里長さんとのお話しなのです。態度悪くね?
里長が慌ててな。
「な、なぜ!
なにか、粗相いたしましたでしょうか!?」
そらぁ、イキナリ結界張りを拒否られたらなぁ。
ヒルデガルデさん、どったの?
「いやいや、勘違いするでない。
現在、この集落へ張られている結界は特殊でのぅ。
張り直さずとも切れぬのじゃ。
とは言え、コチラが張っておるでな。
いつもの通りの対価はいただくぞぇ」
そう告げたらな。
「払わねば、どうなりますので?」ってさ。
あらら、本気で言ってるよ。
恩知らず、っうか、厚かましい、っーか。
だからさ。
「なら、張っておく必要を感じませんから、解除しますよ。
ヒルデガルデさんが張るように告げても、手のひら返しするような方は、信用できませんから」
そう言ってやったよ。
「いや、今のは、言葉のアヤでなぁ」
「僕は、あらゆる情報を得られましてねぇ。
アナタが本気で告げていることは、分かってるんですよ」
そう告げたらさ、不機嫌になってね。
「この少年は、何者なんです?
あらぬことを申しておりますが、少々無礼では?」
そのようなことをな。
「この者は、我の弟子じゃ。
まぁ、既に我の力量を超えておるがのぅ。
そして、この集落へ、この度の結界を張った者でもある。
我よりも優れた結界を張るでな」
そのヒルデガルデさんに、続けてな。
「勧誘されても、アナタを信用できませんから、断りますから。
結界が嘘と思われてますが、解除しても構いませんよ。
ただし、3日後に、ドラゴンの襲撃を受けますからね。
僕は、どうなっても、知りませんよ」ったったよ。
したらな、ヒルデガルデさんがね。
「藤吾、待つのじゃ。
ソナタ、集落が襲われるのは可能性に過ぎぬ、っと、言っておらなんだかえ?」
そう質問をね。
だからさ。
「あの時点では、そうでしたね。
ですが、ヒルゲインへ結界を張ったため、ココが襲われるのが、確定しました」
そう告げたらな。
「どう言うことじゃえ?」ってね。
だからさ。
「ヒルゲインへ結界を張ったことで、ヒルゲインが壊滅することは無くなりました。
ヒルゲインが壊滅した場合、目的を達したドラゴンの大半が去ります。
中には、ココら辺を彷徨くヤツも居ます。
そんなヤツが来る可能性が、あった訳です。
ですが、ヒルゲインへの攻撃が通じない場合、ドラゴンは腹いせに、周辺を襲います。
つまり、ココも確実にターゲットとなる訳です。
結界が不用なら解きますが、3日後に集落が壊滅しても、責任はとりませんから。
里長が決定したことですからね」
俺が告げた内容が理解できず、語りと判断したようだな。
結界を解除するか?
したらな。
「里長、もし結界が解除されるようなことがあれば、アナタを罷免する!
これは、集落の警備隊にて総意したと、受け取って貰いたい。
冗談ごとでは済まさぬゆえ、よく良く考えることを勧める」
門番が告げると、里長が慌ててな。
「なんの権限があって、そのようなことを言っておる!
里長の私に無礼だとは、思わんのか!」
憤っているんだがな。
「世襲で付いた地位で、しかも集落の運営は合議にまかせる。
代表としての交渉では、揉め事を起こす。
このような状態なので、今度、何か問題を起こせば罷免すると、合議にて決まっております。
アナタにも勧告されたハズですが?」
まぁ、このオバさん、出来ない人なのに、要らぬ口は出すわ、変に威張るわで嫌われてんだよなぁ。
昔は美人で性格も良かったらしい。
でも、持ち上げられ、チヤホヤされている内にな。
うん。
実はココ、ターニングポイントです。
彼女の未来が、劇的に変わる場面なんだよなぁ。
俺へ突っ掛かって、里長を罷免されたら転落人生まっしぐらってね。
逆に態度を改めた場合、ヒルデガルデさんに感心される。
そこからヒルデガルデさんとの交流することになり、色々と学ぶことになる。
その流れには、俺が新陳代謝魔法を掛けるシチュエーションもな。
さて、どうなるのかな?




