さて、リバーウッズへ向おう。着いたら、むろん入りますよ!
まぁ、ここからリバーウッズまで7分も掛からない。
だから、ゆっくりしても問題はないんだがな。
「さて、あまり、ゆっくりも、してはおれんわえ。
行くかのぅ」
ヒルデガルデさんが、そう告げるから、皆んなが歩き始めたよ。
仕方ないか。
“身体強化”と“地走り”の魔法により、5分位でトンネルを抜ける。
「意外と短いトンネルじゃったのじゃな?」
5キロは、短いとは思えないのだが?
はて?
まぁ、突っ込んで、また説明モードは、しんどい、からな。
その侭で放置します、なにか?
トンネルを抜けると、リバーウッズまでは2キロ程度だ。
2分程度で着くからな。
橋も石造りなので、“地走り”の魔法も有効だ。
流石に木の橋には、“地走り”は使用できない。
地に属せず、樹に属するから、属性違いで使えないんだよ。
そう言う意味では、石造りの橋は都合が良かったと言えるだろう。
普通に歩いてさ、リバーウッズに着いたのにね。
「はぁ?
もぅ、リバーウッズへ、着いた、じゃ、とぉ!?」って、ヒルデガルデさんが、驚愕の声を。
後の3人?
諦め顔で、黙ってますね。
どったの?
まぁ、“地走り”魔法は人里だと事故が起こりそうだから解除しておく。
“身体強化”魔法は、完全に個人の制御下だから、自分でコントロールできるだろう。
だから問題ないハズだ。
リバーウッズへ入る門には、門番が。
ファンタジーなどでは、身分証の提示や、通行料が取られるものだが、そんな素振りはないな。
ん?
この地方には、そのような制度はない?
正式な支配者が不在であるため、下手に徴収すると揉め事になる?
あ、そなの?
身分証も、戸籍管理などされておらず、ギルドなども存在しない。
あー
互助組合が無い訳ね。
実は、日本にもギルドに相当する組織はある。
農協や漁協に商工会などだ。
まさに、互助組合だからな。
アレってさぁ、職業ごとにサポートしてくれる組織だよね。
それがないってことは、完全に個々で活動してんだ。
サポートなしって・・・
まぁ、身分照会や徴収がないなら、スンナリ入れるっしょ!
そんなん思ってました。
しかし、世の中てぇのは、そんなに甘くない。
「ん?
コレはオーデット様では、ありませぬか!
ヒルデガルデ様は、ご一緒ではないのですね。
しかし、お美しい方を護衛さるておられますが、ヒルデガルデ様の御身内の方なのでしょうか?」
いや、俺とマロンさんにタルトさんは、眼中に無しかい?
「ふむ。
我がヒルデガルデじゃが?
ちと、最近弟子にした魔法使いに、若返らされての。
この様になってしもうたのじゃ」
「はぁ?
揶揄ってらっしゃる?」
「ソナタを揶揄っても、なんの対価も得られぬわえ。
それより、同行しておる者に、召喚精霊様と顕現精霊様が居られる。
意識ある高位精霊様たちであるゆえ、くれぐれも、粗相がないようにの」
そう告げられ、視線を外してた門番がため息を。
「認めたく無かったんですが。
あの集団が全て精霊様なので?」
「そうじゃ。
なにやら、人里を見学したいらしゅうてな。
案内しておる」
「あ、さいで」
肩を落とすって、あんな感じなんだなぁ。
初めて見たや。
「さて、通るでな」
そうヒルデガルデさんが告げるとな。
「私も同行します」って、門番がね。
まぁ、他にも門番居るから、大丈夫だろう。
したらな。
「同行するのは構わんが、我が弟子にチョッカイ掛けるでないぞぇ。
セリアムやランビアルとか、ダイダラやデーヴァなどより、遥かに力を持っておるでな。
あ、そうそう、この弟子である藤吾は、時々考えられんことをするでな。
その際は、藤吾じゃから!、で、納得するようにの」
なんか酷い言われ方なんですが?
「1つ、お伺いしても?」
「なんじゃ?」
「ヒルデガルデ様の言を信じるとして、この少年はヒューマンなので?」
それ、ホモサピエンスか?っうこと?
ヒデェっ!




