表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/203

ヒルデガルデさんとの押し問答。悪いのは、俺ぇ!?

門番さんに、そう尋ねられたヒルデガルデさんが、戸惑っている。

いや、なぜ戸惑う?


「いや、僕は、どこにでも居る普通の男子ですよ?

 一般人ですからね」


そう告げたらな。

「一般的な少年が、多数の精霊を召喚や顕現させんわい!

 しかも、自由に時を止めて行動できるなど、論外じゃからのっ!」


そんなん言うんですよ。

酷くね?


「魔法は、ヒルデガルデさんが魔本で教えてくれたからじゃないですか!

 時止めは、イキナリ僕に宿った転移門の力ですからね!

 僕は普通です!」


そうだよね!


「普通の少年が、全ての魔本に対して適正があるハズが無いわえ!

 しかも、精霊が恐れ慄くほどの力を宿しておろうが!」


「いや、それも転移門の力ですからね!

 それが使えるだけです!」


「十分、人外じゃわい!

 ちいたぁ、自分の状態を飲み込まんかぁ!」


いや、人には認めたくない時もあるのさ。

フッ。


ん?

似合わない?

認めたくなくとも事実?


テメぇが指摘すんな、転移門!

貴様が原因だろうがぁ!


え?

AIに苦情を告げるようなもの?

意味がないから止めたほうが良い?


コンニャロめっ!


「よく力ある者には義務があるとか、アホなことをのたまうバカもおる。

 そがぁな者は気にせんでええ。


 じゃが、言い訳みたいに自分の力を否定するのは、見苦しいだけじゃ。

 やめよ」


真剣に言われちゃったよ。

うーん。

確かに自分の状態に目を背けてたかな。


だって、認めたら自分は人間でないことになるんだぜ。

なんだか、怖いじゃん。


「別に人外じゃと、吹聴する必要などないのじゃ。

 ただ、自分が普通とか、一般人と言うのは止めよ。

 少なくとも、ソナタは我の弟子なのじゃ。

 その点でも、一般人ではあり得んわえ」


あーねぇ。

ヒルデガルデさんは、リバーウッズとドラグスケイルへ守護結界を施している魔術師だ。

そのため、この近辺での認知度や身分は高い。


その弟子である俺が、一般人であるハズがないからなぁ。

逆に、俺が一般人だと言い張れば、ヒルデガルデさんの面子を潰すことにもなる。


そらぁ、怒るか。


そんな俺たちの遣り取りを見ていた門番さんがな。


「なるほど。

 ヒルデガルデ様の弟子であり、凄い力を秘めた魔術師であると。

 時を止め、10柱の精霊を呼び出し維持している。

 うん、逆らうのは厳禁ですな。

 後で周知しておきましょう」


なんか知らんが、納得してくれたみたいだ。


「さて、里長のトコへ行くぞえ。

 守護結界を張ることを告げねばのぅ」


そんなん言うからさ、思わずな。

「わざわざ知らせるんです?」

そう言ってしまったよ。


「張ることは、別に許可は要らんのじゃがの。

 時が経てば結界は劣化するものじゃて。


 結界へ異変があれば知らせて貰うておるでな、張る前には知らせておるのじゃよ」


アッチャァー

不味かったかな?


「ん?

 藤吾や?

 ソナタ、なにか、しよったのかえ?」


いや、ヒルデガルデさん?

なんか鋭くね?


「なんで、そう思うんです?」

「そがぁな挙動不審な態度をとれば、誰でも気付くわい!

 で、何をしよった!

 吐けっ!」


いや、別に悪いことした訳ではないんだけどなぁ。


「いや、あのですね」

「なんじゃ?」

「結界張るって、言ってたから、僕にもできるかなぁー、なんて」


そう言ったらね、ヒルデガルデさんが、首を傾げる。


「別に、そう思うのは、悪くはないが?

 ハッ!

 まさか!

 藤吾ぉ、ソナタ、まさか結界を張ったのかや!?」


あー、バレた。


「そうですね。

 興味半分で掛けちゃいました。


 それで、ちょっとばかり、強度が増しまして。

 あと、僕の力場内なら劣化しないから、メンテナンスも不要になったりですね」


そう告げたら呆れられた。


「藤吾の力場は、この地方を覆うじゃろうが。

 つまり、藤吾がこの地方を去らねば、維持されるのじゃろ?」


そう問われたので、応じることに。


「いや、転移門を設置していますから、僕が不在でも結界は維持されますよ」ってね。


「うん、流吾じゃな。

 で、ちょっと強化したと言ったのぅ?

 どの位の強度になったのじゃ?」っうからな。


「ドラゴンに襲われても耐えられる程度ですかね」ってみた。


どだろ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ