転移門に改名ね、え?チート?なんのことかな?
ダンジョン穴を潜り異世界へ。
っか、これダンジョン穴っう呼び方は妥当じゃ無いよな?
転移門とでも呼び方変えるか?
それに、異世界の名前とか聞いて無かったし。
その辺りも尋ねないとな。
早速、呼び方を変えた転移門を潜り、アチラへと。
テーブルを挟んだ反対側へとね。
ちょっと興奮したヒルデガルデさんとの距離が近くなってたから、避ける訳ではないけど、距離をね。
俺が移動すると・・・唖然としていたヒルデガルデさんが硬直した。
うん、ミーアじゃないけど、飛び上がった、いや、飛び退ったな。
「え?
藤吾が消えておる?」
一瞬戸惑っていたが、コチラをバッと見る。
なにそれ?怖いんですが?
「異界から現れる気配ぞっ!
何者じゃ!
て、え?藤吾?かえ?
なんで、そこへ居るのじゃ???」
うん、ヒルデガルデさんは、混乱している!ってヤツだね。
「ここに転移門が在るって証明のため、一度、アチラへ戻って帰って来ました」
そう答えるとな。
「い、いや。
確かに、異界から現れる気配は感じられたのじゃが・・・どうしてソナタは、そこへ移動しておるのじゃ?
一瞬で移動したとしか、考えられぬのじゃが?」
俺は手をポンと叩き告げることに。
そう言えば、転移先の世界が時間停止することを言って無かったや。
「実はですね。
転移する前の世界から転移する世界を転移門経由で見ると、転移先世界の時間は停止しているんです。
私の世界からコチラの世界を転移門から見ると、コチラは時間が止まっています。
逆に、コチラから私の世界を見ると、私の世界は時間が止まっている訳ですね。
なので元の世界に戻り、転移門を移動してから帰って来ました」
そう告げたら、目玉が落ちると思えるほどに目を見開いて、ヒルデガルデさんが告げる。
「なんと無茶苦茶な。
しかも移動先を自分で操作可能じゃと?
ズルも過ぎるわえっ!」
いや、ズルと言われましてもねぇ。
「僕が作った訳ではないし、僕も何ができるか検証中なんですよ。
でも、この転移門のおかげで、ヒルデガルデさんに会えた訳ですし・・・」
俺が告げるとヒルデガルデさんが、ため息を吐いて言う。
「確かに、そうであるな。
で、他には、何が出来るのじゃ?」
そう尋ねて来たから、思っていたことを試してみる。
まずは、祖父の家。
父の実家を思い描く。
あ、転移先が。祖父の家になった。
わー
飛行機と電車、バスを乗り継ぎ、1日掛かりで辿り着く先が目の前に。
チートやぁ。
後、G○○gleアースで見た先。
行ったことも無い場所を思い描く。
わー
転移先が切り替わったよー
あ。
転移門を上空へ。
富士山の山頂を上空から見て、見えた先へ転移門を移動。
うん。
富士山の観測所内へも行けるな。
つまり、転移門を移動させれれば、知らない場所へも行けると。
そのことをヒルデガルデさんに告げるとな。
「ズルい!
ズルいのじゃぁっ!
そんな力があれば、遺跡探索を危なくなくできるではないか!
我が苦労して探索しておるのに、酷いのじゃ!」
いや、そんなことを言われましても、ねぇ。
「いや、勝手に出来るようになった訳でして。
ズルいと言われても」
ねぇ。
「それよりも、テーブルの上へ棚から壺を移動させたんですが、気付いてます?」ったらな、テーブルの上を見たよ。
したらな。
「いつの間に?
それに、その壺は、結構な重さがあったハズじゃえ。
藤吾は、意外と力持ちなのじゃのぅ」
そんなことをな。
だからテーブルへ近付き、壺を持とうと・・・無理ぃ!
「重っ!
何が入ってるんですか、これ!」
「魂石じゃぞ。
生き物の魂を封じ、魔術媒体にするための石じゃな。
まあ、人族の魂以外ではあるがな。
壺自体は軽いのじゃが、多くの魂石を入れておるゆえ重くなってのぅ。
魂石を出せば軽くはなるが、移すのが面倒で、そのままにしておったのじゃよ」
て、ことは。
転移門から転移先の物を持つ場合は、重量に影響しないってことか?
またチートが増えてんじゃねぇかっ!