ココ以外には、襲われないのか?って?襲われますが、なにか?
そんな話しをしていると、門番さんがね。
「内容が異次元過ぎて、全く理解できん。
オーデット様は、どうなのです?」ってね。
この門番、絶対にオーデットさんに気があるよね!
「無理を言わんでくれ。
ヒルデガルデ様が匙を投げておられるのだぞ。
私が分かるハズがないではないか」
「しかし、ココは大丈夫みたいですが、他の町が襲われたりするのでしょうか?」
門番さんが、顎に手を遣りながら呟く。
まぁ、聞こえて来たからなぁ。
「そうですね。
ヒルゲインと言う町は、かなり危ないでしょう。
3日以降になりますが、襲われて壊滅しますよ。
勝手に手を出しても怒られそうだから、何もしてませんけどね」
そう教えたら、門番さんだけでなく、ヒルデガルデさんとオーデットさんも仰天してる。
どったの?
「と、と、藤吾ぉ!
ソナタ、近日中にドラゴンがヒルゲインを襲うと言うのかやっ!
それは、まことかっ!」
かなり慌ててるね。
「うーん。
今の時間軸だと、必ず襲われますね。
襲われない未来はないでしょう」ったらな。
「ソナタが先ほど告げた、パラレルワールドとやらの話しでは、未来は確定しておらなんだのでは?」
あら?
理解してんじゃん。
流石はヒルデガルデさん。
だけどね。
「さっきの話しだと、僕が小石を蹴ることを例にしました。
あの話しで、小石を蹴る選択をした後では、小石を蹴らない選択が行えなくなります。
パラレルワールド的には、ヒルゲインが襲われない時間軸も存在ささます。
ですが、襲われる要因が決定しているため、回避は不可能ですね。
襲われない時間軸へ移動したら、ヒルゲインが襲われないでしょう。
けど、この時間軸の結果は変わらないですから」
俺が説明すると、理解しようと頭を捻ってる。
まぁ、ヒルデガルデさんだけだがな。
他の方たちは、理解することを諦めているよ。
困ったもんだ。
「まぁ、町の方々は可哀想ですが、町長が悪いので仕方ないですね。
しかし、なんでドラゴンの卵なんか盗ませたのやら」
良く物語などで、ドラゴンの卵を採取なんて話がある。
アレ、物語だからね。
現実で実際にやるヤツはバカだな。
しかも下位ドラゴンへ托卵させてたエルダー種の卵を盗んでいる。
この事態を知ったエルダードラゴンは、エンシェントドラゴンおよびに竜族に相談。
近日中に卵を奪還するために、ヒルゲインを襲うことにな。
なにせ卵の所在は、母ドラゴンには筒抜けだ。
どうやらエルダードラゴンの能力らしい。
だから、ヒルゲインの町長宅へ保管されているのがバレている。
で、このバカ町長なんだがな。
自分の誕生日に食べるつもりらしい。
正気か?
しかも、盛大に開いたパーティでな。
そのことをヒルデガルデさんに伝える。
うん、呆れてるね。
「一度、襲うことを決めたドラゴン族や竜族は、卵を返しても止めませんよ。
まぁ、結界を張れば襲撃を防げますが、あんな嫌なヤツのためには、ゴメンですね」
本当に行け好かないヤツなんだわ。
汚職に無罪の人を陥れて財産を取り上げたりさ。
様々な悪事をね。
「しかし藤吾よ。
あの町には、無辜の民もおるでなぁ」
「それを救うのは、それを仕事にしている人ですよね?
少なくとも、僕ではありません」
ココで無償で助けたら、際限なくやらされるだろう。
似たようなことは、この世界では日常茶飯事だからな。
「そこを、なんとかならんかのぅ」
ふぅ。
師匠であるヒルデガルデさんを請われたなぁ。
しかも、ヒルデガルデさんが、得する訳でもないのに頼んでくるんだもん。
断り難いよね。
「なら!
対価として、僕の考え通りにさせて貰います。
それなら、行って良いですよ」ったらな。
「ソナタ、何をするつもりじゃ?」って聞かれたよ。
だからね。
「卵を盗んだヤツらと、盗むように指示したヤツらを捉えて、ドラゴン達に突き出します。
彼らが裁くでしょう。
町長の資産は、全て没収させて貰います。
この2点で、手を打ちましょう」
無償では、やらんからなっ!




