典の姿を見てもうダメだと感じていた2人・・・あぁ・・・あぁ・・・かすかな声がした!?そして、「う~~ん、」と力む声がして、車のへこんだ天上が一瞬にして浮かび上がった!?

「はぁはぁはぁ、死ぬかと思った一体どうなっちまたんだ!?」

龍典は車の天上を見ながら言った。

「龍ちゃん大丈夫!?良かったー!!良かったー!!」

「何か一瞬意識飛んじまっちまったんだけど何が起こったんだ!?」

車の外へ出てみると頑丈な電柱が何故か龍典の座っている座席の上だけ一点にめがけて倒れていた。

「こんな物にモロ当たっていたら即死だったぜ。」

「龍ちゃん良かったー!!」

と泣きながら七恵が抱きついていた。すると龍典の真上から一枚の紙が風にのって落ちてきた。

・・何だこれ?

忠告したハズだ条件を守らないらないとスグにお前を殺しに行くって、幸いにもお前の体が頑丈だったから命乞いしたな、次。

条件を守らなければ確実にお前の命は、ないと思え ー神よりー

何だコレ!?

もしかして、本当に神って存在するのか!?じゃあ、あのケースの中に入っていた手紙に書かれていたことってホントの事なのか!?

「オイ!!これ見て見ろよ!!」

「なに?」

「神が俺の事殺すってよ!!」

「なに?何言ってるの?この紙に何も書かれてないじゃん。」

「はぁ~?ここにちゃんと書かれているだろう!!俺の事殺すって!!」

「えっ?この紙真っ白なんだけど。」

「ちゃんと書かれてるだろう!!」

「え?何が?」

・・・・はぁ!?他の人には見えねぇーのか、この字・・・・という事だ、だからこの仕事辞めるぜ!!

「はぁ~!?何言っているんですか兄貴、冗談は、よして下さいよハハハ。」

「そうですよ兄貴何言ってるんですか!?ハハハ。」

「笑い事じゃねーよ!!ホントの事だよ!!」

「今更何言ってるんすか、この道で骨を埋めるって言ってたじゃないですか。」

「そうですよ、何言っているんですか?」

「条件守れねーと俺殺されるんだよ!!神のヤロウに!!」

「ハハハハ・・ですから何言ってるんでるか?」

「ウソだと思うならコレ見てみろよ!!ホラ!!」

「何ですかコレ?何も書かれてないじゃないですか?」

「はぁ~?よく目ん玉ひん剥いて見てみろよ!!ここにちゃんと書かれてるじゃんか!!」

「ええ、そう言われても、なにも書かれてないんですけど・・・」

そうかやっぱり他の人間には、見えないのかこの手紙、何か不便だな。まぁいいっか!!

「それより俺が今まで取り立てた人の名簿どこに置いてある?」

「何でですか?」

「金返すんだよ、そいつらに。」

「えぇ~~何言っているんですか!?兄貴正気ですか!?」

「そうしないと俺の命が危ねーんだよ!!」

「ですから、さっきから何言っているんですか!?兄貴。」

コイツラに何言ってもラチがあかねーな自分で何とかしねーとな・・・確かこっちにファイルあったよな?ん~~これじゃねーな、これでもねーな、これか?

これでもねーな、あっ!?これか、えーと・・・53万、120万、72万・・・合計で6千万あるじゃねーかそう言えば確か金返して残った分の金貰っていいーって書いてあったな、

・・という事はケースの中に8000万くらいあったから2000万は、俺が貰っていいーって事か、そりゃーぁラッキーだなー何かそう思うと何か得した気分だな

「じゃあコレ借りてくぜ。」

「兄貴チョット待って下さいよどこ行くんですか!?」

「そうですよ!!」

「だからさっきから金返しに行くっていってんだろ!!」

「え”ぇ~~~~~。」

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