ドラゴンが襲って来る!って?いや、可能性の話しなんですが?
「ふぅ。
つくづく規格外じゃわい。
しかしのぅ。
今の時代に、人族を襲うドラゴンはおらんでなぁ」
そんなん分からんわさ。
「それって正邪竜戦役で、邪竜が敗れてこの地を去ったからですよね?」ったらな。
「ほっ!
まさか、その戦役を知っとるとはの。
ん?
ああ、そうか。
アカシックレコードであったか?
また転移門からかのぅ?」
うわぁ、やり難いなぁ。
俺が転移門経由でアカシックレコード情報を提供されてることを、瞬時に察せられたよ。
「そうですね。
この世界には、ドラゴン、竜、龍の3種類が存在するみたいですね。
ドラゴンは最上級ドラゴン以上でないと、話しもできないみたいですが、竜は幼体の頃から知能が高いみたいです。
そんな竜の中には、人族がアチコチへ町や集落を造るのを、疎ましく思っている一団がいたみたいなんです。
その竜を邪竜と呼んでいますが、正直、主義思考が異なるだけで、聖竜と変わりないんです。
つまり正邪竜戦役は、貴族などの政治闘争みたいなものですかね。
まぁ、人からしたら、人を邪魔者あつかいして襲って来るから邪竜あつかいですが。
つまり、破れても滅んではいないんです。
普通に存在していますから、襲って来ることもありますよ」
そう告げるとな。
「しかしじゃ。
今まで襲って来なかったのじゃぞ。
そう警戒せんでもよかろ?」
そう告げるヒルデガルデさんに、オーデットさんがね。
「ヒルデガルデ様。
その正邪竜戦役って、聞いたことないのですが?」
そう尋ねる。
それへ、な。
「ソナタは、あまり本を読まんからのぅ。
それに古い本ゆえ、トルトゥーナ皇国から持ち出すことも出来ぬ。
そう、数万年ほど前の話しじゃて。
知っておる方が稀じゃでな」
それを知ってるヒルデガルデさんも、大概チートでは?
まぁ、良いや。
「先ほどヒルデガルデさんが、僕がアカシックレコード情報を転移門から得ている、って言ったじゃないですか。
あの情報には可能性としてですが、未来情報もあります。
その情報に竜族に操られた下級ドラゴンが、ココを襲う未来もあったんですよ。
まぉ、可能性に過ぎないから、起こるかは不明ですけどね」
そう告げたらさ。
「なんじゃとぉ!
ドラゴンが、襲って来ると申すか!」
いや、そんなに騒がなでもさぁ。
「可能性ですよ。
確実では、ありませんから」
決定事項では、ありません!
「なぜ確実では無いと言えるのじゃ?」
そう不思議そうにな。
いや、教えても良いんだけど、理解できるかなぁ?
「僕の世界には、パラレルワールドって考えがあります」
「なんじゃ、それは?
関係あるのかや?」
いや、有るから話してんですけど?
「まぁ、聞いてください。
まず未来は、現時点を起点としても無数に別れます。
例えばですね、僕の目の前へ小石が有るじゃないですか。
これ、僕が蹴飛ばすとします。
が、その前に蹴飛そうとしないかもしれません。
コレで未来が2つ。
小石を蹴飛ばすか、蹴飛ばさないか。
このように別れます。
蹴飛ばす場合、空振るかもしれませんし、コロコロと転がるかも。
勢い良く蹴り過ぎて、飛んで行くかもしれません。
このように、未来は要因で様々に分岐し、それぞに世界は存在する訳です。
そんな多重世界のことを、パラレルワールドと呼びます。
つまり、ドラゴンが襲って来る未来は、パラレルワールドの1つであり、その未来へ繋がるかは分かりません。
僕的には、分かり易く言ったんですが、分かりました?」
そう聞いたんだけどさ。
「ふむ。
流吾じゃと、言うことは、分かったわえ」
つまり、理解できなかったんですね。
説明無理やん。
「で、ココをドラゴンが襲う可能性は、どの位なのじゃ?」
そんなん聞くからさ。
「多分、あまり襲われることは無いですし、襲われても結界で防ぎますから、大丈夫ですよ」
まぁ、結界張ったから、大丈夫っしょ!




