さぁてぇ、出掛けるかね。誰だ!ようやくか!ってんのはぁ!
まぁ、そんな余興はあったが、部屋から出て居間へと。
うん、精霊さん達が勢揃いですね。
「ワーちゃん、遅かったねぇ。
っと、言うか、さぁ。
ヒルデガルデさん、妙に疲れてない?」
そうなんだよね。
どったんだろ?
「みたいですね。
なんか疲れることでも、あったんでしょうか?」
そう告げるとな。
「ソナタが、それを言うのかえ?
もう、良いわい。
下手に薮を突いてヴァイパーが出ては堪らんでな」
ん?
ヴァイパー?
あ、巨大蛇ね。
へー
潜む時は体を引き延ばし、細くなるらしい。
草々の隙間へ体を這わせて、草を倒さないから分からないんだと。
しかも、潜む草々と同じ色へと体色を変化させるのだとか。
似たような格言があるものだね。
「さて、出掛けます?」ってみた。
「ふむ。
藤吾が居るで、何も要らんわなぁ。
オーデット。
支度はできておるかや?」
ん?
オーデット?
あ、若い方のメイドさんね。
へー
子爵家の騎士さんかぁ。
ヒルデガルデさんの護衛なんだね。
結構、腕が立つみたいで、剣もだけど、弓と投擲に長けているみたいだな。
攻撃系魔術も、多数習得しているみたいだ。
暗器も使い熟すようで、実際に暗殺はしたこと無いみたいだが、気配遮断と魔術にて無音化に景色同化を行えば、可能だろう。
まぁ、俺の索敵範囲からは逃れられないがな。
メイド服から戦士の出立ちへと。
金属鎧ではなく革鎧のようだ。
騎士の礼装としての金属鎧は、別にあるみたいだな。
ただ、普段の警護などでは動き易く軽い革鎧を使用するみたいだ。
そんな出立ちのオーデットさんがな。
「はい。
護衛する準備は整っておりますが・・・
本当に保存食や水は不要なので?」
困ったようにな。
「藤吾が居るでな。
コヤツが居れば、何でも出て来よるようじゃて。
まぁ、便利小僧とでも思っておれ」
いや、俺のあつかいっ!
いやまぁ、最早、車どころかモビルス○ツとかも創り出せるからなぁ。
ガ○ダムなんかも創れちゃうよ。
まぁ、コックピットへ慣性中和機構や、重力制御機能を搭載しないと、歩く棺桶になるんだが。
え?
創らないのか?って?
なんのために?
あんなデカくて邪魔なのは要らないかな。
アレ創るなら、高級車でも創る方がマシだ。
ドラゴンとか出て来たら、有効な武器になるなんて思うんだろうけどさ。
倒すなら、敵の内臓機能を時止めすれば良い。
内臓が体と切り離されたら、どんな生き物も死んじゃうからね。
だから大層な武器は不要なのさ。
「まぁ、便利使いしていただいても構いませんよ。
それより出掛けません?」
そう促したことで、館から出ることに。
同行者は、ヒルデガルデさんとオーデットさん。
2人の世話係で使用人女性が2人。
後は精霊ズ10人で、俺を合わせて15人だな。
館から出て歩きながら雑談を。
っか、オーデットさんが、ヒルデガルデさんへ確認か?
「ヒルデガルデ様。
あの者が、何でもできると仰っておりましたが、訳が分かりません。
学のない私にも分かるように、お教えいただけませんでしょうか?」
困り顔でな。
「うむ、分からんでも大丈夫じゃ。
我も分からんでな」
「い、いや。
それは、良いのでしょうか?」
困惑しとりますなぁ。
「藤吾を理解しようなど、人には無理じゃてな。
アレは藤吾。
何かあっても、藤吾、じゃからじゃ。
現に我が若返っておらう?
アレだけの怪我も癒えておる。
これは、藤吾が成したことじゃえ?
説明できるかのぅ?
我は諦めたゆえにのぅ。
じゃから、流吾じゃと、思っておれば良いわえ」
うーん?
褒められてるような、貶されてるような。
まぁ、良いか。
そんなことよりさぁ。
「歩く速度を上げません?」
ちと、ゆっくり過ぎる。
「無理を言うでないわえ。
我の体力では、あまり速く歩くと疲れて動けなくなるでな。
ゆっくりじゃが、確実にじゃて」
まぁ、理屈は分かる。
分かるんだけどさ。
方法があるんだよなぁ。
さて、提案するかね。




