完璧な説明でしたでしょ!え?理解してくれた?やったね!
完璧な説明に、皆が感動したのか固まってるな。
これで、分かったでしょ?
したらな。
「うむ。
理解した」
そだよね。
「我は理解した」
ん?
繰り返さんでも。
大事なことなのか?
「理解できんことを、理解したぁっ!」
理解できんのかい!
「なんでじゃぁっ!
完璧な説明だったじゃないですか!」
「分かるかぁ!
っか、我に理解できんのに、皆が理解できるハズがなかろうがっ!」
いや、皆さん?
頷かずとも、良いんですよ?
「そんなに難しかったかなぁ?」
ん?
転移門?
世界が違い、常識も違う。
さらに基礎知識も異なるため、俺の世界の人へ伝えるように告げても伝わらない?
え?
そなの?
そんなん説明するの無理やん。
俺、たんなる高校生だよ。
人に説明する経験なんて、あんまりしたこと無いからね。
したらな。
「皆の衆。
アレは、藤吾じゃ!」
ん?
ヒルデガルデさんが、なんか言い始めた。
なんだろ?
「藤吾が成すことを理解しようとは、思ってはならん!
理解不可能じゃからじゃ。
ゆえに、藤吾が成すことは、藤吾だから!っと思え!
良いか、藤吾、じゃから、じゃ!
しかし、一瞬にして、これほどのトンネルを創り上げるとはのぅ。
流吾じゃわい」
なんか、釈然としないんですが?
まぁ、良いか。
トンネルは5キロ程度かな。
トンネルを出てリバーウッズまで2キロ位だ。
山越だと、高低差なども鑑み12キロ位はあったかな。
アチラは、道が稜線に沿って折れ曲がってるしなぁ。
だから元は24キロ位の道程だった訳だ。
人が歩く速度は時速4キロ程度だから、6時間前後で着く予定だったんだろう。
今は、俺がトンネルを開通させたため、道程距離は17キロほどだろう。
移動速度は時速60キロ位かな。
だから館からリバーウッズまで17分程度で着くだろう。
ココからなら7キロだから7分だな。
直ぐに着くな、これ。
「はぁ。
藤吾と一緒に居ると、何が起こるか分からんわえ。
オーデット、いや、皆もじゃ。
よいな。
もう一度、言うぞえ。
藤吾だから、じゃ!
飲み込んだかえ?」
ヒルデガルデさんが告げるとな。
オーデットさんが泣きそうな顔でな。
「ヒルデガルデ様ぁ、無茶言わない出くださいよぉ」ってさ。
うーん。
マロンさんとタルトさんも、ブンブンと首を縦に振ってるな。
まぁ、良いか。
「さあ、行きましょうか」ったらな。
「なんか、流された!」って、オーデットさんが驚愕しています。
知らんがなぁ。
「しかしヤッパリ、ワーちゃんは面白いなぁ。
こんな経験、普通は顕現しても経験できないよね?」
「そうであるやなぁ。
食べる経験くらいはできそうやが、アノ味は味わえんやろなぁ」
フォーさんとアロンさんがな。
最近は、召喚精霊ズと話しているから、念話なんだよね。
だから、言葉を発するのは珍しい。
俺は精霊力を使えるだろ。
だから意識したら、精霊たちの声も聞こえるんだよ。
ま、面倒ごとになりそうだから、伝えないけどな。
しかしさぁ。
3人寄れば姦しい、っうけど、それは精霊も同じみたいだ。
皆さん、結構な、お喋りさん達です。
だから常時聞こえるようにしていると、五月蝿くて堪りません。
だから通常は、聞こえなくしている訳やね。
さて、皆を促し歩き始める。
したら、トンネル前でさ、皆んなが止まるんですが?
どったの?
「ほぅ。
コレは、見事な品であるなぁ」
そい告げるのは、ヒルデガルデさん。
彫刻や彫像をしきりに見ている。
「あ、その彫像はガーディアンですから。
生き物や、ヒルデガルデさんに害意を持つ者には、トンネルを使えないよう、ガードしているんです」ったらな。
「な、なんと!」って、驚いてたよ。
オーデットさんはな。
「トンネル内が明るい?
魔術か?」
そんな感じで、護衛視点でな。
「このトンネル、凄く清潔では?」
「清掃が行き届いてますねぇ」
使用人2人らしい感想だ。
個性が出ておもしろな。




